Dr.ヒネラー

「Dr.ヒネラー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
Dr.ヒネラー」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2014/06/09 (月) 09:34:34
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----


#center(){&sizex(5){&font(#994c00){我が名はDr.ヒネラー。ネジレジアを束ねる者。}}}

#center(){&sizex(6){&b(){&font(#994c00){今こそ我ら悪魔科学の真の力を見せてやる!}}}}


Dr.ヒネラーとは『[[電磁戦隊メガレンジャー]]』に登場する敵組織・[[邪電王国ネジレジア]]の地球攻略軍司令官。演じるのは森下哲夫。名前の由来は「&ruby(ひね){捻}る」。


&bold(){&size(20){【概要】}}
 ネジレ次元に位置する円盤状の要塞、デスネジロを拠点に三次元世界の征服を狙い、ネジレ科学を用いて地球侵略の指揮を執る科学者であり、ネジレジアのトップではなく、国王ジャビウス1世の部下であり、彼の命により司令官の座に就いている。

 巨大戦艦ネジクラッシャーを使って地球侵攻を試みたが、[[ギャラクシーメガ]]に撃沈され失敗する。
以降は従来のスーパー戦隊シリーズの怪人に該当する「ネジレ獣」を送り、メガレンジャーに戦いを挑む。
 このネジレ獣はネジレ魔方陣に卵(様々な生物や植物を組み合わせたネジレ獣の遺伝子)を置き、ネジレエネルギーを注いで誕生する(中にはビビデビや[[ギレール]]が製作した個体もあるので、毎回ヒネラーが送り出しているわけではない)。

 第3話でサイネジレを倒したメガレンジャーの前に初めて姿を見せ、冒頭のセリフと共に宣戦布告。この時自分がネジレジアのトップであるかのように語っていたが、まさか実現するとは(本人を除いて)誰も思わなかっただろう。

 基本的に冷酷非道で、人間を&font(#994c00){「不完全な存在」}と蔑んで見下している。理由は後述。
 
 ユガンデやシボレナの生みの親でもあり、彼らに関しては&font(#994c00){「最高傑作」}と称し、実の息子・娘の如く深い愛情を持って接しており、彼らが傷つけられる事を決して許しはしない。

&bold(){&size(20){【物語中盤より】}}
 上記の具体例として、テコ入れのためネジレジア本国から派遣されてきたギレールの例が挙げられる。
 当初はヒネラーも部下の一人としてギレールに対し接していたが、ギレールがユガンデを道具として利用するに等しい作戦を実行した上、最終的に自身の盾として捨て駒同様に扱う様に激昂することとなった。
 そして、次話においてギレールに対し自身の開発した&font(#994c00){「潜在能力を最大限に引き出す」}効果を持つネジレゲンカプセルを投与させメガレンジャー抹殺を命じ、ギレールはメガレンジャーを圧倒したが、あと一歩のところで体液を撒き散らし苦しみ始める。
 実はカプセルは開発途上のものであり、「身体を変形させ、その意思も奪ってしまう」という重大な副作用を有していた。
 開発者であるヒネラーは当然その副作用を知っていたが、ユガンデを重体にしたギレールには意図的に副作用を隠し、副作用に苦しむギレールをシボレナと共に高笑いしながら、自我の消滅過程を見届け、謀殺に追い込むことで復讐を果たした。
&font(l){もっとも&font(#800000){建前の発言とはいえ「どんな手を使ってでも〜」}と言い出したのは他ならぬギレール本人であるため、ギレールの死に様について、ジャビウスがヒネラーに詰問した際も、上記発言を盾にされてしまっていた。}

 33話以降(37話は出かけていて留守だった)はネジレ獣に金属粒子を加えより強力となったサイコネジラーを生み出すこととなり、38話からは悪の戦隊[[邪電戦隊ネジレンジャー>邪電戦隊ネジレンジャー(電磁戦隊メガレンジャー)]]を創り出し、より一層メガレンジャーを苦しめた。
 しかし、ネジレンジャーは戦闘能力こそメガレンジャーを上回っていたが、同じ色のメガレンジャーを意図的に狙うよう擦り込まれていることで、チームワークが最悪(41話のネジブルーの行動が典型的)という短所があり、その欠点を見抜かれた結果、純粋な戦闘力は遥かに勝るにもかかわらず、作戦はことごとく失敗し、メガレンジャーに全員撃破されてしまった。
 この際ヒネラーは、久保田博士をして「理論的に最強」と言わしめるほどの強化スーツを纏うネジレンジャーの戦力に大きな期待を寄せていた分、焦りを見せることも多くなった。

 もっとも、ネジレンジャーを作成した理由はメガレンジャー打倒だけではなかった。実は、ネジレンジャーをジャビウス1世の細胞から創ることで、彼らのエネルギーの消耗とジャビウスの体力の消耗を連動させることにより、ジャビウス1世を消滅させるのが、ヒネラーの真の狙いであった。無論、母体たるジャビウスのエネルギーが尽きれば、ネジレンジャーもそのエネルギーの拠り所を失い、死する運命であることから、彼らは捨て駒である。
 だが、この目論見の達成とメガレンジャー打倒の一挙両得を狙った結果、ジャビウスの弱体化に気を配り過ぎて、メガレンジャーを葬るチャンスを幾度も逃してしまうことになった。

 その後、メガレンジャー打倒の目的は果たせなかったが、ジャビウスの殺害には成功したことで、ヒネラーはジャビウス1世の心臓となる機械核ジャビウスハートを入手、自身の目的を果たすべく動き出す。
 彼の真の目的……それはジャビウスハートの力で人類をカードに変換し、データとして管理、そして思いのままに作り変えることであった。
 一時は[[メガシルバー>メガシルバー/早川裕作]]を除く五人をカード化することに成功したが、幽体となっていたネジレンジャーがジャビウスハートで復活するという予想外の事態が発生する。
 結果、決着をつけるために元に戻されたメガレンジャーにより作戦は失敗に終わり、ヒネラーシティは壊滅、辛くも脱出する。
その過程で偶然にも彼らの正体を知ることになり、それは後述の恐ろしい出来事に繋がってしまう。
 ちなみに、第2話で健太たちのインストール(変身)シーンをモニターで目撃しているにも関わらず、ヒネラーシティ編で初めて知ったという矛盾が生じてしまった。

 ネジレンジャーの最期とヒネラーシティ編の間に起きたと思われる『[[電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャー]]』では、一つの星につき願い事を5つ叶える力を持つ宇宙妖精ピコットを強奪しようとした際に、『[[激走戦隊カーレンジャー]]』に計画を邪魔されたことから、宇宙暴走族ヘルメドーと手を組んだが、ユガンデ、シボレナ共々、カーレンジャーの存在は知らなかった様子である。
 また、同作ではヘルメドーをシボレナの洗脳で忠実な配下にするなど、相変わらずの狡猾さも発揮していた。

&bold(){&size(20){【物語終盤】}}
 ヒネラーシティを潰されたヒネラーは、この頃から地球征服よりもメガレンジャー打倒に執念を燃やすようになる。
 その手始めとして、諸星高校に[[ジゴクネジラー>絶望! 俺たちは嫌われ者!?(電磁戦隊メガレンジャー)]]を差し向け、メガレンジャーの正体を世間に知らしめ、彼らの家を破壊しそして彼らの家族や友人といった周囲の人々に危害を加えることで、高校から追放に追い込み精神的にも追い詰めた。
 &font(l){何故か彼らは何も悪くないのに「お前らがいるから襲われるんだ!」「出て行けよ!」と言わんばかりに、教師や生徒や市民から不当であまりにも理不尽な非難及び罵詈雑言暴言そして迫害を受けた。}「一応校長以外納得のいく理由はあるが」

 ジゴクネジラーが倒された後、ヒネラーは自身の最高傑作の開発に注力するようになる。
 そして、この頃から原因不明(ネジレ次元に長期間存在していたことによる副作用と思われる)の体が捻じれる症状が現れはじめた。

 開発に取り組んで入る間、シボレナによってI.N.E.Tの本拠地を特定され、決死の覚悟でバーニングユガンデと化したユガンデの猛攻で月面基地を崩壊させるに至ったが、この戦いでユガンデとシボレナを失ってしまう。
 一人取り残された彼は怪物となって久保田を襲うが、上記の症状が祟って元の姿に戻ってしまった。








 ヒネラーの正体は久保田博士の友人である鮫島博士であり、誰からも期待の目で注目を浴びた天才科学者であった。彼は宇宙開発のために、どんな環境にも耐えうるよう、人間の肉体を強化させる実験を進めていた。
 しかし、進んで実験台となった娘の静香が失敗により命を落とすと、期待の目を向けていた人間も含め、世間は「殺人科学者」「悪魔」だと鮫島を責め立て、学会を永久追放された上に、自身の理論は久保田の提唱したメガスーツ理論に取って変えられた。
 これらの出来事により鮫島はこれまでの地位や名声はもとより、今後の研究発表の機会、そして愛する娘など全てを失い、久保田を含む人間への憎しみを募らせることになった。
 そして、その後の鮫島は「鮫島の(理想とする)科学を完成させてやる」というジャビウスの言葉により、久保田の制止を振り切り、人間に復讐すべくネジレ次元へ飛び、Dr.ヒネラーとしてネジレジアに協力することとなるのであった……。



&bold(){【そして最終決戦へ……】}

 体が捻じれる現象が己の体を蝕み続け、死期が近いことを悟りながらも、ヒネラーはデスネジロを変形させた巨大[[ロボット]]、グランネジロスと一体化して[[最終決戦>つかむぜ!俺たちの卒業証書(電磁戦隊メガレンジャー)]]に挑む。
 鮫島が究極の生命体と称するだけのことはあり、その戦闘力の高さと不死身の再生能力で[[メガボイジャー]]を窮地に追い込む。更に自分と同様に人間のために闘い続けたにもかかわらず、世間から迫害を受けるメガレンジャーに上記の真実を明かして、人間たちに裏切られても幸せなのかという疑問を呈することで精神的にもメガレンジャーを追い詰め、戦闘のダメージも重なり遂には変身を解除させるに至る。



 しかし、危険を承知で諸星学園に残って声援を送る大岩先生とクラスメイトや生徒たちの姿に奮起したメガレンジャーによって、武器を奪われたことで形勢が逆転。 
 戦いの長期化で症状の進行はさらに進み、グランネジロスの頭部への致命的な一撃が災いし、先に自身の体の限界が来てしまう。
 それでもなお、ヒネラーの執念は消えず、メガレンジャーを道連れに自爆しようとする。

 自爆の被害を防ぐため、グランネジロスを抱え、メガボイジャーは地上から上空へと空高く跳躍した。久保田の研究成果であり、自身を追い込む原因となったメガスーツ理論を自身の理論が上回ることで自身の科学の正当性を証明し、大切な者を失う苦しみを健太たち5人を道連れとすることで久保田に味わわせることができることから自身の勝利を確信、久保田に勝利を宣言し、ユガンデとシボレナの幻に語り掛けながら、上空で自爆、彼の野望はその命と共に潰えるのであった。


 実験で娘を亡くし、そのために人々から激しい非難、批判を浴びたことから、悲劇の科学者としての一面は否めない部分があるが、自身の研究において実験の失敗により、実の娘が命を失ったことは確固たる事実であり、批判を受けることもやむを得ない。
 また、娘の死を受け入れず謝罪の気持ちが見受けられない、親身になってくれる友人の久保田の研究が脚光を浴びたことに嫉妬し、人類を見限った上、ネジレジアに迎え入れ、鮫島をそれなりに評価していたジャビウス1世を謀殺したことなどから、ヒネラーは、逆恨みと八つ当たりから悪に堕ちた救いようがない人物とする厳しい意見もある。




 しかしながら、以下の如く一概には断定できない。




娘の死について

 たしかに、自身が娘を死なせてしまった非について後悔している直接の描写は劇中でなされておらず、メガイエローからの「(鮫島の科学者としての姿勢の正当性につき)善悪の問題ではなく、娘まで犠牲にして鮫島自身は幸せなのか?」という趣旨の問いかけについても自身が幸せか否かの回答はしていなかったことからも、自分の行いや研究の正当性ばかり口にしているマッドサイエンティストに一見見えなくもない。
 
 しかし、彼は上述の如くユガンデを捨て駒扱いしたギレールに対し強い怒りを感じ、ネジレゲンカプセルの副作用を知らないシボレナは、みすみすギレールに手柄を与えるような真似をした鮫島に失望と怒りを表したときも(自身の製作した最高傑作であるとはいえ)ユガンデやシボレナらを傷つける者は許さない旨の発言をしており他者に対する愛情がないわけではない。

 もちろん、ユガンデやシボレナは鮫島の作品であることから、最高の科学者たる己の最高傑作に対する愛情である可能性も否定できない部分はあるが、ネジレ獣・サイコネジラーはまだしも、ジャビウス抹殺の目的も有するとはいえ、自身の製作した強化スーツを装備したネジレンジャーでさえ消耗品と扱う点からユガンデ・シボレナは鮫島にとって単なる一作品を超えた特別な存在だと思われる。

 また、シボレナ及びVSギンガマンに登場するヒズミナの存在は、鮫島が、己と己の科学の生み出した作品に対する愛情しか感じない無味乾燥な人間などではなく、娘の静香への確かな愛情とその死に対する悲しみや後悔を表しているのではないだろうか。

 地球侵略などの戦闘的活動を行うネジレジアにおいて、ユガンデのように戦闘力が高い個体の製作は、その目的から必要不可欠であり、合理的と考えられるが、シボレナ、ヒズミナはユガンデと比較して明らかに戦闘力において劣る。(特に耐久性などの防御力)
 もっとも、人間タイプの外見を持つ彼女たちは純粋な戦闘が目的ではなく、情報収集や人間社会への潜入等の諜報活動を目的に製作された可能性もある。だとすれば、戦闘力はさほど重要ではなく、戦闘力がユガンデに比して劣ることも不合理ではないが、両者はカラーリングを除き外見は完全に同一であり、正体を隠匿することを前提に目的を達する諜報活動の性質からすれば、いささか不合理である。更に彼女らの外見は娘である静香そのもの(第十話「さよなら! 哀しみのアンドロイド」において、静香以外の容貌を持つ、アンドロイドが登場していることから、少なくとも静香以外の容貌で製作することは可能と思われる)であることからも、容貌等の外見的な情報により、鮫島静香(実験失敗による死亡記事が新聞等に顔写真とともに過去に掲載されていた。)に辿り着き、彼女の死亡とその原因及び、ある時期を境に行方が知れなくなった鮫島博士に繋がることから、鮫島へと辿り着くことも容易に考えられ、純粋な諜報目的のための製作と解するのも不合理な点が残る。
 したがって、シボレナ、ヒズミナは、諜報活動や戦闘の目的に比重を置いて制作したというよりは、実験の失敗による死の後悔・罪悪感から鮫島自身が救われるため、そしてなによりも、鮫島の静香に対する深すぎる愛情から、自身の科学力により、娘に再び命を授けたと考えるのが自然であろう。

 


ジャビウスの謀殺について

 ジャビウスが絶望した鮫島をネジレジアに迎え入れたにもかかわらず謀殺したことは、いわば恩を仇で返す行いであるとするが、そもそも、ジャビウスの劇中での目的は地球侵略であり、天才的な鮫島の科学の才能に目をつけたのか、地球人でありながら人間を憎悪している点に目をつけたのかは定かではないが、決して善意から鮫島を救おうとしたわけではなく、地球侵略の道具として利用するためにネジレジアに勧誘したと考えるのが合理的である。(実際に鮫島は地球侵略の最前線で指揮を執る立場に抜擢されている。)


メガスーツ理論 

 天才・鮫島博士が打ち出す理論は完璧であり、劇中でも、鮫島が製作した強化スーツ(ネジレンジャー)はメガスーツの開発者たる久保田をして理論的に最強とまで言わしめるほどの功績をあげており、鮫島が天才科学者であることは、もはや言うまでもない。だが、鮫島は当初その溢れる才を人類のために捧げようとしていたことが本人の口から明らかになっている。つまり、「人間を信じ、人間のために科学を使う」ことを理念にしていた過去の鮫島は、純粋に自らの研究により人々が幸せになれ、人々もそれを望んでいると信じて疑わなかったと思われる。

 しかし、その純粋な理想は先に述べた実験の失敗により打ち砕かれることになる。

 彼の才能と能力は宇宙開発へと注がれることとなったが、結果は既に述べた通り大失敗であった。こうして、鮫島は愛娘を失い、鮫島理論に期待の目を向けていた人間たちも手のひらを返し彼を責め立てた。その上、追い打ちをかけるように学会からの永久追放が決定し、彼は研究者としての立場と共に誇りすらも奪われることになる。また、彼の凋落の大きな要因の一つが、久保田の掲げるメガスーツ理論が脚光を浴びたことにある。(このことから、友人の理論が脚光を浴びたことに嫉妬したという意見があるが、以下の如く嫉妬心のみと考えるのは誤りと思われる。)

 鮫島・久保田の両者は共に宇宙開発を目的とする研究を行っていたが、久保田は目的達成のための理論として、人間の身体的な弱点を高性能のスーツ纏うことで補い、強化スーツを身に着けた人間により宇宙開発の目的を達するメガスーツ理論を掲げた。しかし、仮に宇宙空間でスーツの機能が停止する等の事態が生ずれば装着者の生命や身体に危険が生ずるなど、弱点そのものには何の手立ても講じずその補強をスーツに依存することによる問題点があった。
 そこで鮫島は、メガスーツ理論をさらに一歩進め、人間の弱点に手を加えあらゆる環境に耐えうる強靭な身体にする研究、つまり、そもそもの弱点自体を無くすことで地球外の環境に適応できる人間を創り出すことで目的を達する理論を提唱していた。
 また、鮫島理論は、人間の弱さ、脆さを克服し、人間自体を強化する特性から、必ずしも宇宙開発の目的にその用途が限定されることがなく、他のあらゆる用途に理論を転化することができることから人類の進化を促進させる理論、いわば「人間を神に近づける」より完全な理論となる。

 前述の通り、人類のために科学を使い人類の発展に寄与することを理念としていた鮫島からすれば、人間の弱点を放置したままのメガスーツ理論は完全とは言い難く欠陥のある理論であった。だからこそ、鮫島にはメガスーツ理論を受け入れることはできず、メガスーツ理論の欠点を乗り越えた鮫島理論が世間からも評価を受けると考えた。
 
 しかし、現実は実験の失敗により鮫島理論は危険とみなされ、世間は久保田のメガスーツ理論を選んだ。愛する娘と天才科学者の地位、文字通りすべてを人類のために捧げたにも拘わらず、その人類は鮫島の実験の失敗の側面のみをとらえ、本質である鮫島理論そのものの良し悪しを考慮することもなく「悪魔」「殺人科学者」のレッテル貼りで彼を排除へと追い込んだことからすれば、信じるべき存在であった人間に対して、愛娘を亡くした鮫島が深い絶望と憎しみを抱くきっかけとなるは十分すぎる理由であろう。
 さらに、メガスーツ理論が脚光を浴びることによる反射的な評価として、鮫島理論は誤りであったと評価されることになる。だが、その評価は鮫島にとって実験の失敗によりこの世を去った愛娘が、誤った理論に基づく危険な実験による被害者であるとの解釈を許し、ひいては、愛する娘の死が全くの無駄でだったことにされてしまうことに繋がるものであった。このような事情もあり、鮫島は自らの理論の正当性を曲げるわけにはいかなかったのではないだろうか。
 たしかに、鮫島は宇宙開発の目的そのものはメガスーツ理論でも十分に達成することが可能であったにもかかわらず、完全な理論に固執し、あえて早すぎる段階での人体実験などを安全性が十分に確立されていない状況で行うなど、自身の理論の実践における危険性への認識が甘かったことは否定できない(現に、51話の週刊誌らしき記事には鮫島が刑事裁判により実刑判決を受けたことが記載されている。)。
 しかし、鮫島の「人間を信じ、人間のために科学を使おうとした」との発言や「人間を神に近づけようとした私のどこが悪い、科学者として当然ではないか」などの発言のから考えれば、鮫島は、科学的により欠点のない優れた方法が存在しているにもかかわらずこれを無視することなど科学者としてできるはずがなく、純粋に人類のためを思えばこそであった。また、理論を現実にすることこそが科学者の使命であるが、人間を対象とする理論の実践においては特に危険が付きまとうことはやむを得ない部分もある。例えば、創薬においては未認可の薬剤を人体に投与するなどして人体に対する臨床試験も多く行われていることからすれば、(無論、安全性が相当程度確立されていることが前提であるとはいえ)人体に対する実験自体も場合によっては行う必要があり、人体実験=直ちに悪とすることはできない。したがって、鮫島の行動は科学者として必ずしも間違っているとはいえず、科学者から見て明らかに欠点のある理論を持ち上げたことや、理論の本質を理解しようとしない世間の人間たちの愚かさに驚愕すると同時に人類の浅はかさに失望したといえよう。このことからも、一概に久保田への嫉妬や逆恨みから悪に堕ちた救いようのない人物であると断ずることは早計かと思われる。



 鮫島は科学者としての才能に溢れるあまり、数値や理論などのデジタルな科学的情報を重要視するあまり、感情や心の動きなどの人間の根本ともいえるアナログな情報を軽視していたのかもしれない。人間を不完全な存在であると称し、友人である久保田の制止もいとわずネジレ次元に飛び込んだ姿や38話において心の重要性を語った久保田を一笑に付したことからもそれが伺えよう。

 もし、彼が理論上の完璧さにとらわれることなく、久保田をはじめとする他者の言葉に耳を傾けていたならば、もし、天才的な才能がなければ、もし、彼が純粋すぎなければ、Dr.ヒネラーは誕生せず、健太、耕一郎、瞬、千里、みく、裕作、久保田博士の7人に味方する8人目の仲間が生まれていたのかもしれない。
 


心をゆえに絶望し、人類への深い憎悪を抱き、最期にはその命を散らした天才科学者もまた一人の人間であった。


#center(){&b(){&font(#994c00){見ろ…ユガンデ!シボレナ!&br()項目の追記・修正だ!ハッハッハッハ……!}}}


#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,8)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- この人と仮面ライダースーパー1やフォーゼの仮面ライダー部の面々の絡みがちょっと見たいと思ってる。  -- 名無しさん  (2014-06-09 10:24:50)
- ゴセイジャーのロボゴーグとは色々と正反対な元人間の科学者だな  -- 名無しさん  (2014-06-09 11:08:54)
- この人の研究の目指すところって要するにメガノイドだよね。・・・でもって息子同然のユガンデの声が破嵐万丈という・・・  -- 名無しさん  (2014-06-09 11:22:30)
- メガレンジャーの世界では大物だが元人間であるが故に他の戦隊シリーズの悪の組織連中(<script id="gpt-impl-0.39217766626301886" src="http://partner.googleadservices.com/gpt/pubads_impl_78.js"></script>特に幹部級)からすれば雑魚でしかないという悲しい現実・・・  -- 名無しさん  (2014-06-09 22:55:25)
- ロボゴーグとは大違いの部下思い  -- 名無しさん  (2014-06-10 01:37:36)
- 時間切れでやむなく自爆しただけで最後まで負けてないんだよな。むしろ体の限界が来なきゃ余裕で勝ってた感もある。勿論ユガンデが命を捨ててメガレンの戦力削ってくれたからっていうのもあるけども  -- 名無しさん  (2014-06-10 11:16:49)
- ケイブンシャから出ていた大百科では、彼が怪人に評価を付けるコーナーがあったが、マッドギレールに対しては「ギレールよ、それがお前の望んだ姿だ…」とコメントしていた。  -- 名無しさん  (2014-07-19 22:08:38)
- ↑4しかもやってることが結構けち臭くて女々しいから尚更な…娘を実験台にして失敗して迫害されたからってのがもう既に自業自得だし。だからもうこの時点で精神的には敗北を喫していたんだよな。  -- 名無しさん  (2014-09-22 20:53:59)
- 年代考慮すると、マスクマン・ダイレンジャー・オーレンジャーよりオウム事件の香り漂う人物だった。そう思うと、終盤の陰湿さも時代風刺だったのかも。  -- 名無しさん  (2014-11-11 18:46:22)
- 人間は不完全と言ってるがシボレナやユガンデとはマジの親子愛があり道具にするような真似はせずその人間らしい感情がヒネラーを強くしてるという皮肉。ロックマンエグゼのワイリーは自分が生み出したカーネルやアイリスへの愛はありながらも道具として扱う真似もしてたというのに。  -- 名無しさん  (2015-04-19 16:04:18)
- 終盤の怪演っぷりはガチ。特に自爆シーンのユガンデ、シボレナに語りかけるシーンはすげーインパクトあったと思う  -- 名無しさん  (2015-09-07 16:35:26)
- ↑×2 仮面ライダードライブの蛮野は、ぶっちゃけ親子愛と人間らしさを捨て去ったヒネラーって感じだな  -- 名無しさん  (2015-09-07 18:46:22)
- ちなみにメガレンジャーと同時期に放送されたビーロボカブタックのオリジナルビデオにて津田沼博士という人物が登場しており、鮫島博士同様自分より優れたものを開発した科学者に一泡吹かせるために悪の道に走った科学者がおり、最後はヒーローたちを道連れに自爆しようとした点も共通しているが、彼の場合は鮫島博士のような悲しい過去があるわけでもなく、自分を改造したわけでもないので、最後は警察に逮捕されるというオチを遂げている。  -- 名無しさん  (2015-11-29 12:39:31)
- 発明した物に「強大な力と引き換えに命を削る」という欠陥が最後まであったようにも見える気が。追放される事件からグランネジロスまで  -- 名無しさん  (2016-10-19 13:30:00)
- そう考えるととことん反省しないで他人のせいにするまったく成長しない科学者としては失格な人だったな。  -- 名無しさん  (2017-01-20 00:03:14)
- やっぱ大切なのは安全性だな。使用者の命を削ったり死亡するような発明が世間に許容されるとは思えんし。死ぬリスクがあるならその隠ぺい工作ぐらい完璧にやって見せてこその天才だろうに。  -- 名無しさん  (2017-02-10 23:24:17)
- ↑4 カブタックで死人を出すわけにはいかないからな(幽霊は出たけど)  -- 名無しさん  (2017-07-05 22:55:44)
- ↑ちなみにメガレンジャーの傲慢な校長の人はカブタックでは同じく傲慢な荻窪専務を演じている(2回しか出ていないけど初登場時にものすごい傲慢さを見せた)  -- 名無しさん  (2018-01-21 01:11:44)
- ゴーカイジャーの世界観を考えれば、ライブマンの大原丈も鮫島博士の存在を知っているのかもしれんな  -- 名無しさん  (2018-02-19 15:30:59)
- しかし、命の危険がある実験に文字通り命を捧げた娘をモデルに悪のシボレナやヒズミナを開発して悪行させている辺り、仮面ライダードライブの蛮野とは別ベクトルの父親失格な人。  -- 名無しさん  (2018-04-04 12:58:22)
- シボレナやユガンデと静かに暮らせばよかったのにね。名誉欲や私怨に溺れて子供を犠牲にし続けたとしか  -- 名無しさん  (2018-07-24 18:40:25)
- 権力者と手を組んで研究してたら死人が出しても揉み消してくれるだろうに  -- 名無しさん  (2018-08-02 14:48:35)
- 危険性からスポンサーになってくれるとこが無くて見かねた娘が実験台に志願。研究所にも独断でした結果、失敗でマスコミなどに知られてバッシングという感じだったのかもな。  -- 名無しさん  (2018-08-20 17:54:19)
- 後に鮫島博士同様、戦隊が民間人に迫害されるような作戦を立案した幹部としてスコルピオが登場している。しかし彼には力づくでも自分の暴走を止めるために戦った家族がいたのに対し、鮫島博士にはその家族がいなかった・・・。  -- 名無しさん  (2018-12-12 09:26:50)
- ↑その家族の命を自分で奪ってしまいさらにその家族に似せたアンドロイドを作ってる辺り、また救いようがないよな。  -- 名無しさん  (2018-12-15 10:55:55)
- 荒らしコメントとそれに触るコメントを削除  -- 名無しさん  (2019-02-28 23:35:27)
- 最終決戦では久保田博士が自分で作ったものに敗北していない(メガボイジャーは早川の設計、メガスーツは解除されている、とどめの一撃はグランネジロスの剣)というのが印象的。ユガンデの散り方もそうなのだが、全てをかけた最終決戦でありながら本来の敵とみなした相手以外の敵に敗れる、というのは”人を人以外の何かに強化する”彼の夢想の愚かさを感じさせる印象深い決着だった。  -- 名無しさん  (2019-04-17 20:34:50)
- こと  -- 名無しさん  (2019-06-04 03:05:49)
- 亡くなられてたのか…全然知らなかったわ。にしてもgoogle検索しても「訃報」を足してもニュース検索しても一つもヒットしないのはおかしすぎる  -- 名無しさん  (2019-06-04 03:08:02)
- ↑、今年の2月に亡くなったそうです  -- 名無しさん  (2019-11-26 19:54:20)
- 死亡のソースどこなんだ?探しても一次ソースが出てこないし、ウィキペディアにも出典が書いてない  -- 名無しさん  (2019-12-05 22:23:28)
- ぶっちゃけた話、娘をモルモットに使わなければよかったよね。はした金でホームレスでもそそのかして使えばよかったのに。  -- 名無しさん  (2020-07-27 23:56:40)
- なんじゃこの項目、めちゃんこ見づらくなってるし、内容もかなり偏っているんじゃないか?ひどいにも程があるぞ  -- 名無しさん  (2020-09-04 14:06:23)
#comment
#areaedit(end)
}

復元してよろしいですか?