「SCP-2719」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
SCP-2719 - (2019/05/01 (水) 17:54:39) の最新版との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
&font(#6495ED){登録日}:2016/10/31 Mon 01:00:06
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます
----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----
#center(){&font(b,i){外側が内側になり、内側が内側となった。この時内側は外側であるか内側であるか。}}
SCP-2719はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場するオブジェクト(SCiP)のひとつである。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はKeter。
項目名は『Inside』。日本語名もそのまま『内側』である。
#contents()
*概要
まずはじめに申し上げておくと、この項目はトップクラスに特別収容プロトコル及びオブジェクト説明が短い記事である。
なにしろ特別収容プロトコルが
>SCP-2719は内側に留め置かれなければなりません。
というなにがなんだかわからない一文で終了しており、概要も
>SCP-2719は可変性抽象的-形而上学的概念構成ポインタです。SCP-2719によって影響された概念は内側に入るか内側になります。SCP-2719についての更なる情報は知覚ある生物学的職員に提供されてはなりません。
…以上。&font(b){たったこれだけである。本当に。}
これがどれだけ短いかを知ろうと思ったら、[[SCP-173]]や[[SCP-682]]の原文ないし翻訳記事を見てみるといいだろう。
SCP-173もSCP-682もSCP項目としては割と短い部類である。長いものになると普通に短編並の長さのものもある((もっとも、大概そういった記事は繰り返しになっていることが多いため、見た目ほど読むのに時間はかからないが。))。
SCP-173もSCP-682も、(それに写真がついてるからというのもあるかもしれないが)
記事を読んだだけでどういったオブジェクトなのか大体わかるし、取扱方法もわかる。
「ああ、見てないと首をへし折るから常に誰かが見ていなきゃいけないんだな」
「ああ、ちゃんと塩酸に漬け込んでおかないと敵対的であらゆる生物種を殺すんだな」
そもそも特別収容プロトコルというものは&font(b){それを取り扱う人のためにどう取り扱うかを書いてある}部分であり、
一文とか基本的には言語道断。
それこそSCP記事を書く際にガイドでは「特別収容プロトコルには&nowiki(){[削除済]}を使うな」とまで明記されているほどである。
さてこれじゃさっぱりKeterな理由がわからんので、とりあえず下を見てみる。
オブジェクトである以上、なにかしら実験記録がある。
おっ、これにもちゃんと実験記録があるじゃないか、どれどれ…
|ポインタ|結果|
|2008 Opel Astra|内側だった。|
|D-5789|内側に入った。|
|D-5794|内側に入った。|
|D-5796|内側になった。|
|D-5802|内側に入った。内側は苦悩した。|
|収容ユニット2719-A|内側に入った。内側は死ぬ。|
|収容ユニット2719-B|内側に入った。|
|収容ユニット2719-C|内側になった。|
|D-5803|内側に入った。|
|D-5805|内側に入った。|
|D-5812|内側に入った。|
|D-5813|内側になった。|
|収容ユニット2719-B|内側になった。|
|ウレオボルイ、フィンランド|内側になった。|
|ウレオボルイの人々|内側に入った。避難手順として成功した使用法。|
|収容ユニット682-V|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|外側。|
|O5|内側になった。|
|Zermelo博士|内側に入った。|
|処罰|内側になった。|
|O5-7|内側に入った。|
|ブライト博士|内側になった。|
|腸の苦しみ|外側。(ナイストライ。)|
|腸の苦しみ|内側になった。|
|████博士|内側に入った。(もう二度としない様に。)|
|タリー、オーストラリア|内側になった。|
|タリーの人々|内側に入った。|
|超越性|内側になった。|
|O5-1|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-2|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-3|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-4|内側に入った。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
&font(b){なんなのだこれは、一体どうすればいいのだ!}
実験記録なのに何をしたんだか想像がつかない。
そこで読み取れるヒントから推理していこう。
*解説
まず特別収容プロトコル。これはこの時点ではさっぱりわからないので今は無視する。
概要。
>SCP-2719は可変性抽象的-形而上学的概念構成ポインタです。SCP-2719によって影響された概念は内側に入るか内側になります。
これもわかりづらいが、順番にかみ砕いていこう。
:可変性|形や有りようを変えられる性質。
:抽象的|決まった性質を持つが、具体的に「これだ!」「○○だ!」と表すことができず、あいまいであること。
:形而上学的概念|「形而上学」的な概念、つまり、姿かたちとして捉えられないもの。
たとえば、「心とはいかなる存在か?」「存在するとはどういうことか?」のような議論における概念。
// 神はSCP界隈において頻繁に「実在」するので例として不適かと
:ポインタ|何かを指し示すもの。矢印。
これらをまとめると、SCP-2719は、
&bold(){&italic(){「ある特定の概念を指し示す、目に見えないし触れもしない、概念上の矢印。ただし指す対象は変化しうる」}}
というシロモノであると推察できる。
とはいえ、このままでは理解が進まないので、こいつの形を頑張ってとらえてみることにする。
まず、&bold(){ポインタ}という部分に着目してみる。
プログラミング言語の一つ、C言語ではポインタというものを用いて変数を操作することがある。
そしてSCP-2719によって「影響された」とする一連の現象は、このポインタと変数に関する操作と非常によく似通っている。
…ん?変数ってなんだって?
詳しく語ると難しくなるので、とりあえず次のように覚えて欲しい。
:変数|箱。容れ物。
:ポインタ|箱の場所、位置、座標。また、それを記録したメモ書き。
簡単な例を挙げよう。
ある箱に[[ケーキ>SCP-871]]を入れ、戸棚の2段目に仕舞った。
そして忘れないよう、メモ帳に「おやつ→戸棚2段目」と書いて残しておいた。
ポインタとは、この&bold(){「おやつ→戸棚2段目」のメモ書き}(特に「→戸棚2段目」の部分)のことである。
さて、ここからが面白いところ。
実は、&bold(){ポインタ自身も「箱」の一種である}。
プログラムでは「箱」に数字や文字列の「データ」を出し入れするが、ポインタもまた、メモ帳という「箱」に座標のメモ書きという「データ」が収まっている、と捉えればよいだろう。
そこでしばしば起こるのが、
「&font(#ff0000){&bold(){データを箱に入れるつもりで、誤って『箱を指し示すポインタ』に入れてしまう}}」
という事態である。
上の例で言うならば、「おやつ→戸棚2段目」のメモ書きにあろうことかケーキを投入し、「おやつ→ケーキ」(つまり、「おやつはケーキの中に入っています」ということ)に変えてしまったのだ。
この状態で、新しいおやつとしておまんじゅうでも買ってこようものならどうなるだろうか?
おまんじゅうは戸棚ではなくケーキの中に仕舞われ、和洋折衷の暗黒デザートが誕生する……というわけである。
*実験記録について
さて、前説明が長くなったが、SCP-2719は以上のようなポインタの性質を備えている。
端的に言えば、
:A: 内側になった|「なにかしらの物質や概念」を入れ物にする
:B: 内側に入った|Aの中に別の物質や概念を(入るかどうかはともかく)入れる
A, Bのどちらかの操作を提供する謎のツール、ということである。
じゃあそれを踏まえて実験記録を見てみよう。
|ポインタ|結果|
|2008 Opel Astra|内側だった。|
|D-5789|内側に入った。|
|D-5794|内側に入った。|
|D-5796|内側になった。|
|D-5802|内側に入った。内側は苦悩した。|
|収容ユニット2719-A|内側に入った。内側は死ぬ。|
|収容ユニット2719-B|内側に入った。|
|収容ユニット2719-C|内側になった。|
|D-5803|内側に入った。|
|D-5805|内側に入った。|
|D-5812|内側に入った。|
|D-5813|内側になった。|
|収容ユニット2719-B|内側になった。|
『2008 Opel Astra』はゼネラル・モーターズが販売している車の車種。
つまり財団がおそらく保有している車に、Dクラス職員を4人ぶちこもうとした。
ふたりはそのまま車内に入ったが、三人目は何の間違いだか、&bold(){「内側になっ」ている。}
その状態で四人目を入れようとするが、この時点で「内側」とはすなわち三人目であるため、&font(#f00){&bold(){「三人目」の中に四人目が入る。}}
…どういう状況なのか皆目検討もつかないが、直後の試行のようなことが起こっていない以上、何か形容しがたい状態になったか、人間マトリョーシカのようなスプラッタ寸前の状態に陥ってしまったのだろう。
//後述の描写を見るに、「人格がそっくり三人目に入る」のだと思われる((じゃあ三人目の人格はどこ行ったんだよとか思うが))。
で、財団は何を血迷ったか、あるいはそれでこそ財団だからか。
人の中に収容ユニット、つまり&bold(){大きなコンテナか装置のようなものを「代入」する。}
&font(#f00){&bold(){とうぜん人は死ぬ。}}おそらくはじけ飛んだと思われる。
その後さらに2つ目のコンテナを入れた。&del(){財団は冷酷だが残酷ではない。}
続けて3つ目のコンテナを入れようとしたが、今度はそっちが入れ物になった。
そして3人がコンテナに入るが4人目はなぜか入れ物になった。
そして再びコンテナを持ってきたが、4人目にとって幸運な事に、コンテナは入るのでなく入れ物になったので、死なずに済んだ。
//…つまり場所が移動するSCPなのではないかと想像できる。
次に行ってみよう。
|ウレオボルイ、フィンランド|内側になった。|
|ウレオボルイの人々|内側に入った。避難手順として成功した使用法。|
これは「フィンランドのウレオブルイという都市に、ウレオブルイの人々をそのまま入れた」ということであろう。
勿論ウレオブルイの人々はそのままだが、これが成立するならば大勢の誰かを別の場所に避難させられる素晴らしいオブジェクトである。
//※Thaumielはちょっと便利なワープ装置程度で指定されるものではありません。
//Thaumiel認定になるんじゃないかこれ…と思うがそうは上手く問屋が降ろさない。
便利じゃないかこれ…と思うがそうは上手く問屋が降ろさない。
どうやら、影響させた概念や物質が「内側になる」か「内側に入る」かを選択することは出来ず、結構な確率で&bold(){ランダム}選択になる模様。
つまり、上の例でも運が悪ければ「ウレオボルイの人々」が内側になってしまい、&bold(){元に戻そうにも何を突っ込んだら無難に済ませられるか?} という状況に陥りかねないのだ。
次に行ってみよう。
|収容ユニット682-V|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|外側。|
[[クソトカゲ>SCP-682]]のお手軽収容法。
どこに逃げ出してもあら不思議、気付けば収容ユニットの中に……とはならなかった。
クソトカゲは何を思ったのか、内側になった自分自身に入るという入れ子構造を繰り返す。&footnote(あるいは、財団がトカゲを殺害しようとして不可思議な入れ子に突っ込んだ、という解釈もある)
そして突然の&bold(){「外側。」}
要はどうにかしてSCP-2719から抜けだしたのだろう。流石は公式チート、こんなよくわからないものにすら適応する。
…一体どういう状態になっていたのか絵がまったく想像も付かないが。
|O5|内側になった。|
|Zermelo博士|内側に入った。|
|処罰|内側になった。|
|O5-7|内側に入った。|
ここからちょっときな臭いが、先のDクラス実験を見てZermelo博士は
O5&footnote(財団の一番偉い人たち。全部で13人いる。)に入ろうとしたのだと思われる。
単純な興味だったのか、あるいは完全に政治力を欲しかったのか。
結果的には成功した模様だが、その後「処罰」という概念に「O5-7」が放り込まれている。
つまりZermelo博士の背信行為を処罰したことになる。&font(b,red){元のO5-7ごと。}((「O5」だけを概念にセットしていることから、人の中に入ったのではなく役職だけ奪ったという見方も存在する。その場合でも元のO5-7がどこに行ったのかは結局不明だが))
まあ他にないだろうし仕方ない((別解釈として、Zermelo博士が別のO5に入っていて、ムカつくO5-7をO5権限でぶっ殺したというものもある。この場合、もうZermelo博士は完全にO5としての権限を握ってしまったことになり危険である。…がそんな記録が報告書に記載されるとも思えないのでおそらくはO5-7がZermelo博士というのが有力であろう))。
で、こんな実験が最初から承認されるはずもないので、おそらくZermelo博士は勝手に独断でやっているに決まっている。
財団の博士はいくら何でもむちゃくちゃとはいえこういう奴はそうはいないだろうと思ったら…
|ブライト博士|内側になった。|
|腸の苦しみ|外側。(ナイストライ。)|
|腸の苦しみ|内側になった。|
|████博士|内側に入った。(もう二度としない様に。)|
財団の名物博士、[[ブライト博士>ブライト博士(SCP Foundation)]]が&font(b){やりやがった。}
ブライト博士はかわいいもので、どうやら「お腹の痛み」を外側にはじき出したあと、別の博士に移し替えたようだ。
ドラ○もんにもそういうひみつ道具あったな。
(ナイストライ。)と書いたのはもちろんブライト博士であろう。
そして、(もう二度としない様に。)とかいたのは当然████博士である。
二度としてはいけないことの公式リストが増えた瞬間である。████博士もかわいそうに。&footnote(ちなみに英語圏の「Nice try」は「惜しかった」という意味なので、ブライト博士にお腹の痛みを入れようとして失敗し、やり返されたのでは? という話もある。)
そもそもブライト博士は本体がアクセサリでいくらでも残機に移動できるんだから残機に移動すれば良かったんじゃないのか。
あとクソトカゲ殺したり(殺せてないけど)誰かが背信行為やらかすようなぶっとんだ装置を胃腸薬代わりに使うなよ。
|タリー、オーストラリア|内側になった。|
|タリーの人々|内側に入った。|
再度避難装置としての使い勝手を検証。
//おそらく二回も不正使用があったためThaumielにしたかった人が再実験したんだろうと思われる。
このまま問題がなければ積極的な利用も視野に入ったのではないだろうか。
&bold(){&font(#f00){が、結局そうはならなかった。}}
|超越性|内側になった。|
|O5-1|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-2|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-3|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-4|内側に入った。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
O5がおそらく、どうせなら自分たちが&bold(){超越性}を得ればSCPオブジェクトを押さえ込めると判断したのだろう。
そこで超越性を獲得するためにこれを使った。
普段O5はSCPに触れてはいけないので、今回は完全に期待を託して実証しようとしたんだろう。&footnote(というか超越性を下の職員に与えたら自分たちの首がヤバイし。)
で、O5-1、O5-2、O5-3はいずれも失敗するも、O5-4が見事に成功…。
&bold(){&font(#f00){してないよねこれ。}}
超越性が外側にあるってことは超越性を得たO5-4はどっか行っちゃったよねこれ。
三回も繰り返してるのが結果へのパニックを想像させる。
(つーかこのSCP絡みだけでO5が二人もログアウトしてるのだが…意外とメンバーの入れ替えが激しいのだろうか?)
*最後に
実験記録については以上である。
こいつがKeterなのはおそらく、スナック感覚で世界を滅ぼせるオブジェクトにもかかわらず、まともな研究が行えないからであろう。
Zermelo博士やO5のような悪用や濫用、無謀な試みの歴史があるため、現在SCP-2719は
>SCP-2719についての更なる情報は知覚ある生物学的職員に提供されてはなりません。
と半ばアンタッチャブルな扱いを受けている。
流石にみんながみんなブライト博士みたいにお茶目じゃないだろうし。
…ブライト博士がお茶目のカテゴリに入る財団も財団だが。
あと結局、内側になったり入ったり挙動が変わる点についても、ランダムなのか別の理由があるのかハッキリしないし。
//※そんな複雑なことしなくとも「ヒト」とか「世界」とかふわっとした根幹概念に変なモノ突っ込むだけで滅びると思います
//ちなみにもし「XK-クラス世界終焉シナリオ」を「内側」にして「世界」を放り込めば簡単に世界を滅ぼせると考えられる。
//使わなきゃSafeであろうとも言えるのだが(あくまでプログラムなんだし)、
//おそらくは「知っちゃうと使いたくなる」からこそのKeterなんだろう。
//既にブライトとかいうこの手のSCPを一番知っちゃいけないタイプの博士が知ってしまっているし。
//あとは情報が流出した際に意思を有するSCPオブジェクトたちがこれ//を利用する可能性も考慮されたか。
そう考えると、「一応はちゃんと収容されててそれ自体は意思を持たないし勝手に動かない」&footnote(詳細な説明がないので「恐らく」という断りが付くが)のにKeterという
ある意味珍しいオブジェクトである。
//※危険なオブジェクトの性質を知るため人道を軽視することはよくありますし、今回はO5による積極的利用まで為されるほどその性質に期待されていたわけですから、仮に失敗しても妥当な犠牲だったと言えるでしょう。
//ただそれを考えると今回の財団は非常に軽率でもある。
//というのもウレオブルイやタリーの人々を実験台にしてしまっているからである。
//彼らはある日突然よくわからんところに送り込まれる可能性すらあったのだ。
//それこそ彼らが突然超越性を得て復讐してきたらどうするつもりだったのか?
最後に、冒頭にあった一行だけの収容プロトコルについて述べよう。
>SCP-2719は内側に留め置かれなければなりません。
>(SCP-2719 should be kept inside.)
オブジェクトは当然、収容(is kept inside)されていなければならない。
メタ的に言えば、「SCP-2719 - Inside」が「Insideでなく(is not inside)なってしまう」のも問題だろう。
しかし、こうも考えられないだろうか?
&bold(){もしSCP-2719という特異な概念が「内側にある(Was inside)」のではなく、&font(#f00){ありふれた何かの「内側に入った(Went inside)」としたら……。}}
ちなみに「ユカ上手」というTaleではこのSCPの収容違反を起こした博士が暴走。
[[SCP-877-JP]]とクロステストをするというとんでもないことをやらかしている。
何故かその場に居たのはブライト博士と思われる猿の姿まで確認されている。
何を内側に入れたのかは現時点では特記されていない。
が、ブライト博士が[[SCP-297]]とか持ち出してる時点で容易に想像できるだろう。
|加筆・修正|内側になった。|
|このページ|内側に入った。|
----
#right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-2719 - Inside
by Randomini
http://www.scp-wiki.net/scp-2719
http://ja.scp-wiki.net/scp-2719(翻訳)
ユカ上手
by crow_109
http://ja.scp-wiki.net/shark-of-sappho
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,32)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- SCPの記事が増えてきてうれしい -- 名無しさん (2016-10-31 02:48:39)
- 読んでもよくわからんのじゃが… -- 名無しさん (2016-10-31 03:40:36)
- ↑JPの何でも胃の中に転移するふりかけのアプリ版とかでは?実体がないから地位とかも対象になるとかで -- 名無しさん (2016-10-31 03:50:21)
- 箱とトマトがある。箱の中にトマトを入れる。何個か入れているうちにトマトの中からトマトが出てくる。そのトマトが次の箱になる。何個目でトマトが箱になるかは誰にもわからない。 -- 名無しさん (2016-10-31 04:05:53)
- SCP項目の充実いいぞ -- 名無しさん (2016-10-31 10:09:38)
- つまり、「内側になった」のは「器になった」って事で、「内側に入った」ってのは「器の中に入った」って事でいいんかな。こんがらがる…。 -- 名無しさん (2016-10-31 10:21:45)
- 財団はどうやってこれを発見して、収容・利用してるんだ? アイテム的なものがあるわけではなく、プログラムそのものなんだよな? -- 名無しさん (2016-10-31 10:57:58)
- ブライト博士はアクセサリをもった人間がブライト博士本人になって、アクセサリを手放してもそのまま残るんじゃなかったか? 意識を移動できるとかそんなものでは無かった気がするが -- 名無しさん (2016-10-31 12:01:29)
- ブライト博士の本体はペンダントの方で所持した時間の長さで人格が上書きされて完全なブライト博士の人格になるアイテムだからペンダントを活用すれば意識の移動が出来る、が誰がそんな事をさせると言うのか。にしてもこれ読んでも良く分からんかったが解説されてもなるほど分からん。 -- 名無しさん (2016-10-31 14:11:00)
- まあ、基本的に「なんでも入れ物にできて」「なんでも入れられるものにできる」って事でいいはず。ただ「何でも」が文字通り概念だろうとなんだろうとOKってだけで…うん、なるほどわからん -- 名無しさん (2016-10-31 18:54:21)
- 残機と呼ぶことは禁止されています。 急に来る外側で草生えるwww -- 名無しさん (2016-11-01 01:54:00)
- 収容プロトコルの詳細が無いって事は事実上封じ込めできてないんじゃねえの? -- 名無しさん (2016-11-01 02:46:47)
- ↑SCP-2719が「外側」にならなければOK -- 名無しさん (2016-11-01 11:04:35)
- このよくわからん概念的な何かにすら打ち勝ちやがるクソトカゲ本当ぱねぇな… -- 名無しさん (2016-11-01 22:43:14)
- 意味が分かると怖い話……じゃないのか。 -- 名無しさん (2016-11-02 21:07:10)
- ↑SCPにはそういう系のもあるけどね(それこそがメインだし)これはわかった時にすっきりするタイプかもしれない -- 名無しさん (2016-11-02 22:29:52)
- O5ha -- 名無しさん (2016-11-04 10:08:37)
- ↑すまん、ミス。 O5は役職であって人間そのものではないし、Zermelo博士がO5の体を乗っ取ったってのは無理のある解釈だと思うが…おそらくそのまま肩書きや持っている権力がO5になったのではないだろうか(元々のO5がどうなったかはわからんが…) -- 名無しさん (2016-11-04 10:12:26)
- ↑O5の誰でもいいやってパターンではないかなとは 別に特定のO5じゃなきゃやだってこともないだろうし -- 名無しさん (2016-11-04 10:17:25)
- ↑いやそもそも「O5-7」とかなら人間扱いだけど、「O5」はグループ名だから、人間を乗っ取るより博士がO5 -- 名無しさん (2016-11-04 10:25:11)
- ↑失敬。になった、って方が個人的にはしっくりくる。 -- 名無しさん (2016-11-04 10:26:48)
- ↑あーなるほど もしかしたらそっちの解釈かもしれない 付記しておこうかね -- 名無しさん (2016-11-04 10:38:53)
- そもそも読み進めて分かる系のはずなのに意図的に説明省くのってどうなん?w -- 名無しさん (2016-11-13 04:29:54)
- ↑SCPは報告書の形式から情報を読み取ってどういうものなのか、どういうことが起こったのかを想像するパズル的な面白さも含んだものだから、これはこれでいいんだと思う -- 名無しさん (2016-11-13 11:46:37)
- 最低限かつ抽象的な説明しか書かないのってこいつのミーム効果だったりするのか -- 名無しさん (2016-11-16 14:03:57)
- ↑メタ的にはどれだけ短い文で報告書が成立するかみたいな目的で書かれてる気がする(実際これだけでも正解にたどり着けるようにはできてる)けど、財団世界ではそういう効果持ちのSCPって可能性はありそう -- 名無しさん (2016-11-19 11:29:53)
- 最後の実験の超越性はどこから持ってきたんだろ?別のSCP? -- 名無しさん (2016-12-06 20:43:13)
- 超越性が外側になるとO5-4がどこかへ行ってしまうという解釈だと、クソトカゲもどこかへ行ってしまったってことになるからそれは違うんじゃないかな -- 名無しさん (2017-01-14 13:16:52)
- あああああ、やっと意味がわかった!なんだこのオブジェクト! -- 名無しさん (2017-01-18 19:14:12)
- 二度とするな -- SCP-682 (2017-02-11 21:21:48)
- マトリョーシカになった682を妄想した -- 名無しさん (2017-02-11 21:43:33)
- 最後の超越性って「O5-4自身が超越性という概念になって消えた」という意味かと思ってた -- 名無しさん (2017-02-14 19:38:09)
- これKeterな理由って概念だからこいつを用いることでしか収容できないからなんじゃ?実体あるかもわからないんだし -- 名無しさん (2017-02-16 23:21:56)
- これ、財団が日常的に行ってる「収容」という行為そのものをオブジェクトに昇華した記事なのかもなー。 -- 名無しさん (2017-04-19 11:16:18)
- ブライト博士の腸の痛みは間違いなくSCP-666 1/2-Jによるものだと思う。 -- 名無しさん (2017-06-08 14:33:41)
- クソトカゲ -- 名無しさん (2017-09-20 04:34:36)
- ↑失礼、クソトカゲってウロボロスみたいな感じになったんかね? -- 名無しさん (2017-09-20 04:35:22)
- これ「正常」を内側にして、「世界」を放り込めばいいと思う。 -- 名無しさん (2017-10-09 16:00:47)
- 実体のない概念を指定して、現実空間で具体的変化を起こさせるSCP。ただ解釈幅のある概念だと実際どうなるかは予測困難。O5-4が超越性の中に入って何か想定外の事態が起きたんだと思う -- 名無しさん (2017-11-14 21:09:15)
- 外側は、内側になる事も内側に入る事もない、つまりこのSCPで操作不能の事項であるという事。超越性の中にO5-4が入った後、超越性は操作対象外になった -- 名無しさん (2017-11-14 21:15:47)
- ん?でも腸の苦しみは内側(ブライト博士)の外側になったんだから、超越性は超越性の外側に行ってしまった??? -- 名無しさん (2017-11-14 21:23:21)
- 「無 | 内側になった。」「無 | ぬるぽ」 -- 名無しさん (2017-11-14 21:35:29)
- 「ガッ |内側になった。」「↑|内側に入った。」 -- 名無しさん (2017-11-17 20:28:46)
- ブライト博士みたいな使い方ができるならクソトカゲの不死性とか殺意とかを外側にはじき出すこともできたのでは -- 名無しさん (2017-12-18 12:36:04)
- ↑7「正常]が一体何なのかが分からない以上それをやっちゃまずいと思う。 -- 名無しさん (2018-03-03 20:05:41)
- 下手するとこいつ「やり方さえわかればどこの誰でもすぐ実行できる」系のオブジェクトかもしれない 6番ボールの説明書読んで記憶処理された状態みたいな -- 名無しさん (2018-05-10 00:43:20)
- というか人の中にコンテナぶち込んだら弾け飛ぶんだからただの人間に超越性いれたらキャパオーバーで弾け飛ぶんじゃないのか -- 名無しさん (2018-06-08 16:42:45)
- 英語の"Nice try"って慣用的には「惜しいね」、つまり失敗したときに使うんじゃない? あるいは皮肉で「発想はいいけど俺はひっかからないぞ」の意味 -- 名無しさん (2018-06-08 17:14:23)
- (おそらくブライト)博士が「ユカ上手」で「クソ猿」って呼ばれてたのは、「エロ猿」みたいな罵倒の意味であって、必ずしも身体が猿だったわけではないのでは… -- 名無しさん (2018-06-22 15:27:06)
- ↑2 そうすると████博士が腸の苦しみをブライト博士の内側に入れようとして失敗し、ブライト博士が仕返ししたとも読めるな -- 名無しさん (2018-06-30 05:30:39)
- クソトカゲが「外側」になったときの研究室の阿鼻叫喚っぷりを想像して…楽しもうね! -- 名無しさん (2018-07-24 13:31:40)
- ↑博士が外側に出てきたぞ! -- 名無しさん (2018-07-24 14:19:30)
- わけわかんなさ過ぎて面白いな -- 名無しさん (2018-09-07 13:22:52)
- しかしこれどうやって操作するんだろう。PCなのか? -- 名無しさん (2018-09-07 13:24:37)
- ドラえもんとちがって対象が訳わかんないわかんないものでも成立するのがscpの面白い所。 -- 名無し (2018-10-02 23:34:00)
- これやっぱり「人間に使うと人格(魂?)が他人の中に入る」って解釈は間違ってるんじゃないかな……一応生き物である682に連続して使うのがわけわからなくなるし(物理的に内側に入るわけじゃないなら682の魂が682に入るのを繰り返すだけになるような) -- 名無しさん (2018-11-02 03:57:05)
- 「はじめてのぽいんた」的な説明を追加しました。また、本SCiPがプログラムである等の根拠の無い断定、KeterやThaumielへの誤解、その他こまごまと編集しました。 -- 名無しさん (2018-11-07 21:25:58)
- 要するにSCP-2719:外側。って書かれると、この世の全てがSCP-2719の「内側に入った。」事になってしまうから、「内側に留め置かれなければなりません」なのか。なるほど。理解できると怖いし面白い。 -- 名無しさん (2018-12-10 08:29:15)
- 久々に見に来たら解説がわかりやすくなってて驚いた。ここの解説ニキにはいつも驚かされる -- 名無しさん (2018-12-17 08:53:43)
#comment
#areaedit(end)
}
&font(#6495ED){登録日}:2016/10/31 Mon 01:00:06
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます
----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----
#center(){&font(b,i){外側が内側になり、内側が内側となった。この時内側は外側であるか内側であるか。}}
SCP-2719はシェアード・ワールド[[SCP Foundation]]に登場する[[オブジェクト(SCiP)>オブジェクト(SCP Foundation)]]のひとつである。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]はKeter。
項目名は『Inside』。日本語名もそのまま『内側』である。
#contents()
*概要
まずはじめに申し上げておくと、この項目はトップクラスに特別収容プロトコル及びオブジェクト説明が短い記事である。
なにしろ特別収容プロトコルが
>SCP-2719は内側に留め置かれなければなりません。
というなにがなんだかわからない一文で終了しており、概要も
>SCP-2719は可変性抽象的-形而上学的概念構成ポインタです。SCP-2719によって影響された概念は内側に入るか内側になります。SCP-2719についての更なる情報は知覚ある生物学的職員に提供されてはなりません。
…&font(b){たったこれだけである。本当に。}
長いものになると普通に短編級もある((大概は繰り返しになっているので、見た目ほど読むのに時間はかからない))これがどれだけ短いかを知ろうと思ったら、写真付きの[[彫刻>SCP-173]]や[[クソトカゲ>SCP-682]]の原典を見ればいい。SCP項目としては割と短いが、どういったオブジェクトなのか大体わかるし、
・「首をへし折るから常に誰かが見ていなきゃいけない」
・「塩酸に漬け込んでおかないとあらゆる生物種を殺す」
と取扱方法もわかる。
特別収容プロトコルは、そもそも&font(b){それを取り扱う人のためにどう取り扱うかを書く}もので、執筆ガイドで「特別収容プロトコルには&nowiki(){[削除済]}を使うな」とまで明記されているほど。
つまりKeterな理由がさっぱりわからんが、オブジェクトである以上、なにかしら実験記録があるはずだし、とりあえず下を見よう。
おっ、これにもちゃんと実験記録があるじゃないか、どれどれ…
|ポインタ|結果|
|2008 Opel Astra|内側だった。|
|D-5789|内側に入った。|
|D-5794|内側に入った。|
|D-5796|内側になった。|
|D-5802|内側に入った。内側は苦悩した。|
|収容ユニット2719-A|内側に入った。内側は死ぬ。|
|収容ユニット2719-B|内側に入った。|
|収容ユニット2719-C|内側になった。|
|D-5803|内側に入った。|
|D-5805|内側に入った。|
|D-5812|内側に入った。|
|D-5813|内側になった。|
|収容ユニット2719-B|内側になった。|
|ウレオボルイ、フィンランド|内側になった。|
|ウレオボルイの人々|内側に入った。避難手順として成功した使用法。|
|収容ユニット682-V|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|外側。|
|O5|内側になった。|
|Zermelo博士|内側に入った。|
|処罰|内側になった。|
|O5-7|内側に入った。|
|ブライト博士|内側になった。|
|腸の苦しみ|外側。(ナイストライ。)|
|腸の苦しみ|内側になった。|
|████博士|内側に入った。(もう二度としない様に。)|
|タリー、オーストラリア|内側になった。|
|タリーの人々|内側に入った。|
|超越性|内側になった。|
|O5-1|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-2|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-3|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-4|内側に入った。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
&font(b){なんなのだこれは、一体どうすればいいのだ!}
実験記録なのに何をしたんだか想像がつかない。
そこで読み取れるヒントから推理していこう。
*解説
まずは概要。この時点でさっぱりわからない特別収容プロトコルはとりあえず無視。
>SCP-2719は可変性抽象的-形而上学的概念構成ポインタです。SCP-2719によって影響された概念は内側に入るか内側になります。
順番にかみ砕いていくと、こう。
|可変性|形やありようを変えられる性質|
|抽象的|決まった性質を持つが、あいまいであること。&br()具体的に「これだ!」「○○だ!」と表すことができない|
|形而上学的概念|姿かたちとして捉えられないもの。&br()たとえば、「心とはいかなる存在か?」「存在とはどういうことか?」のような議論//SCP界隈において頻繁に「実在」する神は例として不適かと|
|ポインタ|何かを指し示すもの。矢印|
つまり、このオブジェクトは&bold(){&italic(){特定の概念を指し示す、目に見えないし触れない概念上の矢印}}である。
ただ、これだけでは何なのかハッキリしてこないので、もう少し踏み込んで考えてみよう。
まず、&bold(){ポインタ}。
プログラミング言語のひとつであるC言語では、ポインタを用いて変数を操作する。
そしてSCP-2719によって「影響された」とする一連の現象は、これと非常によく似通っている。
まあ、とりあえず次のように覚えて欲しい。
|変数|箱。容れ物。|
|ポインタ|箱の場所、位置、座標、それを記録したメモ書き|
簡単な例を挙げよう。
・ある箱に[[おやつ>SCP-871]]を入れ、&bold(){戸棚}の&bold(){2段目}に仕舞った。
・そしてメモ帳に「おやつ→戸棚2段目」と書いた。
&bold(){「おやつ→戸棚2段目」のメモ書き}がポインタで、面白いことに&bold(){ポインタ自身も「箱」の一種}である。
プログラムでは「箱」に数字や文字列の「データ」を出し入れするが、ポインタもまた、メモ帳という「箱」に座標のメモ書きという「データ」が収まっている、と捉えればよいだろう。
そこでしばしば起こるのが、「&font(#ff0000){&bold(){データを箱に入れるつもりで、誤って『箱を指し示すポインタ』に入れてしまう}}」こと。
上の例なら「おやつ→戸棚2段目」のメモ書きにケーキを投入し、「おやつ→ケーキ」、つまり、「&bold(){おやつはケーキの中に入っています}」に変えた。
実際の「戸棚の2段目」ではなく、メモ書きの「戸棚の2段目」にケーキが入ったわけだが、新たに[[おまんじゅう>バイバイン]]でも買ってくるとおまんじゅうは&bold(){ケーキの中}に仕舞われ、和洋折衷の暗黒デザートが誕生する……というわけである。
*実験記録について
さて、前説明が長くなったが、SCP-2719は以上のようなポインタの性質を備えている。
端的に言えば、
:A: 内側になった|「なにかしらの物質や概念」を入れ物にする
:B: 内側に入った|Aの中に別の物質や概念を(入るかどうかはともかく)入れる
A, Bのどちらかの操作を提供する謎のツール、ということである。((Aが行われたとき、それまで入れ物だったものがどうなるかは不明。C言語のポインタの性質上、おそらくは単にSCP-2719の捕捉対象から外れるだけなのだろうが、もしかすると消えてなくなるのかもしれない))
じゃあそれを踏まえて実験記録を見てみよう。
|ポインタ|結果|
|2008 Opel Astra|内側だった。|
|D-5789|内側に入った。|
|D-5794|内側に入った。|
|D-5796|内側になった。|
|D-5802|内側に入った。内側は苦悩した。|
|収容ユニット2719-A|内側に入った。内側は死ぬ。|
|収容ユニット2719-B|内側に入った。|
|収容ユニット2719-C|内側になった。|
|D-5803|内側に入った。|
|D-5805|内側に入った。|
|D-5812|内側に入った。|
|D-5813|内側になった。|
|収容ユニット2719-B|内側になった。|
『2008 Opel Astra』はゼネラル・モーターズが販売している車の車種。
つまり財団がおそらく保有している車に、Dクラス職員を4人ぶちこもうとした。
ふたりはそのまま車内に入ったが、三人目は何の間違いだか、&bold(){「内側になっ」ている。}
その状態で四人目を入れようとするが、この時点で「内側」とはすなわち三人目であるため、&font(#f00){&bold(){「三人目」の中に四人目が入る。}}
…どういう状況なのか想像が難しいが、表現からある程度は推測できる。
ここでは「苦しんだ」「痛みを訴えた」「弾けて死んだ」ではなく「内側は苦悩した」、つまりこの時点での「内側」にあたる三人目が悩んだと表現されている。
つまり、「三人目と四人目が一つの体に入って二重人格のような状態になった」とか「[[あしゅら男爵]]よろしく合体した」とか、そんな事が起こったのだろう。
で、財団は何を血迷ったか、あるいはそれでこそ財団だからか。
人の中に収容ユニット、つまり&bold(){大きなコンテナか装置のようなものを「代入」する。}
&font(#f00){&bold(){とうぜん人は死ぬ。}}おそらくはじけ飛んだと思われる。
その後さらに2つ目のコンテナを入れた。&del(){財団は冷酷だが残酷ではない。}
続けて3つ目のコンテナを入れようとしたが、今度はそっちが入れ物になった。
そして3人がコンテナに入るが4人目はなぜか入れ物になった。
そして再びコンテナを持ってきたが、4人目にとって幸運な事に、コンテナは入るのでなく入れ物になったので、死なずに済んだ。
//…つまり場所が移動するSCPなのではないかと想像できる。
次に行ってみよう。
|ウレオボルイ、フィンランド|内側になった。|
|ウレオボルイの人々|内側に入った。避難手順として成功した使用法。|
これは「フィンランドのウレオボルイという都市に、ウレオボルイの人々をそのまま入れた」ということであろう。
勿論ウレオブルイの人々はそのままだが、これが成立するならば大勢の誰かを別の場所に避難させられる素晴らしいオブジェクトである。
//※Thaumielはちょっと便利なワープ装置程度で指定されるものではありません。
//Thaumiel認定になるんじゃないかこれ…と思うがそうは上手く問屋が降ろさない。
便利じゃないかこれ…と思うがそうは上手く問屋が卸さない。
どうやら、影響させた概念や物質が「内側になる」か「内側に入る」かを選択することは出来ず、結構な確率で&bold(){ランダム}選択になる模様。
つまり、上の例でも運が悪ければ「ウレオボルイの人々」が内側になってしまい、&bold(){元に戻そうにも何を突っ込んだら無難に済ませられるか?} という状況に陥りかねないのだ。
次に行ってみよう。
|収容ユニット682-V|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側になった。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|内側に入った。|
|SCP-682|外側。|
[[クソトカゲ>SCP-682]]のお手軽収容法。
どこに逃げ出してもあら不思議、気付けば収容ユニットの中に……とはならなかった。
クソトカゲは何を思ったのか、内側になった自分自身に入るという入れ子構造を繰り返す。&footnote(あるいは、財団がトカゲを殺害しようとして不可思議な入れ子に突っ込んだ、という解釈もある)
そして突然の&bold(){「外側。」}
要はどうにかしてSCP-2719から抜けだしたのだろう。流石は公式チート、こんなよくわからないものにすら適応する。
…一体どういう状態になっていたのか絵がまったく想像も付かないが。
|O5|内側になった。|
|Zermelo博士|内側に入った。|
|処罰|内側になった。|
|O5-7|内側に入った。|
ここからちょっときな臭いが、先のDクラス実験を見てZermelo博士は
O5&footnote(財団の一番偉い人たち。全部で13人いる。)に入ろうとしたのだと思われる。
単純な興味だったのか、あるいは完全に政治力を欲しかったのか。
結果的には成功した模様だが、その後「処罰」という概念に「O5-7」が放り込まれている。
つまりZermelo博士の背信行為を処罰したことになる。&font(b,red){元のO5-7ごと。}((「O5」だけを概念にセットしていることから、人の中に入ったのではなく役職だけ奪ったという見方も存在する。その場合でも元のO5-7がどこに行ったのかは結局不明だが))
まあ他にないだろうし仕方ない((別解釈として、Zermelo博士が別のO5に入っていて、ムカつくO5-7をO5権限でぶっ殺したというものもある。この場合、もうZermelo博士は完全にO5としての権限を握ってしまったことになり危険である。…がそんな記録が報告書に記載されるとも思えないのでおそらくはO5-7がZermelo博士というのが有力であろう))。
で、こんな実験が最初から承認されるはずもないので、おそらくZermelo博士は勝手に独断でやっているに決まっている。
財団の博士はいくら何でもむちゃくちゃとはいえこういう奴はそうはいないだろうと思ったら…
|ブライト博士|内側になった。|
|腸の苦しみ|外側。(ナイストライ。)|
|腸の苦しみ|内側になった。|
|████博士|内側に入った。(もう二度としない様に。)|
財団の名物博士、[[ブライト博士>ブライト博士(SCP Foundation)]]が&font(b){やりやがった。}
ブライト博士はかわいいもので、どうやら「お腹の痛み」を外側にはじき出したあと、別の博士に移し替えたようだ。
ドラ○もんにもそういうひみつ道具あったな。
(ナイストライ。)と書いたのはもちろんブライト博士であろう。
そして、(もう二度としない様に。)とかいたのは当然████博士である。
二度としてはいけないことの公式リストが増えた瞬間である。████博士もかわいそうに。&footnote(ちなみに英語圏の「Nice try」は「惜しかった」という意味なので、ブライト博士にお腹の痛みを入れようとして失敗し、やり返されたのでは? という話もある。)
そもそもブライト博士は本体がアクセサリでいくらでも残機に移動できるんだから残機に移動すれば良かったんじゃないのか。
あとクソトカゲ殺したり(殺せてないけど)誰かが背信行為やらかすようなぶっとんだ装置を胃腸薬代わりに使うなよ。
|タリー、オーストラリア|内側になった。|
|タリーの人々|内側に入った。|
再度避難装置としての使い勝手を検証。
//おそらく二回も不正使用があったためThaumielにしたかった人が再実験したんだろうと思われる。
このまま問題がなければ積極的な利用も視野に入ったのではないだろうか。
&bold(){&font(#f00){が、結局そうはならなかった。}}
|超越性|内側になった。|
|O5-1|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-2|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-3|内側になった。|
|超越性|内側になった。|
|O5-4|内側に入った。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
|超越性|外側。|
O5がおそらく、どうせなら自分たちが&bold(){超越性}を得ればSCPオブジェクトを押さえ込めると判断したのだろう。
そこで超越性を獲得するためにこれを使った。
普段O5はSCPに触れてはいけないので、今回は完全に期待を託して実証しようとしたんだろう。&footnote(というか超越性を下の職員に与えたら自分たちの首がヤバイし。)
で、O5-1、O5-2、O5-3はいずれも失敗するも、O5-4が見事に成功…。
&bold(){&font(#f00){してないよねこれ。}}
超越性が外側にあるってことは超越性を得たO5-4はどっか行っちゃったよねこれ。
三回も繰り返してるのが結果へのパニックを想像させる。
(つーかこのSCP絡みだけでO5が二人もログアウトしてるのだが…意外とメンバーの入れ替えが激しいのだろうか?)
*最後に
実験記録については以上である。
こいつがKeterなのはおそらく、スナック感覚で世界を滅ぼせるオブジェクトにもかかわらず、まともな研究が行えないからであろう。
Zermelo博士やO5のような悪用や濫用、無謀な試みの歴史があるため、現在SCP-2719は
>SCP-2719についての更なる情報は知覚ある生物学的職員に提供されてはなりません。
と半ばアンタッチャブルな扱いを受けている。
流石にみんながみんなブライト博士みたいにお茶目じゃないだろうし。
…ブライト博士がお茶目のカテゴリに入る財団も財団だが。
あと結局、内側になったり入ったり挙動が変わる点についても、ランダムなのか別の理由があるのかハッキリしないし。
//※そんな複雑なことしなくとも「ヒト」とか「世界」とかふわっとした根幹概念に変なモノ突っ込むだけで滅びると思います
//ちなみにもし「XK-クラス世界終焉シナリオ」を「内側」にして「世界」を放り込めば簡単に世界を滅ぼせると考えられる。
//使わなきゃSafeであろうとも言えるのだが(あくまでプログラムなんだし)、
//おそらくは「知っちゃうと使いたくなる」からこそのKeterなんだろう。
//既にブライトとかいうこの手のSCPを一番知っちゃいけないタイプの博士が知ってしまっているし。
//あとは情報が流出した際に意思を有するSCPオブジェクトたちがこれ//を利用する可能性も考慮されたか。
そう考えると、「一応はちゃんと収容されててそれ自体は意思を持たないし勝手に動かない」&footnote(詳細な説明がないので「恐らく」という断りが付くが)のにKeterという
ある意味珍しいオブジェクトである。
//※危険なオブジェクトの性質を知るため人道を軽視することはよくありますし、今回はO5による積極的利用まで為されるほどその性質に期待されていたわけですから、仮に失敗しても妥当な犠牲だったと言えるでしょう。
//ただそれを考えると今回の財団は非常に軽率でもある。
//というのもウレオブルイやタリーの人々を実験台にしてしまっているからである。
//彼らはある日突然よくわからんところに送り込まれる可能性すらあったのだ。
//それこそ彼らが突然超越性を得て復讐してきたらどうするつもりだったのか?
最後に、冒頭にあった一行だけの収容プロトコルについて述べよう。
>SCP-2719は内側に留め置かれなければなりません。
>(SCP-2719 should be kept inside.)
オブジェクトは当然、収容(is kept inside)されていなければならない。
メタ的に言えば、「SCP-2719 - Inside」が「Insideでなく(is not inside)なってしまう」のも問題だろう。
しかし、こうも考えられないだろうか?
&bold(){もしSCP-2719という特異な概念が「内側にある(Was inside)」のではなく、&font(#f00){ありふれた何かの「内側に入った(Went inside)」としたら……。}}
ちなみに「ユカ上手」というTaleではこのSCPの収容違反を起こした博士が暴走。
[[SCP-877-JP]]とクロステストをするというとんでもないことをやらかしている。
何故かその場に居たのはブライト博士と思われる猿の姿まで確認されている。
何を内側に入れたのかは現時点では特記されていない。
が、ブライト博士が[[SCP-297]]とか持ち出してる時点で容易に想像できるだろう。
|加筆・修正|内側になった。|
|このページ|内側に入った。|
----
#right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-2719 - Inside
by Randomini
http://www.scp-wiki.net/scp-2719
http://ja.scp-wiki.net/scp-2719(翻訳)
ユカ上手
by crow_109
http://ja.scp-wiki.net/shark-of-sappho
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,93)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#lsd()
#comment_num2(num=30)
}