24時間テレビ

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24時間テレビ - (2020/11/28 (土) 15:28:13) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/08/26(木) 23:25:09
更新日:2024/04/13 Sat 21:39:21
所要時間:約 4 分で読めます




毎年の夏休みの終盤(8月最終土曜及び日曜)に日本テレビ系列で放送されるスペシャル番組。
「愛は地球を救う」という副題から分かるように社会的弱者の救済をコンセプトとしたチャリティー番組であり、放送の時期が近づいてくると全国規模で募金活動を中心としたイベントが催され、その様子は放送中もリアルタイムで公開される。

名前のとおり放送時間は24時間(これは第1回の時間であり、現在はさらに伸びて26時間30分)にも及ぶ。
笑いあり涙ありの人々の心の温かさと善意、そして一人一人の心のこもった募金の様子…長いようで短い一日が始まる。

第1回が放送されたのは1978年。当時日テレで放送していた深夜番組「11PM」の世界の福祉特集から生まれた。当初はスポンサーが難色を示したこともあって局内からも反対の声が多く、1回限りの予定だったとか。
しかし集まった募金額が予想以上に多かったこともあり、当時の日本テレビの社長も実際に番組に出演して絶賛し、以降毎年放送されることに。
ちなみに今ではおなじみの「チャリティーマラソン」や「サライ」はこの頃にはまだ存在していなかった。第1回の総合司会は萩本欽一やピンク・レディーや竹下景子のほか、「11PM」から大橋巨泉も加わった。


その後は毎年放送されてきたが、マンネリ化もあって次第に募金額や視聴率が低迷。
第14回(1991年)放送では視聴率が6.6%にまで落ち込み、番組そのものが存続の危機に陥った。

そのため、翌年の第15回(1992年)からは方向を転換。
今までチャリティー番組としてのお説教臭さが強すぎるという意見が多かったこともあり、啓蒙色を薄めてエンターテインメント性の強化を図ることになる。スタッフも当時の日テレの人気番組を手掛けた面々に交代した。
チャリティーマラソンがスタートし、テーマソングとして「サライ」が誕生したのもこの回から。
その代わり、前年をもって大野雄二が音楽担当から降板したため、大野が番組のために手掛けた楽曲は事実上全て封印されてしまった*1

このテコ入れが功を奏して低迷していた寄付金は前年よりも7千万円以上増加、視聴率も17.2%まで回復した。
以降はこの路線で続けていくことになり、おなじみの「24時間テレビ」のスタイルが確立したといえる。

そして2017年で節目となる40回目を迎える。

アニオタ的には手塚治虫先生のアニメスペシャルが毎回行われていたのが記憶にある人もいるだろうか。
このアニメスペシャルは第1回から放送されており、2時間のテレビアニメというのは世界初であった。
初回放送時には24時間テレビ内で最高の28%という高視聴率を記録し、大成功をおさめたことから以降レギュラーコーナーとなる。
また、これを皮切りに2時間枠のテレビアニメが各局で放送されるなど、テレビアニメのあり方に大きな変化をもたらしたと言えるかもしれない。

残念ながら手塚治虫先生が1989年に亡くなったこともあり、アニメコーナーは1990年(第13回)の「それいけ!アンパンマン みなみの海をすくえ!」を最後に惜しまれつつも廃止となった。

会場は第1回が郵便貯金ホール(現在のメルパルク東京)、第2回が日本青年館だったが、第3回以降は基本的に日本武道館が使われている。
ただし諸事情で武道館が使えない場合もあり、第14回が東京都庁舎、第32回が東京ビッグサイト、第42・43回は両国国技館から放送された。


子供の頃、全部は観られないのを承知で、テレビにかじりついていたという人もいるのではないだろうか?

自分達の少ないお小遣いが、全人類を助けられる…

強い使命感や、夢と期待に燃えて、募金した人も多いのではないだろうか?






しかし、情報の発達した現在では、批判的な意見も日に日に強まりつつある。


同様のチャリティー番組は海外にもあるが、それらの例を見ると、特にアメリカのチャリティー番組はノーギャラを貫いている場合が多い。
一方、24時間テレビは出演者にギャラが発生していることが明言されており、アメリカを見習ってノーギャラにするべきだという声は根強い。

これらに当初から反発的な姿勢を示していたのがビートたけし明石家さんまであり、特にビートたけしは自身が受け持つ「オールナイトニッポン」の放送内で、
「ヨダレ垂らした芸能人どもがめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせに、これ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティーっていうくらいならお前ら全員ノーギャラで出ろよ!」
と発言し、偽善番組と非難している。

反面、「謝礼があることによって結果的に敷居が下がり、芸能人側も参加しやすくなっている」「募金が集まるなら問題ないのでは」「労働に対して対価が出るのは当然であり、無報酬にこだわる事こそ危険」という肯定的な意見もある。

また、番組に出て謝礼を受け取ったものの、受け取った謝礼を全部寄付に回し実質ノーギャラで参加した芸能人もいる。
第一回放送の司会者であり、後年チャリティーマラソンの走者にも選ばれた萩本欽一は、出演を打診された際に日本テレビが提示したギャラの額を交渉によって徹底的に吊り上げ、もうこれ以上は出せないというレベルの金額を受け取った後、それを全て寄付に回したという話は美談として語り継がれている。

かつてフジテレビで放送されていた「ラスタとんねるず」内の人形劇コントにおいて24時間テレビを模したパロディが作られたことがあり、その内容は「電光掲示板に表示された募金額が状況に応じて減額される=24時間テレビでは募金から出演者のギャラを捻出している」というブラックジョーク的なものであったが、それに対して日本テレビは大激怒し、「募金は全て寄付をし、謝礼金は番組制作費から支払っている」と公式声明を発表して抗議。フジテレビは後に非を認めて謝罪した。
幸か不幸か、この騒ぎがきっかけで、24時間テレビの募金額の正しい使い道が人々に認知されることになった。
24時間テレビは社会福祉法に基づき厚生労働大臣の許可を得て募金活動・慈善活動・資金配分などを行っているため、
国からの厳しい監視を受けており、募金からギャラや経費が支払われたりすることは絶対にない。一切差し引かれることなく全額がきちんと募金される

他に『募金を得た団体が(募金者が想像しているような)全額を適切な活動(※適切な人件費も込み)や資金拠出に使っているか?』には疑問を抱かれていることが多い。
24時間テレビだけの問題ではないし一つの団体だけ取り上げて見ても時と場合によるのだが、法的には問題無くとも問題視される行動を取っている団体も存在する。
流石に募金を更に寄付した先まで監査しろというのは無茶なので、テレビ局側ばかり責められるような話ではないのだが…気になるのなら自分で募金先を選んだ方が良いだろう。選択肢は一つではない。


ちなみに税金が厳しいアメリカではチャリティーの寄付には税金対策という面もあるので、
一概に「海外のチャリティー番組はノーギャラで素晴らしい」とは言い切れない。


この他、健常者の視点に立った御涙頂戴の方向に偏りすぎな演出で「感動ポルノ」だの言われることも多く、近年では募金ネタ以外にこちらの批判の方が結構あったりする。
しかし、この番組をキッカケに憧れのスポーツ選手に会える障害者など本当に夢を叶えている人がいたり、この番組の力で募金を得られる団体もいるのである。先述のようにエンターテイメントであり、この点については完全に中立とは言い難いが、チャリティーとしての役割を完全放棄しているわけではない。

これらの点は十分考慮する必要がある。

主な企画

チャリティーマラソン

毎回「チャリティーランナー」となった芸能人がスタート地点からゴールであり会場である武道館*2までの道のり(回によって異なるがおおよそ100km前後)をマラソンする。

1995年には阪神淡路大震災で被災した間寛平さんが復興祈願として神戸→武道館の600kmを1週間で走破するというものもあった。
その時々の人気芸能人や、実際にマラソンで想いを届けたい人がいるなど選出理由は様々。

ゴール間近では「負けないで(ZARD)*3」、ゴール寸前では「サライ」が流れるのが恒例であり*4、ゴールを見届けて夏の終わりを感じる人も多い。

なお、初回では経路を全て公開してしまいパニックが発生、棄権したという経緯により、スタート地点及び経路は原則非公開。それでもランナーによっては道路の渋滞・混雑が発生したということもあり、基本ルートの変更は毎年行われている。

しかし、実際に走っているかの確認のため、ネット有志による追跡班が昼夜通して自転車による追跡も行われることも多い。あくまで番組への検証という非公式の形ではあるが、最近では番組スタッフからもエールを送られるなど「追跡検証も込み」で楽しむ人も多い。

スペシャルドラマ

実際に難病や障害などと闘った人の奮闘や手記などを基に作られるスペシャルドラマ。メインパーソナリティの1人が主演を務める。

チャレンジ企画

義足や義手、ダウン症などハンディを負った人達が番組のサポートを経て登山やスポーツ、歌などに挑戦する企画。

普通では達成することが難しい「夢」を叶える企画ではあるが、前述のとおり「感動ポルノ」としてやり玉にあがることも多い。

世界記録チャレンジ

特番で放送された「徳光&所の世界記録工場」の派生企画。生放送で様々なギネス記録の更新や、十種競技に挑戦し記録更新に挑むなどの挑戦を行う。

深夜企画

深夜使用不可のメイン会場・武道館から日テレのスタジオに移り、バラエティ色強めのコーナーを行う。
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』が参加した際には「ヘルメットの上からチェーンソーを当てる」という企画にさすがに苦情が殺到したという歴史も。



―追記・修正は地球を救う

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