SCP-1074

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&font(#6495ED){登録日}:2016/11/16 (水曜日) 20:07:50 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-1074とは、怪異創作コミュニティサイト「The SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。 項目名は『スタンダール・ナイトメア(Stendhal's Nightmare)』。オブジェクトクラスは「Safe」に指定されている。 SCP-1074は、肖像画用のキャンバスに灰色の油絵具をパレットナイフで適当に塗ったくったようにしか見えない絵画(?)である。 後述のような異常性があるため、ドローンを用いて絵画の具を採取して分析してみたところ、アメリカの画材店で誰でも入手することが可能な油絵具が使用されていることが判明している。 どこからどう見ても、見るものを感動させようという心意気のかけらも感じられないこの絵画であるが、なんとこの絵を目にしてしまった人は100パーセントの確率で死ぬほど感動してしまう。 &bold(){ーー比喩などではなく、本当に死んでしまうほど感動してしまうのである。} 実は、この絵には目にしてしまった人物に対して二段階の異常を引き起こす認識災害が仕込まれているのである。 異常の第一段階は、この絵を少しでも視認してしまった直後に発現する。絵を見てしまった犠牲者は、何の脈絡もなく自分が謎の発汗や眩暈に襲われていることに気づくのである。 もっとも、これは急に体調が悪くなったわけではなく、不意に感動的な場面に遭遇した際に体に変調をきたしてしまう現象を定義した『スタンダール・シンドローム』((フィレンツェを訪れたフランス人作家スタンダールが、同市にあるサンタ・クローチェ聖堂のフレスコ画を見て感動のあまり目眩と発汗に襲われてしまったというエピソードに因みこう名付けられた。))に陥ってしまった為である。 崇高な充実感と同時に強い圧迫感に襲われた犠牲者は、この絵が今まで見てきた絵の中でどれだけ素晴らしい逸品であるかを辺り構わず宣伝するようになってしまうのだ。 この時、キャンバスに何が描かれているのかを質問してみた結果、犠牲者達はキャンバスの上に灰色の層ではなく、&bold(){「人間の死亡率」}や&bold(){「法とモラルの分別」}といった終末論的なテーマで描かれた絵画を見出していることが判明している。 こうして、絵の魔力にとりつかれてしまった犠牲者は、第三者によって強制的にその場から連れ出されない限り絵から視線を外すことができなくなってしまい、異常の第二段階にさらされることになってしまうのである。 絵を見つめれば見つめるほど、そこから見出される難解なテーマを議論しようとして犠牲者は混乱してしまい、3分から5分ほどで興奮のあまり体が動かなくなってしまうカタトニーによく似た状態に陥ってしまう。 こうなってしまうともう手遅れであり、犠牲者は外部からの刺激に一切の反応を示さなくなった上、人工呼吸器などの手助けがない限り数日以内に固まったまま死亡してしまうのである。 ただ、固まってしまった犠牲者をまだ生きているうちに脳波計にかけたところ、脳の機能そのものに異常は発生しておらず、被験者の脳活動は高いレベルを続けていることを示している。 では、カタトニーを発症する前に絵から引き離せば助かるのではないか、そう思われた方もいるかもしれないが、この絵はそう易々と犠牲者を解き放ってはくれないのだ。 確かに、絵から引き離してしまえば犠牲者は約30秒で体の自由を取り戻すことになる。 しかし、心理的な呪縛はまだ続いており、犠牲者は目を瞑った時や瞬きをした時などに再びあの絵の幻影を見るようになってしまい、最終的には5日から8日以内にカタトニーを引き起こして固まったまま死亡してしまうのである。 しかも、財団の所持する記憶処理能力を用いて犠牲者から絵に関する記憶を根こそぎ引っぺがしたとしても、犠牲者は一週間の間に絵に関する記憶を取り戻し、その記憶によって異常をきたすようになってしまうのだ。 もっとも、異常性がはっきりしているが故、この絵の特別収容プロトコルは実に簡潔なものとなっている。 要は、実験で誰か(当然名もなきDクラス相手になる)に見せるその時まで&bold(){不透明なカバーをかけていれば簡単に無力化することが可能}なのである。 また、絵画を撮影した写真や映像には認識災害は現れないことが判明している。 この傍迷惑な絵が発見されたのは20■■年、某ギャラリーで開かれた展覧会にこの絵が出品され、見にきていたお客が集団ヒステリーに陥ってしまったのがきっかけであった。 ギャラリーのオーナーに確認したところ、『スタンダール・ナイトメア』と銘打たれたこの絵は身元不明のエージェントによってネタバレ防止のためベールに覆われた状態で運ばれてきたことが判明している。 当然、財団は絵画を運んできたエージェントが書き残した連絡先を調査して見たが、これもまた予想通りというか連絡先は全てデタラメなものだったのだ。 こうして、出所に関する情報を得ることは不可能であると思われていたSCP-1074であるが、予想外な形で絵の製作者が判明することになった。 某博士の主導により、自らの家族を殺害した罪で死刑判決を受け、Dクラスとして財団に雇用されることになったD-67583という男を被験者として、被験者がカタトニーに陥るまでの時間を計測する実験が行われた。 D-67583は実験にかけられる直前まで「俺は無実だ、冤罪だ」と主張し続けていたのだが、絵を見せられた途端に言動が一変したのである。 絵を見せられたD-67583は、泣き出したかと思うとキャンバスの中にイエス・キリストが炎に包まれた都市を背景に剣と天秤を持って立ち、今にも自分を断罪しようとしている姿を見出してしまいあっさりと自らの犯行を自供。 その後、「俺たちは存在しない」など世迷言を言い始めたD-67583を診療所へ移送するため、絵にカバーをかけようとしたその時。 > D-67583「待ってくれ、一つ質問がある」 > 博士「はい?」 > D-67583「…are we cool yet?」 『&bold(){Are we cool yet}』は、それを鑑賞した人に様々な異常をもたらすトンデモ芸術を作っては世にばらまいている芸術を武器としたテロリスト集団の通称である。 財団の存在を認知しており、自分たちのアートを隔離しようとする財団を黙らせるためにわざわざ「対財団用芸術兵器」((SCP-1672。視認してしまうと即座に広場恐怖症を発症し、兎に角、箱の中に入りたくなってしまう認識災害を引き起こす写真の添付された便箋である。))まで制作して送りつけてくるほど財団のことを敵視している危険な集団だ。 この絵が本当に、彼らの作品であるかは現在調査中である。 #openclose(show=【 因みに 】){ この絵のテーマとなった『スタンダール・シンドローム』にはローマやミラノなど壮大な建築や高所に描かれた絵画などが多い地域で多発していることから「上を見上げすぎて血の巡りが悪くなっただけなのでは」という身も蓋も無い解釈が存在しているそうである。 } 追記・修正は絵を見て固まってしまう前にお願いします。…僕はクールだっただろ?ね? ---- #right(){ SCP-1074 - Stendhal's Nightmare by Smapti http://www.scp-wiki.net/scp-1074 http://ja.scp-wiki.net/scp-1074(翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 最初のSCP番号が違うのも認識災害かい? -- 名無しさん (2016-11-16 20:25:50) - ぎゃー!? 直します!? ついでに、この絵覗き込んで立像になってきますorz -- 筆者 (2016-11-16 20:50:55) - どんなに性質がヤバくても完封可能ならsafeというお手本。あと近いのは517か -- 名無しさん (2016-11-16 21:53:00) - 肩のこらないクールなオチだわ -- 名無しさん (2016-11-17 01:10:54) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2016/11/16 (水) 20:07:50 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- SCP-1074とは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]]の一つである。 項目名は『スタンダール・ナイトメア(Stendhal's Nightmare)』。[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]は「Safe」に指定されている。 SCP-1074は、肖像画用のキャンバスに灰色の油絵具をパレットナイフで適当に塗ったくったようにしか見えない絵画(?)である。 後述のような異常性があるため、ドローンを用いて絵画の具を採取して分析してみたところ、アメリカの画材店で誰でも入手することが可能な油絵具が使用されていることが判明している。 どこからどう見ても、見るものを感動させようという心意気のかけらも感じられないこの絵画であるが、なんとこの絵を目にしてしまった人は100パーセントの確率で死ぬほど感動してしまう。 &bold(){ーー比喩などではなく、本当に死んでしまうほど感動してしまうのである。} 実は、この絵には目にしてしまった人物に対して二段階の異常を引き起こす認識災害が仕込まれているのである。 異常の第一段階は、この絵を少しでも視認してしまった直後に発現する。絵を見てしまった犠牲者は、何の脈絡もなく自分が謎の発汗や眩暈に襲われていることに気づくのである。 もっとも、これは急に体調が悪くなったわけではなく、不意に感動的な場面に遭遇した際に体に変調をきたしてしまう現象を定義した『スタンダール・シンドローム』((フィレンツェを訪れたフランス人作家スタンダールが、同市にあるサンタ・クローチェ聖堂のフレスコ画を見て感動のあまり目眩と発汗に襲われてしまったというエピソードに因みこう名付けられた。))に陥ってしまった為である。 崇高な充実感と同時に強い圧迫感に襲われた犠牲者は、この絵が今まで見てきた絵の中でどれだけ素晴らしい逸品であるかを辺り構わず宣伝するようになってしまうのだ。 この時、キャンバスに何が描かれているのかを質問してみた結果、犠牲者達はキャンバスの上に灰色の層ではなく、&bold(){「人間の死亡率」}や&bold(){「法とモラルの分別」}といった終末論的なテーマで描かれた絵画を見出していることが判明している。 こうして、絵の魔力にとりつかれてしまった犠牲者は、第三者によって強制的にその場から連れ出されない限り絵から視線を外すことができなくなってしまい、異常の第二段階にさらされることになってしまうのである。 絵を見つめれば見つめるほど、そこから見出される難解なテーマを議論しようとして犠牲者は混乱してしまい、3分から5分ほどで興奮のあまり体が動かなくなってしまうカタトニーによく似た状態に陥ってしまう。 こうなってしまうともう手遅れであり、犠牲者は外部からの刺激に一切の反応を示さなくなった上、人工呼吸器などの手助けがない限り数日以内に固まったまま死亡してしまうのである。 ただ、固まってしまった犠牲者をまだ生きているうちに脳波計にかけたところ、脳の機能そのものに異常は発生しておらず、被験者の脳活動は高いレベルを続けていることを示している。 では、カタトニーを発症する前に絵から引き離せば助かるのではないか、そう思われた方もいるかもしれないが、この絵はそう易々と犠牲者を解き放ってはくれないのだ。 確かに、絵から引き離してしまえば犠牲者は約30秒で体の自由を取り戻すことになる。 しかし、心理的な呪縛はまだ続いており、犠牲者は目を瞑った時や瞬きをした時などに再びあの絵の幻影を見るようになってしまい、最終的には5日から8日以内にカタトニーを引き起こして固まったまま死亡してしまうのである。 しかも、財団の所持する記憶処理能力を用いて犠牲者から絵に関する記憶を根こそぎ引っぺがしたとしても、犠牲者は一週間の間に絵に関する記憶を取り戻し、その記憶によって異常をきたすようになってしまうのだ。 もっとも、異常性がはっきりしているが故、この絵の特別収容プロトコルは実に簡潔なものとなっている。 要は、実験で誰か(当然名もなき[[Dクラス>Dクラス(SCP Foundation)]]相手になる)に見せるその時まで&bold(){不透明なカバーをかけていれば簡単に無力化することが可能}なのである。 また、絵画を撮影した写真や映像には認識災害は現れないことが判明している。 この傍迷惑な絵が発見されたのは20■■年、某ギャラリーで開かれた展覧会にこの絵が出品され、見にきていたお客が集団ヒステリーに陥ってしまったのがきっかけであった。 ギャラリーのオーナーに確認したところ、『スタンダール・ナイトメア』と銘打たれたこの絵は身元不明のエージェントによってネタバレ防止のためベールに覆われた状態で運ばれてきたことが判明している。 当然、財団は絵画を運んできたエージェントが書き残した連絡先を調査して見たが、これもまた予想通りというか連絡先は全てデタラメなものだったのだ。 こうして、出所に関する情報を得ることは不可能であると思われていたSCP-1074であるが、予想外な形で絵の製作者が判明することになった。 某博士の主導により、自らの家族を殺害した罪で死刑判決を受け、Dクラスとして財団に雇用されることになったD-67583という男を被験者として、被験者がカタトニーに陥るまでの時間を計測する実験が行われた。 D-67583は実験にかけられる直前まで「俺は無実だ、冤罪だ」と主張し続けていたのだが、絵を見せられた途端に言動が一変したのである。 絵を見せられたD-67583は、泣き出したかと思うとキャンバスの中にイエス・キリストが炎に包まれた都市を背景に剣と天秤を持って立ち、今にも自分を断罪しようとしている姿を見出してしまいあっさりと自らの犯行を自供。 その後、「俺たちは存在しない」など世迷言を言い始めたD-67583を診療所へ移送するため、絵にカバーをかけようとしたその時。 >D-67583「待ってくれ、一つ質問がある」 >博士「はい?」 >D-67583「&bold(){…are we cool yet?」} [[要注意団体>要注意団体(SCP Foundation)]]のページでも触れているが、『&bold(){[[Are We Cool Yet?>Are We Cool Yet?(SCP Foundation)]]}』とは、それを鑑賞した人に様々な異常をもたらすトンデモ芸術を作っては世にばらまいている芸術を武器としたテロリスト集団の通称である。 財団の存在を認知しており、自分たちのアートを隔離しようとする財団を黙らせるためにわざわざ「対財団用芸術兵器」((SCP-1672。視認してしまうと即座に広場恐怖症を発症し、兎に角、箱の中に入りたくなってしまう認識災害を引き起こす写真の添付された便箋である。))まで制作して送りつけてくるほど財団のことを敵視している危険な集団だ。 この絵が本当に、彼らの作品であるかは現在調査中である。 #openclose(show=【 因みに 】){ この絵のテーマとなった『スタンダール・シンドローム』にはローマやミラノなど壮大な建築や高所に描かれた絵画などが多い地域で多発していることから「上を見上げすぎて血の巡りが悪くなっただけなのでは」という身も蓋も無い解釈が存在しているそうである。 } 追記・修正は絵を見て固まってしまう前にお願いします。…僕はクールだっただろ? ね? ---- #right(){ SCP-1074 - Stendhal's Nightmare by Smapti http://www.scp-wiki.net/scp-1074 http://ja.scp-wiki.net/scp-1074(翻訳) この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。 } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,16) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 最初のSCP番号が違うのも認識災害かい? -- 名無しさん (2016-11-16 20:25:50) - ぎゃー!? 直します!? ついでに、この絵覗き込んで立像になってきますorz -- 筆者 (2016-11-16 20:50:55) - どんなに性質がヤバくても完封可能ならsafeというお手本。あと近いのは517か -- 名無しさん (2016-11-16 21:53:00) - 肩のこらないクールなオチだわ -- 名無しさん (2016-11-17 01:10:54) - クソトカゲに見せて倒せたりして、終末論好きそうだし -- 名無しさん (2016-12-28 20:15:14) - ↑抵抗力を身に着けた上に、スタンダールエネルギー波(仮称)を放出する危険がある。 -- 名無しさん (2018-02-01 17:43:39) - 写真や映像なら問題ない当たりおとなしいほうか。カメラ付きゴーグルでリアルタイムの撮影映像見ながら扱えば危険はないわけだし -- 名無しさん (2018-09-06 15:27:48) - 果たしてあのクソトカゲに感動なんて感情があるのかどうか 仮にあったとしても全身が固まった程度で死ぬかどうか -- 名無しさん (2018-09-09 16:36:02) - クソトカゲのことだし別の絵が見えそうだし克服してそうだし重大な収容違反が起きそう -- 名無しさん (2020-02-20 09:40:16) #comment #areaedit(end) }

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