Su-47

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Su-47 - (2020/11/06 (金) 23:41:18) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/12/27(日) 11:58:46
更新日:2023/07/14 Fri 03:08:51
所要時間:約 4 分で読めます





\(^o^)/
用途 実験機
乗員 パイロット1名
初飛行 1997年9月25日
設計者 スホーイ設計局

寸法
全長 22.60m
全幅 16.70m
全高 6.40m
翼面積 56.0u

重量
空虚 24,000kg
運用 25,670kg
最大離陸 34,000kg

動力
D-30F6×2
AL-37FU×2*1に換装予定だったが後述のように換装されたかは怪しい。
推力(A/B) 15,600 kgf ×2

性能
最大速度 2,500km/h
航続距離 3,300km
最大運用高度 18,000m
上昇率 233m/s
翼面荷重 360 kg/u

武装
R-77(RVV-AYe)
K-74
KS-172
GSh-301 30 mm機関砲×1
その他空対地ミサイルや、AWACSを攻撃する為の長距離ミサイルも搭載可能な模様。

NATOコードネーム
「ファーキン」(Firkin:小桶)


Su-47(スホーイ47、スホイ47;ロシア語:Су-47スー・ソーラク・スィェーミ)は、ロシアのスホーイ設計局が開発した実験機*2である。
実験機として自社予算で開発されたロマン溢れる機体である。
前進翼にカナードを備えるという奇抜な構成を採用している。

愛称のベールクト(Беркутビェールクト)はイヌワシのこと。
某挟まっちまうゲームでは「ベルクト」「ベルクート」となっているが、これは間違いである。版権回避の為わざとそう表記したのかもしれないが。

概要

同機最大の特徴は、アメリカのX-29以来、実に2機目となる前進翼機であること。
理論上、前進翼は後退翼より低速域での安定性が高いが、高速飛行時には空力の関係で、最悪の場合空中分解の可能性がある。
しかし複合材の出現により主翼の構造強化が出来るようになり、実際の運用が可能となった。
そしてその前進翼の安定性と、カナード翼、水平尾翼を利用し、Su-35フランカーEで評価が高かった三翼面制御のテストも行っている。
後述の原型機の設計を流用しているのもありステルス性についても研究対象のようで、ウェポンベイを使うなど、対策が見られる。
2000年にS-37からSu-47に名称が変更された。

エンジンの排気ノズル両脇に配置された2本のテイルコーンは、左右で長さが異なる。
(右側の方が長い)理由は後方警戒レーダーが入っているため。
機体のサイズは、戦闘機としては最も大型の部類に入るSu-27よりさらに一回り大きい。
この事から背の高いきょぬーたんだと私は推測している。
機密レベルが高いのでスペックについて公表されている部分は非常に少ない。


実機について

2001年ごろからロシア航空ショーのMAKSには比較的よく参加しており飛行展示も頻繁に行われていた。
スホーイの広報映像でも、機体の製作途中やテスト風景はそれなりに公開されている。
他国に売り込みなどもしているようだが、現在購入した国はゼロである。
これも正確には旅客機のように受注があった場合は実用に向けて開発するという程度だった可能性が高い。
長らく姿を見せていなかったが2019年のMASKに久々に実機が展示された。
しかしところどころ塗装剥げがみられるなど近年はデータ収集で飛行する機会も減っていると推測されている。
先のエンジン換装についてもすでに発展型のAL-41F1系列が開発されSu-57やSu-35に装備され型落ちしているため換装されていない可能性が高い。


幻の第5世代戦闘機

Su-47はスホーイの実験機として開発・運用され既存機の改良や次世代機のテストベッドとなっていたが実は元になった機体が存在していた。
ソ連時代に計画されていたSu-27KMという艦載機が元でありSu-27とあるがフランカーとは全く関係なく*3形状もほぼSu-47と変わらない。*4
この原型機に近いのものに後述のS-32という計画機が存在しエースコンバットに出演しているのでそれを見れば分かりやすい。

アドミラル・クズネツォフやその姉妹艦*5、更にはそれらよりも大型の原子力空母に搭載する予定だったため翼も基部から折り畳みが検討されていた。
しかしソ連崩壊によって空母共々計画は凍結、だがスホーイによって概念実証機として計画を立案、その後陸上機として再設計されたのが本機である。
上記のように初めから試験機として開発されたX-29と異なり本機、正確には原型機は世界初の実戦配備の前進翼艦載機になる可能性があった。

なおこれとは別にソ連はアメリカが計画したATF*6の情報をつかみそれに対抗するためにI-90計画の一つにMFI(多機能前線戦闘機)を盛り込んだ。
当初スホーイはこの計画に参加していなかったがミコヤンが設計したMig-1.42*7がSu-27を上回る可能性が出てきたためこの時にS-32を提示した。
しかし計画は1997年に中止、上回るとされたMig-1.42はSu-47より遅れて2000年に初飛行するもSu-47よりも飛行回数・露出数も少なく情報に乏しい。

現在ではコンピュータなどの技術発達により前進翼や三面翼にするメリットは薄れつつあり、一度三面翼になったフランカーも新型であるSu-35*8ではカナード翼が廃止され
他国でも三面翼は実験機などを含めてもほとんど目にすることがなくなった。
前進翼機に至っては民間を含めた航空機全体から見ても少なく2015年にSR-10という同じロシア製の練習機が初飛行したが、いまだに前進翼の戦闘機は存在しない。


アニヲタ的には


YF-19

1994年から公開されたOVAマクロスプラスの主役可変戦闘機YF-19 エクスカリバーとは、カナード翼や特徴的な前進翼と言った翼配置の一致が話題となった。
しかし初飛行しその存在が世間に認知されたのは1997年以降であり、河森正治も参考にしたのはSu-27とX-29を参考にしただけで偶然の産物である。


ゲームへの出演

ソ連崩壊に伴い、2010年にSu-57が初飛行するまでロシアの航空機開発は一時停滞していた。
その間およそ15年に渡りSu-47が東側諸国の最新鋭戦闘機という位置づけにあったため、90年台後半~00年台の多くのゲームに出演することになった。
特に初期のSu-47の情報が少ない頃(実際は財政悪化により開発が止まり、飛行する機会もすくなかったため)は、アメリカの最新鋭戦闘機F-22に匹敵する高性能戦闘機と位置づけられることもあった。
そのために十中八九厨性能になることが多かった。
実際は実験機なので一応武装搭載できると銘打っているが戦闘能力はほとんど無いと思われる。エリア88のX-29なんかも怪しいし 
そもそもSu-57が初飛行し正式採用・実戦配備が決まったため、今後量産される事は無いと思われる。
まあ上述のようにはなから試験機扱いでありカタログスペックなども公開されていないため量産以前の話だったが…

主な出演作品



立体物

その独自の形状から実験機ながら1/72、1/144で立体化されたりダイキャストモデルが出るなど人気がある。
日本でもハセガワが発売しているが海外で実機仕様ばかりで差別化を図ってかエースコンバットやアイドルマスターのコラボ機のみで実機仕様の物は発売されていない。
食玩ブーム期にはチョコエッグではシークレット枠で立体化されている。
また同時期に出たエリア88のトレフィグでは第一弾でシークレットとして現代ならシンが何に乗るかという考察で新谷かおる監修でJAS-39が選定されたのに対し
第2弾では神崎の機体としてSu-47(S-37名義)が選ばれておりどちらも新規造形だった。
原作ではシンの搭乗機が終盤F-20やX-29と西側の試作機・実験機だったのに対し神崎も実験機、それも東側の前進翼機というチョイスがなんとも皮肉である。






追記、編集頼みます。

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