ULTRASEVEN X

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ULTRASEVEN X - (2023/10/25 (水) 08:19:14) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/06/27 Sat 23:02:34
更新日:2023/12/15 Fri 19:50:16
所要時間:約 5 分で読めます






伝説の作品は再び目覚める!



『ULTRASEVEN X』とは、円谷プロが『ウルトラセブン』40周年を記念して制作した特撮作品。
深夜枠の全12話で放送された。



■概要

  • 海外ドラマを意識した作風
  • 舞台となるのが未来都市
  • 等身大でのマトリックス的なアクション
  • 等身大戦闘でのワイヤーアクション使用
  • 巨大化戦闘ではミニチュアを使わず風景を合成
  • テーマソングが作品タイトルと関係ないロック曲(ネクサスという前例はある)

など、従来のウルトラシリーズと違った試みがある。
セブンの圧倒的な強さ(と戦闘の短さ)は語り草になるほどで、回によっては顔見せレベル、もはや『ウルトラQ』の領域である。

かなり異色的な作品かつ深夜枠だったためか、後のウルトラシリーズでの扱いは不遇気味。
歴代作品を紹介する『ウルトラマン列伝』でも最後まで紹介されることは一切なかった(同じ大人向けセブン作品の『平成ウルトラセブン』は紹介された)。
ウルトラマンX』では本作の星人であるマーキンド星人が登場し、これが本作から初の他シリーズ作品への出張だった。
その後『劇場版ウルトラマンオーブ』にヒュプナスが登場、『ウルトラマンジード』の劇中劇『爆裂戦記ドンシャイン』にヴァイロ星人の仮面が使われるなど、徐々にだが本作に関わったエイリアンの客演・流用が増えている。

主題歌
Another day comes/Pay money To my Pain



■ULTRASEVEN X

身長:40メートル
体重:3万5千トン

ジンがウルトラアイを装着することで変身する赤い巨人。
ウルトラセブンに酷似しているが、オリジナルよりもシャープかつ筋肉質なデザインをしている。

戦闘ではエメリウム光線、ワイドショット、アイスラッガー等、セブンと同じ能力を使う。
しかしスラッガーは通常と違い、切断能力の代わりにブーメランンのような打撃攻撃になっている(貫通は可能)。
また、回転を利用してシールドとしても使っている。

宇宙空間に逃げた宇宙船を地上から爆破したり、敵を変身した直後に瞬殺したりと、ウルトラマンらしからぬ強さを誇る。
また、このULTRASEVEN Xの正体こそが全話を貫く最大の謎とされている。

なお、ショーなどではSEVEN Xが比較的よく登場している。彼の正体を知っているとその扱いに違和感があるかもしれないが



特殊捜査チーム DEUS

主人公のジン達が所属する組織。
地球に侵入したエイリアンによる侵略を防ぐことを目的としている。

従来の防衛隊と違い、基地や戦闘機といった巨大な戦力を持たず、
普段は市井に潜伏している私服エージェントが本部からの命令を受けて少数で任務をこなすのが特徴。



■登場キャラクター

●ジン
主人公。
DEUSのエージェントだが記憶を失っており、自分が何者かもよく分からないまま、エイリアンとの戦いに身を投じることになる。
エレアから渡されたウルトラアイを使い「ULTRASEVEN X」に変身する。相変わらずウルトラアイは2話目で奪われた。

一見とっつきにくそうだが、実際は他人を慮る好青年。記憶を失う前は好きな映画の話題で初対面の人物と意気投合するというノリのいい面があった。
任務のない日に公園をブラブラしていたら、宇宙人の口利き屋に声を掛けられるというなんとも世知辛い経験をしたことがある。


●ケイ
DEUSエージェントの男。
プリンが好きだが「キャラに合わない」という妙な悩みを持っている。
3枚目な言動が目立つが地球を守るという使命感と腕っ節はかなりのモノで、エイリアンとも互角以上に渡り合う。
「ラブ&ピース」に弱い。
後年、斧を振るう魔戒騎士になる。


●エス
DEUSエージェントの女。
チョコが好き。
潜入捜査を得意とする凄腕エージェント。
格闘技の達人であり「過激かつ最強の武闘派」と呼ばれるほどで、ケイからはモヒカンじゃないかとか好き放題言われていた。
その反面、裏切ったと思われていたかつての仲間を信じていたりと、仲間想いな所も垣間見せる。


●エレア
ジンの前に現れ、ウルトラアイを渡した謎の女性。
ジンを救世主と言い、その記憶について何かを知っているようだが、口を閉ざしている。


■エイリアン


●時空生命体 ガルキメス
ある侵略者が用意していた巨大生命体。
ULTRASEVEN Xの最初の相手として戦う。


●『舟』
テレビの砂嵐を通じてメッセージを送り、メッセージに答えた人間を連れ去っていた宇宙船。
手先と化していた元DEUSエージェントのアールは世界に適合できない人々を救ってくれている善意の存在と信じていたが、
アールにジンからウルトラアイを奪うことを命令していたことから本来の目的は地球侵略だったと思われる。


●マーキンド星人
地球人に擬態し、ホープレスと呼ばれる底辺の人間達を集めて仕事を与えていた宇宙商人。
「リスクの無い仕事(給料少)」と「リスクのある仕事(給料多)」を斡旋している様だが…?


●パラサイト宇宙生物 ペジネラ
人間に寄生することで成長していたエイリアン。
寄生された人間は一時的に非常に高い能力を発揮するが、ペジネラの意に反すると……
全ペジネラが集合することで巨大怪獣となる。


●チャムダ星人
近隣のボーダ星と戦争状態にあるヒューマノイド型エイリアン。
青い肌と額にある三つ目の瞳が特徴。
チャムダ星は地球よりも重力が軽い星のため、地球上ではちょっとした運動でもバテてしまうくらい非力で貧弱。
あるものを探すために地球に複数人が送り込まれており、全員同じ顔の地球人に擬態している。
地球人に対しては友好的で、ボーダ星人の被害者かと思われたが……

●凶暴エイリアン ボーダ星人
チャムダ星人を追い、地球に飛来したエイリアン。
ULTRASEVEN Xとも互角に渡り合う強敵。


●ヴァイロ星人
地球侵略を目論むヒューマノイド型エイリアン。
白い仮面をつけ、口元の装置から音波攻撃を繰り出す。
この仮面を外すことは母国への反逆を意味し、死ぬまで外すことはない。
仮面の下の素顔は人間と全く同じであるが、死ぬとその場で全身が溶けてしまう。
死ぬ際ドロドロに溶けていくのが結構怖い。


●生物機械兵器バドリュード
ヴァイロ星人が切り札として用意していた巨大ロボット。
口(に当たる部分?)から音波攻撃を繰り出せる。
ウルトラシリーズのロボット怪獣は強敵が多い事で有名だが、円盤からウ○コみたいにひり出されて来た登場シーンといいその末路といい、扱いの悪さに定評がある。


●殺戮宇宙人 ヒュプナス
人間の姿をしたまま記憶を消され、社会に解き放たれたエイリアン。
様々なきっかけで殺戮本能が覚醒し、無差別に殺人を繰り返す。
DEUSが過去に2体の存在を確認しているが、なぜ送り込まれるのか、どれ程の数が存在しているのかは不明。
だが無意味だとか言わない。
劇場版ウルトラマンオーブに別個体が登場。


●獣人
宇宙を旅していた異星人の兄弟の片割れ。
普段は人間と同じ容姿をしているが、水に触れると獣人と化してしまう。
もう片割れが海を割ることはない。



※以下ネタバレ有








●冴木エレア
エレアの本名。その正体は記憶を失う前のジンの恋人で、AQUA PROJECTに携わっていた科学者。
かつてAQUA PROJECTの秘密を2人で追っていた最中、グラキエスの刺客に追いつめられてしまう。
瀕死のジンと共に飛び込んだ湖の底で、別次元から来たセブンとジンの融合に立ち合う。
その後ジンを見守りながら、セブンが真の力を取り戻す時を待ち続けていた。

終盤で行動を起こし、ジン、ケイ、エスの4人でグラキエスの打倒を目指す。
その後ファンガイアの女王になり二児の母となったかは不明。


グラキエス
情報網を操作し、ジン達の世界を裏で支配するクモ型エイリアン。
ジン達に指令を出していたDEUSのトップの正体でもある。
ジンの精神に語り掛ける際は、三人の男女のビジョンで現れる。
内一人はとある並行世界のTDF参謀そっくり。

直接的な戦闘能力は低い為、自分達を模したロボット「メカ・グラキエス」を護衛にし、地下に潜んでいる。

エネルギー研究計画「AQUA PROJECT」の実験中、偶然平行世界に繋がるゲートが発生したことに目をつけていた。
ゲートを利用し、オリジナルのセブンがいる世界(ウルトラ兄弟の世界?)へ支配の手を伸ばそうとしている。


ウルトラセブン/モロボシ・ダン
グラキエスの侵攻を止めるため、ゲートを通じて平行世界を訪れた、ULTRASEVEN Xの正体。

重傷を負ったジンを救うため、この世界で戦う体を得るため、彼と一体化する。
その際、ジンの記憶とともにセブンの人格、真の力が封印されてしまっていた。

最終話でジンが敗北した際に覚醒し、圧倒的な力でメカ・グラキエス、グラキエスを葬り去り、窮地のケイとエスを救い出した。

全てが終わった後にジンと分離し、元の世界へと帰還。
帰りを待っていたアンヌと再会する。



■小説版

本編で脚本を担当した小林雄次氏による、様々な外伝エピソードを収録した小説版が存在する。
実弟で現在はアニメ脚本家の小林英造氏との共著で、英造氏は当時まだ大学生だったとのこと。

カバー装丁は6話に日多タカオ役で出演した唐橋充氏が担当。
唐橋氏はこの作品が縁で後に大怪獣バトルNEO出演、雄次氏の他の著書でもイラストを担当している。
元々版数を少なめに刷ったことと2017年現在電子書籍にされていないためか中古価格が高騰、雄次氏もこれを知って驚いていた模様。




追記・修正は別の世界の地球も救ってからお願いします。

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