CASSHERN(映画)

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CASSHERN(映画) - (2019/02/02 (土) 15:32:54) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/01(土) 20:14:26
更新日:2024/01/11 Thu 16:28:30
所要時間:約 7 分で読めます




キャスティングと宣伝に制作費の大半をつぎ込むことで有名な日本映画界のホープ、キリキリこと紀里谷和明の初監督作品。
2004年4月20日に全国公開された映画。
1973年〜1974年に放送された「新造人間キャシャーン」を実写映画化、監督がPVの多くを手がけた、当時妻だった宇多田ヒカルが主題歌を担当したことや唐沢寿明など多くの豪華俳優陣を使用した事、椎名林檎が挿入歌を担当した事等で話題になった。


キャッチコピーは、
  • キャシャーンがやらねば誰がやる――
  • この地に生まれた、愛する人々に捧ぐ。

テーマソング
宇多田ヒカル:誰かの願いが叶うころ


【あらすじ】

大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合の両陣営による長く続いた戦争により疲弊した世界。
年老いた権力者により、対テロ戦争という大義名分のもと変わる事なく戦争が続いていた。
そんな折、東博士は新造細胞の理論を提唱する。軍部との太いパイプをもつ企業の協力を受け、研究の軍事利用を危惧しつつも、病気の妻を救うため新造細胞の研究が始められた。
すべてを顧みず研究に没頭する父への反発から、東鉄也は志願して戦地に赴くが、戦争の狂気にその心は蝕まれていった…。

一年後、東博士の下に鉄也の戦死が報される。悲しみにくれる家族が研究所に集まる中、運ばれてくる鉄也の遺体。
その時、研究所に異形の稲妻が落ち、新造細胞の研究用プールにおいて、新たな反応が起こり始めた。稲妻にプール内の死体と新造細胞が反応して、得体の知れないヒトのようなものが次々と出来上がり、活動を開始した。
予期せぬ生物の発生に恐怖した人々はそれらを虐殺するが、殲滅することは出来なかった…。
――凄惨な虐殺の裏、狂気の東博士はある思惑の下、息子の亡骸を研究用プールへ沈める。
――東鉄也は、この憎しみ溢れる醜い世界に蘇った。
「新造人間」として――

やがて虐殺から逃げ延びた4人の新造人間は、その圧倒的な身体能力に加え、無数のロボット兵器を従え人類の抹殺を開始する。

数多の命が蹂躙されていくのを目にした鉄也は、人類を守るために戦うことを決意する――

人間の業に傷つき苦悩しながらも鉄也は戦う。失われつつある世界の守り神、キャシャーンの名とともに――


【登場人物】

  • 東鉄也
主人公。
出兵から1年後に戦死してしまうが、父親の手によって新造人間として蘇生。
以後、肉体の崩壊を防ぐための白いボディアーマーを着用してブライキング・ボス達と戦う事となる。原作と同じデザインのヘルメットが用意されていたものの、最後まで使われなかった。



  • 上月ルナ
ヒロイン。
鉄也の婚約者で裕福な家庭である模様。内藤曰く「温室育ち」
原作のルナと違って良くも悪くも普通の人間でMF銃を使わない。


  • 東博士
鉄也の父親。本名は東光太郎。
遺伝子学の権威であり、妻の病気を治すために新造細胞の研究に没頭している。
下層階級出身者であり、ある意味原作とは対照的な人物と言える。


  • 東ミドリ
鉄也の母親。
病気が原因で盲目となっている。
中盤では虐殺から逃れた4人の新造人間に救いの手を差し伸べた。


  • 上月竜三
ルナの父親。
東博士の友人であり、子供同士が婚約者となっている関係。
中盤で自身が開発したボディアーマーを鉄也に託して命を落とした。


  • ブライキング・ボス
新造人間のリーダー格である銀髪の男。ある意味本作一番の被害者。
軍の虐殺から逃れて城にたどり着いた後は動きにくそうな深紅のコスチュームを着用。

別の世界ではホームレスっぽいジャーナリストだった。


  • サグレー
新造人間の紅一点である赤毛の女性。
最初の刺客として鉄也の前に立ちはだかったが、戦闘で致命傷を負ってしまい、本拠地へと帰還した直後に息を引き取ってしまった。

ショッカーの幹部ではない。


  • バラシン
新造人間。
日本刀で戦う金髪の青年でサグレーに気があるらしく、彼女が死亡した後は誰よりも怒りを露わにしていた。



  • アクボーン
新造人間。
言葉は喋れないが、ロボット軍団の統括を担当している辺り、無能というわけではない。


  • 上条ミキオ
上条将軍の息子である軍人。階級は中佐。
表面上は父親に対して従順としているが、内心では強く嫌っており、中盤でクーデターを起こして父親を筆頭する軍上層部を失脚させた。
以後、総帥となって大亜細亜連邦共和国を統治するのだが…


  • 上条将軍
大亜細亜連邦共和国のトップである老人。本名は「上条又一郎」。
既に高齢で吸入器が手放せないほど体力が衰えており、新造人間の侵攻はそっちのけで自分の延命を優先する等、いかにも堕落した老害に成り果てている。
また、過去にテロリストに襲われた妻を見殺していたらしく、上記の人物像も含めて息子からは完全に失望されている。
中盤では軍上層部を見限った息子が起こしたクーデターによって失脚してしまう。


  • 内藤薫
日興ハイラルの社員。
軍部とのパイプを持ち、利害の一致で東博士の新造細胞の研究を支援していた。
表向きは紳士的なイケメンであるが、実は東博士と同じく下層階級出身者で自身の身分に強いコンプレックスを抱いている。

別の世界で特命係の二代目相棒になったり幻の仮面ライダーに変身したりするが、それはまた別の話。




余談

公開前は多くのメディアが取り上げ注目を浴びるが、公開されると多くの見た人達から、

  • 最初から最後まで内容がわからなかった
  • 戦闘シーンが少ない(登場人物が延々と突っ立って喋ってるだけ)
  • 台詞が説明的
  • フルCG映画
  • 宇多田のPVで140分は流石に長い
  • 酷い原作レイプ
  • 監督のオナニー全開

などの酷評を受けた。


ちなみに、当年の映画の評価の中でデビルマンに次ぐワースト2位の映画と表彰された。
もっとも、興行的には邦画でも群を抜く大成功で海外でも上映された。

また、テレビ放送時のキャシャーンを知らない世代からの感想は割と好評だったりする。


監督の映像表現の方向性や退廃的なストーリーに対する酷評が目立つが、俳優陣達の演技力は本物であり演じてるキャラを重点的に見れば自然と映画にのめり込めていた人も少なくはない。
また、酷評された監督に関しても、本作がきっかけでハリウッドからのオファーが3本きた(リーマンショックで全部ポシャるというオチはついたが)など国外では一定の評価を受けている。
本作が国内でこれほどまでの酷評を受けたのはやはり、原作に対する思い入れの深さが要因の1つなのだろう。




ちなみにGLAYのTAKUROとHISASHIがエキストラ出演している。…虐殺される市民役で。



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