お日様とお月様

「お日様とお月様」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

お日様とお月様 - (2014/05/07 (水) 19:53:10) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/12/22(木) 23:33:36
更新日:2021/03/09 Tue 20:12:41
所要時間:約 3 分で読めます




「お日様とお月様」は、大韓民国に伝わる民話である。








〜お日様とお月様〜

これはまだ、虎がたばこを吸っていた頃のお話。



昔々、あるところに仲の良い兄妹とお母さんが暮らしておりました。


ある日、お母さんは峠をいくつも越えた村へとお手伝いへ出掛けました。
そしてお手伝いのお礼として、お母さんは子供達の大好きなお餅をたくさん貰いました。


ところがその帰り道です。

最初の峠を越えた所で、突然一頭の虎が現れたではありませんか。












「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


お母さんはびっくり仰天。恐る恐るお餅を一つ差し出し、急いでその場を後にします。



しかし、また峠を越えた所で再び先程の虎が現れたのです。




「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


「お餅を一つくれたら食べないでやるYo」


さぁ大変です。いくつもの峠を越えているうちに、お餅はすっかり無くなってしまいました。


すると、再び現れた虎が今度はこう言いました。











「腕を一つくれたら食べないでやるYo」











お母さんは、腕を虎に差し出しました。家には子供達が待っています、食べられてしまう訳にはいきません。


しかし、次の峠でも虎は現れます。












「腕を一つくれたら食べないでやるYo」











二つの峠を越え、お母さんは両腕を虎に食べられてしまいました。
お母さんは、子供達が帰りの遅い自分をどんなにか待っているだろうかと、急いで家へと向かいます。



いよいよ最後の峠です。

しかしここにも虎は現れます。











お母さんは食べられてしまいました。











虎はお母さんの服を着て、子供達の待つ家へ向かいます。



「お母さんだよ、開けとくれ」


「お母さんの声はもっと綺麗だい」


「風邪を引いたのさ」


「なら手を見せて。お母さんの手は白くてとっても綺麗だから」


「……」






バフッ






「ほら、お母さんだよ」


(小麦粉じゃねぇか!グリムか!)


賢い兄妹は裏口から逃げ、庭の柿の木に登りました。気がついた虎もすぐに追ってきます。



「一体どうやってそんなに高い柿の木に登ったんだい?」


「そりゃあ決まってる」












「手にゴマ油を塗ったのさ」


虎は急いで手にゴマ油を塗りたくりました。しかし、もちろんつるつる滑るばかりで登れるはずがありません。

それを見た兄妹は大笑い。
虎を馬鹿にして言いました。



「ばっかでぇ!僕達は斧で木を刺しながら登ったのさ。やっぱりピザ野郎は馬鹿だなぁ」


それを聞いた虎は、斧を使って木を登り始めました。

さぁ大変です。びっくりした兄妹は、無我夢中で祈りました。



「神様神様。僕達を助けるなら太くて強い縄を、殺すならぼろぼろの縄を下ろしてください」


すると、太い縄が天から降りてきました。二人は急いでそれを掴んで登ります。


追いかける虎も兄妹の真似をして祈ります。



「神様神様、俺を助けるならぼろぼろの縄を、殺すなら太くて強い縄を下ろしてください」


しかし、急いだ虎は兄妹とは逆の事を言ってしまいました。

天から降りてきたのはぼろぼろの縄。虎は畑へ真っ逆さま、そのまま死んでしまいました。


とうもろこしの畑(またはきび畑)が今でも赤いのは、この虎の血のせいなのです。


そして兄妹は天の国に着きました。

妹は太陽に、兄は月になり、いつまでも幸せに暮らしたという事です。


めでたしめでたし。




追記修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/