11人いる!

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11人いる! - (2015/07/13 (月) 22:54:15) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/03/12(月) 23:05:44
更新日:2023/04/06 Thu 08:42:15
所要時間:約 6 分で読めます




『11人いる!』とは、萩尾望都によるSF漫画である。


あらすじ
舞台は、近未来。
宇宙旅行が驚異的に促進されており、地球は3大国に分かれ、その他小惑星などから多くの星々へと進出した。
名門・宇宙大学入試、最終テストは実技。漂流中を演出し外界から隔絶された宇宙船・白号船内に53日間滞在する、協調性の有無と程度を測定する試験だった。
一チームにつき10名編成。一人でも脱落者が出た場合は連帯責任により当該チーム全員が不合格となるが、白号には参加者が11人いた。
何故11人いるのか、何の陰謀か、11人目は誰か。
猜疑心に満ちた孤立した宇宙船の中、様々なトラブルが11人を襲う。


登場人物

タダトス・レーン

通称タダ。
テラ系シベリース出身で、両親はすでに他界しており長老に育てられた。
星の特性から直感力が強く自己紹介のとき、誰が11人目か手を触れて探るなど力を見せた。
落ち着いた性格で、頭がよく判断力もある。
初めて乗るという白号について、妙に詳しいが本人も何故詳しいのかわからなかった。
仲間が感電・負傷した際、的確に執刀した。凄い。

以下、ネタバレのため反転
実は、幼少期白号に乗り合わせており、デル赤斑病の船内感染をワクチン投与を受けて乗り切った人物。両親は病気の犠牲になった。
彼にそのときの記憶がなかったのは、長老に封じられていたと考えられる。

フロルベリチェリ・フロル

通称フロル。ヴェネ出身。
美しい容姿と豊かな金髪で、メンバーを女性ではないかと驚かせた。
しかし見た目にはそぐわない荒い口調(江戸っ子のべらんめぇ調が入っている)と直情的でさっぱりとした性格で皆を更に驚かせる。
女性扱いされることを嫌い、そのような扱いを受けると激怒し暴れる。

以下、ネタバレのため反転
男でも女でもなく両性体。
フロルの星は幼少時は両性体であり、第二次性徴を迎えると女性ホルモンを投与され性別が分かれる。
ヴェネは長子以外男になれない規定のため、末子であるフロルは宇宙大学合格を条件に男になることができる。
男になりたがったのは兄の成人式の様子を見て感動したため。
ちなみに、不合格の場合は18歳年上で既に妻が8人いる隣の領主と結婚させられることになっている。

マヤ王バセスカ

通称王さま。サバ系アリトスカ・レ出身でその名の通り国王。
宇宙大学受験は力試しのためであり、合格しても国に帰り統治しなければならない。
リーダーシップをとるが、自分の価値観で判断しがちなこともある。
何かと目立つ行動をするタダを11人目と疑っている。
何かと感情的に怒っていることが多いので、なんだか親しみが持てる。悪い人ではない。

ソルダム四世ドリカス

通称四世(フォース)
サバ系アリトスカ・ラ出身。
出身がとなりの星である王さまと、意気投合する。
基本的に王さまと行動や意見が同じことが多い。
彼もタダが11人目ではないかと疑っている。イケメン。
サバ系は美形が多いからブサ面は他の星の出だと決めつけた。

アマゾン・カーナイス

通称アマゾン。
テラ系シュシュ出身。
糸目で高身長。身体中に傷がある。
反応がウブっぽい。フロルの裸(半裸と全裸)を2回目撃して取り乱した。

ヴィドメニール・ヌーム

通称ヌー。
辺境星ウィヌドー出身。
落ち着いており、柔らかい物腰で争いごとには参加しない。
固いウロコのような皮膚をしている。
フロルをメニールと呼び、きゃしゃでやわらかいと守る素振りを見せる。

以下、ネタバレのため反転
彼も両性体であり、初めからフロルが男でも女でもないと気づいていた。
ヌーの星は季節により性別が分化するが、彼は変化しなかったためヴィドメニール(僧)となった。

ガニガス・ガグトス

通称ガンガ。
サバ系トレドレーガ出身。
冷静で周りのストッパーになることが多い。
また、タダと共にコンピューターや船内の修理をする機会が多く工学に長けているようである。
体の中が緑色。

以下、ネタバレのため反転
緑色の訳は、短命な種族の生まれであり寿命を伸ばすための培養実験体であるため。

グレン・グロフ

通称石頭。
セグル系灰白色星出身。
呼び名の通り岩石のような見た目をしている。(フロル曰く「まるで岩石人間じゃんか!」)
石頭の発言でタダの11人目容疑が深まる。

以下、ネタバレのため反転
正体は地球統合政府の大佐で宇宙大学教官。満期までに何としても脱落者を出させることと予定外の事態が起きた場合に受験者たちの生命を守ることが任務だった“本当の11人目”。
あまりいい任務ではなかったが宇宙は常に変化しまた驚きに満ちており、常識が通用しない世界でもある、異端の11人目がどこかに必要だったのだと平然と語る。


チャコ・カカ

テラ系クエス出身。
色黒でアフロっぽい髪型。
自己紹介のときだけ関西弁を話す。
ほぼモブ。

ドルフタスタ

通称赤鼻。
テラ系ペロマ出身。
大きな体で、呼び名通り赤っ鼻が特徴。
気弱そうな印象を受ける。
ほぼモブだが、誤ってタダを射つという活躍をする。

トト・二

サバ系ミス出身。
体が小さく、何かのマスコットっぽい。
植物に詳しいらしく、野菜栽培を担当しているよう。
ハーレムの話のとき、顔を赤らめていた。
ほぼモブであるが、コマを探せば割りと登場率が高い。


宇宙船・白号
11人の最終試験会場。
長期旅行用のかなりの大型船。
いたるところに電導ツタがはびこっている。
エンジンと熱量タンクが壊れていて、恒星“青”の衛星軌道に乗っている。公転周期は53日。
コンピューターも一部壊れているが、受験生達の協力で修復出来た。

以下、ネタバレのため反転
実は、電導ツタが原因で伝染病・デル赤斑病が蔓延し以前の乗客の9割が死亡してしまっていた。
ワクチンは2千人分もなく、5歳以下の子供たちにだけ与えられた。
当時5歳のタダも乗り合わせており、数少ない生還者のひとりであった。


『続・11人いる!東の地平西の永遠』
続編。
宇宙大学に合格したタダとフロルが王さまの国アリトスカ・レ(東の国)へと遊びに行くことから始まる。
王さまは心から歓迎してくれるが、迷惑そうな側近、外部からの船が着いた宇宙港ターミナルに石を投げ込む国民など穏やかな雰囲気ではなかった。
急進派と古典派の確執、また王さまの国であるアリトスカ・レ(東の国)と四世の国であるアリトスカ・ラ(西の国)の両国間の紛争に巻き込まれていく2人。

前作に登場した人物の多くが引き続き登場する。


今作初の登場人物

バパ大臣

急進派で戦争に積極的。
5年間先王に変わり摂政として国政を行っていた。

トマノ

王さまの兄。
アホの子。

アマン伯

王さまに忠誠を誓っている。
娘が可愛い。

オーセ

法司長。
暗殺されてしまう。

オナ

オーセの養女。
美しい娘で、次法司長の資格を持っている。
彼女の美しさにフロルのテンションがかなり上がった。
殺された父親を見てショックで昏睡状態に陥った。

以下、ネタバレのため反転
昏睡から覚めた後、全ての陰謀の内容を暴露し、事態を解決に導く。


チュチュ

四世の妹。
勝ち気だがかわいい。家族想いなのを利用されて騙されるかわいそうな娘。

ローン

四世とチュチュのおじ。
西の和平使節として東の国へ訪れるが行方がわからなくなってしまう。

ゾンブル

悪い人。
以下、ネタバレのため反転
商人を装っているが実は大国の情報部のトップで全ての事件の黒幕。

宇宙大学の先輩。黒髪の長髪、眼鏡をかけて若干気障。

アテナイ

宇宙大学超能力開発コースの美人教師。タダの能力を開花させるため、超能力開発コースを勧める。



ネタバレになるため反転するが、とにかくタダとフロルが終始イチャイチャしている。
喧嘩することもあるがイチャイチャ、危険な状況に置かれてもイチャイチャ。
これも見所のひとつである。


『タダとフロルのスペースストリート』
大学生活を中心としたコメディ短編集。
また2人がイチャイチャしているが、周りにとっては日常茶飯事。

ドラマ・アニメ・舞台化されている。
似たタイトルで『11人もいる!』というドラマがあったが、まったく関係ない。



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