ころばし屋

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ころばし屋 - (2016/09/13 (火) 16:40:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/01/10 (月) 01:21:45
更新日:2024/04/28 Sun 21:49:00
所要時間:約 4 分で読めます




ドラえもんのひみつ道具の一つ。


さて、ドラえもんには2332個の様々なひみつ道具が出てくる。
それらはこどもの夢を叶えるだけでなく、時として武器など、人を傷つける危険なものも含まれている。
このころばし屋も、そうした武器系の道具の一つ。

黒いスーツに黒帽子、グラサンという裏の人間を模した姿。
一頭身のダルマ体型という愛嬌ある形状だが、やはり格好が危険なニオイを漂わせている。

基本的に使うだけならロハが多いひみつ道具。
だがコイツは依頼料として10円、キャンセルには更に100円を要求してくる。

そんなにも数ある道具でも異彩を放つ、コイツの能力は……










転ばせる


そう。コイツは名前の通り、対象を必ず三回転ばせるのである。

普段映画で活躍する「空気砲」や「ショックガン」に比べ、とても地味である。
だが、コイツは確実に、憎い相手の名前を言うだけですっころばしてくれるのである。
転ぶというのは地味に痛い。それをコイツは自動で行うのだ。
ある意味ではドラえもんの武器で最強の道具かもしれない。

欠点は、依頼人は金を入れた人間に限らず、入金した人間さえ対象になりうることである。
そうなったら誰かに頼んででも背中の穴に100円入れるしかない。
コイツは邪魔をする人間さえ見境なく攻撃し、文字通り地獄の果てまで付いてくる。









とまぁ、原作ではのび太がジャイアンにけしかけ、その後いつも通り自分も対象になるという話。



だが、コイツが真に輝いたのは原作ではない。
故藤子・F・不二雄最後の弟子、むぎわらしんたろうの描く『ドラベース ドラえもん超野球外伝』である。


主人公クロえもん率いる江戸川ドラーズと、ライバルシロえもん率いる荒川ホワイターズの試合。

影が薄いことでおなじみスズえもんは、ここぞとばかりに指定道具の一つだったコイツに札束をねじ込んだ。

だが、クロとの直接対決を望むシロは、スズを敬遠で流そうとした。
それにブチギレたスズは、あろうことかボール球を無理矢理打ち返した。

アウト――誰もがそう思った。

だが、ヤツは好機(チャンス)を見逃さなかった。



ズキューン!



球場に鳴り響く銃声。

(……これだけもらって仕事しないわけにはいかないぜ)

地に伏すホワイターズ野手と、その横を転がるボール。
普段の小振りなピストルではない、黒光りするスナイパー・ライフルを構え、彼は独り静かに笑うのだった。



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