IS-2

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IS-2 - (2016/08/07 (日) 13:22:33) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/02/04 (金) 00:55:52
更新日:2024/04/01 Mon 21:46:27
所要時間:約 3 分で読めます




IS-2はソビエト連邦が開発した戦車である。
ISとは当時の独裁…(ry…書記長である「ヨシフ・スターリン」の略である為、ドイツやポーランドではJSと表記されるが、本項目ではISで統一する。
JSで女子小学生とか連想した諸君には偉大なる同志直々に話があるのでトラックに乗りたまえ。

■開発経緯
当時、大祖国戦争真っ最中であったソビエト連邦は、T-34中戦車やKV-1重戦車といった戦車を大量生産してドイツ軍に対抗していた。
ドイツ軍の主力はIII号戦車IV号戦車で、これらを相手する分には既存の戦車で十分で、むしろ優位であった。

しかし、1942年中期以降に少しばかり困った事が起きる。
彼の有名な伝説的戦車、ティーガーIの戦車の登場である。
数こそ少ないものの、既存の戦車には重大な脅威であった。


ドイツのT-34ショック程では無いが、ソ連軍は大いに慌てて、
T-34の火力強化に走ると同時にティーガーIに対抗しうる新型重戦車の開発を決意した。
そうして開発されたのが、IS-1である。2じゃないよ。


このIS-1、KV-1よりも装甲や機動性が改善された優れた重戦車だったのだが、一つ問題があった。

火力である。

IS-1の砲は85mm砲。これ、中戦車のT-34と同じである。
「重戦車なのに中戦車と同じ砲ってどうなのよ。しかもティーガーIの56口径88mm砲より弱いし」
と、言われてしまったソ連開発陣は、IS-1の生産開始から僅か15日で火力強化を決定した。
IS-1涙目。

と言うことで、85mm砲の代わりに122mm野砲を無理矢理載せて、ようやくIS-2が完成したのである。
ただし85mm砲の装甲貫徹力は当初の想定を下回っていたため、122mm砲の採用は正解だった。
もっとも携行弾数が59発から28発とほぼ半減してしまい流石に問題視されたものの、
車内容積の狭さと薬莢の長さはどうしようもなく弾数増加は見送られた。


■実戦での活躍
無理矢理122mm砲を乗っけた為、砲塔は大変窮屈であった。弾自体も重く、装填手は泣かされたらしい。
まぁ基本的にソビエトの戦車は乗り手に優しくないのだが…

しかし、それを補って有り余る程、122mm徹甲榴弾の威力は圧倒的であった。
ティーガーIだろうがパンターだろうが装甲をぶち破り、破れずとも装甲を損傷させて脆弱な内部に何らかの危害を及ぼした
(某考察によれば、射距離1kmで約160mm厚の垂直装甲板の裏面を剥離させる破壊効果が見込めたという)。
これらの活躍から虎と豹を狩ると言う意味でアニマルキラーと言われた。
なおホプキンソン効果による撃破で流布されていたが、IS-2の榴弾はHESH/HEP(粘着榴弾)ではないのでこれは誤解である。
そもそも徹甲榴弾が弾切れしたか榴弾装填中に遭遇した場合ではない限り、陽動・牽制以外の目的で戦車に榴弾を撃つのは単なる悪手である。
ガールズ&パンツァーの解説欄でも「榴弾ですらティーガーIの装甲を叩き割るほどだった」としれっと載っているが、
より大口径の152mm榴弾が直撃して帰還したパンターも鹵獲されたティーガーIに対する射撃試験でも部分変形に留まっており、事実に反している。
ただし装甲の薄い上面や背面へ命中させた場合は撃破も確認されていて、溶接部破断で擱座に追い込んだ例もある。

尤も、IS-2は榴弾を生かした拠点突破など、対歩兵に最も活躍した。
撃破されたIS-2の6割が、歩兵用の対戦車兵器、パンツァーファウストによる物だとか。疑問視する声もあるが。


しかし、これほどIS-2が活躍できたのは、その数の多さであろう。
タイガーは1型、2型合わせて1,850両が生産された。
これに対しIS-2は後から現れたにも関わらず、改良型のIS-2mを含む生産量は3,500両である。
更にT-34は50,000両を軽く超えており…更に更にドイツはソ連だけで無く英米も相手しなくてはならず…

これ以上言う必要はあるまい…
実際には稼働率の問題でこの数の差はさらに広がったと思われる。

また、欧州戦終了後は満州侵攻などの対日戦でも使われた。
…対する日本軍の主力は97式中戦車なのだが…

■その後
戦後は東欧や中華人民共和国などの共産圏の国家に支給されたり、IS-2Mに改良されたりした。
実は戦争中に後継のIS-3やIS-4を開発しており、特にIS-3の存在は英米に新型重戦車の開発を決意させたほど狼狽させている。


追記・修正をお願いします。
大祖国と偉大なる同志の為に!

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