Pandora Hearts(漫画)

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Pandora Hearts(漫画)」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2014/09/07 Sun 22:14:24
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます

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#center(){&bold(){おまえの罪、それは―――}}


#center(){&bold(){おまえの存在そのものだ――――}}






『Pandora Hearts(パンドラハーツ)』は月刊Gファンタジーで連載していた望月淳によるダークファンタジー漫画。
2005年1月号に掲載された読み切り『パンドラハーツ』を基に設定を大幅に改編し連載化した作品である。
2006年から連載され、2015年4月号で完結した。全24巻。

ルイス・キャロルの童話『[[不思議の国のアリス]]』をモチーフにした『御伽噺』をコンセプトに、非常にダークかつ重厚なストーリー展開が特徴。

作画のクオリティは初期から高いのだが、その絵柄や雑誌柄から読んでいない人からは&bold(){腐向け}という印象を一方的に持たれがちである。しかし実際はそんな事は全くない上に、むしろヒロイン達の活躍やヒロインムーブにもしっかりと焦点が当てられており、基本的にヒロインがお飾りになる作品も少なくないGファンタジーのオリジナル作品の中では、珍しいくらいしっかりとヒロイン達がヒロインとして活躍する作品である。

何よりも本作の魅力としては、&bold(){連載当初から貼られた伏線が中盤から後半にかけて驚く程鮮やかに回収されていくこと}である。
秀逸に張り巡らされた設定の数々と、非常に深く緻密かつ魅力的に練られた世界観、そしてそれらを基にして綿密に組まれたシナリオの完成度は圧巻の一言。

また、登場人物の大半が特定の誰かに対する執着や憎悪、偏愛といった感情を抱き、それによって様々な事をやらかす&bold(){アレな人達}ばかりなのも特徴の一つ。よりはっきりと言えば敵も味方も男も女もヤンデレばっかである。むしろツンデレなメインヒロインがかなり希少な存在となっている。
この辺りの登場キャラがヤバい奴ばかりなのは、オリジナルが不思議の国のアリスな時点でしょうがないとしか言いようがない。本家もヤバい奴しかいないんだし。
しかし、それでいてどのキャラクターも綿密な背景とキャラクターの描き込みによって、独特ながらもとても魅力的で感情移入できるキャラクター達にしっかりと仕上がっている。

総じて、一度読み始めれば読み程に虜になっていく事間違いなしの作品だと言える。
単行本の巻数も、上記の通り全24巻なので非常に読み易い。

後、単行本のギャグ漫画も評価は高く、さらにカバー裏が毎回遊び過ぎているのもお楽しみの一つ。というより本編が重苦しいのでこうしたおまけでしか癒しがない…

外伝小説も全3巻発売されているが、こちらはシナリオ、挿し絵、巻末のおまけ漫画の全てが原作者の望月氏自身の書き下ろしという豪華仕様である(執筆したのは代筆の作者だが)。
各キャラのエピソードを切り抜いた番外編となっており、内容も原作者書き下ろしだけあって原作の雰囲気をよく小説に落とし込んでいる。ファンは必読の外伝である。ただしネタバレも当然含むので、できれば原作を読み終わってから読むことをオススメする。
他にも公式ファンブックも計3巻発売されており、何かと細かい設定の多い本作をより深く理解するためにはこちらも必読である。

2009年にはXEBEC製作でアニメ化されたが、7巻までの内容なので非常に中途半端なところで終わっている。さらに基本的には原作通りの内容なのに、原作の細かい描写や幾つかの伏線をカットしまくったせいで内容が飛ばし飛ばしになっている部分もある上に、原作7巻までの内容を無理矢理12話に詰め込んでいるのでグダグダである。加えて単純に作画も良くない。
この為、原作ファンからの評価も軒並み低くく、お世辞にもオススメはできない内容となっているが、単行本を内容を知らない内に買う事に抵抗がある人が、お試し感覚で軽く見る分には良いのかもしれない。

**ストーリー
四大公爵家の一つ、ベザリウス家の長男・オズ=ベザリウスはその日、15歳の成人の儀を控えていた。
だがその日、別荘の裏庭で奇妙な墓を見つけた時から、彼の運命は狂い始める…。
成人の儀の最中、突然現れた赤いローブの集団によって、伝説に言い伝えられていた監獄「アヴィス」に堕とされてしまったのだ。
そのアヴィスの中で出会った謎の少女・アリスに導かれるがまま、オズは彼女と契約を交わす。
アリスの力で再び元の世界に戻ってきた彼は、アヴィスの研究・その事件解決を仕事とする組織・パンドラに匿われることとなる。
そしてオズは、パンドラと共に過ごすうちに、自身の出生にまつわる秘密や裏に潜む組織「バスカヴィルの民」の陰謀の渦へと入っていく。
これはひとつの物語。ある男によって綴られた滑稽な御伽噺の続き…。



**登場人物(CVはアニメ版の声優)
○オズ=ベザリウス
CV:皆川純子
本作の主人公。四大公爵家のベザリウス家の長男にして次期当主候補。15歳。
基本的にいたずら好きの女好きで、女の子はすぐさま口説きにかかり、その時にかける言葉はホストさながらで、原作者の周囲で呼ばれていたあだ名は「ホスト」。それでいいのか主人公…
一方で意図せずにヒロインをデレさせ、本人はそのことに無自覚な鈍感系主人公の気もある。
また年齢不相応な鋭さを見せる一面もあり、ブレイクとも真っ向から腹の探り合いで翻弄する場合もある。さらにいざという時の胆力もかなりもので銃で撃たれても怯まない程。
他にも、ギルバートを初め弄りがいのある他人を弄るのが大好きなドSで、非常に腹黒い一面もある。
表面上は明るくお気楽で、逆境にも屈せず献身的な性格だが、それは幼い頃から父親から冷遇され形成された、自己否定的な寂寞感の裏返しであり、本質はあらゆる物をそのまま受け入れてしまう極めて虚無的で自罰的な性格である。
明るくお気楽な言動も、自身の弱さを周囲から包み隠す為のものであり、ザクスなど一部の鋭いキャラからは「どこにいるのか分からない」「質の悪い加害者」などと評されている。
前述した女好きでいたずら好きな側面も、全ては誰かに好かれたい構ってもらいたいという、彼自身の心の中の願望が表層化したものだと思われる。まあ叔父さんの影響も間違いなくでかかったのだろうが。
当初はその自罰的な性格から、周囲に迷惑をかけない為に成人の儀でアヴィスに落とされてから10年後の世界に帰還したのを機に、自身の罪を知るべくパンドラで行動することを決めたが、ロッティやエリオットの言葉でやがて自分自身に目を向けるようになり、自分自身と仲間たちを守り彼等と胸を張って歩む為に行動するようになる。
契約した血染めの黒うさぎの力はオズの身体には負担が大きすぎた為に、普段はギルバートの鴉の力で封印しているのだが、やがてジャックが表層化するようになると血染めの黒うさぎの力を制御できるようになったばかりか、何故かオズ自身が血染めの黒うさぎの力を勝手にアリスから引き出して行使できるようになり、ブレイクのイカレ帽子屋と同じアヴィスにまつわるものを砂塵に還す力までもを発揮するようになる。
さらに現代人の子供である筈なのに、何故か作中で初めて会ったアリスのことを懐かしいと感じたり、100年前の光景に既視感を抱いたりと、彼自身にも非常に謎が多い。
そしてアリス同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることになる。

○アリス
CV:[[川澄綾子]]
オズと契約を交わしたチェイン(契約獣)である&bold(){血染めの黒うさぎ(ビーラビット)}の少女。本作のメインヒロイン。
本来の姿は巨大な鎌を持った黒いウサギの姿なのだが、何故か人間の少女の姿にもなれる。人間型のチェイン自体は他にもいるものの、人間とチェインの姿を切り替えられるのはチェインの中でも彼女だけであり、どちらが本来の姿なのかは不明。
長い間記憶喪失のままアヴィスに閉じ込められ、外の世界に脱出し記憶を取り戻すためにオズと契約する。ちなみにそれ以前にもアヴィスから脱出しようとして度々パンドラやバスカヴィルの民と衝突していたらしく、彼等からは最重要警戒対象のチェインにされている。
しかし、脱出後はオズの身体を守るべくギルバートに鴉の力で自身の力を封印されたことで、ブレイクの&s(){脅迫}交渉に応じて、自分の記憶を見つける為にオズと共にパンドラに協力するようになる。
バリバリの肉食で豪快な俺様系アホの娘で、オズに対し「私のもの」としてジャイアニズムを発揮し、その明るさで度々オズを救っている。本作では&bold(){最早希少なツンデレキャラ}。
その男前っぷりは凄まじく、はっきり言って本作の男連中の大半より男前な上に、どっちがヒロインなのか主人公なのかも分からなくなる時すらある。しかし、その一方でデレた時や弱みを見せた時などの破壊力も凄まじく、そのギャップで多くの読者を萌え殺した。
原作者の周囲で呼ばれているあだ名は「番長」。それでいいのかメインヒロイン…
戦闘力は非常に高く、下位のトランプ程度なら人間態で素手でも殺せる程。しかし、物語が進む毎に何故かオズが自分で血染めの黒うさぎの力を勝手に使うようになり、それに伴ってブレイクのイカレ帽子屋と同じアヴィスにまつわるものを砂塵に還す力まで発揮するようになる。
そしてオズ同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることになる。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は元々は人間の少女であり、サブリエの悲劇の際に何者かに殺害されている。それ後は何故か自ら記憶を破り捨てて記憶を失い、チェイン血染めの黒うさぎとなってアヴィスに存在してきた}}

○ギルバート=ナイトレイ
CV:[[鳥海浩輔]]
パンドラのエージェントで、10年前のオズの従者。当時は14歳で作中では24歳。
傷だらけな上に記憶喪失の状態で、何故かベザリウス家の敷地内で行き倒れていたところを拾われ、オスカーの紹介でオズの従者として仕えることになったが、
オズがアヴィスに堕とされ、彼を取り戻すために四大公爵家のナイトレイ家の養子となってパンドラにも入り、後に鴉との契約に成功する。
再会したオズとは年上としての再会となったが、従者以上友達未満な複雑な関係となっている。
その持ち前のヘタレさをブレイクにイジられることもしばしばで、アリスに付けられたあだ名は「ワカメ」。
公式でもネタにされるレベルでそのヘタレさは筋金入りであり、同じく記憶喪失のアリスとは違って、自分の記憶を取り戻すことに本能的な恐怖を抱いており、記憶を取り戻すことは望んでいない。
しかしオズやアリス同様、物語の展開にしたがって自身の記憶と出生の秘密を知ることとなり、やがて彼なりに精神的に成長していくこととなる。
チェインは黒翼のチェインの一体の『&bold(){鴉(レイヴン)}』。青い炎を吐く大カラス。

○ザークシーズ=ブレイク
CV:[[石田彰]]
レインズワース家の使用人。年齢不明。
ピエロのような出で立ちをしており、アリスから付けられたあだ名も「ピエロ」。甘いものが好きなのか常にキャンディを持ち歩いており、お茶会の際には客や相手のケーキにすら手をつけるとんでもない使用人。
誰に対しても慇懃無礼で常に人を喰ったような性格をしており、他人を小馬鹿にするのが趣味なドS男であり、何を考えているのかもさっぱり分からない。
しかし、本心としては忠義に篤く仲間に対しても真摯な性格であり、原作者からは「厳しいパパ」と評されている。シャロンからは影で「ザクス兄さん」と呼ばれて慕われている。
左目をアヴィスの意志に奪われており、その為に普段は前髪で左目を隠している。
実はかつてチェインの違法契約をして最終的にアヴィスに堕とされたが、そこでアヴィスの意志と接触しており、その事とパンドラに入った後の再度のチェインとの契約で肉体に限界が来ており寿命が残り少ない。その時の経験から100年前の真実を求めて活動している。
パンドラ最強と謡われるほどに強く、基本的に彼に戦わせれば負け無しなのだが、上記の事情から少しでもチェインの力を使えば直ぐに吐血して倒れてしまうのであまり戦えない。しかもその症状は物語が進むほどに酷くなっていく。
チェイン(正規)は『&bold(){イカれ帽子屋(マッドハッター)}』。アヴィスに関わる全ての力を消滅させる、チェイン殺しのチェイン。

○シャロン=レインズワース
CV:[[花澤香菜]]
四大公爵家の一つ、レインズワース家の令嬢にして次期当主。実年齢は24歳。
本作のヒロインの一人で、穏やかで優しい性格だが、内なる芯の強さを持つ強かな少女で、ブレイクの主人。
ブレイク曰く大のショタコンらしいのだが、真偽は不明。一方でアリスのことを気に入っており、彼女に「お姉さま」と&s(){無理矢理言わせた}言われた際は非常に喜んでいた。
常にどこかにハリセンを仕込んでおり、ツッコミの際にはこれで相手を張り倒す。&s(){相手は主にブレイク}。ちなみにこのハリセンはシャロンに限らずレインズワース家の女性は皆が携帯している。どういう家なんだレインズワース家…
普段はブレイク同様に底の知れない態度をしているが、中身は外見相応の少女であり、ブレイクのことも表向きは呼び捨てにして主人らしく振る舞っているものの、裏では「ザクス兄さん」と呼んで慕っており、彼の前で見せる妹としての素顔のギャップは凄まじい。
しかし、四大公爵家次期当主としての自覚と覚悟は並々ではなく、例え人質に捕られても毒を盛られて衰弱した状態でも動じず、決して相手には屈しない胆力の持ち主。
中身は既に大人の女性なのだが、ブレイク同様にチェインとの契約の影響で外見がおそらく15歳で止まっている。しかし箱入り娘なので恋愛に関しては奥手で、本人は恋愛小説が好きなもののキスシーンの挿し絵だけで赤面してしまう。一方で酒が入ると女王様気質になる。
一応は主要キャラの一人なのだが、その中でも出番が少なく、おまけでそれをよくネタにされがち。
チェインはユニコーン型の『&bold(){一角獣(エクエス)}』。影と影を繋ぎ、相手の会話や場所を影を通して見聞きして情報を収集したり、影を通して空間を繋いで人間を転移させることが可能。基本的には情報収集が得意なチェインなのだが、戦闘能力もそれなりに高く、かなり汎用性の高い便利なチェインである。

○ヴィンセント=ナイトレイ
CV:[[福山潤]]
ギルバートの弟。本作のトリックスター。
長い金髪に金とワインレッド色のオッドアイが特徴な美青年で、顔立ちや切れ長な目がギルバートと似ている。
兄と同時期にやはり何故か傷だらけでナイトレイ家の敷地内で倒れていたところを保護され、兄を探していたのだが、ギルバートがナイトレイ家の養子となったことで再会。
後に彼と同じくパンドラに入る。
兄に対し病的なまでの執着心を抱いており、何を考えているのかと問われると&bold(){「僕はいつでもギルのことを考えていますよ」}と答える&s(){変態的な}ブラコン。
しかも何かにつけてハサミであらゆるものを切り裂こうとするヤバい癖の持ち主であり、従者のエコーを何かにつけて膝に乗せたり髪を拭いたりと人形のように愛でているド変態。&s(){ヴィンセントそこ変われ}
また100年前のサブリエの悲劇の関係者であるらしいが、何故か100年前の事件を知られることを何よりも恐れており、100年前の真実を求める全ての人間(特にブレイク)を嫌悪して妨害しようとする。
パンドラに与する一方で実はバスカヴィルの民とも内通しており、様々な事件の裏で暗躍を繰り返すが、その目的は不明である。
チェインは『&bold(){眠り鼠(ヤマネ)}』。対象者を眠らせることができるのだが、副作用としてヴィンセント本人もその力に当てられてしまい、思わぬ場所で寝ることもある。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は違法契約しており『首狩りの女王(クイーンオブハート)=死刑執行人(ディオミス)』を使い首狩り事件を操っていた。}}

○エコー
CV:[[広橋涼]]
ヴィンセントの従者の少女。
水色の短髪の可愛らしい少女だが、無表情で棒読みで台詞に必ず句読点を付けるのが特徴。一人称は「エコー」。本作のヒロインの一人であり、本作では&bold(){希少なクーデレキャラ}。
ヴィンセントに忠実な人形のような振る舞いを見せるが、内心ではヴィンセントのことはウザがっており、本心ではヴィンセントに対しては強い疑問や不信感も抱いている。
一方でオズのギルバートの主人であり恩人という話をすんなり信じたりと、意外に根は素直な性格であり、相手に対してもズバズバとものを言うなど裏表がない。
オズからは「エコちゃん」と呼ばれているが、その度に「エコーです」とばっさりと返すのがお決まり。しかし、オズの言葉に共感したことをきっかけにやがて人間らしい感情に目覚め、ヴィンセントの命令に背くなど独立した意思を見せ始める。
そしてやがてオズに対して好意を抱き始め、オズから花を貰って赤面したりアリスに嫉妬したりと明確にデレ始める。可愛い。
そのビジュアルとクールな杓子定規系のキャラ、そしてデレた時の破壊力から本作の男性ファン&s(){オタク}からの人気は非常に高く、特にヴィンセントにとある理由で毒を盛られた際の顔を赤らめながら息を荒くして喘ぐエコーの姿は、全国のリョナ好きを無事に爆死させた。
戦闘では、袖から剣を出して戦い非常に高い身体能力を持つが、人間相手はともかく通常の武器が効かないチェイン相手には決定力に欠ける。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){その正体はバスカヴィルの民の一人、ツヴァイ(ノイズ)のチェインが生み出した仮想人格の一つである。}}

○オスカー=ベザリウス
CV:梅津秀行
オズとエイダの叔父で、ベザリウス家現当主。
オズを父親代わりに育てた人物であり、現在のオズの人格は彼の影響が大きい。
10年前までは細身なイケオジだったが、10年でマッチョになった。
豪快で気さくな性格をしており、貴族らしからぬ庶民的な感覚の人物で、よく服装を変えて下町に遊びに行っている。かつての妻ともそこで出会ったのだが、身体が元々弱かった為に出産の際に母子共に亡くなっている。
女好きでしょっちゅう女性を口説いており、その点はオズにしっかり引き継がれている。
オズやギルバートからは尊敬されているのだが、ギルバートの方からはベザリウスを裏切りナイトレイに渡ったという引け目から、この10年間は避けられ続けていた模様。しかし、2人のことは実の息子として変わらず大事に想っており、ぶっちゃけ本作屈指のぐう聖な漢である。
ベザリウス家の持つ扉の鍵は妻の指輪に宿らせている。

○エイダ=ベザリウス
CV:福原香織
オズの妹。本作のヒロインの一人。
10年前は幼い少女だったが、10年の時を経て可憐かつナイスバディな美少女に成長した。本作のヒロインの中でもぶっちぎりの巨乳であり、その大きさは見た目にも凄まじい。
性格は天然ぎみのおっとりとした少女であり、背景にはのほほ~んという擬音が入るほどである。現在では国内有数の名門であるラトウィッジ校に入学しており、そこではこのキャラクターに似合わず風紀委員を務めている。
猫が好きらしく10年前も現在も猫を飼っており、ラトウィッジ校では風紀委員の活動に猫の嗅覚も利用していた。
オスカーやオズからは溺愛されており、彼女が好きな人ができた旨を報告したところ、特にオスカーは半狂乱状態になるほどである。一方で彼女自身も叔父や兄のことを慕い続けており、10年もの間兄を待ち続けていた。ギルバートが常に被っている帽子も彼女がプレゼントしたものである。
実は彼女が想いを寄せる相手とはヴィンセントのことであり、グレン復活の鍵を手に入れるための情報源として利用するべくヴィンセントから交際を申し込まれたのだが、利用されるどころか持ち前の天真爛漫さで逆に無自覚にあのヴィンセントを振り回していくことになる。
ヴィンセントに対する想いは本物なのだが、そもそもブラコンの変態であり女嫌いの気すらある彼との恋愛を成就させるのは、あまりにも高く険しすぎる道のりである。
さらに10年間も兄をアヴィスから助ける方法を探すべく、彼女なりに様々なオカルトや伝承を調べた結果、とんでもないオカルト好きになってしまい、その様は&bold(){あのヴィンセントをドン引きさせた}。10年前の時点からギルバートが教えたアヴィスの伝承に興味を持っており、元々その傾向はあったのだと思われる。

○ザイ=ベザリウス
CV:大川透
オズとエイダの父親。オスカーの兄にしてベザリウス家前当主。
作中では顔に常に影が入っており、その容姿ははっきりと描かれてはいないが、10年後は額に大きな傷があるのが特徴である。
何故か息子のオズのことを毛嫌いしており、その感情は憎悪に域にすら達している程。
オズの存在すら全否定しており、彼の言動がオズの人格を歪める決定的な要因となった。この為にオズの中ではその存在自体がトラウマになっており、ギルバートやエイダからは嫌悪されている。
何故か10年前の成人の儀の日を境に消息を絶っており、その為に現在ではオスカーが新たな当主となっている。
後に何とバスカヴィルの民と行動を共にしていることが明らかとなったが、その目的は謎に包まれている。
チェインは黒翼のチェインの一体の『鷹獅子(グリフォン)』。本人も剣や銃などである程度は戦える。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は成人の儀の日にオズをアヴィスに堕としたバスカヴィルの民の正体。鷹獅子が持つ対象者をアヴィスに落とす力でオズを堕とした}}

○エリオット=ナイトレイ
CV:野島裕史
ナイトレイ家の嫡男で、誇り高い性格の少年。
ベザリウス家に敵意を示し、実家を逃げ出したギルバートを嫌悪している。
ふとした縁でオズと衝突を交わすうちに、気の置けない悪友となっていく。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){事故で死にかけたところをリーオに救われたことを代償に、首狩りのチェイン『&bold(){ハンプティダンプティ}』と違法契約を交わし、無意識のうちに兄弟を次々と手にかけてしまう。}}

○リーオ
CV:[[渡辺明乃]]
エリオットの従者を務める少年。
ぼさぼさ頭にビン底眼鏡が特徴で、いつも飄々としたマイペースな性格。
孤児出身で、エリオットに見初められて以来彼に大きな忠義と執着心を感じている。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実はグレン=バスカヴィルの魂を継ぐ者である。}}

○ルーファス=バルマ
CV:内田夕夜、チョー(幻影)
四大公爵家・バルマ家の当主。見た目は若いがかなり老けている。
古風な口調で喋りすべてを見透かしたような態度をとる食えない態度の男。
シャロンの祖母・シェリル女公爵の幼馴染であり、彼女に今も恋焦がれている。
チェインは『愚鳥(ドードー)』。

○レイム=ルネット
CV:[[諏訪部順一]]
バルマ家に仕える使用人。
生真面目な性格で、変人の主人やイカレた友人に振り回される苦労人気質。
チェインは契約者を死んだ振りにする『三月うさぎ(マーチヘアー)』。

○シェリル=レインズワース
レインズワース家の当主。
優雅な老婦人ながらも全く老いを感じさせない女傑。
チェインは『梟(アウル)』。

○チェシャ猫
CV:[[山口勝平]]
アヴィスに潜んでいる猫型のチェイン。
アヴィスの意志を狂信しており、彼女に仇なす者に敵意を向ける。
彼の左目はブレイクから奪ったもの。

≪バスカヴィルの民≫
○シャルロット=バスカヴィル
CV:豊口めぐみ
愛称”ロッティ”。
イケイケで奔放なお姉さん。グレンに恋心を抱き、彼を崇拝している。
ブレイクと何かと縁がある。
チェインはライオン型の『リオン』。

○リリィ=バスカヴィル
幼く天真爛漫な少女。
無邪気で人懐っこいが残酷な一面も持つ。レイムがお気に入り。
猟犬型のチェイン『バンダースナッチ』を所有。

○ファング=バスカヴィル
CV:近藤孝行
礼儀正しい糸目の青年。
モグラ型のチェイン『トーブ』を持つ。

○ダグ=バスカヴィル
CV:白熊寛嗣
寡黙な大男。
大体裏方に徹し、目立たない。

○ツヴァイ=バスカヴィル
いつも嘲笑を浮かべる謎のバスカヴィル。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){エコーの真の姿であり通称の『ノイズ』を名乗っている。}}
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){エコーとは対照的に、ヴィンセントに懐いている。}}
チェインは他人に仮想人格を取り憑かせ、契約者『ドルディ』の意のままに操る『ドルダム』。

≪サブリエの悲劇の関係者≫
○ジャック=ベザリウス
CV:[[小野大輔]]
ベザリウス家のかつての当主であり、パンドラの創設者。
自らの力を持ってサブリエの悲劇を最小限に食い止め、自身を封印の礎とした英雄と称賛されている。
明るく奔放な性格をしており、その天然ボケさでおまけ漫画等で周囲を振り回す。
オズの記憶に現れ彼を導き、必要とあれば彼の身体を借りている。

○アヴィスの意志
アリスと同じ姿をした、アヴィスの核が具現化した少女。
アリスとは対照的に穏やかな立ち居振る舞いをするが残酷な本性を秘めている。
&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){その正体はアリスの双子の片割れにアヴィスの核が融合した存在。}}

○グレン=バスカヴィル
CV:[[谷山紀章]]
バスカヴィル家の当主であり、サブリエの悲劇を引き起こした(&color(white){と目されていた})人物。
ジャックの親友であったが、サブリエの悲劇の直後封印されており、今もなおアヴィスの意志を狙っているという。

○レイシー=バスカヴィル
ジャック、グレンにとって大切な女性。
彼女がある意味全ての原因であった。



**用語集
・アヴィス
大罪を犯した者が堕とされるいう異空間の牢獄。
通常は脱出不可能だが、チェインの力をもってすれば歪みを生じることができる。

・チェイン
アヴィスのエネルギーにより生み出された生命体。
人間と契約し、契約者は使役することが可能だが四大公爵家の者にしかできない。

・違法契約者
正式な手筈を踏まずにチェインと契約した者。
主に一般人がそそのかされてなるものであり、契約するとチェインの力を使うごとに寿命をすり減らしていく。
時が来ると契約者はアヴィスに堕ちる。

・サブリエの悲劇
100年前に起きた、バスカヴィルの民による虐殺の直後発生した、「サブリエ」と呼ばれる街がアヴィスへと堕とされた事件。
首謀者グレン=バスカヴィルはジャック=ベザリウスにより封印され、未然に防いだ四大公爵家を中心に「パンドラ」が生まれた。





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- 女の子がみんな可愛い  -- 名無しさん  (2014-09-07 22:26:00)
- どんでん返しに次ぐどんでん返しの連続。登場人物の多くが鬱屈した何かしらの思いを抱えている  --    (2014-09-07 23:09:26)
- 16巻末からの展開には正直びっくりした。次巻で最終回か早いな  -- 名無しさん  (2014-09-07 23:17:11)
- 早いな。けど、思い返せばもう8年。  -- 名無しさん  (2014-09-07 23:23:11)
- アニメのedはどっちも名曲  -- 名無しさん  (2014-09-08 06:26:42)
- 誰だっけ?がすごい多い漫画  -- 名無しさん  (2014-09-08 06:38:46)
- ↑えっ?  -- 名無しさん  (2014-09-08 06:49:24)
- ここ三巻くらいで毎回泣いてる気がする  -- 名無しさん  (2014-09-08 08:58:16)
- 5巻くらい出てるときに表紙イラストに引かれて買ってそのまま追いかけてる漫画だわ。伏線回収も見事だし、完結したらしっかり評価されると良いな。  -- 名無しさん  (2014-09-08 18:23:20)
- ブレイクさん大好き。彼が死んでしまって最終巻読む気が半分くらい失せた。  -- 名無しさん  (2015-02-06 21:54:53)
- ↑この漫画の魅力の半分はブレイクだったからなぁ。  -- 名無しさん  (2015-02-06 21:58:53)
- 最初黒執事みたいに、パラレル19世紀末のイギリスが舞台なのかと思った  -- 名無しさん  (2015-02-06 22:03:03)
- 何かブレイク死んでからの次巻で完結させるつもりだったけど予定より話延びてまだ終わってないみたいね。最後は二巻同時発売になるかね?  -- 名無しさん  (2015-02-06 22:08:46)
- ↑まじで!なんか最終巻ちっとも発売する気配ねーじゃんとか思ってたらまだ終わってなかったのか!  -- 名無しさん  (2015-02-06 22:28:58)
- 腐向けじゃない的な説明されているけど、黒執事を読んでいた自分は最初かなり腐向けな漫画だと感じた。もちろん、意識して読めばそんなことは全然ないって分かるんだけどね。  -- 名無しさん  (2015-02-06 22:36:55)
- ↑追記 女の子が軒並み可愛いから男が読んでも普通に楽しめるしね。  -- 名無しさん  (2015-02-06 22:39:27)
- アナログでここまで綺麗なカラーを描ける人って滅多に居ないから尊敬する。色使いが本当に素晴らしい  -- 名無しさん  (2015-02-07 00:13:21)
- サンホラの漫画でも描いてくれないかなぁ。  -- 名無しさん  (2015-02-07 00:33:59)
- 6月末に最終巻発売。予想通り二巻同時発売となりました(笑)長い連載になるとキャラが勝手に動いちゃうんだろうし、仕方ないね  -- 名無しさん  (2015-05-27 15:43:36)
- 24巻がやべえ分厚いw  -- 名無しさん  (2015-06-27 17:36:30)
- うろ覚えでどこの話だったか忘れたけどオズが客観的に「どうにかしたかったけどしたところでどうにもならないんだろうし自分もああなるんだろうな」と考えてたシーンが今でも好き  -- 名無しさん  (2016-09-02 15:24:23)
- 敵も味方も愛する者のために全力疾走ってのが良いね。  -- 名無しさん  (2020-11-05 16:03:36)
- 広告貼りまくれば今からでも売れると思うんだけどな... 個人的には1巻の時点で引き込まれた。  -- 名無しさん  (2021-09-25 19:22:51)
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