Team Muramasa

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Team Muramasa - (2020/10/12 (月) 15:19:29) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/08/06(土) 16:41:19
更新日:2023/10/01 Sun 17:31:16
所要時間:約 5 分で読めます





Team Muramasaとは、株式会社マイケルソフトのゲームソフト開発チーム。
後述する経緯からメンバーは株式会社エクスペリエンス(EXP)として独立しており、Team Muramasaの名はEXP製品のファンのコミュニティサイトに残っている。
名称はWizardry最強クラスの武器、『村正』にちなむ。
独立後はそれ以前の製品を直接の源流としたWizardryライクな3DダンジョンRPGを開発しており、しかし近年は『死印』や『NG』などのADVも開発している。


【来歴】
PS用ソフト『ウィザードリィ エンパイア』の無印及び2を製作したスタッフを中心にマイケルソフトの下で結成。
PS2用に、記念すべき処女作『Wizardry XTH〜前線の学府〜』を製作する。
Wiz初の学園モノという異色の設定、アイテム錬金、ストレスフリーなシステムデザイン等、独特の個性が光る作品だったが、超低予算で作られた為か、まだまだ荒削りな部分が目立つ作品であった。
その後、その続編として『Wizardry XTH2〜無限の学徒〜』を製作。
前作の不満点をことごとく解消し、新要素を多数追加。結果、前作以上の良作と誉れ高い評価を得た。

が、元々低予算であった前作よりも更に予算が削られ(半減したという説も)、挙げ句マイケルソフトが未完成のままの発売を主張したが、Team Muramasaはこれに『未完成で世に出すなど論外』と反発。
そこから半年もの間、無給で作り続けた。
これをきっかけにXTH2完成後、Team Muramasaはマイケルソフトを離脱。
株式会社エクスペリエンスを立ち上げ、GENERATRION XTH(G-XTH)などPC向け作品を展開。
そしてPC向けタイトルの4作目『円卓の生徒』のXbox360への移植を契機にコンシューマー復帰を果たす。


なおこの時Xbox360を選んだ理由は、「海外展開を視野に入れており、北米、欧州でのシェアが高いから」
「エクスペリエンスのユーザーアンケートで、Xbox360の所持率が高かったから」だとか。
以来、時折思い出したかのようにXbox系列でソフトを出しているが、当系列の日本での所持率が任天堂ハードやPlayStation系列と比べあまり高くない事から、首を傾げるユーザーも少なくない。


現在はWizardry XTH3製作のゴーサインをWizardryの権利元(GMOインターネットか?)から貰うべく奮闘する(2015年のインタビュー曰く)傍ら、ADV『シビトマギレ』や非3DダンジョンのRPG、学園ダンジョンRPGリーズに準拠したシステムの3DダンジョンRPG(MRG(仮題)はこれの事か?)などを製作している。(2020年10月12日時点)



以下、手掛けてきた製品の主な傾向。

  • 短めなロード時間
作品にも依るが、強いストレスを感じる程長いロード時間はほぼ無い。

  • 高速処理可能な戦闘

特定のボタンの押しっ放しで攻撃等のエフェクトやSEをそのままに高速でメッセージ送りが可能。SEが小気味良いのも手伝い中々爽快で、コマンド入力もカーソル位置記憶+ボタン押しっ放しでサクサク。
一部作品ではボタン押しっ放しの手間すら省く高速戦闘(メッセージを表示すら省略してターンを2、3秒で終わらせる)を実装しており、戦闘の展開速度に磨きがかかっている。

  • ライトなアバターとキャラデザイン

主力である3DダンジョンRPGがニッチな層向けのジャンルであるため、それを多少なりとも緩和するためのもの。
W-XTHや学園ダンジョンRPGシリーズが学園モノであるのも、上記に由来する。
実際、W-XTH以外のWizardryは(主に和製シリーズのほとんどのその実態として)硬派な画風で知られており、特に日本ではそれだけでライトな層からは敬遠されがちなため、悪くない選択肢と言える。
更にW-XTHはマネキン、学園ダンジョンRPGシリーズはアバターに装備した武具の外見が反映されるため、着せ替えを楽しめるのも特徴。
(自キャラを脳内で描きたい層向けにか)それらを非表示にしたりクラスのアイコンやイラストを用いるという選択肢があるのも魅力か。
ハードの問題でフェイスロードを使えない非PC作品はこの限りではないが、一部作品では他作品(コラボ作品含む)のキャラのグラフィックをアバターとして用いる事が可能。

  • このソフトには村正が入っていないようだ

チーム名に関連してかWizardry以来の伝統の継承としてか、強力な武器として「村正」が毎回登場する。ここの作品では(時に村止などの偽物も混ざりながら)数種類登場しており、最上位の物は刀カテゴリでは最強を誇る。
しかしそこは妖刀。ほとんどはリジェネマイナス(装備していると移動やターン経過の際にダメージを受ける)を持つ。
上記は作中最上位の村正が出ない人の(時には当の社長含むEXP社員すら)漏らすセリフ。
実際、これが出る場所で数十時間粘っても出ない、レベルカンストしたのに出ない等は作品によっては珍しくない。
ちなみに無限の学徒のユニーク版村正は当時、(宝箱からのドロップ数が少ない程ドロップアイテム1つ当たりの質が上がる仕様と合わさり)歴代Wizでもトップクラスにドロップしづらいと評されていた。

  • 誤字、脱字が多い
小規模故のデバッグ不足からか、読んで字の如く。新規のパッチが配布される度に誤字、脱字修正が入るものの、それでもひっそり残ってたりする。

  • ややバグが多い
原因は上記と同様か。致命的なバグこそ無いが、ややバグが目立つ。
とはいえサポートにメールするなどすれば、大概のバグはアップデートや修正パッチで対応してくれるため、見つけたらとりあえず報告しておくといい。サポートの対応も社是に掲げるだけあって親切である。

余談だがW-XTHは本来三部作が予定されており、2でも次回作への伏線を張っていたのだが、マイケルソフトとのいざこざやその倒産をきっかけとして、三作目への着手は原因を変えながら未だ困難を極めている。

主要開発タイトル

概ね、世界観ごとに3つのシリーズが存在する。記載されていないものや詳細はWikipediaや社のサイトの製品一覧、攻略Wikiなどを参照。
()内は対応機種

Wizardry XTH(W-XTH、WizXTHとも)

Wizardry XTH~前線の学府~(PS2)
Wizardry XTH2~無限の学徒~(PS2)

先史文明の魔法仕掛けの遺産と世界の覇権を巡り、人類と魔族が戦争を続ける惑星『オリンピア』を舞台としたシリーズ。
前線の学府はここでは割愛するがいくらかの独自要素を含みこそすれ、比較的それ以前のWizardryに近いシステムではあった。
しかし無限の学徒では後のシリーズでも度々採用される独自システム(の原型)が追加されている。いくつか挙げると
  • パーティ全員で発動させるスキル「パーティスキル」の追加。これは戦闘によって溜まる共通リソースを消費するもので、敵全体へ防御力無視攻撃・敵最前列へ必中攻撃・行動にファストトリック付与・イベント戦闘除き確実に逃走する・被ダメージ軽減および状態異常率低下・魔法威力倍増、などの戦闘に有利な効果をもたらす。
  • ほぼ非売品で、ごく一部除き錬金に使用できない「ユニークアイテム」を追加。基本的に強力で、もちろん入手も困難。
  • 物理攻撃命中時に確率発生する状態異常「気絶」を追加。発生するとそのターンと次のターンは行動できず、回避率や防御力が大幅ダウンする。また、低攻撃力だが命中補正に優れアイテムレベルも高くその上ヒット数1という性能から高い気絶率を持つ「ピコピコハンマー」が登場。装備制限がほぼ無い事も手伝って侍(=範囲物理攻撃持ち)の役目の一つに「素早さ極振りからのピコハン二刀流で気絶ばら撒き」が追加された。なおこの『気絶させる確率が高く、命中補正に優れるが低攻撃力な鈍器』は後の作品にも登場しており、それを装備しての範囲物理攻撃で敵を気絶させていく光景はここの作品の恒例の一つとなっている。

GENERATION XTHシリーズ(G-XTHシリーズ、学園ダンジョンRPGシリーズとも)

GENERATION XTH-CODE HAZARD-(PC)
GENERATION XTH-CODE BRAKER-(PC)
GENERATION XTH-CODE REALIZE-(PC)
迷宮クロスブラッド(PC)
迷宮クロスブラッド リローデッド(Xbox360)
迷宮クロスブラッド インフィニティ(Vita)
迷宮クロスブラッド インフィニティ Ultimate(Vita)
東京新世録 オペレーションアビス(Vita)
東京新世録 オペレーションバベル(Vita、Steam)

21世紀の東京を舞台に、日輪区を中心とした一帯で頻発するハザード現象(施設や建築物が変形・再構築され「アビス(都市迷宮とも)」となる「アビス化現象」や、そこからの異形の出現等のこと)から人々を守るため、秘密裏に活動する「特務隊エクス」の物語。
W-XTHの世界と直接の接点はないが、エクスへの協力者や一部のアイテムなど、所々にそれを想起させる要素が登場する。それらの要素やタイトルから、両シリーズをまとめて「XTHシリーズ」と総称する事も。
エクスの隊員は過去の偉人の遺伝子に由来する超常的な能力のパッケージ『ブラッドコード(当シリーズでのキャラクタークラス)』を自身に宿して戦う。憑依合体したりオーヴァードになってるわけではない
その能力を扱える体質が活性化する年齢の関係上、隊員はことごとくティーンエイジャー。
システムは(原型となるG-XTHの製作当時の状況からか)先述したW-XTHの順当なブラッシュアップであるが、クラスやタイプ(素の身体や頭脳などの傾向 種族に相当)を廃統合している。
G-XTH三部作は20X6年度のそれぞれ1学期・2学期・3学期、迷宮クロスブラッド(クロブラ)はその翌年度のエピソード。
プレイヤーキャラとなるエクス隊員は、3学期時点での2学期以前の隊員は国外から敵勢力に対処すべく、留学を装って不在。クロブラ時点でのそれ以前の隊員は、国外でも発生しだしたハザード現象に対応すべく、エリート隊員として日本国外で新規隊員の育成に当たっている。
東京新世録はG-XTHのリメイクで、アビスは1学期と2学期、バベルは3学期に相当。なお、システムの骨子とシナリオの大筋は同じだが、一部団体の名称や単語、一部システムなどに大小様々な修正が入っている。
(愛国学会は東条平和財団(TPF)に、中国、統一朝鮮、中華総連は東方連合(東連)に、アメリカ合衆国は大陸諸国連合(UC)に、等々)
ちなみに3学期以外での隊員は「文民統制の一環」としてレベルキャップが設定されており、レベルキャップ解放申請が通るとそれが解放・引き上げられる形となっている。
(時系列的には)CR序盤以降、サブクラスを1つだけ設定できるようになったが、CR時点では最大HPは両クラスの平均、経験値はメインにのみ入る、等デメリットが強烈であり、サブクラスを設定せず(シングルブラッドで)遊んだプレイヤーも少なくなかった。
それを受けてかクロブラ及びオペレーションバベルでは最大HPは両クラスの合計となり、サブにもメインから1/3貰う形で経験値が入るようになるなど、デメリットが大きく減じた。


円卓の生徒シリーズ(空の叙事詩シリーズとも)

円卓の生徒(PC、Xbox360)
円卓の生徒 The Eternal Legend(PSP)
蒼き翼のシュバリエ(Vita)
剣の街の異邦人(白の王宮:PC、Xbox360 黒の宮殿:Vita)
Stranger of Sword City(XboxOne、Steam)
新釈・剣の街の異邦人 ~黒の宮殿~(Vita)
デモンゲイズ(Vita)
デモンゲイズ2(Vita)
黄泉ヲ裂ク華(XboxOne、Switch、PS4)
精霊神と闇王の戦いを竜王(竜神とも)が仲裁する、剣と魔法の異世界が舞台のシリーズ。いずれもMPが回数制ではない。円卓の生徒はセルフコラボレーションとしてG-XTH~クロブラの世界とわずかながら接点がある。
作品ごとにシステムがかなり違うのがこのシリーズの特徴で、また時代や地域も大きく異なるため、一部を除いて同一キャラが登場することも稀。
蒼き翼のシュバリエは円卓の生徒のリメイクで、新釈は無印の言わばバージョン1.5。どちらも元からのシナリオの変化はあってもごくわずか。
  • 円卓:キャラメイクは不可で、ストーリー進行で増えていく仲間のサブクラスやステータスを調整していく(ただし、機会は限られる)。リメイク後は主人公以外のメインクラスも変更可能となり、同時に無制限にクラスや特性値ボーナスの振り直し、種族の変更すら可能となっている。
  • 剣街:血統種という無限種と手配異形のチャンポン賞金首モンスターやマルチエンドシステムを実装。様々な効果の「才能」をいずれか1つ、キャラメイク時に選択できるようになっている。他作品と比べ高難度な上、キャラロストがある。新釈ではバフ・デバフの上限が99から10と大幅に引き下げられ、ガードカウンターや見切り、素性といった新システムと合わさり、より計画的なパーティ運用が求められるようになっている。
  • デモゲ:画風、難易度共々他作品以上にカジュアル志向。主人公がテイマー(デモンゲイザー)というのも珍しい。邪気眼言うな。無印では日常パートにラブひなやめぞん一刻のような下宿生活をぶっこみ、2ではキャラメイク要素をほぼ廃止した代わりに主人公のヘルパー止まりだったデモンがパーティメンバーとなっているが、その評価はやや賛否両論


なお、PC版の円卓の生徒及び迷宮クロスブラッドはXbox360版での追加要素を無料アップデートで追加しているため、一部要素を除き、PC版でもXbox360版とほぼ遜色無いプレイが可能。

以下オマケ
















マイケルソフトはTeam Muramasaの離反後、程なくして倒産。
残っていたスタッフの一部は後にシティコネクションの完全子会社となる『ゼロディブ』へ移籍。
そのゼロディブはアクワイアをパブリッシャとして剣と魔法と学園モノ。(ととモノ。)を開発。2008年に発売したのだが…。



以下、ととモノ。ファン閲覧注意!














…その内容は無限の学徒のソースコードをほぼ丸々流用したコピーゲーであった。
言うまでもないだろうが、ととモノ。シリーズにTeam Muramasa(現EXP)は
一切関与していない。
アクワイア及びゼロディブは、これを完全新作を謳って憚らないのだからある意味スゴい。厚顔無恥的な意味で。

2以降は(バランスの良し悪しはともかく)自力で開発してはいるものの、種族や一部システムはパクったまま。3以降のサブ学科システムがG-XTHCRのサブブラッドシステムのパクリともされるが、こちらは発売の近さ的に眉唾気味。
(なお、アクワイアは後にウィザードリィルネサンスの一部作品を手掛けている。)

しかしこの件、2010年に出された「アクワイア原画集Vol.1 剣と魔法と学園モノ。1+2 3も少し入ってるよ!」の一部ラフイラストにW-XTHのNPCの名前(一部は無限の学徒未登場)が添えられていたことや、2018年にアクワイアがTwitterにて「ととモノ。無印製作当時、ウィザードリィの権利は取れていた(一部割愛かつ意訳)」とツイートした事を考慮すると、アクワイアとゼロディブを全くのクロであるとは言い難くなってくる。
また、GMOインターネットの持つWizの権利も6~8の全てと全世界における商標権のみ。W-XTHの権利については『XTH*1』の商標権をEXPが2007年に登録している一方、シリーズそのものについては『アクワイアかゼロディブが隠し持っているのでは?』、『EXPが持っていて、しかしGMOインターネットとWizardryの商標権を巡って揉めているのでは?』とまでしか一般には推測できていない。
これらの事から『ととモノ。は元々W-XTHのリメイクとして作られていたが、EXPがXTHの商標権を得た事を受け、しかし出さないわけにも行かず、それが新規IPとして出す事につながったのではないか?』という仮説も出されているが、あくまで仮説であり、依然として関連企業からの声明が待ち望まれている状況である。

W-XTHの権利の現状は? 無限の学徒の更なる続編はどうなるのか? 真相は未だ不明である……。


追記・修正はランダム付与良好かつ高強化値の村正がドロップしたらお願いします。

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