SCP-444-JP

「SCP-444-JP」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
SCP-444-JP」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2016/09/13 (火) 11:06:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 22 分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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#center(){
&color(crimson){あかしけ やなげ 緋色の鳥よ}
&color(crimson){くさはみ ねはみ けをのばせ}
}


SCP-444-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「[[SCP Foundation]]」に登場する[[オブジェクト>オブジェクト(SCP Foundation)]] (SCP) の一つ。
JPのコードが示す通り、日本支部生まれである。


*概要
コイツが何かと言うと、読み上げると非常にリアルな幻覚に囚われる文章形式の言葉である。
それがこの記事の冒頭にある「&bold(){あかしけ やなげ 緋色の鳥よ くさはみ ねはみ けをのばせ}」というもの。

実際に声に出して読み上げると、こんな幻覚を体験することになる。
+&color(#ff0000){夕焼けより赤い空}が広がる原野に立っている
+4~7分経過すると自身が空を飛べることに気が付く。(ただし根拠は説明できない)
+空を飛びたい要求が高まり、幻覚の空を飛行する。現実世界の体は鎮静状態になる。
+幻覚の空を飛行開始から2~3分後に巨大な赤い鳥が飛んでくる。
+死への多大な恐怖と、苦痛を感じながら赤い鳥に&bold(){捕食}される。現実世界の体は暴れ周囲に無差別に攻撃する。
+幻覚世界での死亡後、現実の肉体は3分ほど昏睡状態となり、一部を除いて記憶をリセットされ&bold(){1に戻る。}

この間、現実世界の体はある例外を除いてコントロールできない。

この幻覚から抜け出す方法は、&u(){読み上げた文章と同じものを現実世界で何かに書き上げること}である。
その動作を行う時のみ、現実の肉体をコントロールすることが出来るのだ。
ただし、前述した通りループの継ぎ目で記憶がリセットされるため、通常は何百回も飛んで喰われて元に戻って、を繰り返すことになる。

その中でほんのかすかに引き継ぐことのできる、記憶の欠片の積み重なりの果てに、脱出方法を思い立つのだが、これには幻覚世界内の時間で数週間を要する。
そして書き上げることに成功した場合、上記のループ内で起きたすべての出来事を記憶した状態で幻覚から抜け出す。
ただしそのことが原因(&bold(){ループ内で殺された記憶なども残っている}ため)で精神疾患を患うことが多い。
そのため、帰還した人間には記憶処理が施される。

しかし、読み上げなければ害はないので財団は広がらないように扱うのはサイト-8141内にとどめ、現状では幻覚世界への探索も見送られている。

で、プロトコルも簡単で、

・この文章が読み上げられないように、見つけ次第改竄するか削除してね
・担当スタッフは専用の守秘義務が発生するよ
・他の部署へ異動することになったら記憶処理受けてね

というだけ。要するに、とにかく読み上げさせるな、サイト内に情報をとどめろ、ということである。


*補遺
このオブジェクト、元々はとある県のとある町にあった、[[日本生類創研>日本生類創研(SCP Foundation)]]の廃棄された研究所から発見されたものである。
ただ、この研究所の施設は徹底的に破壊されていた。残存データを回収して調べたところ、どうも日生研が作ったというよりは、元々はもっと長い文章の一部だった単語の断片が発見され、それを使って新しい商品を作ろうとした日生研が、文章形式に作り直したものがこれであるらしい、とわかった。
%%つくづくロクなことしない連中である。%%


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#include(テンプレ3)



















#center(){&sizex(5){===警告:プロトコル"焚書"発動下に無い状況で本ページにアクセスすることは禁じられています===}

アクセス開始…………………
 

 
セキュリティが解除されました…
444-out break状況の発動を確認…
プロトコル"焚書"の発動を確認…
緊急開示用データベースにアクセス…完了
SCP-444-JP情報を表示します Thank you See you
}




#right(){
&sizex(4){あかしけ やなげ 緋色の鳥よ }
&sizex(4){くさはみねはみ けをのばせ}
}


&sizex(6){SCP-444-JP}
&sizex(4){オブジェクトクラス:████ けてるけてるけてるけてるけてるけてる}




#size(16){{{赤時化 夜薙げ
緋色の鳥よ草食み根食み
気を伸ばせ

#right(){
赤し毛 柳毛
緋色の鳥よ草食み根食み
毛を伸ばせ
}

阿傾け 矢投げ
緋色の鳥よ
九叉食み音食み卦を伸ばせ

#right(){
あいつらの企みがうまくいっている内はよかった。
だがあいつらは失敗した。&bold(){しっぱいしたんだ}
}

補い3:暴動が起きた。おれたちは実験をやりすぎた。奴は肥え、拡大し、
SCP-444-JPを&bold(){ただ知っていただけ}だった連中も支配した。
&color(ghostwhite,crimson){  }人を食う。人の心を食う。言葉や文字、声は奴にとって狩り
&color(ghostwhite,crimson){     }エサを乗せる食器だったんだ。何も知らずにおれ
&color(ghostwhite,crimson){   <●>}やりすぎた。奴は成長し、拡大し、おれたちの血に混
&color(ghostwhite,crimson){    }んだ。おれたち全員の血にだ。全員むさぼられた。
&color(ghostwhite,crimson){     }57回も記憶処理装置を頭にぶち込んで何とか生きてる。
&color(ghostwhite,crimson){    }奴は忘れることをゆるさない。もう皆死んだ。サイト8141は封
&color(ghostwhite,crimson){   }鎖した。奴をこれ以上成長させないために、おれも死■
&color(ghostwhite,crimson){    }知るな。それだけで奴にねらわれる。
&color(ghostwhite,crimson){    }にエサをやるな、奴をあの原野に閉じ込め続けろ
&color(ghostwhite,crimson){   }

}}}
#right(){&sizex(7){エサをやるな}}

#right(){&sizex(7){知るな}}

#right(){&sizex(7){閉じ込めろ}}









上記は大体本当のことだが、ある1点説明していない部分がある。
それはこいつが、&bold(){「人の心を食らうことで成長し、より強い力を身につけてしまう」}という点。
この祝詞はただの幻覚ループギミックではない。
幻覚にとらわれた人間は意識、認識、阿頼耶識を飛ぶ緋色の鳥に心を食われ続け、それによって緋色の鳥がどんどん強くなる仕掛けである。

このSCPとその効果は、SCP-444-JPを発見した機動隊員が読み上げて幻覚に捕らわれた事で発覚し、
その機動隊員は幻覚を抜け出したあとに記憶処理を受けさせていた。

しかし、それからしばらくたってから業務中に突如「&color(#ff0000){緋色の鳥よ 未だ発たぬ}」と
8度にわたりつぶやきながら発砲し、&bold(){4名死傷・2名重症}という事件を起こした。
その後、問題の機動隊員を調べると&bold(){消したはずの記憶が完全に復元され}、そのせいで強迫性障害と退行を
起こしていることが発覚した。

この時点で、&font(b, #ff0000){記憶処理すら効かないほどにSCP-444-JPの力が強まっていることが分かる。}

そして事件は起こった。
今まで読み上げることでしか幻覚に支配されなかったSCP-444-JPの性質は、
&bold(){&font(b, #ff0000){「ただ知っているだけ」}の人間すら支配できるものへと成長してしまったのである。}

喰われ続ける心の苦痛と悲鳴に引きずられ、肉体は隣人を殺し始める。幻覚世界の精神は目の前に自身を食い殺しに来た緋色の鳥を目の当たりにし、現実の肉体は武器を持っている。となれば、あとはお察しである。
その間にも緋色の鳥は、実験の被験者となった者たちの心を喰って喰って喰いまくり、とうとう現実世界へと飛び出してしまったのである。
もはや幻覚世界に引きずり込む必要もなく、ただ祝詞を、己の存在の記憶を手掛かりに心を嗅ぎ付け、ついばみ食らう。そうして心をついばまれた者達の体は、心の欠落に引きずられるまま暴れ始める。

その結果待っているのは暴動、&bold(){緋色の鳥に心を貪られた者達がお互いに傷付け殺し合う地獄絵図である。}
補い3の部分はこの暴動の中、辛うじて正気を取り戻した一人の職員が必死で書き込んだものである。

もはや知ることすら許されない、存在を知っただけで心を喰われる。そんな存在に、緋色の鳥はなってしまったのである。
最初からこうだったのではない。
実験をやり過ぎたから、幻覚世界にエサを投げ込み過ぎたから、強くなった緋色の鳥は幻覚の赤き荒野という檻をブチ破って現実の世界に殴りこんできたのである。自身の記憶を手掛かりに、心を食らうバケモノとして。
その媒体となるのは、緋色の鳥について記した文字、緋色の鳥について語る言葉、そして緋色の鳥に心を喰われた者達の血、心を喰われた者達に殺された者の血。

要するに、

・被験者
・元被験者
・&bold(){それらの手によって殺害された者}

&bold(){彼らの血液が付着した紙媒体、およびこのオブジェクトの報告書そのものが緋色の鳥を呼ぶトリガーになってしまったのである。}(不幸中の幸いか「SCP-444-JP」というナンバーは例外の模様)。
つまり、この暴動が起きた時点で、緋色の鳥を呼ぶトリガーは「&bold(){緋色の鳥についてアイテムナンバー以外のどんな形でも認識する}」と「&bold(){心を喰われた者達の血を目で見る}」になっていたのだ。
補い3を記した職員は恐らく、報告書にしたたり落ちた血液を必死で見ないように、狂気と戦いながらあれを書いたのだろう。

暴動のさなか、正気を取り戻した職員はサイト-8141を封印・封鎖。

全てが終わった後、生き残った職員のたった一人は、トリガーとなった上記のもの全てをSCP-444-JP-1と便宜上分類。それら全てをセクター8137の地下130mにある特別収容カプセル内に格納し、あらゆる人間にこのことについての情報を伏せたのち、万が一に備えてプロトコル実行システムとセキュリティ、そして最悪の場合に備えたメッセージを残して命を絶った。
これにより、この事実を知っているのは
『SCP-444-JP情報ページ』と『緊急対処プロトコル"焚書"』の2つのシステムのみとなった。

確保、収容、保護、ではない。
&bold(){隔離、閉鎖、遮断。}Shut, Close, Partition, である。

そして誰も知る必要はない・誰も知っていてはならない、という理由によりこのSCPには&bold(){[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(SCP Foundation)]]自体が存在しない。}
このことを知る人間がいるのならそれは、SCP-444-JPが完全に活性化するかあるいは実体化するかしている状態なので既に手遅れなのである((データベースアクセス時の表示をよく読んでみよう。「444-out break状況の発動を確認」、つまりコイツが野に放たれた前提である。))。
オブジェクトクラスは収容難易度を示し、そのための予算配分のために与えられるもの。コイツはそもそも、その前提となる「オブジェクトの存在を認識する」の時点でアウトとなる、いわば究極の認識災害なので、もはやクラスがどうのという次元ではないのである。

そのため、オブジェクトの本体と言える緋色の鳥についてもナンバーは存在しない(あえていうなればSCP-444-JP-2か)。


それを示す、最後の作業を行った職員のメッセージがこれ。

>SCP-444-JP被験者、元被験者、それらの手によって殺害された者、これら人物の血液が付着した紙媒体は全て、上記の報告書を含めSCP-444-JP-1へと分類されています。
>全てのSCP-444-JP-1はサイト-8141を放棄せざるを得ない事例の発生後、セクター8137の地下130mにある特別収容カプセル内に格納されました。これらの移送、収容に関わったあらゆる人員に対してSCP-444-JPの情報は伏せられ、本ページへのアクセスはクリアランスレベル5の職員であっても制限されることとなりました。
>情報の機密性の優先、そして分類自体の無意味さからオブジェクトクラスは割り当てられていません。これがSafeであろうがEuclidであろうがKeterであろうが、私達が為すべきことは何一つ変わりません。
>
>サイト-8141のナンバーは他の施設へと引き継がれ、上記の事象は財団職員に対する大規模な記憶処理も含めて徹底的に隠蔽されました。更にSCP-444-JPに関するあらゆる情報は完全に破壊されています。私が、それを実行するただ一人の職員でした。
>これを書いている時、SCP-444-JPを知るのはこの世界でただ一人であり、間も無くただの零人となるでしょう。
>そうして、SCP-444-JPに関するものは、本ページと緊急対処プロトコル"焚書"の、心を持たない二つのシステムだけとなるのです。
>それで間に合った、と私は思いたい。
>しかしこの記録が閲覧されているということは、既に全てが手遅れなのでしょう。
>
>私達はSCP-444-JPが最終的に引き起こす事象を把握することが出来ませんでした。
>だからあなた達がどのように追い詰められているのか、それに対して有効な方法を示せないかもしれません。
>ただ、一つ絶対的に確かなことがあります。
>
>それは奴が&color(crimson){&bold(){『認識の鳥』}}であるということです。
>
>奴は既に完全に活性化したか実体化したのでしょう。
>私達は、あなた達は、手遅れなのでしょう。
>上記の事象で既に奴は十分に拡大してしまっていた、ということなのでしょう。
>
>しかし、手遅れならば手遅れなりに打つ手はあるはずです。
>少なくとも、あなたは奴がまだ小さかった頃の原本の写しを手に入れたのですから。
>
>もう二度と、失敗を繰り返さないでください。SCP-444-JPに関しては、誰もが失敗してきました。
>
>
>[削除済]

が、このメッセージはよくよく見るとおかしな点が一つある。
それは、メッセージの最後にあるこの職員の氏名がなぜか削除されていることである。
SCPの記事ではよくあることなのでスルーしがちだが、思い出していただきたい。


このオブジェクトはいまや、存在を知ること自体が異常性のトリガーである。
つまりこのメッセージを編集する=メッセージを読むこと自体がトリガーである。
そして、この職員は恐らく作業終了後即座に命を絶ったと思われる=自身で削除する時間も余裕も意味もない。



#center(){&color(crimson){&bold(){ならば、誰が最後の一人の署名を削除したのだろうか?}}}




……お分かりだろうか? 
つまり、誰かが最後の一人の署名を削除した=&bold(){緋色の鳥を封印した後に誰かがこの報告書とメッセージを読んでしまったということである。}
職員が自殺した時点で、この情報を保持するのはオブジェクト情報のページとプロトコルのシステムのみ。それが勝手に、ピンポイントで署名だけを消すことはありえない。

この誰かの正体も意図も不明であるが、意味するところは一つ。









#center(){&color(ghostwhite,crimson){&bold(){緋色の鳥は、あの原野にはもう閉じ込められていないのである。}}}

#center(){&color(ghostwhite,crimson){&bold(){財団は、またしても失敗したのである。}}}

そして貴方もこの鳥についての文書を閲覧できてしまっている。








#openclose(show=▼taleにおいて){{

同作者のtale「緋色の鳥よ」において、ある者がかの忘れられてあるべき鳥の存在を予測し、赤色の原野にて見出したが、実際には緋色の鳥がその者を喰らうためにいざなっただけだった、と言う記述がある。
封じ込めをしてもまた別の人間をいざない、喰らって力を付けるだけで、封じ込めは無意味なのかもしれない。

緋色の鳥とは、人が常に感じながら生きている&bold(){「何か」}の視線の主そのもの。
例えば、風呂で頭を洗っている時に、深夜にひとり残業している時に、視線を感じた事があるだろう。
だがそれはどこまでも形の無いものであり具体性は存在しない。
故に我々は気のせいだと、我らの背後に何者も居はしないのだと片付けてきた。
なれど、誰が人の魂は何者にも侵されない神聖な領域だと保証できるのだろう?
其は言之葉に非ず其は奇怪也。
カシコミ カシコミ 敬い奉り御気性穏やかなるを願いけれ。
祝詞によって封じられ祝詞を利用して力を得た、意識界を飛ぶ認識の鳥は、精神を、魂を喰らいより拡大し、より多くの人々を見つけ、それの言葉も、それを知らぬ者も、一切無知である者をもそれの視線その先に捉えた。
そして人々は認識する。
赤い視線を、赤い言葉を、あの赤色の原野を吹く風を!
そしてあらゆる人々は己の背後を振り向き、認識は像を結び、観測は形を与える。
ついにかの認識の鳥が現世へと顕現し、あらゆる人々の前に存在を得たり!
そして紅星たる星眼たる眼瘴たる瘴気たる気薬たる薬毒たる毒畜たる畜生たる生神たる我らが御主の御遣いは、最後の一人を嚥下した後に、飛び立つだろう。
人を、人外を、神を貪り、長い咆哮の後に飛び発つだろう。
赤き星を残して、意識界の更に深層へと飛び断つだろう。
深き混沌へと身を投じ、狂乱の儀式に囲まれて眠りに就くだろう。
星が再生し、再び命が地に溢れるその時まで──

444-JPのページにはないが、該当記事を執筆なされた神山博士(locker氏)の「緋色の鳥よ」というtaleに祝詞の完全版があるのでここに載せておく。

#center(){
&color(crimson){あかしけやなげ緋色の鳥よ}
&color(crimson){くさはみねはみけをのばせ}
&color(crimson){なのとひかさす緋色の鳥よ}
&color(crimson){とかきやまかきなをほふれ}
&color(crimson){こうたるなとる緋色の鳥よ}
&color(crimson){ひくいよみくいせきとおれ}

煌々たる紅々荒野に食みし御遣いの目に病みし闇視たる矢見しけるを何となる
口角は降下し功過をも砕きたる所業こそ何たるや
其は言之葉に非ず其は奇怪也
カシコミ カシコミ 敬い奉り御気性穏やかなるを願い&color(crimson){けれ}
&color(crimson){紅星たる星眼たる眼瘴たる瘴気たる気薬たる薬毒たる毒畜たる畜生たる生神たる我らが御主の御遣いや}
&color(crimson){今こそ来たらん我が脳漿の民へ}
&color(crimson){今こそ来たらん我が世の常闇へ}
&color(crimson){今こそ来たらん我が檻の赫灼ヘ}

&color(crimson){緋色の鳥よ 今こそ発ちぬ}}





}}

#openclose(show=▼余談1){{

余談だが、元記事の筆者であるlocker氏は、この記事を作るにあたって
&bold(){緋色の鳥とその性質とキーとなる祝詞を全て一度に、唐突に思いついたという。}

また、本家wikiのSCP-444-JPの記事は、他の記事と違い、報告書風の画像で作られている。
真っ赤な血のついた報告書のインパクト、内容の秀逸さからJP記事でも高い人気と知名度を誇るSCP。…収容違反だ!

ちなみにあの補い3と各所の祝詞の部分はlocker氏の手書きである。
}}

#openclose(show=▼余談2){{

この鳥については、このようなバックストーリーがある。

SCP-444-JPとは、幻覚世界へ至るためのカギであり、唱えればどこからでも幻覚世界に取り込まれる。
そこに住まうものこそ緋色の鳥であり、幻覚世界は緋色の鳥が構成した結界のような、指向性を持つ夢である。

が、実は「鳥」というのは勝手なイメージの具象化であり、本来は明確な実体のない情報災害そのものである。
これが猛威を振るった過去、災害はある言葉に封じ込められ、さらにそれをバラバラにすることで完封されていた。
ところが、災害は封じ込められている間に「言葉の持つ力」と「言葉が心に与える影響」について学び、結果現在のような「言葉によって人の心に侵入し、恐怖と苦痛を食い荒らして蔓延する」という能力を手に入れてしまった。

日本生類創研がこれを発見・復元してしまった結果、災害は「緋色の鳥」という姿を手に入れ、幻覚世界から現実の人間を常に狙うようになった。
まずは言葉を唱えて幻覚世界に踏み込んだ者、次は言葉を知り受け入れた者、そしてその犠牲となった者の血潮。

言葉とは、緋色の鳥にとって己を縛る戒めであり、エサを乗せる食器であり、狩りのための道具。
偶然だろうが何だろうが、その言葉を唱えられたり、思い浮かべたりすることは、緋色の鳥に見つかることと同義。
そうして緋色の鳥は、己の存在が広く知れ渡るように狩りを続ける。

報告書の2枚目には「口を開けた鳥」に見える血痕があるが、流れ出た血の痕跡が鳥を象っている場合、それはもはや肉体までも支配されたことに他ならない。
……つまり、例の報告書を書いた職員はとっくに緋色の鳥に支配されていたのである。

当然ながらこれらの詳細は財団も日生研も一切知らず、ゆえにコイツは&bold(){根本的な収容が全くできていない。}
財団が辛うじて行えたのは幻覚世界へのゲートを封じ込めるのみであり、肝心要の緋色の鳥は幻覚世界で野放しの状態。

緋色の鳥は現実には存在しない。あるのは狩りの痕跡と、道具となる言葉だけ。
精神の世界を飛ぶ鳥を、どうやったら収容できるというのか?

}}

#openclose(show=▼Tale:発見されてしまった文書 ████-444-JP){{

これだけの犠牲を出しながらようやっとSCP-444-JP-1の収容に成功したわけだが、最終的にそれは無意味と化した。
ニッソが持っていた書類が財団に発見されてしまったのである。

>もう終わりだ。この研究所を奴は飲み込んでしまった。
>既に暴徒たちによる紅[判別不能]は始まってしまった。
>この施設にいる全ての人間は奴に認識の荒野へと引きずり込まれたろう。[判別不能]やってそうだ。私は、対処すべき事を行った。
>もとはと言えば、復元チームの連中だ。
>奴らがこの認識の鳥さえ呼び出さなければ[判別不能]いや、それは結果論だ。きっと奴らが復活させなくても彼の緋色の鳥は、再び狩りを初めていただろう。
>それ[判別不能]理解の及ばないところで、常に奴は喰っていたのだろう。
>とにかく、ここは閉鎖しなくてはならないな。[判別不能]たりとも、[判別不能]
>鳥は頭にいる。脳に、神経に、肉に、血に、私達[判別不能]
>復旧は成功した。でも奴は強かった。強[判別不能]
>一人を食いつくした時、小さかった。奴は認識の鳥。[判別不能]
>奴は血で伝染する。でも、今のうちだけだ。奴は知っている。学習し、成長している。進化している。
>彼の緋色の鳥は誰にも[判別不能]かうことなどできない奴はまだ弱い。
>弱い故に人の手ではどうしようもない。
>奴は破壊者であり、極み。 この赤[判別不能]の最上。荒野で何度も、何人もの魂を喰ひ。進化を続ける捕食者。
>奴が実体化するのは割と容易なことだ。
>とにかく、我々はしっぱいした。しっぱいしたんだ。
>
>奴は我々を利用している。我々は食器だ。認識に付属する肉の包装だ。
>奴はそれをはがし、すて、中身を喰らう。
>[判別不能]]こっと444は奴の喰[判別不能]であふれている。
>
>あかしけやなげひいろのとりよ。


>&bold(){誰も知らなかったんです。誰も、この文書が発見されるまで、444の事なんて誰も知らなかったんです。}


&bold(){アーカイブ番号: ████-444-JP}

&bold(){分類: Not be present}

&bold(){概要: 無し}

>&bold(){すべては無意味です。}

}}

#openclose(show=▼以下イメージ崩壊注意){{

このように恐ろしいSCPだが、あるTaleではこの鳥と&font(b){&u(){真っ向からバトルを繰り広げる博士}}が登場する。


その手段とは&font(b){[[SCP-710-JP-J]]}。通称&font(b,i){『財団神拳』}である。


説明したとおり444-JPの世界では取り込まれた人間は空を飛べるのだが、小林博士はそんなものには頼らない。
跳躍すると同時に小石を地面にぶん投げ、さらにその石をすぐさま踏みつけて飛び上がる&font(b,i){『二重反作用空歩術』}によって宙を舞い、
押し付けた手刀を高速で擦り付ける事で鋼鉄すら切断するほどの高熱を発生させる&font(b,i){『摩擦熱切断手刀』}によって&font(b,u){緋色の鳥に致命傷を負わせることに成功}している。

無限にループする赤い世界で、博士を喰らわんとする幾たびも襲ってくる緋色の鳥と、迎え撃つ小林博士による激闘が繰り広げられている。

&bold(){小林博士「待たせたな。第███ラウンドと行こうじゃないか!」}

Taleは二次創作だしあっちはジョークSCPなので、これもあくまでジョークである。
だけどこれを読んで、この恐ろしいSCPの印象がガラッと変わってしまったのは筆者だけじゃないはず。


後に同じ作者の新しいTale『百問百答』で小林博士が再登場。
詳しい経緯は不明だが、緋色の鳥の断末魔を回想している。どうやら&font(#FF0000,b){勝っちゃったようだ}。

さらに小林博士は[[特殊な呼吸法>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]]によって血液の循環を操作し、体温を「血が沸き上がるほど」に高くする&font(b,i){『熱血健康法』}、「血が凍りつくほど」に低く変化させる&font(b,i){『冷血健康法』}なる奥義を編み出したそうな。
この二つを組み合わせる事で身体の代謝を活性化させることができる他、&font(b,blue){SCP-444-JPの残留物を除染可能になった}。
小林博士が444-JPを記憶してる時点で完全な無効化は失敗しているわけだが。

くどいようだが、あくまでもジョークです。

また、『相見えるは緋色の鳥』というTaleでは、小林博士とはまた別の人物が緋色の鳥と直接対決している。
ただし財団神拳で激闘を繰り広げる上記のTaleと違い、こちらは&bold(){緋色の鳥に文字通り食らい付いて肉を食い千切る}というえらく野生的な方法で戦っている。
その内容から、夜中に見るとヤバい作品となっている。&bold(){主に飯テロ的な意味で}。
ちなみに、このTaleに掲載されている画像のファイル名は"真っ赤な殺意をカプサイシンに込めて.png"((唐辛子の辛味の主成分))である。

さらに、コイツについては「SCP-444-JP-J」とナンバリングされたパロディが二つも存在する。両方とも元記事の著者であるlocker氏によるものである。

片方はかつては日本支部のエイプリルフール期間中に発表され、高評価だったにも拘らず自主削除され暫く後にファンサイトに再投稿された「ふっかつのじゅもん編」。
こっちの正体はただの小生意気な口調で問答する赤い小鳥の姿をした実在する幻覚(&bold(){になったと思われるSCP-444-JPのその後の姿})。研究員に自身の事を話したり五歳児の少女との触れ合いに手を焼いたり平和にやっているようだ。
発現の一部を引用しておくが、実はここから、「緋色の鳥」の本質らしきものが読み取れる。
>じゃあまず、俺は今ここで水浴びしてる訳だ。これものすげー気持ち良いんだけど、現実にはこの水も器も俺も存在していないわけだ。誰がどう見ても存在しているように感じるだけで、そいつは生き物の認識力が作ってるただの像だな。

>人間の中に俺が入ってるんじゃなくて、俺に人間が接触してるの。つうか現実に存在してようがしてまいが、認識なんて本質はそんなもんなんだよ。

>まあお前はこうやって色々な幻覚も作り出せるわけだ。俺という幻覚の存在自体をお前が認識しているからな。明晰夢みたいなもんだ。だがまあ、例えば今俺がこうやって水浴びするだろ、すると水が飛び散って、机やお前の服が濡れるよな? お前はその情報や感覚も得る。俺とは直接関係無い幻覚だが、ある。俺の手触りや音や匂いを実際に感じるのと同じように、そういった元々関係ねー幻覚の手触りや音や匂いも感じるわけだ。
>けどな、それは存在しないものだからな。俺が消えちまうとそれらも消えて、全部元通りになる。机もお前も濡れちゃあいないからな。そしてそれらの幻覚は、俺を感じ取っているヤツ全員の認識で共有されるんだ。まあ感覚と現実があまりにも大きく矛盾する場合は現実が勝つけどな。

そして、なぜ他者のイメージを利用するのか、との問いにはこう答えた。
>ここはお前らの認識界であり傍線の深奥だからな。これ以上言う気は無いぞ。ホントだからな。

緋色の鳥は集合無意識の中を飛び回り、人の心を食って成長する。
自身を知る者が増えるほど飛び回れる世界=狩場が広くなり、獲物を見つけることが簡単になる。
この雛鳥化した緋色の鳥には心を食うほどの力が消え、かつての狩場である赤い世界の残滓を集団幻覚として見せる程度の影響力しか残っていない。この原理を利用し、他人のイメージを自身の「世界」に映し込んで水浴びしたり交流したりと平和にやっているようだ。

ただ、

>この報告書何故かこの第7版以前の版が見つからないからここに書くしか無いんだが、なんでこんなものが以前はKeter認定されていたのか、誰か知らないか?

こんなセンテンスもあるのだが。


もう片方のSCP-444-JP-Jは2017年4月のエイプリルフールイベントでlocker氏自身が投稿した方で、端的に言うと、こちらも本家のコイツとは別の意味で夜中に見るとヤバい。
#right(){&font(red){おいしさ やばげ 緋色の鳥よ あぶらみ あかみ てをのばせ}}
#aa(){{
_人人人人人人人人人人人_
> 主に飯テロ的な意味で <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
             でりしゃす
}}
&font(red){●}←しまった!
&font(b){チキンをくれ}
&font(b){買え}
&font(b){クーポンもあるぞ}


ついでに例の祝詞だが、本Wikiや某動画のコメントではなぜか[[SCP-040-JP]]「ねこですよろしくおねがいします」と混ざっていることが多く、最近では[[SCP-070-JP]]「わんわんらんどと犬ではないなにか」とも混ざっていることがある。



}}



追記編集よ 今こそ発ちぬ
----
#right(){#openclose(show=▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示){

SCP-444-JP - █████[アクセス不許可] 
by locker
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緋色の鳥よ
by locker
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耐久実験
by Central_ECH
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百問百答
by Central_ECH
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相見えるは緋色の鳥
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発見されてしまった文書 ████-444-JP 
by Mitan
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