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H&K VP70 - (2015/09/06 (日) 00:01:00) の編集履歴(バックアップ)
登録日:2011/02/27(日) 20:53:08
更新日:2023/08/18 Fri 23:40:14
所要時間:約 4 分で読めます
カタログデータ
全長(ストック付) 206(546)mm
重量 947g(ストック付?)
口径 9mm×19
装弾数 18+1
発射形式 セミオート・三点バースト
メーカー H&K(ドイツ)
H&K VP70とは、ドイツのH&K社が開発した自動
拳銃である。専用ストックがあるちょっと変わった銃。
第二次大戦末期、物資欠乏気味となったドイツ軍は、生産数不足を補うため工作技術が低くても大量生産が可能な単純安価な銃の制作を数社に依頼した。
その中の一つであるマウザー社(
C96を作った会社)は、「国民誰もが購入できる安価な普及型拳銃」というコンセプトの下「Volks Pistole(国民拳銃)」を設計した。
1970年代になって、この設計思想を元にしてリメイクした物がこのVP70である。
同社製品としては例外的な「VP70」という形式名は「Volks Pistole」の頭文字に由来する。
元々のコンセプトとは違いVP70は国内もしくは同盟国で使われることよりも、主に技術や資金に乏しい第三国への輸出を狙ったものだ。「(諸外国向け)国民拳銃」といえる比較的安価で簡素な拳銃となっている。
○生産性の向上
構造の簡素化の為、部品点数が少なくて済むストレートブローバック方式を採用している。
ライフリングをわざと深く彫り込んで、その隙間から発射ガスの一部を逃がすといった細工もされていて、他の同口径の銃と比べると発射初速が若干低い。また、フレームの材質にプラスチック素材を採用することでコストを抑える事に成功し、後の
ポリマーフレーム拳銃の先駆けとなった。
○3点
バースト射撃
専用のストックを付けることにより一度引き金を引くと「⇒ ⇒ ⇒」と3発の弾が発射されるという当時としては珍しい機能を有していた。
利点としては相手に確実にダメージが与えられる点だろう。
コンセプトGJではあるが、実用面では問題が多い。
○orzな射撃性能
性能面が非常に残念な銃なのである。
「大きすぎ(200mm超)、重すぎ(1kg弱)、ダブルアクションオンリーでトリガーが重く命中率が悪い」と評判は芳しくなく、目玉のバースト射撃も連射間隔が早すぎて(2200発/分)反動が大きく、とても扱えたものではなかった。突撃銃でも700~800発/分なのに………
■現実世界での活躍?
採用したのはモロッコ、アフリカや南米の数カ国の軍・警察。それもがわずかに。商業的には失敗。
アメリカ軍のトライアルにおいて、弾薬の質のせいか、1/5の確率でジャム(弾詰まり)を引き起こしたという素晴らしい経歴を持っている。
こんな銃でもいくつかモデルが出ている。
オリジナルのVP70
セミオート限定モデルのVP70Z
(Zは「Zivil」独語で民間)
マイナーチェンジモデルのVP70M
(Mは「Milit」独語で軍隊)
米国民間向けとして9mmx21弾仕様のものが400挺生産。
■架空世界での活躍?
- GUNSLINGER GIRL(クラエスがストック付で使用)
- キノの旅 第3巻「終わってしまった話」(イーニッドが使用)
- バイオハザード2(男主人公のレオン、おまけゲーム主人公のハンクが使用)
- エイリアン2(宇宙海兵隊が使用)
- 死が二人を分かつまで(真奈美・アシュフォードがストック付きで使用)
こんな子でも
世界初のポリマーフレーム拳銃であり、
AUGやグロックの祖先ともいえる。バースト射撃も、反動によって射手の姿勢が変化するよりも短い時間で複数の弾を集弾できる、と考えればあながち悪くはない。
商業的には失敗作とされるが後世に残したものは大きいのではなかろうか。
追記・修正お願いします。