みどりのマキバオー

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みどりのマキバオー - (2021/09/08 (水) 10:15:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/01/12(木) 21:23:13
更新日:2024/01/23 Tue 03:34:34
所要時間:約 3 分で読めます





「さあ最終コーナーを回って直線だ、各馬一斉に鞭が入る!
おーっと後方から猛烈な勢いで追い込んでくる白い影!
ミドリマキバオーだ!
先頭集団に並んで一気に抜き去った!
その差2馬身から3馬身、マキバオー強い!
2位以下を大きく引き離して今ゴールイン!
マキバオー圧勝!!」


週刊少年ジャンプで連載されていた、つの丸原作の競馬マンガ。



☆あらすじ

北海道鵡川町にある「みどり牧場」は1億円の借金を抱え、経営はまさに火の車状態だった。
その牧場主である飯富源次郎は借金返済のため、かつてG1桜花賞をとったミドリコの産駒に全てを賭けていた。
ある夜、遂にミドリコが産気付き、待望の子馬が誕生。しかし産まれてきたのは…!?



☆登場馬(と人物)


◆主役


  • ミドリマキバオー(CV:犬山犬子(現:犬山イヌコ))*1
白毛 みどり牧場*2美浦 飯富昌虎厩舎所属
「白い珍獣」「白い奇跡」

待望だったミドリコ産駒。しかしその姿はカバのような顔に仔犬のように小さな体の、とても馬とは思えない生き物だった。ちなみに毛色も母とは異なるので*3色々な意味で突然変異な馬。
ちびっ子なせいか成長しても子供っぽい口調で、「んあ〜」「なのね〜」が口癖。
チュウ兵衛との出会い、ミドリコの離別を経て大きく成長。数々の強敵達との戦いでその小さな体に秘められた力を覚醒させていく。
「きん玉くさお」「うんこたれ蔵」など数多くの名前を持つ。最終的には本名は「たれ蔵」、競走馬名は「ミドリマキバオー」で統一された。


大きな森の小さな大親分。
幼いマキバオーを導いた恩師。詳細は項目を参照。


  • 山本菅助(CV:桜井敏治)
人間サイドの主人公である若き騎手。過去に鞍上だった馬を予後不良で亡くし、その恐怖心から馬に乗れなくなっていた。
しかし、マキバオーと出会い恐怖心を克服。騎手として心身共に大きく成長していく。

「何が騎手だ…これじゃあただの46kgの重りじゃないか…!!」


◆人間サイド


  • 飯富昌虎(CV:飯塚昭三)
美浦トレーニングセンターの調教師で、みどり牧場のオーナー。
マキバオーの潜在能力を最初に見抜き、彼の専属調教師となる。
彼がマキバオーの才能を見初めてなかったら、みどり牧場は完全に潰れていた。


  • 飯富源次郎(CV:緒方賢一)
昌虎の弟でみどり牧場の主。
1億円の借金を抱え、ミドリコの産駒に全てを賭けていた。
が、産まれてきたマキバオーがあの姿であった為、一時期は殺処分して肉にしようとしたり、犬のように鎖に繋げたりと酷い扱いをしてしまうが…
うんこの後に手を洗わない。あとついでに度々ズボンをはかない。


みどり牧場の職員。本名は三枝友則(さえぐさ とものり)。
しっかり者だが、初期の頃はボケをかまして源次郎に殴られていた。
生ける敗北フラグ


源次郎の息子。
マキバオーの最初の友達で、昌虎よりも早くマキバオーの潜在能力に気付いた人物。
菅助と並ぶアニメ版に於ける人間サイドの主人公。
「子供が感情移入しやすいように」と作られた、原作にはいないアニメオリジナルキャラクターだが、全く違和感がない。



◆馬サイド


青鹿毛 本田RF 美浦 榊原厩舎所属
「黒い殺し屋」「漆黒の帝王」

マキバオー世代三強の一角にして、マキバオー最大のライバル。
実はマキバコを通して、マキバオーとは親類同士である。
詳細は項目を参照。


栗毛 尼子牧場 栗東 立原厩舎所属
「三冠相続人」「不屈の闘将」

マキバオー世代三強の一角。かつての二冠馬ピーターⅡの全弟。恵まれた馬体を持つステイヤー。
兄から引き継いだ白いシャドーロールがトレードマーク。

「お前を倒し、兄貴が成し得なかった三冠を制するっ!!」


「爆弾小僧」「青い眼のサムライ」

外国産馬。故にマイル路線にしか出られない自分の境遇を呪う事無く、次々に重賞を制覇し三強に挑む。


  • サトミアマゾン(CV:伊藤栄次)
「南船橋の奇跡」「ヒットマン」

地方で無敗を誇る南関の帝王。
彼を入れてマキバオー世代四強とする声もある。
作中では珍しく父馬がパロディ名ではなく、実在する種牡馬「ミルジョージ」となっている。
地方競馬を認識させた功績からか、実在の船橋競馬場にある「船橋競馬ミュージアム」では、彼は実在の顕彰馬に並ぶ形で展示されている。


「肥前の熊」

全てが規格外の「史上最強の駄馬」。主に気性とかエキセントリックな行動的な意味で規格外。
しかし潜在能力は(馬鹿だけど)全競争馬中で最強クラス。

何気に成績自体も普通に善戦している。菊花賞以外は。


  • トゥーカッター(CV:福田信昭)
「西の将軍」

長距離を得意とする古馬。遅咲きながら上がり馬として菊花賞に勝つも、
世間からの評価は「ピーターIIがいたら獲れなかった」と冷たいものであった。
宝塚記念でカスケードに挑もうとするも海外遠征で回避されるなどといった経験から、
初登場時は「何が王者の誇りだ」などと、屈折した思いを吐き出す様子を見せた。


「天馬」

モンゴルの馬。体格は小柄で昼間は酒を飲んでばかりいるが、ナーダム(モンゴルにて年に数回行われる祭典)の競馬で3連覇を果たした実力者。
片側ずつ前後の足を同時に動かす「側対歩」なる走法を得意とする。
「本来の走り」を思い出させたり、有馬記念でレースの流れを読むことを説くなどマキバオーにとってよき師の1人となる。


  • アンカルジア(CV:亀井芳子)
栗毛の牝馬で、3歳時にマキバオーやニトロと同じレースに出たことをきっかけに友人となる。
とくにチュウ兵衛とは互いに「いなかルジア」「出っ歯」と言い合う良き喧嘩仲間。
短・中距離を得意とするもののオークス、桜花賞ともに勢いに乗れず2着に甘んじていたが…。


  • ミドリコ(CV:有馬瑞香)
かつては桜花賞を制覇した名馬。
タマーキンとの交配でマキバオーを産むが、借金の「かた」としてひげ牧場に連れていかれる。

繁殖牝馬としてはマキバオーを含め、G1馬を3頭も生み出した、超がつくほどの名牝。
また、続編『たいようのマキバオー』の主人公ヒノデマキバオー/文太の祖母であり、育ての母でもある。


マキバオーの種違いの妹。
容姿は兄そっくりだが、性格は180度違う。
ひげ牧場で産まれたが、マキバオーそっくりだった為に捨てられ、ヤクザの親分に引き取られて育てられた。
その後は競走馬として復帰、女性騎手の内藤里華が乗り手となり牝馬クラシックの一つである秋華賞を勝利している。

ちなみに似ていない双子の弟(そしてマキバオーの異父弟)「ブリッツ」がいるが、そっちの方は異常に強く、リアル後世での最多G1勝利馬アーモンドアイ(G19勝)を超えるG1での11勝なんて記録を持っていたり(リアルでは相当レースも含め2017年にコパノリッキーが達成)。
余談だがカスケードと父親が同じなため、競走馬的には母系しかきょうだい扱いされないがブリッツ共々主役と好敵手双方のきょうだいなんて属性も持っている。

続編『たいようのマキバオー』の主人公ヒノデマキバオー/文太の母。
繁殖牝馬としてはぱっとせず、文太出産を最後に繁殖からも引退し親分の家に戻ったものの、その後の文太の活躍により、親子3代でGⅠ馬を輩出したことになる。すげぇ。



☆余談


人間と馬が普通に会話が出来るというある種ファンタジーな世界観だが(一応「馬が喋る漫画」自体はよしだみほの『馬なり1ハロン劇場』という前例がある)、それによって競争馬にも豊富な心理描写が描かれており、感情移入がしやすい。
だが同時に「予後不良」等重い要素もリアルと同じ様に存在しており、『たいようのマキバオーW』では訴えも空しく古巣から売却されあわや「処分」一歩手前まで荒んだ馬や、傷つきながら騎手に声を掛けるもその次の回で他界後が描かれた馬が登場している。
なお作中の時代設定は明示されており、本編は1993年~1997年(通常連載版)と1999年(最終回)・続編『たいようのマキバオー』は2007年~2010年(連載時最終回)と2013年(エピローグ、同作自体は2007~2016年連載)の競馬界を描いているためリアルと比較すると面白いかもしれない。

当時の競馬ブーム*4との相乗効果で人気を博し、後にフジテレビでアニメ化もされた。
ちなみに声優は上記の通りかなり豪華。
また主題歌『走れマキバオー』*5は、リアルのフジテレビ競馬中継アナウンサー2人とスポーツアナによって歌われた。

さらにいうと男率90%以上の超汗臭い熱血漫画である。
その影響か、アニメ版に於いては飯富勝だけでなくカスケードの牧場の社長令嬢である本田麗(CV:白鳥由里)、競馬記者の胸尻諸美(CV:深雪さなえ)などの女性キャラが若干増やされており、
女性キャラはつの丸氏の絵柄を尊重しつつも、極力女の子らしいデザインとされてきる。

ちなみに現実において「白毛馬」がG1レースで1位になったのは本作終了から約22年後、2020年・2021年に勝利した牝馬「ソダシ」(ついでに「~コ」と付く母馬がいる)が初であり、何気に現実の先を行っていたりする。
ついでに言うと本作連載中の1997年に、日本競馬界で白毛馬が初勝利を飾っており(但し地方の大井競馬場)、その馬「ハクホウクン」(日本初の白毛馬の息子)は偶然にも本作開始の数か月前に生まれた馬だった。

なお、マキバオーは漫画連載終了後もリアル競馬イベントに於いて着ぐるみやイラストで登場し続けており、
現在ではすっかり日本競馬界のマスコットキャラクターとして認知されている。*6

続編に『たいようのマキバオー』がある(紙上で連載された第1部とウェブ連載となった『たいようのマキバオーW』の2部構成)。
青年誌に移行した事によってか、オリジナルレースなどの要素が消え、地方競馬やダートレースを通じての世相や現代競馬の問題をリアルに記しているのが特徴。ギャグ要素も勿論健在。
こっちの方はアーケードメダルゲーム『STARHORSE4』(セガ、前作3で『みどりの~』とコラボ)で期間限定コラボが行われており、声こそないもののPVで主要馬のCGモデルが制作されている。

ソーシャルゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がブレイクしたのをきっかけに、本作も競馬漫画としての緻密さと奥深さ、個性的な登場馬達が取り上げられ、再ブレイクの兆しがある。
一部では「マキバオーもコラボしてほしい」との声も。
そして実際に漫画「ウマ娘 シンデレラグレイ」が連載されている週刊ヤングジャンプ2021年39号にて公式にコラボが実施
タマモクロスモデル説を踏まえ、かつコラボ時の「シンデレラグレイ」が1988年ジャパンカップを元にしたレースのスタート回だった事からか、主人公のオグリキャップではなくタマモクロス(88年JC2着)とマキバオーが併走するイラストが掲載された。
ちょうど「次に来るマンガ大賞」にてシンデレラグライが2位に輝いた直後のタイミングでもあった。そのためマキバオーの方はつの丸氏から「もういっちゃったマンガ」と言われた



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