Mox(MtG)

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Mox(MtG)」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2016/07/14(木) 06:18:32
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます

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Mox(モックス)とは、[[Magic the Gathering]]におけるマナ・アーティファクトの一種。
単にMoxと言った場合は黎明期のアルファ版~アンリミテッド版までに印刷された5種類を指す。そのいずれもが[[パワー9>パワー9(MtG)]]に数えられている凶悪なマナ・アーティファクト。
後日リメイクという名目の調整版・下位互換が登場しており、そのいくつかは初代Moxに敬意を評してか「Mox/モックス」の名を冠している。


#blockquote(){Mox Pearl (0)
アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(白)を加える。
}

#blockquote(){Mox Sapphire (0)
アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(青)を加える。
}

#blockquote(){Mox Jet (0)
アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(黒)を加える。
}

#blockquote(){Mox Ruby (0)
アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(赤)を加える。
}

#blockquote(){Mox Emerald (0)
アーティファクト

(T):あなたのマナ・プールに(緑)を加える。
}

能力のほうは非常にシンプル。&bold(){&color(red){0マナで出せて}}、それぞれに対応する色マナを生み出すことができる(ちなみに、カード名はそれぞれの色の宝石に由来している)。

…が、この0マナで出せるというのがとんでもない曲者。MtGの基本的なルールとして、「土地は1ターンに1度しか出すことができない」というものがある。だが、コイツらは0マナのアーティファクトなので、手札にあれば何枚でも並べることが可能。基本的なルールを&color(red){根底から破壊してしまう}のである。
極端な言い方をするなら、マジックの根幹を為す「基本土地の&bold(){上位互換}」と呼ぶことさえ出来る(実際にはアーティファクトなので唱える必要がある、壊されたり無力化されやすいなど、必ずしもそうとは言えないことが多々あるが)。

こんなぶっ壊れカードが許されるはずもなく、ごく最初の基本セット(アルファ・ベータのリミテッド・エディション、そしてアンリミテッド・エディション)以降は一度も刷られることはなく、またパワー9としてマジック最初の[[制限カード>制限カード(MtG)]]に指定されている。

複数形は&bold(){"Moxen"}。なんで複数形があるかというと、&color(red){マナ加速として強力すぎるため、色の合わないデッキにもアンタップインの無色土地相当になるという理由で、五種類全部突っ込むことが多い}からである。
また《太陽の指輪/&bold()Sol Ring》(アンコモンだからパワー9に入らなかったと言われた凶悪カード)と《Black &bold()Lotus》(同じくパワー9の一角にして&color(red){マジック最高額カード})の黎明期のぶっ壊れマナ・アーティファクトと併せて&bold(){"SoLoMoxen"}と総称されている。
とはいえ最近はアーティファクトへのヘイトが強すぎるため、合わない色のMoxは入れないことも多いが。指輪と蓮?もちろん入れるが?

現在はフォーマットの関係上、公式大会で使用可能なフォーマットはエターナルのみである。そのうちレガシー(Type1.5からの移行前からずっと)では当然の如く[[禁止カード>禁止カード(MtG)]]であるが、ヴィンテージでは[[制限カード>制限カード(MtG)]]にしかなっていない(ヴィンテージは唯一制限カードが残されたフォーマットであり、禁止カードはごく一部しか存在しないため)。
そのため、ヴィンテージにおけるゲームバランスの調整およびメタゲームは、全て&bold(){SoLoMoxen}の存在を前提としたものになっている。

例えばレガシー以下エクステンデッド・モダンでも禁止カードになった《精神的つまづき/Mental Misskip》が長い間規制されなかった((2019年8月に制限指定))理由の1つもそれであるし((メインの理由は「1マナの凶悪なカードを抑え込める」であるが、「1ターン目から2マナが普通に出せるのですり抜けられる」もあった)、逆に《虚空の杯/Chalice of the Void》が規制されたのもこれが理由で、1ターン目にX=0で設置してしまえばMoxを一方的に封じ込められる。実際に虚空の杯が制限指定されたときも「Moxをデッキに入れなければ対応できるけど、Moxを使える場所を提供することがこのフォーマットの意義の1つだから」というのが理由の1つに挙げられている。
後に《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》もほぼ同じ理由で制限指定された。

さらに(主に)Moxへの対策カードとして《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman》(("モックス・モンキー"とも呼ばれる(X)(X)(1)でアーティファクトを破壊=Moxが1マナで壊せるゴリラ))や《無のロッド/Null Rod》((アーティファクトの起動型能力を全てを封じ込めてしまう=Moxが実質置物化。自身もアーティファクトなので一緒に破壊されるのはご愛嬌))がメインデッキから積まれるのも(環境によるが)よくあることである。

ぶっちゃけヴィンテージが&bold(){魔境}と呼ばれる理由の何パーセントかは、確実にこのMoxの存在があるだろう。

ちなみに&del(){マジックでは全体的に}エターナル環境では[[青>青/Blue(MtG)]]が最強色であることと、青はアーティファクト利用に最も長けた色である(《修繕/Tinker》との相性は言わずもがな)ことから、5種類の中でも《Mox Sapphire》が最強であるとされており、実際トーナメントの使用率でも取引価格でも頭一つ抜けている。
最安に近い《Mox Emerald》でも実物の宝石より高いんですけどね…。すべての色にトップメタのデッキで役割があるし。


*代表的な亜種

MtGの歴史を彩った代表的なカードであり、その分リメイクも多く作られている(多分に反面教師的な側面を持つが)。
…が、マナ・アーティファクトというのは兎に角バランス調整が難しいジャンルでもあり、調整し切れなかったのか禁止・制限カードになってしまったものも少なくない。


・《空色のダイアモンド/Sky Diamond》他ダイヤモンド・[[サイクル>サイクル(TCG)]]
各色のマナを生み出す点はモックスと同じだが、2マナでなおかつタップイン。この性能でも結構使われた。
コイツらと比較すると、&color(red){0マナでアンタップインというのはどう考えても軽すぎる}のが分かる。
ちなみに、現代の色マナを生み出すマナ・アーティファクトは大体はこのダイヤモンド・サイクルを基準にデザインされている。


・《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
テンペスト・ブロックのストロングホールドで登場した直系的なリメイクその1。
0マナのマナ・アーティファクトで好きな色のマナ1点を得られるが、戦場に出す際に土地を1枚捨てなければならない。
登場当初から5色デッキのマナ基盤として活躍していたのだが、次に出たのがよりにもよって「アーティファクト・サイクル」の異名をとる悪名高きウルザ・ブロック。同ブロックの凶悪カード、特に《[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy>トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy(MtG)]]》や《修繕/Tinker》との相性は抜群であり、[[MoMa>MoMa(MtG)]]や[[メグリムジャー>メグリムジャー(MtG)]]で猛威を振るった。
その影響もあってType1(現ヴィンテージ)で制限、Type1.5((現レガシー))で禁止カードとなっていた時期もあったが、それらの規制は現在外されている。
最序盤からマナ加速することはできるのだが、土地をコストにする必要がある都合上、一定数の土地をデッキに入れなくてはならないため、ギリギリのところでバランスは取れていたようだ(その意味で性質的には《踏査》などの土地加速カードに近いのかもしれない)。
とはいえクリーチャーの高速展開、多色デッキのマナ補助、コンボのマナ加速など色々と使われている。
のちに登場した《壌土からの生命/Life from the Loam》との相性が抜群に良く、現在は主にレガシーで活躍している。
最近では《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》を内蔵したクリーチャーである《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator》や、土地を回収できる《レンと六番/Wrenn and Six》と併用されている。

・《金属モックス/Chrome Mox》
ミラディンで登場した直系リメイクその2。モックス・ダイアモンドの調整版と見ることもできる。
こちらも0マナで、戦場に出す際に色付きのカードを一枚刻印してやる必要があり、その刻印したカードと同じ色のマナを生み出す。
やはりカード・アドバンテージは失ってしまうが、序盤から加速できるのはやはり強力。土地を捨てることこそ出来ないが全般的に《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》より使い勝手が良く、幅広いデッキで活用されてきた。
土地を切り詰めている速効型のデッキにとってはこちらのほうが良かったようだ。特に単色で速効が多い赤いデッキで使われた。
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》同様エターナルでも規制されていた((現在はすでに解除されている))他、モダンでもフォーマット制定当初から禁止カードである。
なお、ミラディン・ブロックを代表するアーティファクト系ビートダウンとして悪名高き[[親和>親和(MtG)]]があるが、親和にはそもそも色付きカードが少なく、また手札消費も激しいことから採用例は少なかった模様。
とりあえずアカデミー下では刻印しようがしまいが出るマナ総量は変わらなくなるので、色マナが必要ないデッキであれば「金属モックス出します、刻印無しで」というプレイングも正解。
出してすぐに《修繕/Tinker》したい時にも同じことが言える。最近では《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》でも使われる。

・《教議会の座席/Seat of the Synod》他アーティファクト・土地
リメイクと言えるかどうかは微妙なところだが、「土地になったことで1ターンに1枚しか出せなくなったモックスの下位互換」と考えることもできるカード群。
…が、収録されたミラディンにはアーティファクトの枚数だけマナ・コストを軽減する親和というキーワード能力が存在。これを利用した高速ビートダウンは環境をトップメタで駆け抜け、そのままスタンダード(とブロック構築とモダン)の禁止カードになってしまった。詳細は[[親和(MtG)]]の項目を参照のこと。
&del(){青が一番強いのも元祖と同じ。}
無色しか出せない《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》はオマケで破壊不能がついていた。こいつだけ対象のMoxが存在しない。


・《オパールのモックス/Mox Opal》
ミラディンの傷跡の直系リメイクその3。
0マナで好きなマナを生むが、伝説のアーティファクトになったため自分の戦場に一枚しか存在できず、さらに金属術((戦場にこれを含めてアーティファクト3枚が必要))達成を必要とするようになったため、カードパワーはかなり抑えられている。
代わりに1枚で好きな色を出せるようになった。そういう意味では《ダイアモンド》の血も引いている。
それでもスタンダード当時の白単《鍛えられた鋼/Tempered Steel》デッキや、モダンの親和やアイアンワークスでも採用された。
本家Moxや低マナコストのアーティファクトが溢れかえるヴィンテージではごく自然に採用可能。
伝説なので2枚目以降が腐りやすいが、修繕の生贄にしたり、レジェンド・ルールの変更後は《水蓮の花びら/Lotus Petal》みたいに使い捨てることもできる。
長らくアーティファクトデッキのマナ加速カードとして使われたが、アイアンワークスの活躍が決定打となりモダンで規制された。


・《モックス・アンバー/Mox Umber》
ドミナリアで登場した直系リメイクその4。
伝説なので自分の戦場に1枚しか存在できず、出せるマナが伝説のクリーチャー及びプレインズウォーカーの色のみになった。
戦場に出す際やマナ能力の起動に制限はないが、事前に有色の伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーを出しておく必要があるため、実質的な制限は今までのリメイクの比ではない。
最序盤のマナ加速用としても多色デッキの色事故軽減としても使いづらいため、過去のMoxが持っていた強みがほぼ失われている。
スタンダードでは0マナのパーマネントであることに目を付けられ、青単[[ストーム>ストーム(MtG)]]における&bold(){呪文数稼ぎ兼《逆説的な結果/Paradoxical Outcome》の餌}という何とも言えない使われ方をしていた。マナ能力はほとんどアテにされておらず、特に初期型は&bold(){伝説のクリーチャー及びプレインズウォーカーが0枚だった}。
その後《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》の参入でマナを出せるようになったが、相変わらずマナ能力は期待されていなかった。
しかし、灯争大戦で大量のプレインズウォーカーと伝説のクリーチャーが登場すると、【アゾリウス・フレンズ】で序盤の色マナ加速として使われるように。
その後基本セット2020にて【ケシス・コンボ】が登場すると、色マナ加速兼コンボパーツとして活躍することになった。
統率者戦では普通に採用されている。


・《モックス・タンタライト/Mox Tantalite》
モダンホライゾンで登場した直系リメイクその5。
マナ・コストを持たず、待機でしか唱えられないようになっている。
待機が3なので0ターン目に引いたとしても戦場に出るのは4ターン目。好きな色マナを出せるようになっているのは良いが、遅すぎる感は否めない。
また同じくパワー9の《Black Lotus》のリメイクである《睡蓮の花/Lotus Bloom》と待機の数が同じなのも厳しい。
あちらはコンボの爆発的な加速に使えたのだが、こちらは1マナ分の加速にしかならない。
また、マナ・コストを踏み倒す以外では待機以外に唱えることができないのも問題で、終盤引いた時の弱さが大きい。
とはいえMoxはMoxなので、今後何かしらの使い道がでてくるかもしれない。


・《Jack-in-the-Mox》
銀枠その1。
6面ダイスを振って出た目に応じた色のマナが出る、ギャンブル性の強いMox。
ちなみに1が出ると&bold(){自爆する}(生贄に捧げる&ライフ5点減)。


・《Mox Lotus》
銀枠その2。
出すのに15マナも掛かるが、「&bold(){あなたのマナ・プールに(∞)を加える}」という凄まじい効果を持つぶっ壊れマナ・アーティファクト。
さらに100マナを好きな色1マナに変換することができるので、実質的にどんな色のマナでも好きに出すことができる。
ちなみに3つ目の能力として「マナ・バーンでライフを失わない」という効果があるのだが、これはルール変更に伴い無意味となっていたため、Unstable発売時のエラッタで削除された。


・《Gleemox》
Magic Onlineにて配布されたプロモーションカード。なので紙のカードとしては存在しない。
カード名の由来は《Gleemax》からで、イラストも脳を象った首飾りとなっている。
マナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える、&bold(){上記の5Moxenの上位互換カード}。
…だが、&bold(){カードのテキストに}「[[This card is banned.>禁止カード(MtG)]]」と明示されており、フリーフォーム(ルール無用のフォーマット)でしか使用できない。


・《Mox Crystal》
非公式フォーマットである5-Color Magicでのみ使用可能なMox。このカード自体大会の商品でしか入手できない超希少カード。
効果は5Moxenの無色版。以前は下位互換カードだったが今ではエルドラージ等の無色マナを参照するカードがあるので相互互換になった。


追記・修正はモックス・シリーズを全てコレクションした人がお願いします。


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- 申請の際にも少し触れたけど、項目名は「モックス(MtG)」とカタカナ表記のほうが分かりやすいかな? あと、ヴィンテージはそんなに詳しくないので適当に手を入れてください。  -- 名無しさん  (2016-07-14 06:27:49)
- 銀枠のMoxも書こうず  -- 名無しさん  (2016-07-14 16:19:43)
- “最安に近いEmeraldでも実物の宝石より高い”どういう事やねん…  -- 名無しさん  (2016-07-15 12:41:42)
- ドミナリアでモックスアンバーが登場、統率者需要の高さで高騰中  -- 名無しさん  (2018-06-25 16:07:25)
- モックスダイアはウルザじゃないしかなり間違ってるな。修正します  -- 名無しさん  (2018-09-27 09:54:08)
- 修正完了しました。モックスダイア云々は勘違いだったわ  -- 名無しさん  (2018-09-27 10:22:24)
- マナサポートカードサイクルは大体”青軽減は至宝、緑はしょんぼり”になるというジンクスがあるよね。メダリオンといいダイアモンドといい使い魔といい  -- 名無しさん  (2018-10-11 16:11:08)
- ↑そりゃ緑はもともとマナ加速(マナクリ・ランパン)が得意だからな。それらにない利点がなければそりゃ採用されない  -- 名無しさん  (2018-10-11 16:13:23)
- ↑6現実の宝石はマナが出せないからMoxの方が高額なのは当然(真顔)  -- 名無しさん  (2019-08-27 11:42:57)
- モックスタンタライトは何を書けば良いのかわからん  -- 名無しさん  (2019-08-27 11:56:37)
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