FF-X7-Bst コア・ブースター

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FF-X7-Bst コア・ブースター - (2020/05/18 (月) 21:39:11) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/10/10 Wed 00:52:01
更新日:2024/04/15 Mon 16:25:25
所要時間:約 5 分で読めます






悲しいけどこれ戦争なのよね!

慣れていくのね…自分でもわかる…


コア・ブースターとは、『機動戦士ガンダム』及びその関連作品に登場する架空の戦闘機である。


◆コア・ブースター
CORE-BOOSTER

型式番号:FF-X7-Bst
所属:地球連邦軍
開発:ハービック社
全長:13.8m
全幅:12.6m
全高:6.75m(着陸脚含む)
全備重量:18.3t
推力:12,000hp相当
最高速度:マッハ4.8
推進機関:熱核ジェット×双発、熱核ロケット×4発

《武装》
25mm多銃身機関砲×4(30mm説あり)
メガ粒子砲×2
ウェポンベイ(多弾頭ミサイル、対潜ロケット他)

《主なパイロット》
セイラ・マス准尉
スレッガー・ロウ中尉


読んで字の如く、RXシリーズの中核となるコア・ファイターに大型ブースターユニットを装備した機体。
一年戦争中に16機が生産され、うち6機が実戦投入された。

そもそもコア・ファイターとは、「MSの性能の限界を突き詰めた、究極のテスト機」ガンダムが万一撃墜された場合に備えて、
せめてデータとパイロットだけでも回収できるようにと開発された『脱出装置』である。
一個の戦闘機として作られたわけではない。
ガンダム用の核融合炉を搭載しているために出力があり、小型なので運動性能は高かったが、
反面、ガンダムに組み込むように作られたために大型火器を搭載できず、冷却材が少ないため航続距離が短い。
独立した戦闘機として使える代物ではなかったのだ。
ホワイトベース隊では、しばしば単独で出撃して航空戦力を担っていたが、それは単純にホワイトベース隊が「戦力不足」だったからで、応急処置でしかない。

そこで、コア・ファイターをMSの脱出装置としてではなく、本格的な戦闘機・支援機として活用する目的で開発されたのが、コア・ブースターである。

一つには、ガンダムの制式量産機となったジムがコア・ファイターを搭載しないタイプであったため、余剰化することが予測されたコア・ファイターを流用することも目的であった。
そのため、設計としてはコア・ファイターに新規設計のブースターユニットをくっつけるという、いかにもお手軽な設計になっている。

コア・ファイターがコア・ブロック・システムの“核”であることを最大限に活用するよう開発されており、
  • MS用のミノフスキー型融合炉が主動力であることを活かしたビーム兵器の搭載。
  • 従来の戦闘機の10倍の処理能力を持つRXシリーズ用の学習型コンピューターを搭載したことによる、汎用性と使用用途の拡大および操縦の簡易化
  • ウェポンベイの設置による、目的によって装備の切り替えのスムーズ化
といったように、言葉にすればむしろMSに近い特性を持つに至っている。

更に推進機関は熱核ジェットと熱核ロケットの併用で、大気圏内外を問わずに高い機動性を発揮出来た。
そもそもブースターユニットはコア・ファイター本体よりも大型なもので、エンジン・ブースター・タンクいずれも余裕があり、航続距離と速度が大きく向上。
小回りは利かなくなったが、航空機としては十分なレベルである。

結果、火力はMSと同等かそれ以上、戦場は空と宇宙、空対空戦闘から対MS戦、果ては対潜攻撃まで何でもこなす、
モビルアーマー(MA)一歩手前のマルチロールファイターとして完成を見た。
というより、一方向への大推力と二門のビーム砲、といった特性はビグロのようなMAそのものである。

ちなみに一部の資料によるとMS一機を上に乗せてサブフライトシステムとしての運用も可能だったとされるが、劇中では一度も披露されていないので真偽は不明。


そんなコア・ブースターだったが、今のところ制式に量産されたりした形跡は無い。
簡易生産型のジェット・コア・ブースターがフライマンタ後継機として相当数量産・配備されたが、これも戦後には姿を消している。
そもそも一年戦争後の連邦空軍は新規戦闘機の開発にあまり熱心ではなく、アッシマーΖプラスなど飛行可能なMSの開発を優先したことから、戦闘機そのものが淘汰されてしまったのだろう。
またコア・ブロック・システムそのものが高コストかつ複雑な設計で、その後の量産機にも試作機にもほとんど採用されなかったため、
コア・ブロック・システムの存在を前提としたコア・ブースターの存在はますます宙に浮いてしまったと推測される。
むしろ連邦空軍は、宇宙軍と合わせたのかセイバーフィッシュを引き続き使用したようである。


しかしこれ以後に開発されたガンダムタイプのコア・ファイターを強化した形態を“コア・ブースター”と呼称するようになっている。
確かな伝統として、兵器開発史に名を残していったのであろう。




【主な活躍】

『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』で初登場。
訳あって(後述)映画に登場出来なかったGファイターの代わりにホワイトベース隊に配備され、セイラ・マスの乗機となった。
『哀・戦士編』だけでも初陣でオルテガのドムを撃墜する活躍を見せる。

続く『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』ではスレッガー配属に伴ってスレッガー機が“005”(まるまるご)、セイラ機が“006”(まるまるろく)のナンバリングが施された。


両機共第13独立部隊(ホワイトベース隊)の主力として活躍したが、005はソロモン攻略戦でビグ・ザムに特攻して犠牲となり、
006はア・バオア・クー攻略戦でゲルググを撃墜する活躍を見せるも、被弾したために放棄された


ガンプラ

映画放映時に1/144スケールで発売され、現在も再販されている。
値段もお手頃、005、006再現の為に是非2機買ってみよう。

…が、それ以外ではさっぱり発売されていない。やはりGファイターに比べてギミックに欠けるのが原因だろうか?
この辺りはHG・MG化したGファイターとは対称的である。

量産型のコア・イージー(ジェット・コア・ブースター)はEXモデルで発売されているのだが……



コア・ブースターのバリエーション

◆コア・ブースタープラン004
◆コア・ブースターⅡ・インターセプトタイプ
◆ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)
◆コア・ブースターⅡ(ガンダム試作0号機版)
◆Gコア(Sガンダム)版
クラスターガンダム
Vダッシュガンダム

などなど様々なバリエーションが存在する。




【余談】

さて、何故映画でGファイターが消滅してコア・ブースターが登場したのか。
それはズバリ、Gファイターがスポンサー(クローバー)のテコ入れで登場したメカだったからである。

富野由悠季監督にとってあまりに玩具然としたこのメカの登場は不本意であった。
しかしセイラ、スレッガーの乗機というストーリー上重要な位置にあったGファイターの立ち位置をカットする訳にもいかず、
代わりに設定されたのがより現実味のあるコア・ブースターだったという訳である。

その後もGファイターはアニメにおいて冷遇され続け、OVA等の外伝作品にもコア・ブースターの関連機が延々と登場し続けた。

が、どれだけ性能が高くてもやっぱり只の戦闘機。
取り立てて面白いギミックがないコア・ブースターよりもガンダムと連動して遊べるGファイターの方が作中の歴史的にも商業的にも強かったようだ。

またTV版では対ビグ・ザム戦でのスレッガーの行動は、
Gアーマーでガンダムを無傷で運搬しつつGファイターの装備で攻撃、
それが効かずGファイターが迎撃されてもガンダムを接近させられる二段構えの作戦であり、
「悲しいけど、これ戦争なのよね」というセリフもこちらがやられてもガンダムが追撃できるという作戦に対して反応したアムロへの私情は禁物という返答だった。

しかし、劇場版でのコア・ブースターの場合はそういった二段構えの戦法ではなく、ただの捨て身の特攻になってしまった。
そういう理由で「悲しいけど、これ戦争なのよね」というセリフも劇場版では意味合いが変わっている。
また前者の作戦は「ガンダムの推力ではビグ・ザムのスピードには追いつけないから、合体しないといけない」という話だったが、後者では普通に追いつけてしまっている。
この件を考慮してか漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では基本劇場版ベース「コア・ブースターTV版の要素を取り込み、
「推力の強いコア・ブースターでガンダムをビグ・ザムまで輸送」→「コア・ブースターがビームバリアの隙間を狙いガンダムを運びつつ攻撃するもクローで破壊」→「内蔵されていたコア・ファイターでエンジンノズルに特攻し玉砕」と変更されている。


劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」でがシャアの回想シーン(ララァが撃墜される場面)でセイラのコア・ブ-スターが登場しており、同作品が機動戦士ガンダムのTV版でなく、映画版の世界観を引き継いでることがわかるなど、知る人が見ればコア・ブ-スターが重要な存在となっている。




NT適正が認められたパイロットは追記・修正をお願いします。

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