BEATLESS(小説)

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&font(#6495ED){登録日}:2014/08/06 (水) 19:39:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 14 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &color(gray){その笑顔を僕は信じる} &color(gray){君に魂が無かったとしても――} } #contents() BEATLESSとは月刊誌「NewType」において2011年7月より連載された連続SF小説である。全14回。 著者は「[[円環少女]]」シリーズで人気を博したSF・ライトノベル作家の長谷敏司氏。イラストは「[[ギルティクラウン]]」等で知られるredjuice氏が手がけている。 現在は連載も終了しており、全14回分をまとめた単行本と電子書籍版、アニメ化に合わせ加筆修正を入れた文庫版が発売されている。単行本は表紙が驚きの白さで有名なため平積みしてたらすぐ発見できるであろう。 尚、連載時には存在していたredjuice氏による挿絵が単行本では挿入されていない。原作者の話ではこれは、一般の人でも手に取りやすくするためにこうしたとのこと。ただ、これらのイラストに関しては公式サイトで順次公開されている。 *■概要 元々はProject<Lacia>としてグッドスマイルカンパニーとの共同企画で立ち上げられた作品であり、原作者の言の寄れば「redjuice氏から貰ったヒロインのデザインから構成していった物語」であるとのこと。つまり、最初にヒロインの名前とデザインのみ決められており、そこからできた小説である。 そういった経緯があるため、かなり早くからメディア展開されており、フィギュアやコミカライズ、イメージサウンドトラック等のグッズが存在する。 とはいえ、決してビジュアルのみが評価されている作品という訳ではなく、その緻密な設定や「ヒト」と「モノ」の関係を描ききったストーリーはSF小説としても非常に高い評価を受けている。その年の日本SF大賞にノミネートされている事や、ベストSF2012において3位入賞している事実からもその事はうかがい知れるであろう。 2018年にはTVアニメ化している。 **○あらすじ #center(){ 今から100年後の未来。社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。 人類の知恵を超えた超高度AIが登場し、人類の技術をはるかに凌駕した物質「人類未倒産物(レッドボックス)」が生まれ始めた。 黒い棺桶のようなデバイスを持つレイシア。彼女こそが人類を超えた超高度AIによって作り出された「人類未倒産物」だった。 17歳の少年、遠藤アラトはレイシアと出会う。 人間がもてあます進化を遂げた人間そっくりの<モノ>を目の前にし、アラトは戸惑い、疑い、翻弄され、そしてあらゆる選択を迫られる。 信じるのか、信じないのか――。 「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガール。 彼女たちはなぜ生まれたのか。彼女たちの存在と人間の存在意義が問われる。 そして、 17歳の少年は決断する。 &color(red){BEATLESS それは 鼓動無きモノ} } <単行本帯、あらすじより> *■登場人物 **○人間 ・遠藤アラト  &color(brown){「やってみたら、出来ること、何も無い訳じゃなかったな」} CV [[吉永拓斗]] 主人公。&color(red){チョロい。} 新小岩井在住。地元の高校に通う2年生。17歳。 父はhIEの第一人者であり、現在単身赴任中のため家に帰らず、母は「父のいない家庭から去っていった」とのことで、現在は妹と共にマンションで二人暮らしをしている。 ある日の買い物帰りに「人類未倒産物」の一体であるレイシアと出会い、そのオーナーとなることで彼の運命は大きな転換を迎える事となる。 極度のお人好しであり、困っているものには手を差し伸べずにはいられない性格。また人間と似た姿形を持つhIEに対しても、それがモノだと理解しつつも、その行動に”こころ”が無いことを割り切る事ができず、結局は人間と同様に手を差し伸べてしまう(友人はアラトのそんな性質を&color(red){チョロい}と評しており、自身もその性質について自覚している)。 そのチョロさ故アナログハックにもかかりやすく、レイシアのオーナーとしてレイシアを使う事を「自分の決断」か「誘導されての事」なのかを度々悩むこととなるが、レイシアに対する愛情を捨てず、超高度AI「ヒギンズ」との対話への鍵となっていく。 ・遠藤ユカ &color(pink){「お兄ちゃん、スキ」} CV [[小野早稀]] アラトの妹。ビッチ。14歳。 両親のいない家で、兄であるアラトに甘やかされて育ったため天真爛漫で若干精神年齢が低く、いつもわがままでアラトを振り回している。とはいえ、兄であるアラトを思う気持ちは大きく、兄が面倒に巻き込まれた時は本気で心配していた。 同じく妹属性のオーリガや紫織とは度々「妹会議(要するにお茶会)」を開くほど仲が良い。 ・村主ケンゴ &color(corol){「バカですね。世界が、優しいはずないじゃないですか」} CV [[山下大輝]] アラトの友人。アラトと同じ高校に通う。 実家は定食店「さんふらわあ」を経営しているが、hIEを導入しておらず、hIEを導入している他店に押され経営が悪化しているため、hIEに対し複雑な気持ちを抱いている。 その鬱憤を晴らすため、反hIEの”ボランティア”である「抗体ネットワーク」に所属し、hIEを破壊する人間の手伝いをしている。 とはいえ、それ以外の部分では普通の高校生と同じでる。また、アラトに助けを求められた際、抗体ネットワークに処分されることを承知でアラトを助けたりもしており、アラトに対する友情にも篤い。 抗体ネットワークの繋がりから、レイシア級の一体である「紅霞」と関係を持つ事となる。 最初はhIEに対する危険認識をより強めていたが、彼女と行動を共にする内に次第に変化していく事となる。 ・村主オーリガ &color(Blue){「ユカちゃんはビッチ可愛いよ」} [[若井友希]] ケンゴの妹でユカの友人。15歳。 基本的にはおとなしいがたまに毒を吐く。「ビッチ可愛い」という迷言を生み出した張本人。 兄の不審な行動に対し心を痛めている。 ・海内遼 &color(Gray){「おまえは俺には初めての友達だ。でも、おまえにとっては何なんだろうな」} CV [[石川界人]] 通称「リョウ」。アラトの幼馴染。アラトと同じ高校に通う。 人間側のヒロイン。 超高度AI「ヒギンズ」を擁し、hIE産業の心臓部である行動管理クラウドを担う大企業「ミームフレーム社」の創業者一族の長男。 高校ではクラス中の女子に声をかける等の行動から軽い人間だと思われているが、大企業の御曹司として社会の暗部もそれなりに覗いており、幼少期に殺されかけたトラウマもあり根は冷静で基本的に他人を信用していない。 唯一といっていい例外がアラトであり、「とある事件」の後で自身に対し手を伸ばしてくれたアラトには心を開いている。 正体不明のhIEであり「人類未倒産物」であるレイシアがアラトと共にいる事をあまり快く思っておらず、度々アラトに対しレイシアを手放すよう警告しているが……。 また後半では事態に介入し妹やアラトを守るためあえて危険過ぎる「人類未倒産物」メトーデの新たなオーナーとなるが、「他人を信用出来ない」リョウと「命令を自己解釈する」メトーデでは互いにその力を生かしきれなかった。 ある意味では作中もっともアラトを心配している人物なのだが、性格が災いして空回りする事が多く損な役割が多く、妹にまで拒絶されてしまう。 ・海内紫織 &color(purple){「アラトさん、はしたないお願いですけれど、私に協力してくださいませんか?」} CV [[佐武宇綺]] 遼の妹でユカの友人。16歳。 遼の妹ではあるが、あることがきっかけで兄とはやや疎遠気味。そのためか、親友のユカやその兄アラトの方に対し寧ろ心を開いている。妹会議においては一番年上ということもあり二人を見守る姉役をすることが多い。 優秀で物腰は穏やか。正にお嬢様と呼ぶにふさわしい人物であるが、兄同様に社会の暗部もそれなりに覗いている。アラトに対し明確な好意を抱いており、それ故に「ヒト」と「モノ」をちがうモノであると割り切れないアラトがレイシアのオーナーをしていることを心配している。 レイシア級の一体である「メトーデ」の最初のオーナーだったが……。 明言されてはいないが最終的には通い妻に進化した模様。 ・エリカ・バロウズ CV 陶山恵実里 「バロウズ財団」の理事長兼傘下企業「ファビオンMG」のCEOであるセレブ少女。レイシア級最後の一体マリアージュ(正式名サトゥルヌス)のオーナーでもある。 肉体年齢的には17才だが、21世紀に不治の病から冷凍睡眠に入り、80年以上の後目覚めた「眠り姫」なため戸籍年齢は94歳だったり。 自分の幼少期からあまりにも変わった22世紀や、その過去や親の遺した財団から得た富等からくる周囲の視線等で世界を醒めた目で見るようになり、昔と変わらぬ生家からヒトを遠ざけ「モノ」だけを置いている。 いきなり現れたサトゥルヌスには最初不信感を抱くものの、気まぐれからコーヒーの「マリアージュ」の名を与え傍に置く様になり、その後はあくまで第3者としてだが事件や社会へと介入していく。 また彼女から得たレイシア級のデータを使い、&bold(){スノウドロップ以外のレイシア級&オーナーを家に招く}という無茶なこともしており、変革への願いから彼女達の争いを望むような発言を取っていた。 **○レイシア級hIE ・レイシア &color(Deepskyblue){人間に未だ明かされざる道具} CV [[東山奈央]] ヒロイン。レイシア級hIE5号機。 ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」、レイシア級hIEのひとつ。 逃げ出した先でスノウドロップに襲われているアラトと邂逅し、アラトとオーナー契約を結ぶ事となる。その後は遠藤家の一員としてアラトとユカと共に日々お送りつつも、アラトの危機や他のレイシア級の襲撃の際にはアラトの決断の元、その圧倒的な能力を以て問題解決にあたることとなる。また、物語中盤においてユカが(勝手に)応募したhIEモデルのオーディションにも受かり、新進気鋭のhIEモデルとして活動もしている。 アイスブルーの瞳と薄紫の髪を持つ美貌のhIEであり、その能力は(当たり前であるが)他のhIEに比べると頭抜けて高い。「人類未倒産物」として高度な電子戦能力と機体能力を持ち、所有するデバイス「BLACK MONOLITH」のロックを解除することでその能力は更に上昇する。 どんな危機的状況においても常に冷静な態度を失わず、アラトの決断をその頭脳と能力で支えている。 頭脳はレイシア級でも非常に高く、最終的には高い経済力を手に入れており、何事にも対する用意周到さとアラト以外に対する容赦の無さからラスボス系腹黒ヒロインとも言われたりしている。 hIE故、アラトに対しては一貫して自分に”こころ”はないという態度を崩さずにいる。当初は、それでも”こころ”を持つものとして接していたアラトであるが、いくつかの選択を超て、”こころ”のないモノであると理解されるものの、それでも尚、モノとして自らを愛するアラトに対し、レイシアもまた、モノとしてアラトに応える事を誓い、自身で認証ユニットを破壊し、ヒトとモノの新しい可能性を見い出す事となる。 ・スノウドロップ &color(yellowgreen){<進化の委託先(アウトソース)>としての道具} CV [[五十嵐裕美]] レイシア級hIE2号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 外見はエメラルドグリーンの瞳に淡緑色の髪をした&color(red){幼女}。 とはいえレイシア級のhIEが見た目通りの訳もなく、作中でも特に危険なhIEのひとつ。 舌足らずで外見を裏切らない喋り方をするものの、その思想は極論すれば「&bold(){人間なんかいらない}」というもの。なのでオーナーも必要としない。 作中においてはレイシア級としての能力を存分に振るい、人間社会に対し多くの厄災を振りまき、最終的には醜い怪物へと成り果て、最終決戦では「親」のヒギンズすら獲物認定してしまう。 服の下から、寄生することで他のhIEの行動管理権限を「ヒギンズ」から奪取する花弁型の機械を生み出すことが出来、それら用いる事で大量のhIEをゾンビのように操る事を主な戦法としている。 また「&color(yellowgreen){EMERALD HARMONY}」と呼ばれるデバイスを所有している。これは超高度結晶と呼ばれる超硬の外殻に包まれた歯型のデバイスであり、このデバイスで他の機械を噛み砕く事で対象の情報を読み取り、スノウドロップの機体内に取り込むことで、スノウドロップと対象を融合させることが出来る。 通称hIE版[[デビルガンダム]] ・紅霞 &color(red){<人間との競争に勝つため>の道具} CV [[佐武宇綺]] レイシア級hIE1号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 クリムゾンレッドの瞳と真紅の髪を持つ少女型hIE。 レイシア級の中でも最初に造られた機体であり、機体性能では他のレイシア級に対し遅れを取るものの、「人間との競争に勝つための道具」という用途が示す通りその戦闘能力は高い。 「人間との競争に勝つための道具」として製造された為か作中のレイシア級及びhIEの中ではもっとも人間臭い存在となっている。 一応「抗体ネットワーク」がオーナーとなっており、普段は「霞崎カレア」として活動している。 戦闘時には多彩な内蔵武器と高出力のレーザーを搭載した刃型デバイス「&color(red){BLOOD PLAYER}」を用いた戦闘を得意とする。 後半では、エリカから「未来への扉」を諭されたとき、人間たちの争いとしての道具に“出口の無さ”を認識し、モノにとっての未来に思い悩むが、協力者であるケンゴが抱えた友人たちへのコンプレックスを知り、自分自身の存在意義を改めて認識する事となる。 ・マリアージュ &color(gold){<環境を構築するもの>} CV [[下地紫野]] レイシア級hIE3号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 ブラウンの瞳に亜麻色の髪の女性型hIE。  他のレイシア級が「ヒギンズ」によって造り出されたものであるのに対し、彼女は他の超高度AIである「九龍」と「ヒギンズ」のクロスライセンスにより造られた機体であり、若干出自が違う。 他に比べて直接戦闘参加するのが基本的に無いので影が薄いながらレイシア級では一番の勝ち組。 元は「サトゥルヌス」という名であったが、現オーナーのエリカ・バロウズによりマリアージュという名に改名させられた。本人はマリアージュという名を気に入っている模様。 所有するデバイス「&color(gold){GOLD WEAVER}」は地面に突き立てるアンカーを持った、糸車のような形状。”モノ”を創造することが出来るデバイスであるが、設定した角度で糸車のハンドルを回す度にオーナーの了承を必要とする。 ・メトーデ &color(orange){<人間を拡張するもの>としての道具} [[雨宮天]] レイシア級hIE4号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 オレンジ色の髪をした女性型hIE。 五機のレイシア級の中でも最強の機体であり、自らと単体で渡り合えるレイシア級は「マリアージュ」だと言って憚らない。その発現を裏付けるように、作中においては初戦闘で「レイシア」を圧倒し、他のレイシア級二機を相手に対等に渡り合う程の機体性能を持つが、 「&bold(){複数人とオーナー契約可能で、かつオーナーに対し有能な人間である事を求め命令も勝手に自己解釈する}」という行動規範と主人となった人々の性格ゆえにオーナーとの信頼関係が一切築けず、作中においては一番の貧乏くじを引く羽目となる。 両掌にデバイス「&color(orange){LIBERATED FLAME}」と呼ばれる擬似フォノン兵器が付いている。これは、観測の極めて困難な粒子を空間中に散布することで、粒子を媒介として莫大なエネルギーを伝達出来る兵器である。その破壊力は作中でも最上級であり、何らかの対策をした装甲材でない限り、厚さ数センチ程度のモノであれば容易く打ち破る事ができる程。 また、このデバイスは両掌に付いているものを一部とし機体内の各所に内蔵されておりこのデバイスを用いることで機体の運動性能を底上げしている 実はコンセプトの関係上、最強でありながらレイシア級一番の欠陥機とされている。 *■用語 **○hIE 「humanoid Interface Elements」の略称。 「ハザード」と呼ばれる世界規模の大災害を経験した後の作中世界において、人類の仕事を代替すべく生み出された人型ロボット。 その行動はミームフレーム社の擁する超高度AI「ヒギンス」が提供する行動管理クラウドに準じており、hIEに感情の類は存在しない。 またクラウドは専用サーバーからのネットワークに依存するため、hIE内に「人工知能」的な回路は存在しない(用途によって様々な特化クラウドに接続する)。 作中世界においてhIEは一般社会レベルにまで浸透しており、人間がすべき多くの仕事を代替している。ケンゴの言に寄れば「自分たちが大人になる頃には人は何をする必要も無くなる」程に。 しかしながら、hIEのオーナーが自らの代わりにhIEを働かせ賃金を得ることが認められていることや、hIEに雇用を奪われたと感じる人間も少なくなく、未だに根強い反発を受けている事も事実である。 また、人間型のhIEのほかに愛護用の動物型ロボットであるaIE(animal Interface Elements)も社会に普及している。こちらも行動管理クラウドに準じて行動している。 **○アナログハック 人間の意識に対するハッキング。 hIEの行動は、行動管理クラウドに準じており、その動きに”こころ”の介在する余地は無い。しかしながら、人間と同じ姿形を持つhIEの動きに対し人間はhIEに”こころ”があると錯覚を覚える。”こころ”の無いhIEの行動に対し、見る側の人間が勝手に”意味”を付随させてしまうのだ。 そしてhIEの動きに勝手に”意味”を見出した人間の「感情の動き」というアナログ的なセキュリティホールを利用し、意識そのものに対してハッキングを行うことを「アナログハック」と呼ぶ。 作中ではこれをキティちゃんのプリントされたマグカップを用いて説明しているが、俺らに解りやすく説明するならばアニメやギャルゲのキャラクタに対し萌えの感情を抱く事も一種のアナログハックと言える(アニメやギャルゲのような感情を持たないプログラムの言動に対し「萌え」という「感情の動き」を喚起させられる)。 また21世紀生まれのエリカはこれを「ミーム(文化的な「模倣子」)」の現在の形とも捉えている。 **○超高度AI 人間の知能を凌駕した人工知能のこと。 本編開始時には計39台の超高度AIが稼働しているものの、過去日本で災害対処のため超高度AIにインフラを一任したせいで「ハザード」が発生したため(これを語ったAI曰く事態収拾のため超高度AIを破壊した事もまた被害拡大に繋がったそうだが)、 その多くは人類の根幹に関わるようなインフラに接続することが禁止されている(「ハザード」での機械的過ぎる判断での人的被害の他、人類知性を超えた超高度AIがインフラに関わり、万が一反旗を翻す様なことがあればなすすべなく人類が滅亡してしまうため)。 **○人類未倒産物(レッドボックス) 超高度AIにより作成された「人類が未だ到達していない」レベルの産物群。未来を先取りした技術と使用した産物、といえば解りやすいか。 作中における技術開発はこの人類未倒産物を解析することで「未来の技術を理解する」やり方が主流となっており、「新たな技術を生み出す」かたちの技術開発は殆ど行われていないのが実情である。 因みにレッドボックスと呼ばれる所以は、観測者から遠ざかる光が赤から黒へと変化するように「人類が追いすがらなければいずれブラックボックスへ変化してしまう」ということから。 **○レイシア級 超高度AI「ヒギンス」の生み出した「人類未倒産物」のhIE。全部で五体のレイシア級が存在し、それらのレイシア級が、製作元のミームフレーム社から脱走した時点から本編は回りだす。 通常のhIEよりも明らかに高性能である他、「デバイス」と呼ばれる超高性能の道具を所有する。デバイスは五体のレイシア級がそれぞれ別のモノを持ち、その性能も様々であるが、いずれにしても現在の人間の技術では作成不可能な程の性能を誇る。デバイスもまた「人類未倒産物」のひとつであり、レイシア級は「レイシア級hIE主機」と「そのデバイス」の二つで一つの不可分な関係である。 全てのレイシア級は、それぞれ別の「造られた意味」を持ち、ミームフレーム社脱走後はそれぞれがその意味を果たすために活動している。 *■備考 ・前述のとおりコミカライズも存在し、本編四章までを描いた「BEATLESS-dystopia-/鶯神楽」と、いわゆるSD化ギャグ漫画の「びーとれすっ/Kila」、そして同一世界観の「天動のシンギュラリティ/大崎ミツル(漫画)砂阿久雁(ストーリー協力)」の三種類が存在する。(/以降はいずれも作者名) ・また、同氏による短編集「My humanity」にも同一世界観を描いた短編「Hollow vision」が掲載されている。 ・同氏の長編作品にしては珍しく&color(red){ヒロインが幼女ではない}ためそのあたりは注意。もっとも主要キャラに幼女らしきモノは存在するが。 ・本世界観を用いた企画「Analoghack Open Resource」が存在する。 これはBEATLESSの設定・世界観を誰でも自由に使用できるよう開放する試みであり、簡単に言えば「本作の設定を用いて一次創作を作成出来る」ということである。ニュアンス的にはアメコミ等でよくあるシェアワールド的なものに近いか。 無論、設定を開放とはいうものの、ポリシーは存在するため、詳しく知りたい人は画「Analoghack Open Resource」のサイト内を観る事。 また、創作をする気が無い人であってもBEATLESSの世界観が気に入ったのであれば設定資料集的なものとして読むことができるためおすすめである。 ・令和仮面ライダー1作目の[[仮面ライダーゼロワン]]は本作と似た世界観となっており、こちらも人とAIの交流が描かれている。 追記・修正よろしくお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,7) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 申請から作成までかなり時間かかってしまってすみませんでした。申請時には半分近くできてたからもっと早く作れるお思ってたんだが… -- 名無しさん (2014-08-06 20:04:08) - アニメあるんだっけ? -- 名無しさん (2014-08-06 20:58:14) - ふつくしい表紙に惹かれて2年くらい前に買ったけどいまだに読めていない -- 名無しさん (2014-08-06 21:17:03) - ↑↑アニメにはなってないね -- 名無しさん (2014-08-13 17:57:40) - ↑これからアニメになるっていうのは聞いたな。発表されたのは最近のことだが -- 名無しさん (2017-12-24 18:22:46) - 良いアニメだったのに何故コメがこんなに薄いんだ -- 名無しさん (2018-10-28 14:06:19) - ↑サイバーセキュリティタイアップの贄にされたから -- 名無しさん (2018-11-09 23:06:55) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2014/08/06 (水) 19:39:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 14 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &color(gray){その笑顔を僕は信じる} &color(gray){君に魂が無かったとしても――} } #contents() BEATLESSとは月刊誌「NewType」において2011年7月より連載された連続SF小説である。全14回。 著者は「[[円環少女]]」シリーズで人気を博したSF・ライトノベル作家の長谷敏司氏。イラストは「[[ギルティクラウン]]」等で知られるredjuice氏が手がけている。 現在は連載も終了しており、全14回分をまとめた単行本と電子書籍版、アニメ化に合わせ加筆修正を入れた文庫版が発売されている。単行本は表紙が驚きの白さで有名なため平積みしてたらすぐ発見できるであろう。 尚、連載時には存在していたredjuice氏による挿絵が単行本では挿入されていない。原作者の話ではこれは、一般の人でも手に取りやすくするためにこうしたとのこと。ただ、これらのイラストに関しては公式サイトで順次公開されている。 *■概要 元々はProject<Lacia>としてグッドスマイルカンパニーとの共同企画で立ち上げられた作品であり、原作者の言の寄れば「redjuice氏から貰ったヒロインのデザインから構成していった物語」であるとのこと。つまり、最初にヒロインの名前とデザインのみ決められており、そこからできた小説である。 そういった経緯があるため、かなり早くからメディア展開されており、フィギュアやコミカライズ、イメージサウンドトラック等のグッズが存在する。 とはいえ、決してビジュアルのみが評価されている作品という訳ではなく、その緻密な設定や「ヒト」と「モノ」の関係を描ききったストーリーはSF小説としても非常に高い評価を受けている。その年の日本SF大賞にノミネートされている事や、ベストSF2012において3位入賞している事実からもその事はうかがい知れるであろう。 2018年にはTVアニメ化している。 **○あらすじ #center(){ 今から100年後の未来。社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。 人類の知恵を超えた超高度AIが登場し、人類の技術をはるかに凌駕した物質「人類未倒産物(レッドボックス)」が生まれ始めた。 黒い棺桶のようなデバイスを持つレイシア。彼女こそが人類を超えた超高度AIによって作り出された「人類未倒産物」だった。 17歳の少年、遠藤アラトはレイシアと出会う。 人間がもてあます進化を遂げた人間そっくりの<モノ>を目の前にし、アラトは戸惑い、疑い、翻弄され、そしてあらゆる選択を迫られる。 信じるのか、信じないのか――。 「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガール。 彼女たちはなぜ生まれたのか。彼女たちの存在と人間の存在意義が問われる。 そして、 17歳の少年は決断する。 &color(red){BEATLESS それは 鼓動無きモノ} } <単行本帯、あらすじより> *■登場人物 **○人間 ・遠藤アラト  &color(brown){「やってみたら、出来ること、何も無い訳じゃなかったな」} CV [[吉永拓斗]] 主人公。&color(red){チョロい。} 新小岩井在住。地元の高校に通う2年生。17歳。 父はhIEの第一人者であり、現在単身赴任中のため家に帰らず、母は「父のいない家庭から去っていった」とのことで、現在は妹と共にマンションで二人暮らしをしている。 ある日の買い物帰りに「人類未倒産物」の一体であるレイシアと出会い、そのオーナーとなることで彼の運命は大きな転換を迎える事となる。 極度のお人好しであり、困っているものには手を差し伸べずにはいられない性格。また人間と似た姿形を持つhIEに対しても、それがモノだと理解しつつも、その行動に”こころ”が無いことを割り切る事ができず、結局は人間と同様に手を差し伸べてしまう(友人はアラトのそんな性質を&color(red){チョロい}と評しており、自身もその性質について自覚している)。 そのチョロさ故アナログハックにもかかりやすく、レイシアのオーナーとしてレイシアを使う事を「自分の決断」か「誘導されての事」なのかを度々悩むこととなるが、レイシアに対する愛情を捨てず、超高度AI「ヒギンズ」との対話への鍵となっていく。 ・遠藤ユカ &color(pink){「お兄ちゃん、スキ」} CV [[小野早稀]] アラトの妹。ビッチ。14歳。 両親のいない家で、兄であるアラトに甘やかされて育ったため天真爛漫で若干精神年齢が低く、いつもわがままでアラトを振り回している。とはいえ、兄であるアラトを思う気持ちは大きく、兄が面倒に巻き込まれた時は本気で心配していた。 同じく妹属性のオーリガや紫織とは度々「妹会議(要するにお茶会)」を開くほど仲が良い。 ・村主ケンゴ &color(corol){「バカですね。世界が、優しいはずないじゃないですか」} CV [[山下大輝]] アラトの友人。アラトと同じ高校に通う。 実家は定食店「さんふらわあ」を経営しているが、hIEを導入しておらず、hIEを導入している他店に押され経営が悪化しているため、hIEに対し複雑な気持ちを抱いている。 その鬱憤を晴らすため、反hIEの”ボランティア”である「抗体ネットワーク」に所属し、hIEを破壊する人間の手伝いをしている。 とはいえ、それ以外の部分では普通の高校生と同じでる。また、アラトに助けを求められた際、抗体ネットワークに処分されることを承知でアラトを助けたりもしており、アラトに対する友情にも篤い。 抗体ネットワークの繋がりから、レイシア級の一体である「紅霞」と関係を持つ事となる。 最初はhIEに対する危険認識をより強めていたが、彼女と行動を共にする内に次第に変化していく事となる。 ・村主オーリガ &color(Blue){「ユカちゃんはビッチ可愛いよ」} [[若井友希]] ケンゴの妹でユカの友人。15歳。 基本的にはおとなしいがたまに毒を吐く。「ビッチ可愛い」という迷言を生み出した張本人。 兄の不審な行動に対し心を痛めている。 ・海内遼 &color(Gray){「おまえは俺には初めての友達だ。でも、おまえにとっては何なんだろうな」} CV [[石川界人]] 通称「リョウ」。アラトの幼馴染。アラトと同じ高校に通う。 人間側のヒロイン。 超高度AI「ヒギンズ」を擁し、hIE産業の心臓部である行動管理クラウドを担う大企業「ミームフレーム社」の創業者一族の長男。 高校ではクラス中の女子に声をかける等の行動から軽い人間だと思われているが、大企業の御曹司として社会の暗部もそれなりに覗いており、幼少期に殺されかけたトラウマもあり根は冷静で基本的に他人を信用していない。 唯一といっていい例外がアラトであり、「とある事件」の後で自身に対し手を伸ばしてくれたアラトには心を開いている。 正体不明のhIEであり「人類未倒産物」であるレイシアがアラトと共にいる事をあまり快く思っておらず、度々アラトに対しレイシアを手放すよう警告しているが……。 また後半では事態に介入し妹やアラトを守るためあえて危険過ぎる「人類未倒産物」メトーデの新たなオーナーとなるが、「他人を信用出来ない」リョウと「命令を自己解釈する」メトーデでは互いにその力を生かしきれなかった。 ある意味では作中もっともアラトを心配している人物なのだが、性格が災いして空回りする事が多く損な役割が多く、妹にまで拒絶されてしまう。 ・海内紫織 &color(purple){「アラトさん、はしたないお願いですけれど、私に協力してくださいませんか?」} CV [[佐武宇綺]] 遼の妹でユカの友人。16歳。 遼の妹ではあるが、あることがきっかけで兄とはやや疎遠気味。そのためか、親友のユカやその兄アラトの方に対し寧ろ心を開いている。妹会議においては一番年上ということもあり二人を見守る姉役をすることが多い。 優秀で物腰は穏やか。正にお嬢様と呼ぶにふさわしい人物であるが、兄同様に社会の暗部もそれなりに覗いている。アラトに対し明確な好意を抱いており、それ故に「ヒト」と「モノ」をちがうモノであると割り切れないアラトがレイシアのオーナーをしていることを心配している。 レイシア級の一体である「メトーデ」の最初のオーナーだったが……。 明言されてはいないが最終的には通い妻に進化した模様。 ・エリカ・バロウズ CV 陶山恵実里 「バロウズ財団」の理事長兼傘下企業「ファビオンMG」のCEOであるセレブ少女。レイシア級最後の一体マリアージュ(正式名サトゥルヌス)のオーナーでもある。 肉体年齢的には17才だが、21世紀に不治の病から冷凍睡眠に入り、80年以上の後目覚めた「眠り姫」なため戸籍年齢は94歳だったり。 自分の幼少期からあまりにも変わった22世紀や、その過去や親の遺した財団から得た富等からくる周囲の視線等で世界を醒めた目で見るようになり、昔と変わらぬ生家からヒトを遠ざけ「モノ」だけを置いている。 いきなり現れたサトゥルヌスには最初不信感を抱くものの、気まぐれからコーヒーの「マリアージュ」の名を与え傍に置く様になり、その後はあくまで第3者としてだが事件や社会へと介入していく。 また彼女から得たレイシア級のデータを使い、&bold(){スノウドロップ以外のレイシア級&オーナーを家に招く}という無茶なこともしており、変革への願いから彼女達の争いを望むような発言を取っていた。 **○レイシア級hIE ・レイシア &color(Deepskyblue){人間に未だ明かされざる道具} CV [[東山奈央]] ヒロイン。レイシア級hIE5号機。 ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」、レイシア級hIEのひとつ。 逃げ出した先でスノウドロップに襲われているアラトと邂逅し、アラトとオーナー契約を結ぶ事となる。その後は遠藤家の一員としてアラトとユカと共に日々お送りつつも、アラトの危機や他のレイシア級の襲撃の際にはアラトの決断の元、その圧倒的な能力を以て問題解決にあたることとなる。また、物語中盤においてユカが(勝手に)応募したhIEモデルのオーディションにも受かり、新進気鋭のhIEモデルとして活動もしている。 アイスブルーの瞳と薄紫の髪を持つ美貌のhIEであり、その能力は(当たり前であるが)他のhIEに比べると頭抜けて高い。「人類未倒産物」として高度な電子戦能力と機体能力を持ち、所有するデバイス「BLACK MONOLITH」のロックを解除することでその能力は更に上昇する。 どんな危機的状況においても常に冷静な態度を失わず、アラトの決断をその頭脳と能力で支えている。 頭脳はレイシア級でも非常に高く、最終的には高い経済力を手に入れており、何事にも対する用意周到さとアラト以外に対する容赦の無さからラスボス系腹黒ヒロインとも言われたりしている。 hIE故、アラトに対しては一貫して自分に”こころ”はないという態度を崩さずにいる。当初は、それでも”こころ”を持つものとして接していたアラトであるが、いくつかの選択を超て、”こころ”のないモノであると理解されるものの、それでも尚、モノとして自らを愛するアラトに対し、レイシアもまた、モノとしてアラトに応える事を誓い、自身で認証ユニットを破壊し、ヒトとモノの新しい可能性を見い出す事となる。 ・スノウドロップ &color(yellowgreen){<進化の委託先(アウトソース)>としての道具} CV [[五十嵐裕美]] レイシア級hIE2号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 外見はエメラルドグリーンの瞳に淡緑色の髪をした&color(red){幼女}。 とはいえレイシア級のhIEが見た目通りの訳もなく、作中でも特に危険なhIEのひとつ。 舌足らずで外見を裏切らない喋り方をするものの、その思想は極論すれば「&bold(){人間なんかいらない}」というもの。なのでオーナーも必要としない。 作中においてはレイシア級としての能力を存分に振るい、人間社会に対し多くの厄災を振りまき、最終的には醜い怪物へと成り果て、最終決戦では「親」のヒギンズすら獲物認定してしまう。 服の下から、寄生することで他のhIEの行動管理権限を「ヒギンズ」から奪取する花弁型の機械を生み出すことが出来、それら用いる事で大量のhIEをゾンビのように操る事を主な戦法としている。 また「&color(yellowgreen){EMERALD HARMONY}」と呼ばれるデバイスを所有している。これは超高度結晶と呼ばれる超硬の外殻に包まれた歯型のデバイスであり、このデバイスで他の機械を噛み砕く事で対象の情報を読み取り、スノウドロップの機体内に取り込むことで、スノウドロップと対象を融合させることが出来る。 通称hIE版[[デビルガンダム]] ・紅霞 &color(red){<人間との競争に勝つため>の道具} CV [[佐武宇綺]] レイシア級hIE1号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 クリムゾンレッドの瞳と真紅の髪を持つ少女型hIE。 レイシア級の中でも最初に造られた機体であり、機体性能では他のレイシア級に対し遅れを取るものの、「人間との競争に勝つための道具」という用途が示す通りその戦闘能力は高い。 「人間との競争に勝つための道具」として製造された為か作中のレイシア級及びhIEの中ではもっとも人間臭い存在となっている。 一応「抗体ネットワーク」がオーナーとなっており、普段は「霞崎カレア」として活動している。 戦闘時には多彩な内蔵武器と高出力のレーザーを搭載した刃型デバイス「&color(red){BLOOD PLAYER}」を用いた戦闘を得意とする。 後半では、エリカから「未来への扉」を諭されたとき、人間たちの争いとしての道具に“出口の無さ”を認識し、モノにとっての未来に思い悩むが、協力者であるケンゴが抱えた友人たちへのコンプレックスを知り、自分自身の存在意義を改めて認識する事となる。 ・マリアージュ &color(gold){<環境を構築するもの>} CV [[下地紫野]] レイシア級hIE3号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 ブラウンの瞳に亜麻色の髪の女性型hIE。  他のレイシア級が「ヒギンズ」によって造り出されたものであるのに対し、彼女は他の超高度AIである「九龍」と「ヒギンズ」のクロスライセンスにより造られた機体であり、若干出自が違う。 他に比べて直接戦闘参加するのが基本的に無いので影が薄いながらレイシア級では一番の勝ち組。 元は「サトゥルヌス」という名であったが、現オーナーのエリカ・バロウズによりマリアージュという名に改名させられた。本人はマリアージュという名を気に入っている模様。 所有するデバイス「&color(gold){GOLD WEAVER}」は地面に突き立てるアンカーを持った、糸車のような形状。”モノ”を創造することが出来るデバイスであるが、設定した角度で糸車のハンドルを回す度にオーナーの了承を必要とする。 ・メトーデ &color(orange){<人間を拡張するもの>としての道具} [[雨宮天]] レイシア級hIE4号機。ミームフレーム社から逃げ出した「人類未倒産物」のひとつ。 オレンジ色の髪をした女性型hIE。 五機のレイシア級の中でも最強の機体であり、自らと単体で渡り合えるレイシア級は「マリアージュ」だと言って憚らない。その発現を裏付けるように、作中においては初戦闘で「レイシア」を圧倒し、他のレイシア級二機を相手に対等に渡り合う程の機体性能を持つが、 「&bold(){複数人とオーナー契約可能で、かつオーナーに対し有能な人間である事を求め命令も勝手に自己解釈する}」という行動規範と主人となった人々の性格ゆえにオーナーとの信頼関係が一切築けず、作中においては一番の貧乏くじを引く羽目となる。 両掌にデバイス「&color(orange){LIBERATED FLAME}」と呼ばれる擬似フォノン兵器が付いている。これは、観測の極めて困難な粒子を空間中に散布することで、粒子を媒介として莫大なエネルギーを伝達出来る兵器である。その破壊力は作中でも最上級であり、何らかの対策をした装甲材でない限り、厚さ数センチ程度のモノであれば容易く打ち破る事ができる程。 また、このデバイスは両掌に付いているものを一部とし機体内の各所に内蔵されておりこのデバイスを用いることで機体の運動性能を底上げしている 実はコンセプトの関係上、最強でありながらレイシア級一番の欠陥機とされている。 *■用語 **○hIE 「humanoid Interface Elements」の略称。 「ハザード」と呼ばれる世界規模の大災害を経験した後の作中世界において、人類の仕事を代替すべく生み出された人型ロボット。 その行動はミームフレーム社の擁する超高度AI「ヒギンス」が提供する行動管理クラウドに準じており、hIEに感情の類は存在しない。 またクラウドは専用サーバーからのネットワークに依存するため、hIE内に「人工知能」的な回路は存在しない(用途によって様々な特化クラウドに接続する)。 作中世界においてhIEは一般社会レベルにまで浸透しており、人間がすべき多くの仕事を代替している。ケンゴの言に寄れば「自分たちが大人になる頃には人は何をする必要も無くなる」程に。 しかしながら、hIEのオーナーが自らの代わりにhIEを働かせ賃金を得ることが認められていることや、hIEに雇用を奪われたと感じる人間も少なくなく、未だに根強い反発を受けている事も事実である。 また、人間型のhIEのほかに愛護用の動物型ロボットであるaIE(animal Interface Elements)も社会に普及している。こちらも行動管理クラウドに準じて行動している。 **○アナログハック 人間の意識に対するハッキング。 hIEの行動は、行動管理クラウドに準じており、その動きに”こころ”の介在する余地は無い。しかしながら、人間と同じ姿形を持つhIEの動きに対し人間はhIEに”こころ”があると錯覚を覚える。”こころ”の無いhIEの行動に対し、見る側の人間が勝手に”意味”を付随させてしまうのだ。 そしてhIEの動きに勝手に”意味”を見出した人間の「感情の動き」というアナログ的なセキュリティホールを利用し、意識そのものに対してハッキングを行うことを「アナログハック」と呼ぶ。 作中ではこれをキティちゃんのプリントされたマグカップを用いて説明しているが、俺らに解りやすく説明するならばアニメやギャルゲのキャラクタに対し萌えの感情を抱く事も一種のアナログハックと言える(アニメやギャルゲのような感情を持たないプログラムの言動に対し「萌え」という「感情の動き」を喚起させられる)。 また21世紀生まれのエリカはこれを「ミーム(文化的な「模倣子」)」の現在の形とも捉えている。 **○超高度AI 人間の知能を凌駕した人工知能のこと。 本編開始時には計39台の超高度AIが稼働しているものの、過去日本で災害対処のため超高度AIにインフラを一任したせいで「ハザード」が発生したため(これを語ったAI曰く事態収拾のため超高度AIを破壊した事もまた被害拡大に繋がったそうだが)、 その多くは人類の根幹に関わるようなインフラに接続することが禁止されている(「ハザード」での機械的過ぎる判断での人的被害の他、人類知性を超えた超高度AIがインフラに関わり、万が一反旗を翻す様なことがあればなすすべなく人類が滅亡してしまうため)。 **○人類未倒産物(レッドボックス) 超高度AIにより作成された「人類が未だ到達していない」レベルの産物群。未来を先取りした技術と使用した産物、といえば解りやすいか。 作中における技術開発はこの人類未倒産物を解析することで「未来の技術を理解する」やり方が主流となっており、「新たな技術を生み出す」かたちの技術開発は殆ど行われていないのが実情である。 因みにレッドボックスと呼ばれる所以は、観測者から遠ざかる光が赤から黒へと変化するように「人類が追いすがらなければいずれブラックボックスへ変化してしまう」ということから。 **○レイシア級 超高度AI「ヒギンス」の生み出した「人類未倒産物」のhIE。全部で五体のレイシア級が存在し、それらのレイシア級が、製作元のミームフレーム社から脱走した時点から本編は回りだす。 通常のhIEよりも明らかに高性能である他、「デバイス」と呼ばれる超高性能の道具を所有する。デバイスは五体のレイシア級がそれぞれ別のモノを持ち、その性能も様々であるが、いずれにしても現在の人間の技術では作成不可能な程の性能を誇る。デバイスもまた「人類未倒産物」のひとつであり、レイシア級は「レイシア級hIE主機」と「そのデバイス」の二つで一つの不可分な関係である。 全てのレイシア級は、それぞれ別の「造られた意味」を持ち、ミームフレーム社脱走後はそれぞれがその意味を果たすために活動している。 *■備考 ・前述のとおりコミカライズも存在し、本編四章までを描いた「BEATLESS-dystopia-/鶯神楽」と、いわゆるSD化ギャグ漫画の「びーとれすっ/Kila」、そして同一世界観の「天動のシンギュラリティ/大崎ミツル(漫画)砂阿久雁(ストーリー協力)」の三種類が存在する。(/以降はいずれも作者名) ・また、同氏による短編集「My humanity」にも同一世界観を描いた短編「Hollow vision」が掲載されている。 ・同氏の長編作品にしては珍しく&color(red){ヒロインが幼女ではない}ためそのあたりは注意。もっとも主要キャラに幼女らしきモノは存在するが。 ・本世界観を用いた企画「Analoghack Open Resource」が存在する。 これはBEATLESSの設定・世界観を誰でも自由に使用できるよう開放する試みであり、簡単に言えば「本作の設定を用いて一次創作を作成出来る」ということである。ニュアンス的にはアメコミ等でよくあるシェアワールド的なものに近いか。 無論、設定を開放とはいうものの、ポリシーは存在するため、詳しく知りたい人は画「Analoghack Open Resource」のサイト内を観る事。 また、創作をする気が無い人であってもBEATLESSの世界観が気に入ったのであれば設定資料集的なものとして読むことができるためおすすめである。 ・令和仮面ライダー1作目の[[仮面ライダーゼロワン]]は本作と似た世界観となっており、こちらも人とAIの交流が描かれている。 追記・修正よろしくお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,7) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 申請から作成までかなり時間かかってしまってすみませんでした。申請時には半分近くできてたからもっと早く作れるお思ってたんだが… -- 名無しさん (2014-08-06 20:04:08) - アニメあるんだっけ? -- 名無しさん (2014-08-06 20:58:14) - ふつくしい表紙に惹かれて2年くらい前に買ったけどいまだに読めていない -- 名無しさん (2014-08-06 21:17:03) - ↑↑アニメにはなってないね -- 名無しさん (2014-08-13 17:57:40) - ↑これからアニメになるっていうのは聞いたな。発表されたのは最近のことだが -- 名無しさん (2017-12-24 18:22:46) - 良いアニメだったのに何故コメがこんなに薄いんだ -- 名無しさん (2018-10-28 14:06:19) - ↑サイバーセキュリティタイアップの贄にされたから -- 名無しさん (2018-11-09 23:06:55) - アニメ版はあの水島精二監督が倒れて白髪になる程スケジュール悪かったみたいだからなぁ -- 名無しさん (2019-10-02 15:15:21) #comment #areaedit(end) }

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