そして誰もいなくなった

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そして誰もいなくなった」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2010/09/19(日) 14:09:16
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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&font(#ff0000){十}人のインディアンの少年が食事に出かけた。
一人が喉を詰まらせて、&font(#ff0000){九}人になった。

&font(#ff0000){九}人のインディアンの少年が遅くまで起きていた。
一人が寝過ごして、&font(#ff0000){八}人になった。

&font(#ff0000){八}人のインディアンの少年がデヴォン((景勝地として知られるイングランド南部の州。実は、この物語の舞台となる「インディアン島」もデヴォン州にある。))を旅していた。
一人がそこに残って、&font(#ff0000){七}人になった。

&font(#ff0000){七}人のインディアンの少年が薪を割っていた。
一人が自分を二つに割って、&font(#ff0000){六}人になった。

&font(#ff0000){六}人のインディアンの少年が蜂の巣を悪戯していた。
蜂が一人を刺して、&font(#ff0000){五}人になった。

&font(#ff0000){五}人のインディアンの少年が法律に夢中になった。
一人が大法院に入って、&font(#ff0000){四}人になった。

&font(#ff0000){四}人のインディアンの少年が海に出掛けた。
一人が[[燻製]]のにしんにのまれ、&font(#ff0000){三}人になった。
 
&font(#ff0000){三}人のインディアンの少年が動物園を歩いていた。
大熊が一人を抱きしめ、&font(#ff0000){二}人になった。

&font(#ff0000){二}人のインディアンの少年が日向に座った。
一人が陽に焼かれて、&font(#ff0000){一}人になった。((「二人のインディアンの少年が銃をいじっていた。一人がもう一人に撃たれて一人になった」というバージョンの歌詞もある。こちらの方が見立てとしてそぐっているという事でか、新しい版ではこちらが採用されている場合もある。))

&font(#ff0000){一}人のインディアンの少年が後に残された。
彼が首をくくり、&font(#ff0000){後には誰もいなくなった。}

※本によって和訳に違いがある場合があります。





#center(){&font(#ff0000){AND THEN THERE WERE NONE}}
#center(){&font(#ff0000){そして誰もいなくなった}}








&italic(){―――私にとって、これが「こんな作品が書きたい」という目標であることはいつまでも変わらないだろう。}

#right(){&font(#ff0000){赤}川 次郎}


*〈概要〉
"そして誰もいなくなった"は、小説家アガサ・クリスティの書いた推理小説。
同氏の代表作の1つであり、全世界で1億冊以上を売り上げたとされる。
舞台は陸から1マイル程度離れた孤島、「インディアン島」に建てられた洋館であり、
「孤島の洋館で起こる連続殺人事件」と言われて、この作品を連想する人は少なくないと思われる。


ちなみに、発表当時の原題は「Ten Little &bold(){Niggers} (10人の小さな&bold(){黒人})&footnote(Niggerは黒人の蔑称であるので間違っても使用しないように)」という、表現的に危ないものであったため、後に「And Then There Were None (そして誰もいなくなった)」に改題された。
なお、冒頭の童謡の歌詞や島の名前も「Nigger」だったが、上記の通り「Indian」に変更されている。
また、最近では「Indian」も差別用語とする見解があることから、童謡のその部分が「Soldiers」に変えてあるものもあるとか。



*〈ストーリー〉
互いに面識の無い十人の男女が、様々な理由で孤島「インディアン島」に招かれた。
しかしそこに招待主であるオーエン夫妻の姿はなく、そのまま夜になり夕食を済ませた時、どこからともなく客達の過去の罪を告発する声が響いた。
そこから一人、また一人と童謡に沿って殺されていく……。

果たして犯人は誰なのか? そして犯人の目的は……?
 


*〈登場人物〉
〇ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ
元判事の老爺。有罪判決の多さから、"首吊り判事"と一部では呼ばれている。
告発によると、誰もが無罪と信じていた被告を決定的証拠もないまま死刑にした。
インディアン島へは旧友の女性に招かれたことになっている。

〇ヴェラ・エリザベス・クレイソーン
秘書と家庭教師を職業とする女性。
告発によると、体の弱い教え子に泳げるはずのない距離を泳ぐ許可を与えて溺死させた。
秘書としてオーエン夫妻に雇われる事になっていた。

〇フィリップ・ロンバート
元陸軍大尉。
告発によると、アフリカの任地で現地人の部下20名余りを見捨てて死なせた。
モリスと名乗る男の依頼でインディアン島へ赴く。

〇エミリー・キャロライン・ブレント
カトリックの信仰篤い老婦人。
何でもかんでも自分が正しいと思い込んでいる(それ故にターゲットに選ばれることになったのだが)。
告発によると、不義の子を身ごもったメイドにつらく当たり、自殺に追い込んだ。
避暑地のホテルで知り合った人物に招かれたことになっていた。

〇ジョン・ゴードン・マカーサー
退役した老将軍。
GHQの最高司令官とは何の関係もない。
告発によると、妻と不倫関係にあった部下をわざと死地に送り込んで死なせた。
旧友が来るから、と招かれた。

〇エドワード・ジョージ・[[アームストロング]]
ロンドンの名医が集うハーレー街に医院を構える医者。
黒船に搭載されてた大砲や、某筋肉錬金術師とは何の関係もな(ry
告発によると、泥酔したまま手術を執刀して助かるはずだった患者を死なせた。
オーエン婦人の診察を頼まれていた。
 
〇アンソニー・ジェームズ・マーストン
遊び好きの若いあんちゃん。
登場していきなりアームストロングの車と事故りそうになるなど、車の運転がめちゃめちゃ荒っぽい。
告発によると、その危険運転で2人の子どもを轢き殺したが事故として片づけられたとのこと。
友人から電報が来たらしい。

〇ウィリアム・ヘンリー・ブロア
元警部の現探偵。
告発によると、虚偽の証言で無実の男に強盗殺人の罪を被せて獄死させた。
オーエン氏に来客者を見張るよう頼まれていた。

〇トマス・ロジャース
1週間前にオーエン夫妻に雇われた執事。
告発によると、かつて仕えていた老婦人の遺産を手に入れるため、主人の持病による心臓発作をわざと放置した。

〇エセル・ロジャース
トマスの妻でコック。
告発による罪状は、夫の共犯。

〇オーエン夫妻
彼らを招いた富豪。
夫はユリック・ノーマン(&font(#ff0000){U}lick・&font(#ff0000){N}orman)、妻はユナ・ナンシー(&font(#ff0000){U}na・&font(#ff0000){N}ancy)で、どちらとも[[U.N.オーエン]]となる。
 


※以下真相を暴く為のヒント的なもの(微妙にネタバレ注意)











"燻製のにしん"とは、「注意を他の事にそらす」という意味で使う時がある。
 




なお戯曲化された際には結末が異なっている他、ゲーム化もされている。
また2017年にはテレビ朝日にて、舞台を日本に置き換えた仲間由紀恵主演の「事件編」、及び沢村一樹主演の「解決編」による前後編のSPドラマを放送。
渡瀬恒彦の遺作となった。&font(#ff0000,u){&font(#ffffff){渡瀬氏の役柄とリアルでの病状等とのリンクが洒落になっていなかったとも言われる。}}
上述した通り、原作とは違い「解決編」部分がオリキャラの刑事による推理シーンに変更されており、このオリキャラ刑事主役編として、ミス・マーブルシリーズを原作としたドラマも後に放送されている。

クローズドサークル及び見立て殺人の金字塔とも言える名作であるがゆえに、パロディも多く存在している。
特にクローズドサークルものの作品では、登場人物が自分たちの置かれた状況について「まるで&font(#ff0000){"そして誰もいなくなった"}のようだ」とこの作品そのものに言及することもしばしば。
また、見立て殺人ものにおいては、犯人が&bold(){この小説に見立てて殺人を行う}という作品が一つならず存在している。




一人のWiki篭りが後に残された。
彼が追記・修正をし、&font(#ff0000){後には誰もいなくなった。}

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- この話の凄い所は密室状態で登場人物が犯人も含めて全員死亡している点。 &br()真犯人がどんなタイミングで、どのような形で死んだかがポイントです。  -- 滋味  (2013-11-14 19:00:57)
- U.N.OwenはUNKNOWNにつながると書かなきゃ片手落ちじゃないかな。  それとSAWの元ネタだな。  -- 名無しさん  (2013-12-10 04:13:04)
- 東方のunオーエンは彼女なのか?の元ネタですね。  -- ましろ  (2014-02-24 22:41:29)
- 推理小説としては荒唐無稽なのだが、心理描写がうまくできていてオリエント急行などと比べると同じ作者とは思えない説得力のある出来になっている。  -- 名無しさん  (2014-04-19 21:46:50)
- おーい、エスカルゴーン!  -- 名無しさん  (2014-05-24 21:06:19)
- うみねこの元ネタでもあるよね。偉大なミステリーだ  -- 名無しさん  (2014-05-24 21:13:46)
- そして誰もいらなくなった  -- 名無しさん  (2014-05-24 21:17:28)
- ↑おっちゃん乙  -- 名無しさん  (2014-05-24 22:06:18)
- 舞台版ではたしかハッピーエンドになってるんだよね  -- 名無しさん  (2014-10-13 21:30:02)
- 最後の一人は結婚したバージョンなら知ってるな  -- 名無しさん  (2014-10-27 20:37:09)
- 怪奇大作戦の「死神の子守唄」の元ネタ?  -- 名無しさん  (2014-10-27 21:13:41)
- インディアンのお話、生存者が3人いる様な・・・?(寝過ごした人、デヴォンに居残った人、大法院に行った人)  -- 名無しさん  (2015-01-12 00:35:10)
- 何故カービィのタグが…  -- 名無しさん  (2015-03-10 15:23:20)
- ヤクルトやめーやww  -- 名無しさん  (2016-09-17 10:04:32)
- 展開や衝撃のオチはすごく良かったんだけど、あえて粗を探すなら、魅力的なキャラクターや共感できるキャラクターが一人も居ないところだな。自分の中では、ミス・マープル・シリーズの方がちょっと上かな。  -- 名無しさん  (2016-09-17 14:36:34)
- クローズドサークルはこれが嚆矢なん?  -- 名無しさん  (2016-12-16 01:38:47)
- これの日本版ドラマに出演したのが最期だったとは…渡瀬さん、謹んで哀悼の意を表します。  -- 名無しさん  (2017-03-17 15:19:33)
- 一人が自分を2つに割って8人に増えたのかと思った  -- 名無しさん  (2017-03-24 14:58:25)
- きっと俺はミステリー読むのに向いてないと前置きした上で言いたい、なんの縁もなく怪しい招待状なんかにノコノコ行くなよ!と  -- 名無しさん  (2017-03-24 15:13:32)
- ドラマよくできているんじゃね  -- 名無しさん  (2017-03-25 23:08:14)
- ドラマ見てたら「あれ、最後刑事が解決するんだぁ」って思ったんだけど、原作でもそうなの?当事者たちだけで事件を完結させてほしかったというか・・・  -- 名無しさん  (2017-03-25 23:18:26)
- ↑昔読んだうろ覚えだけど、原作はラストは警察が犯人の手記を見つけてそれで真相がわかる流れだったような  -- 名無しさん  (2017-03-25 23:31:53)
- 原作は犯人が自分の動機故に真相をボトルメールにしてたので判明した。(犯人的には見つかっても見つからなくても良かった)  -- 名無しさん  (2017-08-19 20:12:46)
- そして誰もいなくなった……と思ったら、そんなことはなかったぜ! 「ばっかもーん!そいつが犯人だ、追えーー!」  -- 名無しさん  (2017-10-25 15:04:00)
- ↑7 ↑13 「自分を2つに割って=一人二役もしくは二人一役の暗喩」「生存者ともとれる歌詞」を生かしたリメイクやアレンジができるのでは?  -- 名無しさん  (2019-12-30 23:37:56)
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