Gダライアス

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Gダライアス」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2016/06/05 (日) 09:35:45
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 15 分で読めます

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#center(){
&size(20){&font(#00bfff,b){君は生命の誕生を見る…}}
}





&bold(){『Gダライアス』}はタイトーが開発した横スクロールシューティングゲーム(横STG)。
1997年6月にアーケードゲームとしてリリースされた。通称は&bold(){Gダラ}。
アーケード用ダライアスとしては第4作目に当たり、そして長らく「アーケード最後のダライアス」だった。


『[[ダライアス外伝]]』と同じく1画面の汎用筐体用として製作されたが、今作ではグラフィックが全編&bold(){3Dポリゴン}で描かれている。
流石に当時のローポリでは「&font(#dc143c){やっぱりカクカクなのどうにかならんの?}」「&font(#dc143c){刺々しくけばけばしい}」という批判も多く、ビジュアル面では3D演出が自然かつ高品質で行われていた前年の『[[レイストーム]]』程、高い評価を受けているわけではない。
しかしそこはダライアス。『レイスト』の画作りが凄すぎるだけで演出自体は悪いわけではないし、伝統的に重視しているボス戦演出は『レイスト』よりも格段にグレードアップしている。

本作だけにしかない要素も多い。
敵の雑魚を「キャプチャー」して、自機のオプションに使用できる&bold(){キャプチャーシステム}。
『[[メタルブラック]]』から受け継がれた&bold(){ビーム解放システム}。
全ステージで発生する、途中での進行ルートを決定する&bold(){分岐選択システム}。
様々な新要素が投入されたその様子は、はっきり言ってダライアスシリーズでは少し浮いた出来になっている。
だが、決して破綻はしておらず、これまでのシリーズで培ってきた演出効果との相乗効果で「独自の魅力」と「シリーズの総決算」を両立している。
『&font(#0000cd,b){異端にして集大成}』と呼ぶにふさわしいタイトルかもしれない。

1997年の[[ゲーメスト]]大賞では&font(#0000cd,b){総合5位}、&font(#0000cd){ベストシューティング賞&bold(){2位}}(ちなみに1位は『[[怒首領蜂]]』)、そして&font(#0000cd){ベストVGM賞}では2位に圧倒的な差をつけ&font(#0000cd,b){史上最高ポイントで第1位}に輝いている。
この時期になると衰弱死を目前とする状態だったSTGだが、そんな状況で音楽賞トップに立ったのだから恐ろしい。
同じく97年刊行の「ゲーメスト ザ・ベストゲーム2」では、それまでの全アーケードゲーム中&font(#0000cd,b){第11位}に入選している(この辺りは所謂「新作効果」も大きかったかもしれないが)。


だが、本作を最後に純粋なタイトー製のアーケードSTGは長く途絶えることになる。理由は格ゲーや音ゲー人気、そしてタイトー特有のバブリーな大型筐体志向。
この頃になると一般筐体を使うビデオゲームはオペレータ(ゲーセン経営者側)から軽視されており、とりわけ回転率が悪いSTGは(よほどの人気作を除いて)露骨に敬遠され、ゲーセンからは徐々に撤去されていたのだ。タイトーも以前からデラックスな専用筐体が好みだったのは『ダライアス』や『ナイトストライカー』や『電車でGO!』が物語っている。
というわけで、『Gダラ』はそうしたオペレータの要望に応え、1プレイ料金を&font(#dc143c){200円}に設定してリリースされた。
当然プレイヤーは不満たらたら、オペレータ側もボス戦で粘って稼げる設定のせいで結局回転率があんまり変わらないのでイライラ。

更にそうした声に応える形で、タイトーはよせばいいのに『&font(#dc143c,b){GダライアスVer.2}』をリリース。
1プレイ100円、連射機能標準搭載、3面で終わる初心者モード追加、ボス戦では決着までのタイムボーナス追加、と割といいことづくめの説明と裏腹に、
&font(#dc143c){実際のプレイ難度は「金半分でいいからプレイ時間も半分な」と言わんばかりに凶悪化。}
プレイヤーからは完全にそっぽを向かれてしまい、早々にゲーセンからも撤去されていった。うーんこの自滅民族。


前作の二倍近い数のスタッフクレジットを見てもわかるように、かなりの費用とマンパワーがつぎ込まれていた『Gダラ』のこの体たらく。
タイトー上層部は本格的にビデオゲームから遠ざかり始めるが、当の『Gダラ』製作スタッフはタイトーの決定に納得しなかった。
かつてジョン・フォードが階段を駆け下り、最終平和兵器を強奪して飛び立ったように、彼らの一部は後にタイトーを退社、独立。
&bold(){G.revolution――「G.rev(グレフ)」}を立ち上げ、プロジェクト・ガンフロンティアから続くタイトーSTGの遺伝子を受け継いでいくのである。


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**ストーリーと登場人物
&font(#00bfff,b){銀の鳥に導かれ、1つの惑星で起こっていた戦乱を終結させた男がいた。彼の名はアムネリア。}
&font(#00bfff,b){人々は王として即位した彼の名を星の名に据える。そして、代々不思議な力を有したアムネリア王家の元、惑星は繁栄を極めていった。}
&font(#00bfff,b){絶頂期となったのはアムネリア歴547年。時のブレザ王は自らの次元知覚能力を使い、異次元から無尽蔵のエネルギーを得る新技術を発明。自らの名を冠した衛星ブレザへの植民事業を活発化させたのである。}

&font(#00bfff,b){だが、強すぎる力はまた争いを産む。やがてアムネリア本星と衛星ブレザの間では、新たな衛星マーサの所有権争いが勃発した。}
&font(#00bfff,b){戦乱の中で生みだされた、全てを無にする悪魔の力「All Nothing(A.N.)」を用いた戦いの果てに、衛星ブレザは塵と化し、宇宙から消滅する。}
&font(#00bfff,b){時にアムネリア歴609年。自らの愚かさを思い知ったアムネリア人達はA.N.を封印し、平和への道を探り始めた。}

&font(#00bfff,b){アムネリア歴623年。戦乱が完全に終結したこの年、若干14歳でありながら、自らの未来予知能力を使って復興のシンボルとなっていた王家最後の1人、少年王アムネリア25世が王位につく。だが、彼が就任式で語った言葉は全アムネリア人への警告だった。}
&font(#00bfff,b){「備えよ! “奴ら”がやって来る!」 新たに設立(または再建)された宇宙王立軍は徐々に軍備を整えていく。しかし――}

&font(#00bfff,b){アムネリア歴626年。衛星マーサ付近の初戦において、圧倒的戦力の敵軍「偵察部隊」の前に、宇宙軍は僅か3時間で壊滅。}
&font(#00bfff,b){“死を司る者”「THIIMA(シーマ)」と名付けられた未知の機械生命体。アムネリア人の間では、彼らは「宇宙の監視者」で、異次元にまで手を出した科学文明を滅ぼそうとする存在ではないかと推測される。そしてその推測は間違っていなかった。THIIMAはA.N.の存在を全宇宙の脅威と捉えていたのだ。}
&font(#00bfff,b){必死の抵抗と調査によって突きつけられる、惑星アムネリアの全文明を結集しても、THIIMAへの抵抗はほぼ不可能だという事実。アムネリア25世は遂にA.N.の封印解除を決意し、ここに回収されたTHIIMAの一部とA.N.を融合させた禁断の戦闘機が誕生することになったのである。}

&font(#00bfff,b){建国の伝説に習い「シルバーホーク」と命名された2機の戦闘機は、パイロットのサムラック・ライダとルティア・フィーンと共に巡洋艦・エンゼルガードに搭載され、THIIMAが覆い尽くす惑星アムネリアの空へ飛び立っていく。}
&font(#00bfff,b){遠ざかるエンゼルガードを見つめるアムネリア25世は、サムラックとルティアに語りかけるように呟くのであった。}

&font(#00bfff,b){「君らは生命の誕生を見るだろう……」}



惑星ダライアスもベルサーも影も形もないが、これは本作がダライアス史における「エピソード1」(もしくはエピソード0)となるため。
&font(#0000cd){全ての起点(遠因)として定められたのが『G』の物語なのである。}


&font(#ff0000,b){◆サムラック・ライダ}(17)
シルバーホークの原型機・ARCF-06Aのテストパイロットから実戦パイロットに就任した少年。
温厚な性格と自分の意見を通す真っ直ぐさを兼ね備えている。
&font(#0000ff,b){◆ルティア・フィーン}(15)
アムネリア王が自ら選出してきた天才少女パイロット。
戦争で家族を失い、人前ではほとんど喜怒哀楽を見せない。王家の血縁者ではないかと言われているが?

今作の主役コンビは漫画チックなスタイルで描かれている。年齢を見てもわかる通り、完全に典型的日本のサブカル風になっている。
&font(l){[[Ti2>Ti2(ダライアス)]]を見た時に「ダラも萌えに走ったか」とか今更ほざいた忘れんぼう達はビーム焼きの刑な}


&bold(){◆THIIMA(シーマ)}
端的に言ってしまえば「宇宙平和の守護者」。神のごとき審判者。
非人間型知性体でハチのような社会集団知性を備え、個体知性は存在しない。コマンダー(ボス戦艦)、キャプテン(中ボス)、ソルジャー(一般ザコ)というようにクラスわけが行われている。
機械技術が非常に発達しており、戦闘用の個体はマシンと搭乗者の区別がつかないキメラと化している。鋼鉄のごとき装甲を持ちつつもしなやかな機動性を併せ持つ「有機体」。


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**ゲームシステム
一撃死・残機制のオーソドックスなルール。8方向レバーと2つのボタンで自機・シルバーホークを操作する。 
Aボタンで メインショット & ボム を発射、Bボタンでキャプチャーボールを発射する。 
ZONE(ステージ)は全5面構成と、これまでに比べて大きく減少する。しかしステージ道中では、カウントダウン終了時に画面の上半分か下半分のどちらに自機が存在するかで、ZONE内で進行ルートが分岐する。敵出現パターンやボスの攻撃パターンまで変わるため、実質的には1つのZONEで2通りのゲームを遊ぶことができる。
クリアごとに次のZONEを2択で選ぶ樹状ステージはこれまでと変わりない。 

アイテムを取得してメインショット、ボム、敵弾を防ぐバリア(アーム)をそれぞれ強化していく点、
取得スコアによる残機加算(スコアエクステンド)の代わりに、特定ポイントにショットを打ち込むと出現する1UPが隠されている点、
同じく取得すると画面内の敵・敵弾を全滅させられる隠しアイテム・金アイテムが設置されている点もこれまでと同様。

メインショットは赤アイテムを取ることにパワーアップし、6つ取得するごとに次の段階へレベルアップする。
大まかにはミサイル→敵を貫通するレーザー→敵・地形を貫通するウェーブ。今回は純粋にパワーアップするほど強くなる。
ボムは緑アイテムを取るごとにパワーアップ。3つ取得するごとに投下位置が拡大する。
アームは青アイテム取得で付与され、単発弾や、一瞬の地形接触ダメージを肩代わりしてくれる。 
5つ取得するごとにレベルアップし、耐久力が上がっていくが、各レベルで最大耐久力が設定されている。1つでも耐久力が欠けた状態で取ると満タンまで補充されるが、満タン状態で取ると5000点のスコアアイテムに変換される。
ちなみに各アイテムは非貫通の敵弾を止め、取得時には僅かに無敵時間が発生する。攻撃の激しいポイントでは無理に取りにいかない方が安全。

今作ではZONEごとの難易度にあまり差はなく、明確な初心者向けコースは存在しない。
とはいえ、進行パターンを決めやすいZONEは存在するため、ルート選択も活用すれば個人ごとの「易しいコース」を決めることはできる。三面から難易度が急上昇するのが辛いところではあるが……。
ボスの行動ルーチンもかなり厳密になっているため、パターンさえ覚えれば突破しやすい作りになっている。覚えゲー化が進行し、過度なアドリブ要素が薄まったところは人によって好みがわかれるか。ただしキャプチャーシステムを使えばある程度の無茶もきくので、ガチガチのパターンゲーとは程遠い。

***キャプチャーシステム
ザコ敵の中には、金色の「ソリドマイド」製装甲で作られたものがいる。こいつらは少しだけ耐久力が高く、キャプチャーボールを弾く特性がある。
では、非ソリドマイドのザコ的にキャプチャーボールを当てるとどうなるか……? なんと全ての敵を自機の追加武装として引き連れることが出来るのだ!
ソリドマイド装甲が一部だけについている中ボスさえも、ソリドマイド装甲にダメージを与えて破壊した後ならキャプチャーできる。

コントロールされた敵は、敵ごとに応じて定められた行動パターンによって動く。弾を撃つ者、前方への壁となる者。自機の後方に固定される者、回りを旋回する者、自機の動きに応じて射撃軸を移動させる者、[[自機の移動ルートを追従する者>グラディウス]]。中ボスは格ゲーチックな隠しコマンドを入力することで強力な攻撃を発射する。
彼らには当たり判定とある程度の耐久力が設定されており(耐久力には差がある)、非貫通の敵弾を止める盾になったり、敵にめり込ませて強引にダメージを与える接触武器として用いることもできる。
そしてこのキャプチャーしたザコの攻撃(弾や体当たり)で敵を撃破すると獲得ポイントが2倍になるという、スコアラーにとっては悩ましいシステムが実装されている。どんな敵をキャプチャーすれば効率が良いのか、如何にキャプチャーしたザコの攻撃を当てに行くか、パターン構築の腕の見せ所である。

キャプチャーしたザコの利用法はこれだけに留まらない。
もう一回Bボタンを押すと&bold(){キャプチャーボム}が発動。キャプチャーしたザコを瞬時に起爆、弾消し効果のある広範囲の爆風攻撃を発生させる。これで敵をやっつけると獲得スコアは3倍。
また、Aボタンを押し続けると&bold(){αビーム}が充填開始、完了後にボタンを離すと青いゴン太ビームが正面方向に一定時間照射される。詳細は後述。

デフォルトで3発保持しているキャプチャーボールは、紫アイテムを取得することで補充できる(最大6発)。
満タン状態で取得すると5000点アイテムに変換されるが、それ以外のボーナススコア要素は一切ない。
出現頻度はかなり高いため、道中ではガンガン敵をキャプチャーしていける。前作のブラックホールボンバーの様にごり押しには使えないので、とにかく何でもいいので敵をキャプチャーしておくと安全。


***αビームとβビーム
αビームの充填完了までの時間は通常ザコと中ボスで異なる(中ボスは少し長い)。
ちなみに充填途中でAボタンを離すとキャンセルされてしまう。この性質と、キャプチャーザコが吸収されて小さくなっていく(攻撃の当たり判定が無くなる)ことを逆利用し、熾烈なボス弾幕から中ボスを守り温存する小技も存在する。
更に更に、充填を開始すると中ボスの特殊攻撃後のウェイトもリセットされる。普通なら再発射まで時間のかかる特殊攻撃を、充填キャンセルと合わせて早撃ちすることができるのだ。

αビームの発射時間はキャプチャー先ごとに異なるが、Aボタン連打で少し延長できる。
αビームはほとんどの敵弾を打ち消すことができ、更に自機後方を除いて不可視の当たり判定が発生しているので、事実上貫通弾以外には無敵。
キャプチャー絡みのシステムと同じく、αビームで敵を倒すと獲得スコアは4倍、中ボスを使用すれば6倍にもなる。

ビームを放ってくるのはボスも同様。ボスの行動パターンには「βビーム」という赤いゴン太ビームが組み込まれている。
このβビームにαビームを当てると(タイミングを合わせる必要はない)ビームが干渉し、連打合戦となる。
連打に打ち勝てばαビームの発射時間がリセットされると同時に、敵のビームを取り込んだ「αビームカウンター」にパワーアップする。
このカウンターは最大4回まで連続する。その分連打も厳しくなるが、獲得スコアも最大12倍まで増加していくのだ。
ちなみに連打負けすると逆にαビームがβビームに吸収されてしまう。


キャプチャー、そしてαビーム周りのシステムは『[[メタルブラック]]』を強く意識している。
あちらではビジュアルのみの魅せシステムに過ぎなかったが、『Gダラ』では&font(#0000cd,b){上手いこと改善されてゲームの軸になっている}。
4倍カウンターの凄まじい光景は必見。

本作のボスはαビームで倒すことを前提に耐久力が組まれており、通常ショットでは倒すのにかなり時間がかかる。
大抵のボスはβビーム発射前にキャプチャーできるザコを放出するため、基本的にはそれを使って勝負を決めることになる。
このため「&font(#dc143c){ボスがβビームを撃ってくるまでの一分前後近く、ほとんど何もしていないのと同じなのが嫌だ}」という批判もある。

そしてスコアラーは残機潰しによるキャプチャーボール補充でスコアアタックを狙うため、次のβビーム発射までのルーチンと相まってプレイが長期化する。
スコアラーのクリア時間は面数が減っているのに『外伝』よりも長い。連打に熱中過しぎて爪を割り、コンパネを血まみれにしたスコアラーもいるらしい……。
また、お察しの通り、連射装置が組み込まれた筐体ならビーム干渉は楽勝になる。&font(#dc143c){だから外部システムに依存するバランスは何とかならんかったのか……}。


いずれにせよ、キャプチャーとビームを駆使する、&font(#0000cd,b){大味にして豪快なバランス}が本作の肝である。
キャプチャーをケチらないことと、ボス戦では積極的にカウンターを取りに行くことさえ覚えれば、初心者でも馴染みやすいだろう。


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**評価
***[[今度も滅茶苦茶、動きまくるぜ!>ゾイド -ZOIDS-]]
一言で言うと「&font(#dc143c,b){ポリゴンとテクスチャはかなり荒い}&font(#0000cd,b){が、大胆なカメラワークでそれを補っている}」。
背景の地形のテクスチャは正直言ってかなり固い。第1ステージの人工物丸出しの草原や崖で目が痛くなったプレイヤーも多いのではなかろうか。
「『Gダラ』は嫌い」という人の多くは、この荒いテクスチャとポリゴンを原因に挙げている。

だが、カメラワークはよく考えられ、プレイヤーを飽きさせない。特に第2ステージの2つのZONEのアングルはかなり凝っている。
道中演出も抜かりなく、場面場面に応じて移り変わる風景は一種の観光ショー気分}なれる。とりわけZONE οは伝説と化している。

そしてボスキャラクターはまさしく「[[機械生命体>ゾイド(金属生命体)]]」と言わんばかりに、画面を縦横無尽に泳ぎ回る}
360°回転を繰り返すデュアルホーン、ヒレで顔を隠すトライポッドサーディン、画面外への突撃を繰り返すアブソリュートディフェンダー、爆雷を放った後の動きが冗談抜きでリアルなG.T.……。
もうこれは画面を見てもらわないとわからないのだが、シューターのみならず「&font(#0000cd,b){ゲーマーならば一見の価値あり}」と言ってしまってもいいだろう。
&font(#0000cd,b){2次元横STGでこれに匹敵する敵キャラモーションを実現した作品はほとんどない。}

***驚異的サウンド
『外伝』のサウンドはまだ序の口であった。&bold(){OGR}こと&bold(){小倉久佳}の作曲センスは&bold(){超新星爆発}をおこしている。

今回のメロディーは「機械生命体」や「誕生」をモチーフに、電子楽器にしか出せない音・効果音・ジングル、そしてサンプリングした音を組み合わせている。
&font(#0000cd,b){無機質極まりない音の集合体(個々の音を聞くと到底「音楽」は想像できない)が、迫力ある壮大な旋律を奏でている}作りが不思議。
STGどころか、ゲーム音楽としてもかなり癖のある作りのため、初見では面食らう人間が続出する。
ゲームを遊びながら聞き込み、旋律についての自己解釈が進んでくるとその良さがわかる「スルメ曲」と言えるだろう。
ファンの組織票ではありえない(当時はようやくWindows97が広がり始めたところである)ゲーメスト大賞の事実上のダブルスコアが、その人気を証明している。

とりわけ評価が高いのは最終面の道中曲「&bold(){KIMERA Ⅱ}」と、ZONEλを除くラスボス戦曲「&bold(){A d a m}」。
生物を掛け合わせたキメラに対し、生物と機械が融合した新たなキメラ・THIIMAを意識した「KIMERA Ⅱ」は、電子音に波の音や吐息などの様々なサンプリング音を混ぜて作られた、生命とは何かを問う(ているはずの)壮大な楽曲。『[[R-TYPE ⊿]]』の「生命」と並ぶ2大「命のテーマ」として知られる。


「単体の音楽」としては『ダライアス』として見ても異質なものだが、「ゲーム自体との親和性」という観点ではしっかり『ダライアス』している。
生命の威厳や敬意が感じられそうな、どこか不安になる楽曲群である。


***ステージ演出――ダライアス エピソード0
&bold(){[[西川兄貴>ミゲル・アイマン]]:「G」は、ジェネシスの「G」、そして、ジェノサイドの「G」……」}

惑星アムネリアを発進し、衛星マーサと宇宙区間を経て惑星マバハーへ。シーマの最終防衛線があると予想される、とある惑星の衛星カズムンで最終決戦が行われる。
全15ステージにはサブタイトルが割り振られており、その言葉に沿った背景演出が行われる。ちなみに&font(#0000cd){サブタイトルは全て「G」から始まる言葉で統一}されている。
これも実際にプレイするか、アーケード版の動画でも見て確認してもらうしかないのだが、&font(#0000cd,b){『外伝』以上にバックストーリーを感じさせる展開}は中々のモノである。&font(#dc143c){最終ZONEの画面転換が唐突}とか、&font(#dc143c){最終ZONEのうち2つがかなり使いまわされてる}とか、&font(#dc143c){ラスボスの出現演出が控えめでひねりが無い}とか、納期の都合を薄々感じさせる惜しいところもあるが……。

『外伝』でシューター達をうならせた「音楽と合わせたステージ演出」は、流石に処理落ちの影響が大きい本作で実装するのは無謀と判断されたか、ほとんど見られない。それでもごく一部のZONEでは精一杯の工夫が凝らされている。
特にシリーズ伝統のグレートシング(G.T.)と対決する最終面・ZONE ο「GRAVE OF CULTURE」は「&font(#0000cd,b){ダライアス演出最大の衝撃}」と評されている。
&font(l){何故ZONE λではラスボス戦で「A d a m」を使わなかったのだろう? おかげでタツノオトシゴはまた影が薄くなってしまった。}

本作のエンディングは全てが「&font(#0000cd,b){誕生・発見}」に関わるシリアスなもので占められている。
物語は何時から惑星ダライアスを舞台とするようになったのか、ベルサー軍は何故生まれたのかの、シリーズ誕生の秘話が明かされる。
『初代』の「不死鳥のように」を思わせるZONEξの結末や、やはり『初代』のラスボス曲「BOSS 7」の変奏となるエンディングテーマ「未来完了 from7」など、オリジンへのオマージュ要素も色濃い。
ダライアス史としては正史となるZONE ν「GENESIS」では、「銀河系のビジョンから異空間へ転移する」「最初から最後まで自機を見ていたボス」「全戦闘用THIIMAを生み出すラスボス」など、『メタルブラック』を強く意識した演出も盛り込まれている。


ちなみに『初代』は本作からおよそ2000年後の物語となる。
この時すでに惑星アムネリアはダライアスの伝説上の存在と化しており、以降は人々の記憶からも忘れ去られていくことになる。
そして『初代』から更に1700年後、『ダライアスバースト』において再び惑星アムネリアはプレイヤーの前に姿を現す。


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**移植
例によって完全移植は存在しない。どれも癖のある内容になっている。
『Ver.2』の移植は存在しない。

&size(15){&bold(){◆プレイステーション版}}
グラフィック・システム面をほぼ完全再現。代償としてフレームレートが落ち、処理落ちも多い。
更にBGMがルート分岐やボス戦突入前に不自然に途切れるため、音楽とステージの同期がまるでできていない。
また、リアルタイムポリゴンからムービー取り込みに変更されたOPムービーの画質が最悪。
一方、ボスだけと戦える「ボスモード」と、新規OPムービーが1つ追加されている。単体ではよくわからないエンディングを保管する字幕モードも搭載されているのは嬉しいところ。
ゲームアーカイブスでも配信されている。アーカイブスや薄型PS2で遊べば処理落ちはマシになるが、音楽の途切れはどうしようもない。

&size(15){&bold(){◆Windows版}}
PS版とほぼ同様、というかアーケード版ではなくPS版を基準に移植されている。オリジナル参照じゃないナンデ……。
解像度が少し上がったが、それ以外は大差なし。

&size(15){&bold(){◆PS2版:タイトーメモリーズ下巻 エターナルヒッツ}}
やっぱりPS版基準。処理落ちとBGMの途切れが改善された。
しかしゲームバランス上必要な処理落ちまでもがかからなくなってしまった為、一部の攻撃が回避困難になってしまっている。これってVer.2の移植だっけ?
BGMもたまにずれる。

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**今から聴くには
『クロニクルセイバーズ』でも大人気の『Gダラ』曲。ここで『Gダラ』の存在を知り、興味が湧いた人も多いだろう。 
ここでは比較的手に入りやすい音源をピックアップした。

&size(15){&bold(){●iTunes配信版}}
97年版サントラと同音源を使用。現在でも十分高音質な音色がたった1,200円で手に入る。ただしゲームオーバージングルは相変わらず入っていない。
CD需要がニッチ過ぎて再販が出来るわけがないので、ZUNTATAはこうしたオンライン配信を積極的に推進している。

&size(15){&bold(){●97年版オリジナル・サウンドスコア}}
アーケード版から音質を上げたCD用音源。その音質は現在でも通用する。
OGRのコンセプトに基づき、曲順シャッフルされ、一部編曲されている。特に「KIMERA Ⅱ」は事実上の完全版と化し、ゲーム中では聞けない間奏が挿入され、曲自体が2倍の長さになっている。
難点はボス戦警告音、ゲームオーバージングルが入っていないこと。人気の盤なので希少化しており、iTunes盤配信で落ち着いたとはいえ、未だにかなりの高額で中古取引されている。

&size(15){&bold(){●タイトー レトロゲームミュージックコレクション5 シューティングクラスタ アゲイン}}
基盤から直録りした超高音質バージョンで、警告音とゲームオーバージングルも収録。
サントラ盤と比べると音量で負けており、高音部が出過ぎている感もあるが、完全に原曲と同じなのはこっち(編曲済みのサントラ盤と比べるのが間違いか)。
「CAPTAIN NEO」の原曲である『メタルソルジャーアイザック』や、ムラクモシルバーホークの元ネタである『スクランブルフォーメーション』も収録されている。




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