M.U.G.E.N

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M.U.G.E.N - (2019/11/27 (水) 19:47:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/05/29(金) 08:34:01
更新日:2024/01/30 Tue 23:38:22
所要時間:約 3 分で読めます





mugenでは様々なキャラクターを使用、あるいは作成したりする事が出来ます。
ただ本来開発していたElecbyteは既に開発を停止しており、
その後ハックされたwindows版が非公式リリースされました。
また、開発停止から7年経った2009年にElecbyteが活動を再開し、
新しいMUGENがリリースされるなど活動を活発化させているようです。

このゲームではKOFのキャラが北斗のキャラとバトルする、
スト2のキャラとメルブラのキャラがタッグを組むなんてのも実現出来るのです。
そしてこのゲームで一番大事なのは、「どんなキャラクターにも参加の権利がある」という事です。
そういった、夢の対決、夢の競演を実現する2D格闘ゲームエンジン、それがmugenなのです。
想像の中でしかなかった組み合わせ、対決、共闘。
あらゆるクロスオーバーを実現していく、
その醍醐味がこのシステムには詰まっています。

(ニコニコMUGENwikiより抜粋)


mugen(M.U.G.E.N)とは、1999年ごろに開発された同人2D格闘ゲームエンジンの名称である。

【概要】

通常のゲームのように1本の格闘ゲームを作るのではなく、キャラクター単位で作成し、そのデータをネットでやり取りすることで色々な人の作ったキャラクターを集めて対戦するということに主眼を置いたツールである。
もちろん頑張れば格闘ゲームをまるまる一本作り上げることも可能。

格闘ゲームのツールとして非常に細部まで作り込むことが可能で、努力次第で市販の格闘ゲームと全く変わらないクオリティのものを作ることができる。
そのため、市販のゲームからグラフィックを抽出し、元のゲームのキャラクターを複製再現する遊び方がネット上で流行。
あちこちで様々な格闘ゲームキャラが精巧に再現、あるいは好き好きにアレンジされ、データがやり取りされた。

動画サイト*1が盛んになってからは、MUGENで色んなキャラを対戦させその動画を公開するという楽しみ方が流行する。
大規模動画サイトを介することで、データ収集や制作をしないライト層の目にも触れ、MUGENはアングラから一気に知名度を上げていく。

単純な対戦動画だけでなく、キャラやAIの説明・紹介動画、
ストーリー中の戦闘演出としてMUGENによる対戦を挟む二次創作話、
トーナメント等の大会動画等がある。対戦の中では数々の名(迷)勝負が生まれてきた。
これらの中で新しいカップリングやネタが生まれるのもMUGEN動画での醍醐味である。
コメントが付けられるニコニコ動画とは特に相性が良かったのか、一定の人気を集め、独自の同人的コミュニティを構築していく。
ニコニコMUGENwikiなどの情報サイトも作られ、かなりの読みごたえを誇るまでに盛んに更新が行われた。

有名所のチームやネタを挙げるなら
チーム愛、チーム⑨、お神、ロイヤルワキガ、オーモーイーガー、ボーダー運送、白黒スタイリッシュ、ビーム脳、等々……。

しかしこれらはMUGEN動画の中だけのネタであり、無関係の動画等にMUGEN動画ネタを持ち込むのは好まれないので注意しよう。


対戦を楽しむに当たって注意したいのがゲームバランス。
キャラ製作者が何人もいる事、違うゲームを参加させているなどという点から、ゲームバランスの崩壊などちっとも珍しくない。
キャラによっては、その作品のシステム面自体が強かったり、火力を調整していなかったり、調整どころか様々な意味で魔改造されてたり、
キャラ制作者がAI(自動行動システム)を強くし、コンボ・立ち回り的な意味で強化されていたりと、
異常に強いキャラも多数いるが「こいつ強すぎだろ、つまんね」等の発言は面倒の元である。MUGENではよくあること。

またMUGENはあくまでゲームエンジンなので、もはや格闘ゲームとは言えないレベル*2までシステムを拡張することも可能。
こうなると(形式上)相手のライフを0にした方が勝ち以外で既存の格ゲーとの共通点が無くなることも。
良くも悪くも懐の広いゲームなのだということを覚えておこう。


今もって主流となっているのは既存格闘ゲームキャラの複製・アレンジであるが、無論これは企業の著作物を無断で複製・改変し配布する行為であり、{立派な違法行為#である。
したがって市販ゲームの製作者側の中には、このツールを好ましく思っていない人間もいる。
特にBLAZBLUE製作チームはTypeXクラック事件の際、公式の場で不正コピーされたデータの使用を批判する発言をしており、これに関連してMUGENの動向も監視していたとされる。
同人誌などと同じく*3あくまで著作者の黙認により楽しめているということを弁え、自重を忘れないことが大切である。


また、グラフィックからSEまでオリジナルで製作する人達も居る。
オリキャラや自作ステージは勿論、MUGENをゲームエンジンとして使ったゲームとして有名な物は
『Babel Sword』、『虹裏格闘ゲーム』 『The Black Heart』シリーズ(海外製作)がある。


【関連用語】

ここではMUGENの代表的なコンテンツ要素を大まかに紹介する。
大体のコンテンツがニコ動やYouTubeにUPされている。

MUGENキャラ作成

その名の通りMUGENのキャラクターを自作すること。
  • 他の格闘ゲームのキャラの移植
  • 既存のキャラの改造・アレンジ
  • 非格闘ゲームのキャラをmugen仕様にしてしたもの、
  • 格ゲー化されていない版権キャラ
  • 完全オリジナルキャラクター
など様々な手段を使って思い思いのキャラを作る。
中には一からドット絵を手作りして既存の格ゲーと遜色ないクオリティのグラフィックや性能を作り上げる猛者もいる。
開発経緯は動画としてアップされることが多い。
なお一部のキャラクターの製作者が「改変禁止」を掲げる場合もあり、その時は素直に従おう。
違反すると最悪そのキャラクターが配信停止になりかねない。

当然キャラクターの公開は作者の裁量次第なため、「気に入ったキャラクターが配信停止になっている……」なんて事も多々ある。
そういった時は素直に諦めるか、どうしても諦められない場合は広大なネットの海からアップされているデータを探す出すしかない。
掲示板のコミュニティサイトで親切な人にアップしてもらうという手もある。当然ながら安全性は保障されないので自己責任。
当たり前のことだが、製作者やユーザーに「このキャラ欲しいから頂戴!!」なんて粘着するのは最低のマナー違反である。


AI作成

上のキャラ作成と対を成すコンテンツ。
その名の通りキャラクターのAIを作成してパッチ形式で配布するやり方。
見せプレイを得意とするAIもあれば、そのキャラクターのポテンシャルを限界まで引き出すことでぶっ飛んだ強さに仕上げるなど作者によってその傾向は異なる。
同じキャラクターでもAIによって動きや印象が180度変わることも。


トーナメント、大会

MUGENの華とも言うべきコンテンツ。
様々なシチュエーションやルールを定めてトーナメントを作りキャラを戦わせる方式。
自由に設定を弄れるフリーツールという特性を生かし、市販の格ゲーでは実装不可能なぶっ飛んだトーナメントが作られることが多い。
トーナメントという形式だが、参加キャラを動かすのはAIである。
無論そんなトチ狂った大会だけではなく、まともなキャラ同士で闘うトーナメントもあるので探してみるといいだろう。

◆ぶっ飛んだ例
  • パワーゲージ常時MAXで必殺技使い放題
  • 一撃でもダメージを受けただけで死ぬ(通称「オワタ式」
  • タッグマッチで味方にもダメージが及ぶようにして疑似バトルロワイヤル
  • 特定の行動をしたら即死亡
  • 参加キャラがトチ狂ったバグ性能オンリー
などなど


プレイヤー操作

その名の通り、AIではなく実際にプレイヤーが動かしてAIが動かすキャラと戦うスタイルの動画。
純粋にプレイヤーの技術が求められるため動画の絶対数は少ないが、クオリティの高いプレイを見やすい。


【ランク】

所謂格ゲーにおける強さの基準。MUGENでは独自のランクが定められることが多い。
そんなMUGEN独自のキャラランクについて解説する。
なおこのランクはキャラ性能とAIの複合なので、どちらかが欠けるとランクが落ちる場合も多い。

その名の通り「弱いキャラ」を示すランク。
このレベルだと相手からワンパン貰っただけで死亡するなどザラ。その上攻撃自体も貧弱なキャラもいる。

しかしただ弱いのではなく、敗北するためにまともに格ゲーをする事も否定している者も存在し、
ラウンドが始まった瞬間自滅するなど「如何に負けるか」を徹底的に追求した輩までいる。
ただしそんな弱さをあまりに追求しすぎると、後述の「論外」扱いされる場合もある。


「並」な強さのキャラクターで、最もキャラ層が厚いカテゴリー。
所謂標準的な格ゲーの性能であれば大抵このランク。プレイヤー同士で対戦するならこのランクのキャラで闘うのが安牌である。
ただしMUGEN界隈では弱卒の部類に入る。


「強め」のキャラクター。
並ランクと比べて高い性能を持った技を所持している事が多い。
主に原作でダイヤグラムの中堅~上位に位置するキャラクターが該当し、多くのキャラが何かしらの並より頭一つ抜けた強みを持っている。
なおAIが有情だったり簡易なだけで本体性能は凶~狂を狙えるポテンシャルがあるという物も少なくない。


「凶悪なほどに強い」キャラクター。
ここら辺からネジが外れて「格ゲー」を逸脱した輩が出てくる。
強化を目的にMUGEN内アレンジしたキャラクターの大半がこのランクに当てはまる。
ボスの場合は体力、火力、フレーム設定、技の無敵時間のような「数値的な強さ」を持ったバランス型が多いが、
それ以外のキャラは原作での調整ミス等で特定の技の性能が異常に高かったり、特性上特定の間合いや特定の戦法で異常に強いなど偏った性能のものが殆ど。
このランクになると容赦なく永久コンボを成功させて相手を殺しに来たり、人力では安定しない高難易度コンボを平然と叩き込んでくる。
中には、原作通りの性能・仕様なのにこのランクに入り込む猛者共もいる。
尚このランクまではまだギリギリ格ゲーの範疇である。
この下からは本体性能に隔絶した差があるため、ある意味「格ゲー」としてのボーダーライン的立ち位置にある。


色んな意味で「狂っている」キャラクター。
このランクになるとそもそも「格闘ゲーム」「ゲームバランス」「自重」という概念を放棄した奴等が跳梁跋扈する。
  • 発生の早すぎる技
  • 極端に少ない硬直どころかそもそも硬直がない
  • 高すぎる通常攻撃の火力
  • 全画面攻撃技や長時間の無敵
  • デメリットなしのハイパーアーマーや喰らい抜け
  • 一撃必殺技を平然と乱射
  • ゲージ常時最大、超高速の自動体力回復
など 格ゲーとして反則級の基本性能を持つキャラクターが該当。
最早既存の格ゲーの常識では辿り着けない領域にあるため、このランクのキャラは皆何らかの魔改造が施されている。
キャラの操作もこのランクからAI操作が基本となる。
試合展開が良くも悪くもド派手になる傾向にあるため、ある意味一番動画映えするランク。
動画人気という点では随一かもしれない。
基準としては「狂下位」「狂中位」「狂上位」「狂最上位」の4ランクが存在。
最上位にまでなると後述のの領域に片足を踏み込み、試合が完全な相性ゲーとなる傾向にある。
当然まともな試合になるはずもなく、最終的に「勝てばよかろうなのだ」「死んだ方が悪い」という考えに辿り着く。


最早「格ゲー」と呼ぶのが失礼な領域にいる奴等
狂ランクと並ぶもう一つのMUGENの華であり、ある意味究極の無法地帯。
正確に言うと『格ゲーすることを放棄し、相手を倒す事のみに特化したキャラ』たちの総称。
「卑怯」だろうが「バグ」だろうが、最終的に『勝ち』さえすればOK、勝利の称号を得るためには手段を選ばないキャラクター達の巣窟であり、神キャラの試合は「CNSを使ったパズル」とまで例えられる。
掻い摘んで説明した場合、
などは最早常識。
「神」以降ではHPや攻撃力・防御力などステータスの殆どシステムで制御しているので、 単純なステータスは意味をなしておらず、
  • 相手のAIを狂わせる
  • 相手に勝ったのに配点されない
  • イントロの演出用動作にカウンター即死攻撃を内蔵
  • 制限時間のタイマーに介入し、時間を常時停止させて時間切れによる勝敗判定されるのを阻止
  • 相手本体に食らい判定も攻撃判定もない→飛び道具にカウンターを使い、色々な仕様をMUGENが想定していない使い方して相手のライフを0にする
  • 相手本体に食らい判定も攻撃判定もなく飛び道具もカウンターを取れない方式→自分の行動を格納しているメモリの桁を溢れさせ相手のライフを格納しているメモリの値を0にする
などゲームシステムに異常を生じさせるような行為も合法とされる。このランクになると、システムの穴を突かれて負けた奴が悪いのだ。
現在では相手の強力な攻撃を無力化しつつ有意な情報を素早く正確に探知し、自分の攻撃をいかに相手に食らわせられるかが主流となっている。

ビジュアル的には神々しい(禍々しい)ド派手なエフェクトと音声が花火のように乱れ飛ぶ試合が特徴で、ゲーム画面が過剰エフェクトに覆われ全く見えなくなることは日常茶飯事。
狂とは比べ物にならないほどド派手な一方で最早プログラムパズルやコンピューターウイルスの領域にまで達した試合内容は賛否や好き嫌いも激しい。
ある程度の知識が無いと、ただ騒がしいだけでそもそも何が起こっているのかすらわからないのも欠点の1つか。
MUGENの人気コンテンツであると同時に好き嫌いが極端に分かれるランクでもある。

加えて、彼らを実際にPCで動かそうとすると、あまりにエフェクトや効果音、ボイスデータの処理が多すぎて処理落ちしてPCに多大な負荷をかける場合もある。
インストールする場合はよく考えてインストールしよう。
ランクの基準としては「準神」「下位神」「中位神」「上位神」「最上位神」の5ランクが存在する。


論外

神の領域を超えてまで「敗北しないこと」を追求した、問題児の中の問題児たち。
当たり判定そのものがなかったり、システムをガチガチに固めることで敗北することを防ぐなどその技法は千差万別。
中には敗北する瞬間にMUGEN本体を落として負けることを阻止する奴もいる。
最早コンピューターウイルス扱いされてもおかしくない奴等の巣窟である。
神キャラ以上に格ゲーする気ゼロだが、一方で神キャラ用の新たな即死技技術の実験台としての役割も担っている。
つまりはサンドバック要因。


【余談】

ここまで書いたが、当然のことながらMUGENは極めて黒に近いグレーな領域にあるゲームである。
MUGENの存在を毛嫌いする人は当然存在するので、時と場合をわきまえて楽しくプレイしたり動画を見て楽しもう。
MUGENとは関係ない場所でMUGENのネタを晒すのは当然マナー違反である。




追記、修正等お願いします。


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