SCP-1422/SCP-2000

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SCP-1422/SCP-2000」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2015/01/28 (水) 20:32:11
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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SCP-1422及びSCP-2000は怪奇創作サイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]](SCiP)であり、財団世界のカノンを構築する上で重要なウェイトを占めているであろう存在である。

まず前座として、前者のSCP-1422を紹介する。





#center(){&bold(){わからなかったということがわかった。何故わからなかったのかはわからない。}}





&italic(){SCP-1422 The Yellowstone Anomaly}(イエローストーンの怪)
&italic(){[[Object Class>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]:Neutralized}
Z


SCP-1422は、現在無力化されたオブジェクトとしてNeutralizedクラスに分類されている。レベル4オペレーター職員のみがこいつの情報について知ることができ、権限がそれに満たない職員は記憶を消去される。

元々持っていた性質は「&bold(){財団職員がイエローストーン国立公園を認識出来ない}」という特殊なものであり、
これは&s(){[[ブライト博士の残機>ブライト博士(SCP Foundation)]]}Dクラス職員から共同雇用職員を含めたあらゆる財団の人員が効果を受けていた。
2008年に5000人を超える財団職員にイエローストーン国立公園について尋ねた時、その公園について答えられた財団職員は1人たりともいなかった。
その中には、その近所に住んでいた職員・大の旅行好きの職員・果ては[[アメリカ合衆国]]国立公園局に勤務していた3人も含まれている。
しかも国立公園内部での購入記録も、許可証の予約記録すら残っていなかった。


更に言及すると、財団からイエローストーン国立公園に関連する検索記録を含めた全てのネット閲覧記録すら欠如しており、2007年7月9日以前の書類群からもイエローストーン国立公園のものだけが欠如しているのだ。
イエローストーン国立公園はマイナーな場所ではない、寧ろ日本でいうと富士山クラスの知名度を誇る超メジャーな観光スポットである。
だが、2007年7月9日を区切りにぽっかりとそれらのありとあらゆる情報が財団から欠如していた。国立公園自体に異常性は確認されなかったにも関わらず、である。

一応2009年3月18日時点でイエローストーン国立公園の存在が全職員に対し通知されており、それに伴い無力化されたとしてNeutralized指定を受けたが、原因不明の現象としてモヤモヤとするものとなった。



…ここからが本題である。
こいつが関わるSCiPが、財団には1つだけ存在する。
そう、たった&bold(){1つだけ}。














#center(){&font(#ff0000){&sizex(7){&bold(){警告:HMCL及びO5による承認が必要}}}}


&bold(){貴方がアクセスを試みているファイルはレベル4/2000クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されています。}
&bold(){このクリアランスは通常のレベル4セキュリティプロトコルに含まれません。}
&bold(){必要なクリアランス無しにこれ以上のアクセスを試みることは財団による雇用の終了、全ての教育上、医療上、退職後、あるいは死亡時の福利厚生を取り消す根拠となります。}
&bold(){認証されていないアクセスの場合、このコンソールは操作不能になります。保安要員が派遣され、貴方を蘇生した後に尋問のため留置房へ護送することになります。}
&bold(){財団のイントラネットに接続されていないいずれのコンピューターからこのファイルへアクセスを試みることも、クリアランスに関わらず即時終了をもたらすこととなります。}


#center(){&font(#ff0000){&bold(){ログイン資格を提示せよ:要レベル4/2000クリアランス}}}



&bold(){保安用情報災害起動:神経活動スキャン中…}
…
…
…
…

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){…お前たち人間は理解しない。&br()&br()そして私は決して理解することはないだろう、と思う。}}}}



意識が確認されました。ファイルを取得します。










#center(){&font(#ff0000){&bold(){我々はなぜこれを造らねばならなかったのか?}}}
#center(){&font(#ff0000){&bold(){いつやったのか?}}}
#center(){&font(#ff0000){&bold(){どれほど続けているのか?}}}
#center(){&font(#ff0000){&bold(){そもそも我々は知っているのか?!}}}











#center(){&font(#d70035){&sizex(5){Remember Us.}}}







#center(){&bold(){我々には、もう失敗は許されない。コンテニューの為のコインは尽きてしまったし、肝心の筐体はひび割れて今にも壊れそうなんだ。}}



&italic(){SCP-2000  Deus Ex Machina}(機械仕掛けの神)
&italic(){Object Class: &color(deepskyblue){&bold(){Thaumiel}}}

SCP-2000を決定するコンテストにおいて、見事SCP-2000の座を勝ち取った究極のオブジェクト、それがこの「&bold(){機械仕掛けの神}」である。
「機械仕掛けの神」の語源は主にギリシア古典演劇において、行き詰まった展開を強引に終わらせる為に劇中に神格を登場させることで、
半強制的に劇の幕を下ろす技法であり、近いもので言えば某黄門様の印籠か。
こいつが分類されている「&color(deepskyblue){&bold(){Thaumiel}}」は財団に利用されているオブジェクトに付けられているクラスであり、この存在は極々限られた人員しか知り得ない存在である。
こいつが存在する場所はイエローストーン国立公園の地下に過去何百年の間に立てられた施設であり、入り口は廃棄されたパークレンジャーステーションに偽装されている。
上記の「イエローストーンの怪」はいわば「機械仕掛けの神」を隠す為のカモフラージュであり、財団が財団職員に対して仕掛けた[[ミーム>ミーム(SCP Foundation)]]災害とも言えるものである。

何故、財団が自らの職員を半ば騙すような形になってでも徹底的にこの存在を隠し続けるのか?
それはこのSCP-2000が持つ特異性が関与している。


SCP-2000が持つ性質、それは、




#center(){&bold(){&sizex(6){世界の再構築}}}



である。

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){お前には彼らを戻すことはできない。}}}}

こいつの性質を一言で説明するならば、ずばり&bold(){「究極のセーブ&ロードマシン」}
その内部には&bold(){人類史のあらゆる時代における文化基板のデータ}が保存されており、それらを再現するための建設資材、建設機具、工場機械、農機具、その他全てのツールも同様に格納されている。
単に保存するだけの代物ならあまり珍しくないが、こいつの最大の特徴は&bold(){保存したものを自力で再現する力を持ち合わせていること。}
それは人間すらも例外ではなく、内部に50万基配備された&bold(){ブライト/ザーションヒト科複製機(BZHR)}を用いることで、データベースに保存された遺伝子情報を基に&bold(){存在しうる全ての個人を複製することが可能。}
更に5日間で任意の年齢まで成長させる機能や成長過程で記憶を埋め込む機能まで搭載されているため、肉体、精神ともに元の人物を&bold(){完璧に}再現することができる。
例えるなら、今このwikiを読んでいるあなたと全く同じ知識、記憶、精神を持つクローンを5日で作れると言うことである。

つまりこいつの機能は何らかの[[K-クラスシナリオ>K-クラスシナリオ(SCP Foundation)]]などによって人類の文明が崩壊した際、&bold(){それを一から再び生み出すことで終末を実質的に回避する}というもの。
上記の「再構築」とは[[あれ>現実改変(SCP Foundation)]]や[[これ>過去改変]]で使われるような「一度壊して作り直す」という意味ではなく、文字通り「新しく作る」ことを意味している。
冒頭の文である通り、その本質はよくあるリセットではなくコンティニューに近い。

SCP-2000は「&bold(){少なくとも}」過去に2度起動された形跡があり、その内1度はTaleとして公開されている後述の「マリアナ海溝から回収された文書」であるが、
それが2度目以降の起動であることを示しており、それ以前の起源や起動履歴は一切不明となっている。
現在は[[SCP-2998>SCP-2998]]「異常放送 2485MHz(以下異常放送)」による後述のKクラスシナリオ群の内AKないしBI、或いはSKシナリオが1度目の起動ではないかという推察があるものの、
「異常放送」は同じSCP-2000決定コンテスト出展作であり、少なくとも「異常放送」のKクラスシナリオ内部ではSCP-2000は存在しておらず、
またSCP-2000決定コンテスト出展作は同時に存在し得ない上に、「異常放送」では[[SCP-579]]と[[SCP-055]]を利用する形で世界を再構築している為該当しない可能性がある。
そのTale内に登場する財団職員は1度目の世界の再構築を目撃したか、或いは何らかの手段で知っているようだが、詳細は不明。
また、施設内部で技術職員の死体が発見されたが、遺骸は死後450~700年が経過しており、付近で[[アルト・クレフ博士>クレフ博士(SCP Foundation)]]のセキュリティ資格が発見されたものの
クレフ博士自身は関与を否定している。

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){お前はそれを捕まえたか?}}}}

存在そのものがまさに&bold(){「世界のバックアップ」}とも呼べる代物であり、当然その重要度はThaumielの中でも、どころか財団全体においてもトップクラス。
そのため前述の隠蔽措置に加え防御措置も徹底されており、財団のSF的な超技術が余すことなく注ぎ込まれている。

まずこいつは全体を&bold(){スクラントン現実錨(SRA)}で覆われている。この装置は周囲の現実を固定し、現実改変の影響を阻害することができる。
さらにダメ押しといわんばかりに&bold(){シャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)}まで設置されている。これはかの[[スクラントン博士>SCP-3001]]に匹敵する財団の天才、
タデウス・シャンク博士によって開発された装置で、効果範囲内の因果を安定化し、あらゆる因果流から隔絶するという機能を持つ。
つまりどういうことかというと、この2種類の装置が起動している限り、&bold(){SCP-2000にはどんな現実改変も過去改変も通用しないということである。}

加えて2000には特殊な空間拡張技術も使用されており、外からの見かけの大きさに比べ遙かに巨大な容積を内包している。
これにより2000は火山地帯の地下に存在しながら、およそ10㎢(&bold(){東京ドーム200個分以上})もの広大な床面積を確保することに成功している。
先述の建築機械などの復興設備もこの技術で格納していると考えられ、更には内部で&bold(){最大1万人もの人間を維持可能な居住設備}や水耕栽培棟まで完備している。
つまり先述の防御機構と組み合わせれば、&bold(){2000そのものを復興設備を兼ねたシェルターとして運用することも可能。}

このように極めて大規模かつ強大な力を持つ2000だが、驚くべきことにこれらの多彩な機能全てが&bold(){財団の科学の範囲を逸脱していない((あくまで「財団の科学の範囲」であり、一般社会の基準で見れば十分に異常。こいつがSCPに指定されているのもそのためである))。}
つまり不具合や故障が発生してもメンテナンスが可能ということであり、なおかつ異常な要素が含まれないため安定性においても段違いと言える。
まあこの辺に関しては、2000の大元の創造者が(恐らく)過去の世界の財団であるため、ある意味では当然と言えるか。

それを証明するかの如く、SCP-2000によって実行される「再構築」のプロスセスもかなりアナログである。
その手段とは、&bold(){大量生産した人間を全世界に派遣し、総動員で再開拓をすることで文明を作り直す}というもの。
一見途方もない時間がかかる非効率的な方法に見えるが、先述の機能により2000は無尽蔵に労働力を増やせる上、必要なデータも完璧に揃っているため、
十分な稼働環境が整っていれば&bold(){25~50年で2000年代相当の世界を完全に復元することができる。}
それらの文化基盤が固められた後は、復元する時代に対応する一般人口を複製、再配置し、最後に[[記憶処理剤ENUI-5>SCP-8900-EX]]を全世界に散布。
当時における人々の記憶を上書きすることで再構築は完了し、そこから再び人類の歴史がスタートする。
そしてその世界に財団は存在しており、財団は再び世界を破滅させない為に、一度世界は滅んだという事を知る者を内包しながら
再びSCiPを管理し始める循環を生み出している。

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){お前は既に失敗している。}}}}

手間や時間こそかかるものの、SCP-2000を利用する上での最大の長所は先述の通り&bold(){「元の世界をほぼ完璧に復元することができる」}という点にある。
世界を再構築して終末を回避するThaumielは他にもいくつか存在しているが、それらが元の世界との間に多少の変化が生じたり、再構築における何らかの弊害があったりする中で、
2000は終末の痕跡などの要素を残さず、目立った副作用もないため、財団の使命の一つである「&font(#0000cd){正常性の保護}」に極めて合致しているのだ。
それを抜きにしても、そもそも他のThaumielクラスが、[[副作用が半端ではなかったり、>SCP-2798]][[使用後の結果が予測不可能だったり、>SCP-1968]][[別のK-クラスシナリオの元凶になりかねなかったり>SCP-1111-JP]]、挙句の果てに[[SCP-2000と同じく財団の技術で作られたくせに、やることは「移民先の文明を現実改変で潰した序に歴史まで書き換えて『ここが地球だ』としてしまう」(おまけに第四の壁の向こう側からの操作で起動させられた疑いあり)>SCP-2237]]ものだったり、
どいつもこいつも思い通りにならないへそ曲がりばかりであり、その中でSCP-2000は、「勝手に起動しない」「起動方法がはっきりしている」「1度起動すれば確実に機能する」
など非常に優秀なオブジェクトと言える。
まさに人類最後の希望であり、財団の最後の希望に相応しい存在であろう。

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){やめろ。}}}}

しかし、単刀直入に述べるならば現在&bold(){SCP-2000は停止状態}である。
ある時、SCP-2000内部で事故が発生した。何らかのミスにより必要でない人間―しかも今存在する人間とは異なる構造の人間を1000万人以上「生産」してしまったのだ。
その際に生み出されたそれは全て「処分」されると同時にSCP-2000には停止措置が施され現在修復中なのである。
一応2020年1月までの復旧が期待されている。ものの見事に順延しまくっているが。
…え? 復旧までにKクラスシナリオが発生した際はどうするかって? [[2317>SCP-2317]]の最後の鎖の破壊とどっちが早いんだって?



#center(){&font(#ff0000){&bold(){・・・さあ?}}}

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){や め ろ 。}}}}

最後に、ある文書を紹介しよう。
前述した「マリアナ海溝から回収された文書」である。一説には、このTaleがSCP-2000の元ネタとなったのでは、という意見がある。
このTale自体の投稿はSCP-2000決定以前だが、SCP-2000に関連する記述が散見される為である。

前述したKクラスシナリオの1つ、GHクラス"デッドグリーンハウス"シナリオが発生した世界での物語である。
何らかの事象を発端として、財団が管理していたSCiPの多くが解き放たれてしまい、コントロール下に置けなくなった末に世界が破滅へと向かっていく中、ある普通の男が出会った財団職員がSCP-2000の再起動へ向かう様子を描いている。
その世界の財団は最早情報統制すら出来ないほど崩壊していることが示唆されており、きっとその財団職員は数少ない生き残りだったのだろう。
この中ではデッドグリーンハウスシナリオはGH-0と称され「&bold(){ほぼ全てのオブジェクトの封じ込めが失敗した}」最悪の事例である。
重傷を負っていたその職員は、男に何が世界に起きたのかを財団側の立場で語り、SCP-2000の再起動へ向かう。
人類を作るのは実際のところ簡単で、長い長い時間がかかるが、事件を収束させて全てを嘗てのように戻す事が出来る、と語りながら。

#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){ただやめておけ。}}}}

男は職員に言った。
「&font(#e6bfb2){あんたはおかしいぞ}
&font(#e6bfb2){これを忘れる人間なんていない}
&font(#e6bfb2){すべてを元通りにすることなんて出来ない}」


対して、ブーツを履き直した職員は笑った。
「&font(#7d7b83){なぜ出来ないと?}&u(){&bold(){前にもやったんだぞ}}」


そして男に職員は「家が水に沈む」と警告し、どこかへと向かった。
男は文書に職員から聞いたことを書き記し、パイプに詰めてロウで覆い、渓谷へ投げ入れる予定を建てた。






&font(#b4aeb1){書き残しておく必要がある。}

&font(#b4aeb1){書いておかないとそのうち忘れてしまうだろうし、今日聞いたことは重要だと思うからだ。}

&font(#b4aeb1){私にとって重要という意味ではない。}
&font(#b4aeb1){私が、あるいは今日地球に生きる人たちが なにかをできるだけの時間は過ぎてしまった。}
&font(#b4aeb1){でも、どこかのだれかがどうにかできるかもしれない。}
&font(#b4aeb1){少なくともその助けにはなるだろう。}

&font(#b4aeb1){これをパイプに詰め、ロウで覆い、渓谷の奥底に投げるつもりだ。}
&font(#b4aeb1){いつの日か、だれかがこれを読んで、考えをまとめるはずだ。}

&font(#6c272d){&bold(){それが許されるのなら。}}




#right(){&font(#4e454a){&bold(){他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、}}}
#right(){&font(#4e454a){&bold(){それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。}}}
#right(){&font(#4e454a){&sizex(2){Secure   Contain      Protect          }}}




&font(24140e){&bold(){どうか、彼らが私を洗い流さないように。}}
&font(24140e){&bold(){彼らが我々を隠さないように。}}
&font(24140e){&bold(){もっと色々なものを見つけてくれ。}}
&font(24140e){&bold(){なにかを残そうとした人たちがいることを私は知っている。}}
&font(24140e){&bold(){世界を無駄死にさせないでくれ。}}

&sizex(2){&font(#82cddd){Remember Us.}}
&font(#82cddd){我々を忘れないでくれ。}




#center(){&bold(){&font(#ffffff){&sizex(6){お前は普通じゃない。"これ"が普通だ。}}}}




**余談
SCP-1422には画像が添付されているが、実はサムネイルとクリック拡大した方でアドレスが違う。
それぞれのアドレスには文章が仕込まれており、邦訳するとこうなる。

+サムネイル:「お前の尻を引っぱたいて謝らせてやるからな」
+クリック拡大:「この記事の内容はこのままにしておこうぜ。オレとオマエの仲だろ?」


#openclose(show=…){
***SCP-2000の全貌について
SCP界隈全体で見ても高い知名度を持つSCP-2000だが、実のところ数あるThaumielの中でもトップクラスに謎に満ちた一面も持っている。
本家記事を読んで頂ければすぐに気づくのだが、報告書で説明されていない、あるいは意図的に説明していない部分が散見されるのだ。

というのも冒頭の警告文において「&bold(){レベル4/2000}クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されている」とあるが、プロトコル内では&bold(){レベル5/2000}、更には&bold(){レベル6/2000}クリアランスの存在まで言及されており、彼らしかアクセスできない情報、及び2000内の場所があることが明言されている。
つまり我々読者が読むことができる2000の報告書は「2000の存在を知るために必要な最低限の資格を持つ人員が読める報告書」に過ぎず、&bold(){どうやってもその全貌を知ることはできないのである。}
そのため上記で説明した2000の機能や性質についても真実ではない可能性がある((レベル4/2000保持者も現地で働いている人員なので、流石に全部が嘘なのはあり得ないだろうが。))。
(少なくともあれが2000の全てではない可能性はかなり高い。)

例として、記事内から読み取れる中で特に注目すべき謎は2000を運用する際の手順である。
上記の説明では省いたが、実は2000を用いた再構築プロトコルには手順が&bold(){2つ}存在している。
それらは順番に実行されるようになっており、1つ目を&bold(){「手順CYA-009」}、2つ目を&bold(){「手順ラザルス-01」}と呼ぶ。
2000の再構築プロセスとして説明した「量産した人類による手作業での復興作業」というのはラザルス-01に該当し、
このラザルス-01は前段階であるCYA-009の実行後、地球上に残存している全ての財団施設が2000に対し&bold(){「警戒解除」}のコードを送信することで実行される。

…おわかりいただけただろうか?
復興作業を行うために必須であるはずの&bold(){手順CYA-009の詳細について、記事内では全くと言って良いほど説明されていない。}
その理由は単純で、ラザルス-01も含めた2つの手順を実行するには&bold(){レベル5/2000}のクリアランスが必要だから。
レベル4/2000の人員は権限を持たないのだから知る必要はないし、あるいは知るべきでない情報なのである。だから書かれていない。

しかしレベル4/2000向け報告書の体裁となっている記事からでも、CYA-009の内容についてある程度想像することは可能である。
注目すべきはラザルス-01の実行条件である&bold(){「残存施設からの『警戒解除』コードの受理」}。
次手順実行の条件ということは前手順の完了を示す条件でもあるということ。つまり手順CYA-009の内容は、&bold(){それを実行することで地球上のサイトが警戒を解除するようなもの}と考えられる。
ここで更に情報を追加するが、元記事の収容手順の項にて、残存している財団施設は&bold(){発生したK-クラスシナリオがどのように展開されているかを監視し続ける}役目を負っている。
更に更に付け加えれば、手順CYA-009において復元されたセキュリティ担当者や機動部隊は地上に出て残存施設に赴き、&bold(){その周囲の局所現実が完全かどうか確認することになっている。}

ここから推測できるものとして最も可能性の高いCYA-009の内容とはずばり&bold(){「2000の再構築プロセスの障害となる存在の排除」}
かみ砕いて言えば&bold(){「地球上で進行中のK-クラスシナリオの鎮圧」}である。
実行権限を持つのがレベル5/2000人員であることから、その方法は2000の施設内に存在する何かを用いたものであると考えられるが、その「何か」がなんであるのかは流石にわからない。
はっきりさせるにはそれこそレベル5/2000向けの報告書を読まなければならないからである。
ただ記事内で「利用可能な付随する選択肢」と説明している辺り、&bold(){その手段は必ずしも1つだけとは限らないのかもしれない。}

と、ここまで考察してはみたものの、これもあくまで可能性の高い説の1つでしかないし、そもそも前述した通り2000についての謎はこの他にも非常に多く存在する。
更に上のレベル6/2000人員が知っていることや、サブレベル4より下の空間が存在するのかなどについてはより不明瞭であり、これらの謎は2000の底知れなさを表す特徴ともなっている。

しかしこういった謎の多さが結果的に読者の想像の余地(いわゆる[[ヘッドカノン>ヘッドカノン(SCP Foundation)]])を拡張しているのも事実であり、「機械仕掛けの神」たる2000の限界を不明確にしているという側面もある。
ある意味で「SF」という2000コンテストのテーマと両立した秀逸な書き方と言えるかもしれない。

実際、他記事における2000の扱いや強さについても変動が非常に激しく、[[思考と情報を支配するミーム実体に無力化されたこともあれば>SCP-3002]]、[[神に匹敵するほどの力を持つ現実改変者の発生源と化したり>SCP-3480]]、挙げ句の果てには&bold(){[[例の魔女>SCP-239]]や[[内側>SCP-2719]]、更には[[上位存在>SCP-3999]]ですら太刀打ちできなかった程の[[超越的実体>SCP-3812]]に大ダメージを与える}など、まさに&bold(){「機械仕掛けの神」}に相応しい暴れっぷりを見せつけている。
}



追記・修正はSCP-2000を修理してからお願いします。
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#right(){CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1422 - The Yellowstone Anomaly
by Communism will win
http://www.scp-wiki.net/scp-1422
http://ja.scp-wiki.net/scp-1422

SCP-2000 - Deus Ex Machina
by FortuneFavorsBold
http://www.scp-wiki.net/scp-2000
http://ja.scp-wiki.net/scp-2000

Document Recovered From The Marianas Trench
by Dr Gears
http://www.scp-wiki.net/document-recovered-from-the-marianas-trench
http://ja.scp-wiki.net/document-recovered-from-the-marianas-trench


この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

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#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- コメント欄が長くなってきたのでリセットしました  -- 名無しさん  (2017-10-26 20:18:25)
- 乙です  -- 名無しさん  (2017-10-27 08:29:19)
- 「K-クラスシナリオ」の単独項ができてる以上、ここにKクラス一覧を載せるのは蛇足じゃないかな?SCP-2000報告書の中でのカノンってわけじゃないし  -- 名無しさん  (2017-10-27 09:00:25)
- やっぱり空しい  -- 名無しさん  (2017-11-09 22:06:24)
- 1000番台後半からSCiPの脅威度がインフレ気味なせいで対抗策としてはぶっちゃけ頼りないんだよねこれ・・・  -- 名無しさん  (2017-11-19 06:20:51)
- 更新されてたから見たんだけどステルス文字が追加されてるのかな?つまりこの世界は(推定)三回目・・・?  -- 名無しさん  (2017-12-26 18:36:42)
- 途中に入ってくる「やめろ。」とかってSCP-2000の意思であってますか?  -- 名無しさん  (2018-01-08 21:51:54)
- 既出かもしれないけどさ、実は現在進行形でSKが起こってて、「現生人類」ってのはシフト先で、SCP-2000が産んだ「異常な人類」こそがSCP-2000の想定してる「正常な人類」で、誤動作は誤動作じゃなかった……ってことないよな……  -- 名無しさん  (2018-01-22 21:59:45)
- 隠し文字の存在を今知った。どういう意味なんだろうか。  -- 名無しさん  (2018-02-13 03:45:33)
- scp-2000によりSK-クラスシナリオが起こってる可能性もある      XK-に便乗する形で、再構築に伴うSK-をscp-2000が起こすとすれば、何らかの意思が介在しているのかも  -- 名無しさん  (2018-03-04 10:34:49)
- しばらく「世界リセット装置だよ!壊れてるけど!」みたいなズコーッってなるSCPかと思ってたけど隠し文字の存在に気付いてぞっとした  -- 名無しさん  (2018-03-23 12:01:30)
- ↑×7 記事の内容を前提にする限り、あくまでも復興するためのオブジェクトであって、Kクラスシナリオを終わらせる能力はないからな  -- 名無しさん  (2018-04-01 16:21:39)
- 今財団にあるオブジェクトたちも、かつては野に放たれていたのを財団が確保したものだ。新しく作られた人類がまたそれをやって、それが完了した時点で記憶処理を行い、そのとき「やり直し」は完了する。世界五分前仮説ってやつだね。  -- 名無しさん  (2018-06-04 18:47:22)
- rebootsだから誰かが再起動する、もしくは複数回目の実行ともとれる? というかこいつほんとにThaumielなのか?なんかまだありそうで怖い  -- 名無しさん  (2018-07-11 17:15:33)
- 本家で隠し文字になっているやつはもう少しさり気なく置いてほしいな(色を薄くするとか)  -- 名無しさん  (2018-09-09 15:27:10)
- 反転してヌッと出てくる隠し文字の怖さよ  -- 名無しさん  (2018-09-16 15:47:49)
- 正直全てのKクラスシナリオに対処できるわけじゃないし、Kクラスシナリオ一覧のくだりと2317はいらない気がするなあ。2000はそんなに万能じゃない。  -- 名無しさん  (2018-10-18 16:58:49)
- 浴槽の中で発見さ れた手記kara  -- 名無しさん  (2019-03-08 04:39:38)
- 本家で隠し文字になってるのをデカデカと書いちゃうセンスはどうなん  -- 名無しさん  (2019-04-04 12:57:16)
- ↑デカデカと隠し文字にしてるからオレはいいと思う  -- 名無しさん  (2019-04-21 06:15:23)
- ようはあれだろ、こいつが勝手に作り出した人類こそが真の人類、正しかった人類だった、俺たちこそが誤作動の産物だったのだとそういうことなんだな 隠し文字の意味合いとしては  -- 名無しさん  (2019-04-27 22:39:57)
- この普通の男ってSCP-4999かな?  -- 名無し  (2019-06-09 22:00:02)
- 財団が、コンティニューできないのさ!  -- 名無しさん  (2019-07-03 08:16:33)
- SCP-1000やサーキシズムの存在は過去の起動前からなのか後なのか、気になる  -- 名無しさん  (2019-08-06 23:07:18)
- SCP-1422の方の隠し文字ってどういう意味なんだろう?メタなのかな?  -- 名無しさん  (2019-10-23 02:44:51)
- そろそろ直る?  -- 名無しさん  (2020-01-04 20:16:14)
- 直りましたか?  -- 名無しさん  (2020-01-07 12:42:57)
- 後で直します。  -- 名無しさん  (2020-01-25 04:54:11)
- つい最近scp-2000-jpてのができた。かなり力が入ってて2000という数字をうまく使って、我々になじみ深い事をオブジェクトにしてる。誰か項目を立ててくれ!  -- 名無しさん  (2020-02-14 14:26:15)
- ↑どれ見たんだかわからんが、まだ何十とある2000jpコンテストのグランプリは投票期間中でまだ決まってない。  -- 名無しさん  (2020-02-15 06:35:10)
- ↑って言うところで投票期間も終了。犬かわいい  -- 名無しさん  (2020-02-15 16:19:11)
- 『例の魔女や内側、更には上位存在ですら太刀打ちできなかった程の超越的実体』ってどのSCP?見つからない  -- 名無しさん  (2020-02-17 09:59:19)
- ↑SCP-3812じゃないか?  -- 名無しさん  (2020-02-17 10:03:17)
- ↑ありがとう  -- 名無しさん  (2020-02-17 10:19:41)
- scp_2000_jpから来ますた  -- 名無しさん  (2020-02-20 18:18:17)
- ああ!「ブーツを履き直した」はreboot=再起動に引っ掛けていたのか!  -- 名無しさん  (2020-02-26 17:15:29)
- scp-2000は3回起動されてるけどscp-2000jpは何回目なんだ?  -- 名無しさん  (2020-03-01 21:06:22)
- ↑クレフ博士が白骨化するほどの時間がたって発見されたという点と、2000jpは(人類がほぼ全滅しても)数百年でも働き続けられるという点から、一番最近の起動という説が強い  -- 名無しさん  (2020-03-29 18:02:13)
- リブート装置関係なく、ただの雑魚SCPがイエローストーン国立公園に潜伏するだけでも認知できなくて大問題だよね   -- 名無しさん  (2020-04-22 10:18:50)
- ↑イエローストーン国立公園の周知でイエローストーン国立公園を知らない財団職員は居なくなったからセーフ。記憶の喪失から周知までの間に何かやらかしてる可能性はあるが……  -- 名無しさん  (2020-05-04 08:15:00)
- サムネイルの隠し文字はSCP-2000の著者が勝手にSCP-1422を使ったからなのでは?  -- 名無しさん  (2020-05-08 13:52:04)
- よくTaleで謎の超強化を受けているよね  -- 名無しさん  (2020-09-01 18:10:14)
- ↑×2 SCP-1422の記事はSCP-2000より先で、画像もそのファイル名で記事作成とほぼ同じタイミングでつけられてるから関係ない…とは思う  -- 名無しさん  (2020-09-20 01:19:16)
- 宇宙の消滅や現実不全系統に対処できないのはまぁせやなと思うけど、地球がオブジェクトやエイリアンまみれになった場合でもなんとか消えてくれないと使えないわけでそれらにも実質無力?  -- 名無しさん  (2020-11-09 23:00:38)
- 2000-jpのヘッドカノンだとあの記事でわんこが起動したのが「過去に起動した」うちの一回っぽいな  -- 名無しさん  (2020-11-12 12:35:11)
- ↑2 2000自体で人類絶滅を回避する程度の行動はとれるけど、地表に出られるかは別問題だな。  -- 名無しさん  (2020-12-11 03:19:15)
- この『今存在する人間とは異なる構造の人間』ってとこはSCP-3936だと思うぞ  -- 名無しさん  (2021-06-30 10:29:35)
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