K2(戦車)

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K2(戦車) - (2022/04/18 (月) 19:57:25) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/10/18 Thu 21:51:37
更新日:2024/04/26 Fri 13:07:07
所要時間:約 5 分で読めます




K2は大韓民国がK1(戦車)の後継として開発中の次期主力戦車である。

K2

性能諸元

・乗員 3名
・全長 10m
・車体長 7.50m
・全幅 3.60m
・全高 2.50 m
・重量 55.0t
・懸架方式 油気圧式
・速度 70km/h(整地),50km/h(不整地)
・行動距離 430km
・最高出力 1500馬力
・エンジン
試製)独MTU MB-883ka50012気筒ターボチャージド・ディーゼル
量産)斗山インフラコアMB-883 4サイクル12気筒水冷式ディーゼル

兵装

・55口径120mm滑腔砲 1門
・K6 12.7mm重機関銃 1挺
・M60 7.62mm機関銃 1挺

装甲

・複合装甲(砲塔正面及び車体正面)
・爆発反応装甲(砲搭)


【開発経緯】

K1は仮想敵(仮)である北朝鮮が配備するT-55、T-62およびT-72を相手にするには十分な性能を有する。
しかし、改良型の120mm滑腔砲換装モデルのK1A1において、運用上の問題点が露呈(詳しくはK1の項目を参照)。

そこで関係各機関は検討の結果、新たに120mm砲搭載戦車を一から設計・開発すべきと結論付けた。


韓国は文字通りこの戦車に国の威信をかけており、結構な額の税金と熱意を向けている。*1
判りやすく例えるなら日本人からみた大和(戦艦)みたいなもんだろう。
K2はK1戦車から得たノウハウを基に設計・開発された戦車であり、世界的区分でみると第3.5世代に相当する。
愛称は「黒豹」(くろひょう、フックピョ)。


【特徴】

K2では55口径120mm滑空砲を採用。
これは独ラインメタル社で開発されたもののライセンス生産品で、世界でも優れた戦車であるレオパルド2の最新型にも採用されている。

長砲身化されたことによって44口径モデルに比べ、貫通力が大幅に向上した。
その一方、取り回し、砲身寿命、命中率等は低下したといわれる。

自動装填装置を採用したことにより、乗組員を3人に減らすことに成功。


装甲はモジュール式の複合装甲で、損傷した場合でも容易に新しい装甲と交換できる。
複合装甲の具体的な内容は不明。また砲塔上部など、一部に爆発反応装甲が装着されているほか、探知した敵対戦車ミサイルの擲弾迎撃を行う『アクティブ防御システム』も装備予定。

エンジンは試作車に最高出力1500馬力の独MTU社製MB-883 12気筒ディーゼル・エンジンが、量産型には斗山インフラコア社がライセンス生産したMB-883エンジンを搭載予定。

生産数は680輌を予定しており、国内生産率はプロトタイプでは77%程度、量産段階では98%まで高まるという。
K2の評価について、韓国では各国の主力戦車を上回る高性能戦車であると評価されている。


【問題点】

この戦車。
開発・試験評価中ということを差し引いても、あまりにも多くの欠陥を露呈している。
そして予定がやたらと多い。

例を挙げると。

ドイツから輸入したにも拘わらず、エンジンと変速器の制動圧力が非正常作動したり、下り坂でエンジン速度が3000rpmまで上昇するなど計24件の欠陥が発見された。

ドイツのエンジンは前進5段/後進3段なのだが、量産型の斗山インフラコア社のエンジンは、MTU製と同等の出力が出せず、無理矢理前進6段/後進3段に変更。

それ以外にもエンジン39件、変速機33件など、計72件の欠陥が次々に発生したあげく、運用試験評価でもさらに91件の欠陥が発生。
1段ギアで出発ができなかったり、最初から変速が不可能な場合もある。


こうした欠陥が次々明かとなるたびに開発費は高騰。配備予定数は680輌から300輌にまで減らされる。
さらに開発の遅れで11年に配備予定が2013年に延長された。

国産パワーパックの搭載をあきらめ、2013年11月に量産を開始しようとしたが、1年遅れて2014年より量産が開始された。肝心のパワーパックは輸入されたものを使っている。

が、ここで深刻な事態が発生。作戦要求性能(ROC)が提示した0→32km/hまでの加速に8秒以内のはずが、8.7秒かかることが発覚した。

結局、要求目標数値を10秒に引き下げて軍に納入されることになった。

なお、100両以上の2次配備分の車体が、いつ終わるとも知れぬ国産パワーパックの完成を待ちわびながら倉庫で埃をかぶっているという。

このままでは20数年をかけた「国産戦車の開発」という目的は完全に頓挫してしまうことになるが、果たして…。


【余談】

当初は140mm砲を搭載予定だった。

トルコの次期主力戦車として、コレをベースにした戦車「アルタイ」をトルコと韓国で共同開発中。
  • 試作車はドイツMTU社製エンジン、Renk社製トランスミッションからなるパワーパックを搭載。
  • サスペンションや主砲などの技術を韓国の企業から移転。
  • 複合装甲、火器管制装置など重要部品の一部はトルコが自前で開発。
  • 贅沢品(自動装填など)は省いて安く仕上げる。

原形のはずのK2から大幅に設計変更され、堅実な開発方針からかこっちのが先に量産化にこぎつけそうな勢いである。

…………と思ったら開発遅延、技術譲渡の面で問題が発生している。

具体的には量産モデルに搭載予定の韓国製エンジンの開発が間に合わず、代わりに日本の三菱重工製エンジンを使おうと日本政府との交渉を始めた。(2013年11月)
しかしトルコはこの戦車を他国にも輸出する予定(すでにサウジアラビアと話がまとまっている)であり、それによる「技術流出の懸念がある」として日本は交渉を停止している。一説には輸出先にイスラエルが含まれていることを問題視したのではないかとも言われている。(2014年2月)
結局、韓国を見限り日本とドイツに袖にされて載せるパワーパックが無くなってしまったが、ロシア製ミサイルの購入と引き換えにウクライナからロシア製戦車のパワーパックの技術導入を取付ける事に成功、西と東の技術が混在した戦車となることが決まった。





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