V-22 オスプレイ

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V-22 オスプレイ - (2022/10/16 (日) 10:59:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/05/31(火) 22:25:52
更新日:2024/03/06 Wed 10:41:31
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♂米軍では2010年より♂
♂同性愛者の入隊を認めています♂


「♂I WANT YOU♂」





「♂アッー!♂」

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MV-22 アメリカ海兵隊所属機*1

V-22 オスプレイはベルとボーイングが開発した輸送ヘリ……ではなくティルト・ローター機。
一応MH-53M輸送ヘリの後継と位置付けられているが、ヘリコプターという概念には合わないので新たにティルト・ローター機という分類が出来た。
運用開始は2005年。
ペットネームの「オスプレイ」は、猛禽類の一種ミサゴの英名。ホバリング能力を持つことから名付けられた。


■ではまず、ヘリコプターとティルト・ローター機について

ヘリコプターとはご存知、垂直離着陸能力・空中停止能力が有り、様々な用途に応用が利く便利な飛行機。
しかし、いかんせん、飛行速度・航続距離が短い等の欠点が有る。

その欠点を無くして、ヘリコプターと固定翼機のいいとこ取りしようとしたのが、ティルト・ローター機という航空機。
ティルト・ローター機は大型のプロペラ(ローター)を主翼の両端に装着し、
そのプロペラの向きが水平から垂直まで変化するようにできている。

<離着陸>
プロペラは地面と水平になり、ヘリコプターのメインローターと同じ役割になる。

<飛行>
離陸を終えた後はエンジンを地面と水平位置にし、プロペラ機と同じ要領で飛ぶ。

実際に見た方が早いので画像を



もちろん、空中でエンジンを垂直にすることで、空中停止することが可能。これによって輸送ヘリと同じ様に特殊部隊を降下させたり負傷兵を救出することが出来る。
今更感MAXにも思えるこのティルト・ローター機の構想は、実は1950年代には既に存在していた。
(レオナルド・ダ・ヴィンチがヘリコプターの原型を考えた事を考えるとさして長くないとも言えるかもしれない…)
実用的な技術レベルに達するまで50年掛かったということは、それ程このV-22は高い技術で出来ていることを意味している。
1989年に初飛行したV-22ですが開発・配備までに何人もの米兵が亡くなりました。


※写真の事故は配線ミスによるもので、右に行こうとすると左に行くようになってました。

そうして幾多の困難を乗り越え、2007年になってようやく海兵隊に引き渡された。

しかし、2010年、アフガンでの作戦中に墜落事故を起こし米兵4名が死亡する等、少々不穏な噂も多い機体でもある。
輸送用の軍用機であるため事故時に死傷する兵が多くなるため、ウィドーメーカー(未亡人製造機)なる異名までついてしまっている。
それでも、運用期間は既に7年になるし、事故率も海兵隊用のMV-22は他の海兵隊の回転翼機より低い。
空軍仕様のCV-22は配備総数自体が少ない為、一度の事故で率が跳ね上がるという面もある。

このへんの事情はちょっとググればいくらでも出てくるので、興味があるなら調べてみよう。


最近V-22が沖縄県の普天間基地に配備され、訓練などで神奈川県の厚木基地にも飛来している。
現行の通常のヘリに比べて物資の輸送速度や輸送距離が飛躍的に上昇するほか、滑走路が不要なので救難・救命への活用も期待されている。
2016年4月に発生した熊本地震では、実際に何機かのオスプレイが支援物資を運び、その輸送能力を証明して見せた。
ただし速度面を重視した構造のため、引き換えに同規模のヘリと比較すると輸送可能な物資の量は少なくなっている。


当の沖縄では、実地配備されたイラクでの墜落事故に対する不信感を抱く声もある様子……(ただ沖縄のマスコミはアレなのを差し引いておく必要性があるが)
そもそもオスプレイで置き換えようとしているヘリは老朽化が著しく、置き換えなければ事故を起こす可能性が配備が遅延すればするほど高まる。
肝心のオスプレイは沖縄に配備されて以降空中給油訓練で破損し浅瀬に着水した事故以外には事故を起こしておらず、逆に入れ替えの進まないヘリのほうが墜落事故や部品落下を起こしているため危険性はオスプレイよりも上である。

因みに米国本土では配備に概ね好意的のようだ。特に騒音の減少が大きいとか。
実際にアメリカで行われた調査では日本でも使われているボーイング・バートル V-107と比較して飛行の際の騒音が静かであるという結果も出ている。


ただ、上記のような正気を疑う話はさておいても、通常のヘリに比べてかなり嵩む導入・運用コスト、飛行速度・航続距離を生かす状況が日本では限定されるなどを鑑みて否定的な意見を示す向きもある。
もちろんそれは現行のヘリでやれることをオスプレイで置き換えようとした場合の話、逆に島国の多い日本ではある程度搭載量を犠牲にしても航続距離と迅速さが必要*2で、自衛隊が力を入れている島嶼防衛で部隊を送り込む機材としてはこれ以上にないものであり2020年には陸上自衛隊にも配備されることとなった。*3



【オマケ】
二基あるエンジンのうち、一基が壊れてももう一基だけで航行できる。
ただしこれはあくまで「エンジンが故障した」場合にもう片方からドライブシャフトで回転力を供給出来るという事であり、
決して「片方のプロペラ推進力そのものが失われても飛べる」わけでは無い。
事実日本の事故も基地まで滑空することができずに浅瀬に着水・大破した機体が存在する。

またV-22は機体の特徴を生かして隠密活動を主体とするようで、各種レーダー・レーダー妨害装置が山盛り積んであります。
なので救難活動には従来通りヘリコプターが使われる予定です。(一応戦闘捜索用モデルもあります)

なお、プロペラがデカすぎて地面に当たるため、飛んでいない時はエンジンを地面と水平にはできません。
因みに、プロペラは地面に接触した際に破片が飛ばないように、箒のようにほぐれて飛び散らない特殊素材でできている。





【データ】
最大巡航速度463km/h
(ヘリ…280km/h)
最大航続距離3900km
(ヘリ…2600km)
離陸重量20000kg
機内搭載重量9t
最大巡航高度7260m
(与圧装置が無い為ここらが限界)
(ヘリ…5800m)
完全武装兵員24名搭載可能
後部ハッチから空挺降下が可能



また、ボーイングと共に本機を開発したベル社はティルト・ローター機の民間機バージョンを作るとかなんとか。
楽しみである。


【フィクションでの登場】
ミッション17にて、陥落直前のエルジア共和国首都からの脱出を目論む高級将校らの乗り込んだ機体が登場。撃墜目標。

序盤、エルジアに囚われたハーリング元オーシア大統領が脱出するため乗り込むが…
また攻撃対象としてもDLCミッション2にMV-22が5機登場する。オーシア軍の奇襲を受けたアンカーヘッド港から脱出しようとするエルジア王国海軍高級将校が乗り込んでおり、それぞれ固有名(「PRIN」「TARNAT」「ALMAZOV」「TARRAGÓ」「LY」)がついているのが特徴。
アンカーヘッドに潜伏するオーシア軍斥候「タッカー04」からの攻撃要請を受けて攻撃する*4という形で、撃墜すればタッカー04から撃墜した機体に乗っていた人物の概略*5を聞くことが出来る。




因みにオスプレイという意味深な名前からネタ板その他では別の意味でも話題に事欠かない存在である。




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