あきづき型護衛艦

「あきづき型護衛艦」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

あきづき型護衛艦 - (2014/11/17 (月) 05:42:34) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/20(木) 10:03:54
更新日:2024/01/03 Wed 20:29:05
所要時間:約 5 分で読めます




諸元
基準排水量 5000t
満載排水量 6800t
全長 150.5m
全幅 18.3m
深さ 10.9m
喫水 5.4m
最高出力 64000馬力
航続距離 不明
最大速力 30ノット+
乗員 約200名

機関 COGAG方式 SM1Cガスタービンエンジン 4基

兵装
Mk.45 62口径5インチ単装砲 1基
高性能20mm機関砲(CIWS) 2基
4連装対艦誘導弾発射管 2基
Mk.41VLS 32セル
3連装魚雷発射管 2基
艦載機 SH-60K哨戒ヘリコプター 1/2機

レーダー及び電子装備類
FCS-3A 多機能レーダー(捜索用、FC用アンテナ各4面) 1基
OPS-20Cレーダー (航海)1基
OQQ-22 統合ソナー・システム(バウ・ソナー+OQR-3 TACTASS)
NOLQ-3D 統合電子戦システム
Mk 36 SRBOC 対抗手段システム
(Mk.137 チャフ・フレア発射機×4基)

【概要】
あきづき型護衛艦は、海上自衛隊が建造中の第5世代汎用護衛艦である。
なお、あきづきのネームシップを持つ艦型は、海上自衛隊では1960年就役の初代あきづき型護衛艦に続いて2代目で、漢字表記である旧海軍の秋月型駆逐艦を含めれば3代目になる。
本艦型は、秋月型が防空駆逐艦という性格を同じくするところから、艦名を継承したと思われる。

前回建造されたたかなみ型むらさめ型のマイナーチェンジ版と位置付けられるため、あきづき型は実に16年ぶりに新規設計された護衛艦である。
しかし計画当初は欧米の最新鋭艦と同等のステルス性の艦体を持つはずだったが、自衛隊最大の敵こと財務省の横槍により予算が削減され、艦体はたかなみ型の流用となった。
そのため一概に新規設計とは言い難くなった。実際両者が並んで停泊する姿を見ると船体は酷似している。

【特徴】
あきづき型護衛艦最大の特徴は汎用護衛艦として始めてFCS-3を登載したことである。(護衛艦全体で見るとひゅうが型の方が先にFCS-3を登載している。)

FCS-3とは日本きっての変態技術者集団防衛庁技術研究本部が開発した射撃管制装置(FCS)や艦載対空レーダーを統合した艦載対空戦闘システムである。

その性能は最大探知距離は200キロ以上、最大追尾目標数は300程度とされている。

更にあきづき型に登載されたのはFCS-3Aと呼称され、レーダーに窒化ガリウム(ガリウム・ナイトライド)素子を採用し、モジュールの出力はひゅうが型の搭載システムの3倍以上に増強されている。
これにより探知距離や同日い微能力の強化は言うまでもなく、電子妨害への耐久性も向上したことになる。

このFCS-3が採用されたことにより、あきづき型では対空迎撃能力が格段に向上し、限定的な艦隊防空能力(僚艦防空能力)が付与された。


えっ良く解らない?
まぁぶっちゃけて言うとやってることは劣化版イージス・システムだと思ってくれればいいよ。

この他にあきづき型は主砲をたかなみ型の54口径OTO・メララ127mm単装砲からあたご型に採用された62口径Mk.45 5インチ単装砲に変更。
僚艦防空のため、最新型対空ミサイルESSM(発展型シースパロー)を採用。これは従来のシースパローに比べ射程で倍以上、そしてVLS1つに4発装填可能な優れものである。
あきづき型は最大でVLS32セルの半分。16セルに64発のESSMを搭載すると言われ、射程圏内の同時迎撃可能目標はイージスより多いとさえ言われる。

対潜ソナーや戦闘システムも最新型のものに換装されている。試験艦あすかで長年実験された艤装、そして民生電子部品の多用により大幅な高性能化を遂げた。
直接的な攻撃手段以外にも自走式・浮遊式対魚雷デコイなども搭載。勿論電子戦システムもNQLQ-3系列の最新改良型が搭載されている。

また艦体にこそ従来の流用に妥協したが、あたご型と同じく日本独自設計のステルス性能を高めた平面構成の塔型マストを採用。
艦橋から格納庫に至る構造物のステルス化。短魚雷発射管を船内収容式にするなど、従来型護衛艦に比べれば大きく進歩はしている。

寧ろ残念なことになったのは主機、つまりエンジン回りである。
海自としては当初、満載7000トン近い護衛艦を疾駆させるためには、イージス艦と同じLM2500ガスタービン4基2軸8万馬力を望んでいた。
しかし山田洋行事件の影響などから採用を自粛。敢えて1世代古いスペイSM-1Cガスタービン4基を64000馬力へ増力して用いている。

船体喫水線下にフラップさえ装備するなどの工夫で十分な機動力を得ているが、この点は運用側も開発側も未だに惜しんでいると言われる。
但しスペイ自体は世代的に古いものの、幾度もの改良を経て長年運用されてきたため、信頼性や実用性に問題のないガスタービンではある。


【任務】
あきづき型の任務というか基本的な運用方法は限定的艦隊防空能力をもってイージス艦を護衛することである。


えっ。なんで世界最強の防空能力を持つイージス艦を守るかって?

これはまぁ日本独自の事情のせいである。

ご存知の通り日本の周辺某国(は弾道ミサイルとか巡航ミサイルとか核とか物騒なモンを持っている。

で専守防衛を掲げる我が国自衛隊はこれら発射基地に発射の兆候があっても先制攻撃が出来ない。そのため、現在アメリカと共同でTMB(弾道ミサイル迎撃システム)を開発している。

このTMBの第一段階ではイージス艦がSM-3という迎撃ミサイルを発射する。

イージス艦は弾道ミサイル追尾のためAN/SPY-1対空レーダーの能力を弾道ミサイルに集中させることになる。
それによりイージス艦は艦隊全体はおろか、単艦での防空にも支障をきたすと言われる。
つまりイージス艦が無防備になる…とされている。


ここのところは両方の意見があって正直ハッキリしない。
イージスシステムもベースラインにより処理能力が全く異なることも影響している(初期型を1とすると現行型は数十倍以上)。


敵さんがこんなチャンスを逃すはずがなく、ここぞとばかりにイージス艦に攻めて来るのは明らかである。

で高価で高性能なイージス艦を簡単に失うわけにはいかないから、無防備なイージス艦を護衛する艦が必要になる。

それまでの汎用護衛艦むらさめ型、たかなみ型は自分自身を防衛することは出来ても、他艦まで防衛するのは能力的に不可能であるため、あきづき型がその任務を引き受けるのである。
但しあきづき型の指揮下に入る以上、彼女らも従来のままではなくESSMへ短SAM更新。Link16増設などの近代化を施されつつある。


【同型艦】
DD-115 あきづき
2009年7月21日起工。2012年3月14日竣工。
第1護衛隊群第5護衛隊所属。

DD-116 てるづき
2010年6月2日起工。2013年3月7日竣工。
第2護衛隊群第6護衛隊所属。

DD-117 すずつき
2011年5月18日起工。2014年3月12日竣工。
第4護衛隊群第8護衛隊所属。

DD-118 ふゆづき
2011年6月14日起工。2014年3月13日竣工。
第3護衛隊群第7護衛隊所属。



なおこの他に2013年度予算で5000tの汎用護衛艦建造が要求されている。ただしこれはどうもあきづき型とは異なる艦になりそうである。
こちらは船体設計などは流れを汲んでいるが、対空システムを簡素化する反面、対潜システムを大きく強化した汎用護衛艦となる予定とのこと。
加えて主機も従来のガスタービンではなくガスタービン統合電気推進、簡単にいえばガスタービンでモーターを回す電気推進になる模様。
(燃費や静粛性、発電能力に優れる)


またあきづき型後継に、よりステルス性を始めとした諸装備を刷新した新世代護衛艦5400t級護衛艦(仮)の計画がある。



僚艦防空能力を持つ方追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

  • 艦隊規模で防御するイージスと違ってFCSは個艦防御に特化した性能だから劣化とは言えない。 -- 名無しさん (2013-12-09 12:45:38)
  • てーかDDのメインは結局対潜だと思うけど 防空能力が上がってるのは確かだけど、僚艦防空であって艦隊防空要求されてるわけじゃないし  -- 名無しさん (2014-03-21 06:46:10)
  • 米が純正のイージスシステム売ってくんないから中途半端な性能になっちまった。 -- 名無しさん (2014-08-16 02:53:26)
  • ↑「盾になってはほしいけど、俺より強くなってほしくはないなぁ」というアメリカ政府の下心が見えみえ。所詮アメリカにとって日本は、「いい盾になってくれるだけのイエローモンキー」でしかないんだろう。まぁ、白人だししかたない(悪い意味でね -- 名無しさん (2014-08-16 08:51:36)
名前:
コメント: