Bv141

「Bv141」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
Bv141」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}: 2015/05/29 (金)
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)


----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----

Bv141とは、ドイツ軍の&font(l){妖怪}[[試作>試作機]][[偵察機]]である。

*概要
時は第二次世界大戦の真っ只中。
ドイツ航空省は国内の航空機メーカーに対し、

「そろそろ新型偵察機が必要なんだけどさ、なんか考えてくんない?」

と要求を出した。
尚この際に出された条件は以下の様なものであった。

・エンジン単発
・視界良好
・3人乗り

しかし、しかしである。
その要求を受けた中には「あの」変態企業、ブローム・ウント・フォス(以下B&V)が居た…。
これが問題であった。
B&V「単発で視界良好な偵察機か…私にいい考えがある」

後日、B&Vが提出してきた「試作品」を見て、航空省の役人共は絶句した。

何しろB&Vがドヤ顔で提出してきたのは、

#center(){&bold(){ 左 右 非 対 称 の 飛 行 機 。}}

&italic(){「それはひょっとして冗談で作ってるのか…?」
「あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
 『俺達は 国内の飛行機屋に新型偵察機を考えろと言ったら
 B&Vから左右非対称の飛行機を提出された』
 な、何を言ってるのかわからねーと思うが 俺達にもわからねえ
 頭が変になりそうだった
 変態企業とかマッドサイエンティストとか、そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
 もっと恐ろしい物の片鱗を味わった気分だ…」
}
普通の飛行機なら胴体に当たる部分に入っているのはエンジン、燃料タンク、油圧機器などといった「機械類」のみ。
乗員が搭乗するスペースは、"胴体"のどこにも見当たらない。
それではどこに乗り込むのかといえば、胴体右側に設置された全面ガラス張りのキャビン。
全面ガラス張りだけあって確かに視界は良好すぎる。
しかし胴体とキャビンで形状が…ってか、「長さ」からして違う。

しかも驚くべきことに、この驚異のフォルムにも関わらずちゃんと飛んだどころか

#center(){&bold(){ 操 縦 性 ・ 機 動 性 は 極 め て 良 好 、}
&bold(){安 定 性 も さ ほ ど 問 題 は な い}}


という結果だったのである。
…尚、本機がテイクオフした際には航空省の役人たちは&bold(){
「[[嘘だッ!!>ひぐらしのなく頃に]]」
「[[なん…だと!?>BLEACH]]」
「[[嘘だろ!?>ストームライダー]]」
「[[…アリエナイ。>ナナシノゲエム]]」
「マジて飛びやがったァ!?」
「[[あ…ありのまま起こったことを話すぜ(ry>ポルナレフ]]」}
と絶叫したとかなんとか。

しかしエンジンと油圧周りに欠陥がある、「もしもの時の生存性」で有利、フォッケウルフの政治力などもあり、
制式採用が決まったのは要求の一つにあった「エンジン単発」を盛大に全力で無視して双胴機に仕立てあげたフォッケウルフ製の競合機、[[Fw189]]であった。
ちなみにこのFw189というヤツ、双胴機の中央にBv141のものに似た全面ガラス張りのキャビンを装備しているという形状をしており、Bv141ほどじゃあ無いがコイツも中々キモい外見である。
その形状からソ連軍からは「空飛ぶ額縁」とかなんとか呼ばれていたそうで。

…政治力とか不具合とか生存性なんてのは飽くまで表向きの話で本当は「あんなキモい飛行機なんて採用できるか!」ってことじゃないのかなあ…

尚、Fw189との競合にこそ敗れているが、航続距離・機動性・操縦性・最高速度などのスペックに関してはあろうことかBv141の方が上だったのである。
まあ機動性や航続距離に関しては、Bv141は曲がりなりにも単発機であるゆえ分からないでもないが。

また、本機を開発したB&Vと、そのB&Vのエンジニアである「リヒャルト・フォークト」博士は、コイツ以外にも奇妙奇天烈摩訶不思議・奇想天外四捨五入・出前迅速落書無用なゲテモノ航空機をこれでもかというほど開発しているそうで。
どうして誰も止めなかった。

*派生機
その形状の時点で飛行機の常識を全力で蹴っ飛ばしているBv141だが、さらに発展型として爆撃機バージョンの「Bv194」という機体も企画されていた。
このBv194はBv141をベースとし(つまりやっぱり左右非対称)、キャビンの装甲化や胴体部への爆弾倉の追加などを行ったものである。
極めつけはキャビン下部に、[[Me262]][[戦闘機]]でお馴染みの[[ターボジェットエンジン>ジェットエンジン]]、ユンカース Jumo004を補助エンジンとして追加。
但しこちらは計画のみで終わった。
フォークト博士、自重してください。

*左右非対称の意味
勿論、洒落や冗談や趣味やギャグその他で左右非対称にしたわけじゃあない。
ちゃんとした理由がある。
(でもフォークト博士のこと考えると"趣味"だけは[[案外あってそうな>大体合ってる]]気がするけどなあ)

プロペラ機というのは一見すると分からないが、実は機体に常に左右のバランスを崩そうとする力がかかっている。
この力の犯人は実はプロペラである。
まずプロペラは「回転して空気を後ろに押し出して推進力を生じさせる装置」である。回転しているのである。
この回転により機体には「プロペラの回転とは逆方向のトルク」が常にかかっている。
また、プロペラの回転により渦巻状の気流がプロペラのブレード先端から発生し、機体を常に曲がらせようとする力も生じさせている。
これを解決する方法としては、
・自動的に当て舵を行って偏る分を相殺する
・或いはブリテン・ノーマン「アイランダー」のように2台のエンジンを逆回転させてお互いのトルクを相殺する
・さらに最後の切り札「二重反転プロペラ」を採用する
…などが(一般的な手段としては)存在する。
だがしかし。
微妙に左右非対称にするってことは図面描くときに意外と面倒になってしまう。
お互い逆回転するエンジンを使えば左右対称に設計できるし当て舵も不要だが、今度は整備するときに左右のエンジンで互換性がなくなる。
二重反転プロペラ?あんなメンテナンス性がクソなもの、ばんばん使ってみろ。製造者と整備屋が過労で倒れるぞ。

さて、ここで発想を180度変えて「偏った力が発生している以上どーやってもバランス崩れるんなら逆に最初から左右非対称にすればよくね?」ということをやってみよう。
具体的にはそりゃまたしっかりきっかり151匹…じゃなかった、例えば右側に偏る力が働いている場合、右側にキャビンをずらしたりして右側「だけを」重くして空気抵抗も大きくしてみたりするってことである。
そうすると。

[[なんということでしょう。>劇的ビフォーアフター]]

反トルクは右側だけ重くなったお陰で勝手に相殺されてしまいます。
右に曲がろうとする癖は空気抵抗で自動的に打ち消されてしまいます。
そう、「結果として」形が左右非対称により空力的・力学的に左右対称にしてしまうというのがBv141の目指したところなのである。
しかもキャビンだけ独立させたことにより、強度の面でどーしようもない床以外は文字通りの全面ガラス張りを実現し最高の視界を提供できる。

[[任天堂]]公式サイトの名物コーナー、[[社長が訊く]]で「複数の問題を一挙に解決できるアイデアこそが良いアイデアである」と言われていたが、この形状も実は「複数の問題を一度に解決できるアイデア」なのだ。

だがしかし。
「航空機」としては合理的な形状ではあっても、「実用品」や「工業製品」としてはぶっちゃけ左右対称の方がデメリットを遥かに上回るメリットを有している。
実際のところ、今の時点で空飛んでいる飛行機は「左右非対称」のものが圧倒的に多いわけで。
戦争という「合理性・実用性」を極限まで求められる環境と、何よりそこそこの無茶が許される「試作機」だからこそこんなぶっ飛んだ設計が許された、とも言えよう。




航空省:
次世代偵察機の要件としては、
本項目の加筆は「エンジン単発」の、
同じく修正は「視界良好な3人乗り」の偵察機で行うことが望ましい。

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
#comment
#areaedit(end)
}

復元してよろしいですか?