87式自走高射機関砲

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87式自走高射機関砲 - (2014/04/06 (日) 19:33:34) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/08 (土) 14:02:09
更新日:2022/04/24 Sun 11:54:15
所要時間:約 3 分で読めます




もしかして:ガンタンク









ではない。


87式自走高射機関砲



▼カタログスペック
全長 7.99 m
全幅 3.18 m
全高 4.40 m
重量 38.0 t
乗員数 3 名
装甲・武装
主武装90口径35mm対空機関砲KDA×2
機動力
速度 53 km/h
エンジン 三菱10ZF22WT
空冷2ストロークV型10気筒
ターボチャージド・ディーゼル
720hp/2,200rpm
行動距離 300 km

87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊が運用する自走対空砲である。

主に高射特科部隊が運用している(詳細は後述)。

防衛省では87AWと呼ばれ、愛称はスカイシューターやら現場ではガンタンクやらハエ叩きやら色々。

概要

それまでアメリカから供与されていた40mm自走高射機関砲M42及び、M15A1対空自走砲の後継として、1978年に部分試作が開始。

ドイツのゲパルト自走対空砲を参考に、74式戦車の車体を流用(当初は61式戦車の車体を用いる予定だったが、性能不足や陳腐化が進んだため中止)した新造車体を用いて1982年に全体試作を開始、試作車両は1983年に完成し各種テストの後に1987年に制式化された。

現在、試作車は陸上自衛隊広報センターに展示されている。

性能



レーダー配置が理想とされるゲパルトを参考に設計されたが、ゲパルトのレーダー配置デザインには特許があるため、それを侵害しないよう工夫された。

砲塔左右にスイスのエリコン社製35mm対空機関砲KDAを計2門装備し、砲塔上部の後方にパルス・ドップラー方式の索敵レーダーと、追尾レーダーが配置されている。

自走装軌車両らしく機甲部隊に随伴して行動するが、車体が74式戦車の車体を利用しているため、後に開発された90式戦車に比べ機動力に劣ってしまう。

また、他国の同様の兵器と同じく地上目標(軽装甲車両や対人)に対する水平射撃も可能。

アフガン侵攻でムジャヒディンを恐怖のズンドコに叩き落としたソビエトのシルカちゃんのように…

配備状況

射撃統制装置、各種レーダーも搭載した高性能な自走高射砲となったが、なにせお値段が15億円超と高額(参考までに90式戦車は約10〜8億円)になってしまう。
結局ご多分に漏れず年に数両しか導入ができないまま、2002年度契約で調達終了。

たったの52両で生産を終了した…

生産された車両の大部分が機甲師団たる第7師団隷下の高射特科連隊及び、第2師団隷下の高射特科大隊1個中隊でのみ運用されている

87式ェ…

高射機関砲の有用性


富士総合火力演習に参加する87AWとAH-64D

そんな不遇な扱いを受けている87AWだが、不遇なのは生産台数だけではない。

航空機やミサイルの性能が急速に進歩した現代、高射機関砲という兵器は果たして役に立つのか?と言うことである。

高射機関砲の主目標である航空機は音速の壁を越え、ミサイルはより長射程から撃ち込める。

…あれ、高射砲いらねんじゃね?






と言うことにはならなかった。

高性能な対空ミサイルは値段も高い。
そして敵航空機やヘリコプターは対空ミサイルに補足されるのを避けるため、より低空低速で侵入してくる場合もあるため、高射砲は未だに有効であったのだ。
また、周到に擬装された場合、航空機によって発見することはほぼ不可能となる。
それを実証したのがベトナム戦争や中東戦争だった。

現在、高射砲は対空ミサイルとのハイローミックス、二段構えの防空システムとして運用されている。




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