登録日:2011/08/29 (月) 16:41:58
更新日:2024/01/09 Tue 17:46:21
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弾丸径 7.82mm
首径 8.77mm
肩径 11.53mm
底面径 11.94mm
薬莢長 51.18mm
全長 69.85mm
初速 840m/s
初活力 3325J
別名 .308ウィンチェスター弾(民間用) 7.62mm×51弾
StG44の威力を知った欧州各国は「これからは
突撃銃の時代だ」とNATO共通弾薬も小型弾薬を考えていたが…なんと採用された
弾薬の
口径は7.62mmだった…
○作りましょう
第一次世界大戦直後から使用弾薬「.30-06弾(7.62×63mm)」の短縮化を検討していたにも関わらず「.30口径(7.62mm)しか使わない」として「.276ペダーセン弾」等を却下し、
M1も.30-06弾を使い続けるアメリカ。
しかし朝鮮戦争で
AK-47を見たアメリカ軍はM1の改良に踏み切る。
その過程で作られたのが「.300サヴェージ改良弾(T65)」(後の7.62mmNATO弾)である。これを使用できるように作られたのがT44、つまり
あの娘である。
○採用されました
さっそくアメリカ軍は新規開発した「T65」を米軍で使うと表明。
しかしイギリス
大激怒。
英国は.303ブリティッシュ弾でフルオートの扱いにくさを体感しており独自に弾薬を開発していた。
更にFNFALをアメリカでも制式採用するとの発表があった後にこれである。
しかし、アメリカで採用されればNATOでも採用されるのは目に見えていた。頑張ってカナダを味方につける…が1954年にT65は
7.62mmNATO弾として採用される。
しかし、イギリスの言い分は正しく、後にFALは二脚とヘビーバレルが付加されたのだった。
アメリカもいくつもの実験をした結果
「Oh,no!イギリスは間違っていなかった!」
という結論に達したが、今更言い出せず実験結果は秘密とされた。
○痛い目を見たアメリカ…
自由の担い手アメリカはベトナムが赤色に染まりそうだと聞き、M14片手に熱帯雨林に飛び込んだ。しかし…
- AK-47と比べて射程が長いけど密林じゃ意味無い
- 銃が重くて長い
- フルオートに向かず、火力で不利
- 弾薬が重く、携帯できる数が少ない
等々、AK-47の機動力と火力に翻弄されるという散々な結果となった。
かつて、フィリピンでの経験から散弾銃と
.45ACP弾を採用し「一撃で相手を仕留める」という方向性で軍備を充実させてきたアメリカが初めて躓いた場面といえる。
○その後
アメリカは急遽AR-15をM16として採用しベトナムに送り込むのだった。この時1963年…
あれ、1963年?なんと7.62mmNATO弾が採用されてから9年しか経ってない!!
この方針転換には西側諸国は大反発したが後の祭り。1970年代に再度アメリカの都合でNATO弾が変更されるのだった。
- 弾丸が重く、空気抵抗による速度低下に強い
- 長距離での命中精度と殺傷能力の高さ
といった点で評価されており、難点のフルオート射撃も二脚を使えば十分に可能であり、
ミニガンのように固定してしまえば何の問題も無くなる。
○余談
◆一口に「7.62mm弾」と言っても前身の「7.62×63mm」こと「.30-06弾」やAK-47の「7.62mm×39弾」やドラグノフの「7.62mm×54Russian弾」M2カービンの「7.62mm×33弾」などが有るので、
「7.62mm×51」や「7.62mmNATO弾」とした方が間違えない。
しかし、話には流れがあるので、そうそう間違いは起きないと思う。
◆弾薬の短小化は、機関部をコンパクトにでき、給弾をスムーズにし、発射速度を高める効果がある。
追記・修正よろしくお願いします。