Windows XP

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Windows XP - (2018/05/31 (木) 15:30:00) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/06/10(木) 17:58:12
更新日:2024/03/27 Wed 21:48:27
所要時間:約 5 分で読めます




Windows XPとはMicrosoftが2001年に発売したOSである。
Windows NTシリーズの流れを汲み、安定性に定評があったWindows 2000をベースにしており、使いやすさや先進的なマルチメディア機能が多数組み込まれた。

これまでのMicrosoftのOSは「家庭用OS=Windows 9x、業務用OS=Windows NT」という大まかな棲み分けがあったが、NT系であるXPの登場によってそれらの垣根が取り払われ、9xの系譜が絶たれてNTに一本化されるという時代の転換期を迎えた。

安定性の悪さから散々ネタにされたMe、敷居が高くて取っ付きにくかった2000を経て、満を持して発表された新OSということもあって爆発的に普及し、発売から8年以上が経っても5割を超えるシェア率を誇った。
発売から12年もの歳月を経た2013年現在では、Vista、7、8といった後継OSが登場したこともあり、3世代も前のOSであるXPは一線を退いてしまったが、それでも世界的に見れば未だに約4割はXPを使っているらしい。XP人気恐るべし。

発売当初はハードの性能が低かった為重いOSとされることがあったが、時が経つにつれてそのような声は聞かれなくなった。
それどころか本気を出せばPentiumプロセッサの8MHz相当と20MBのメモリでも動作するほど軽量であることが分かった。


Windows XPは主に”Home edtion”と”Professional”、”64bit版”の3つのバージョンがある。
Home editoinは一般利用者向けである。
Windows 98とmeからのアップグレードが可能である。
マルチプロセッサに対応していないので自作する際には要注意。

ただし、Pen4のハイパースレッディングやPenDやアスロン64X2以降のデュアルコアには対応しているので安心して使える。

Professionalはビジネス向けあるが、ジサッカー達はこちらを選ぶことが多い。
Home editionは制限が多くかかっているため、特にアクセス権(共有関係)で困ることが多い。
マルチプロセッサに対応している為、例えばXeon(Xenonではない)2個載せのPCでも動作する。

XPは64bit対応を始めた頃のOSであり、一口に64bit版と言っても素人にも玄人にもお勧めはできない。
分かりやすいところだけを挙げてもハードウェアのドライバが用意されていることは少なく、32bit版XPとの互換性すら高くない*1
余程の事情が無い限りXPの64bit版導入はお勧めできない。(どうしても必要な時は情報を出来る限り調べること)

更にXPの初期の64bit対応(IA-64)は、Vista以後のもの(x64)とは完成度が段違いな上に、根本的に仕様も異なるので注意。
OSの話からは若干逸れるが、IA-64はIA-32(x86)のエミュレーションモードはあるのだが互換性はないことにも注意。
XPのIA-64も一応32bitとの互換性を考慮されてはいるのだが……基本的には動かないことを覚悟しておいた方が良い。

非常にマイナーながらXPのx64版が後に発売されてはいるが……流石に今更お勧めはしがたい。
余談だがIA-64は色々な事情から競争に負けたため、現在はx64が主流である(ちなみにx64はx86を64bitに拡張したものなので下位互換性がある)。

64bit版では様々な事情から16bitアプリには対応していないはずであり、これはVista以降も同様なので注意。
ちなみに後のバージョンでも32bit版ならば実行可能である(ただし、正常動作の保証はないと思われる)。


Windows XPのサポート期限は、当初Home edtionは2009年4月14日、Professionalは2014年4月8日までであった。
しかしXPの利用者数が依然として多く、このままだと期限切れになる危険なPCが氾濫することを問題視したMicrosoftは、
Home editonも2014年4月8日までとすることとした。
これはXPの後継OSであるVistaの一般向けバージョン(Ultimateも含む)よりも2年ほど長い
その後、Vistaも2017年4月11日までサポート期限が延長された。

なお、XP等では動作していたソフトが動かないといった問題がVistaでは多少あり、7の一部バージョンではXPモードと呼ばれる仮想環境が追加された。
しかしこのXPモードはDirectXをサポートしない為、エロゲを含む多くのゲームが動作しない。
どうしてもXPを長く安全に使いたい、という方はWindows Embedded Standardという逃げ道もあった(2016年1月12日までのサポートが提供されていた)。
これは名前にXPの文字はないが中身はXPそのものである(レジストリをいじったりする必要があったりはする。当然公式が想定した使い方ではない)。

隠しキャラとしてMedia Center Editionというものもあり、XBOX360と連携できるのだが、
一部デバイスが使えなかったりMCE専用デバイスがあったりするだけで、中身はディスクの枚数が少し多いだけの安いWindows XP Pro。
普及せずに終わった。

なお、このエディション付属のエナジーブルーテーマは標準テーマの色変え版にも関わらずかなり美麗。
出来が良い為か後にRoyaleテーマとしてMS-NZが全エディション対象に配布した。

更に、亜種としてオレンジと黒のZune、青みがかった黒のRoyale Noirも密かに存在する。
やっぱり色変えテーマの類だが、Vistaライクのカッコ良いデザインとなっている。
一点だけ注意すべき点はRoiyale、Zune、Roiyale Noirは欧米版OS向けに設定されているため、
日本語版OSに適用すると時計などの数字が欧文フォントになることである。
文字化けは起こらないが、最初は違和感を覚えるかもしれない。



XPの時代はまだハードウェアの性能が余剰を回せる程の性能ではなかったため、OSによるGPU利用(プログラマブルシェーダー)などはほとんどされていない。
そのため、次世代のハードウェアとリソースが十分あり、サービスなどの設定を最適化した場合はVistaの方が描写が軽快。
描写負荷は何をするにしてもつきまとう問題なので自動的にVistaの方が軽快……と言いたいところなのだが、

Vistaでは古臭いものの高速描写のためによく使われていたGDIというコンポーネントがハードウェアアクセラレートしなくなってしまった。
要するに、VistaではDirectXやOpenGLを使っているアプリ(エロゲーなど)以外は重くなる可能性が割と高い
WPFというもので開発すれば別なのだがこちらはXP以前とは互換性がなく、開発もまだるっこしかったため普及しなかった*2
一応GDI+というもので作られたアプリは元々ハードウェアアクセラレートしない(描写は遅め)ので、これのみを使っているアプリに関してはほぼ影響がないと思われる。

他の要因もあり、Vistaはハードウェア対応やユーザーの努力を考慮しても罠OSと言わざるを得ない状況だったため、Windows 7になってようやくOS移行が本格的に進み始めた。
7では初期状態からして設定がそれなりに軽量化されていて、GDIのハードウェアアクセラレート復活(DWM動作時)、
WPFの反省としてDirect2Dの実装(後にVistaでも限定的に追加)など、少なくとも描写面においてはかなり考慮されているので安心して良い。

他にもXP全盛期ではDRAMがまだ一枚256MB~1GB程度が主流だったため、32bitで何も問題は無かったのだが、
32bitのWindowsのメモリ認識は約3GBが限界である(色々と頑張れば4GBまでいけるが、不安定化の原因になる)。
そのためメモリが安く、大容量になった今日では、メモリを増やすと言う意味でも64bitにするメリットが増した。
皆が使っているWebブラウザもホームページ側も色々あってメモリ消費量がやたら大きくなっているし。




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