MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝

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MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝 - (2021/12/26 (日) 07:48:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/05/16(水) 20:27:37
更新日:2023/12/01 Fri 15:29:41
所要時間:約 3 分で読めます





ガンプラブーム真っ只中の1984年にコミックボンボンで連載された『機動戦士ガンダム』の外伝漫画。
(連載当時のタイトルは『機動戦士ガンダム MS戦記』)
原作は高橋昌也、作画は近藤和久。
アニメ『機動戦士ガンダム』における一年戦争ジオン公国の少年兵士フレデリック・ブラウンの視点から描いている。
いわば、ガンダム版ヌターウォーズである。


【特徴】

この作品はガンダムシリーズ初の外伝マンガ作品、かつ初のジオン兵を主人公に据えた作品であり、
同時に真正面から「戦争」を描こうとした児童誌連載作品らしからぬハードな作品でもある。
後年の数多いスピンオフと比べると驚くほど主人公補正が少なく、ヒロイックどころか特殊性すら全くない。
強いて言えばガンダムと交戦した(一方的にやられるだけだが)、黒い三連星とちょっとだけ会話する機会があった…ぐらい。
ルウム、オデッサ、ジャブローと戦争の主舞台を踏襲するが、主人公ブラウンの活躍は当然戦局に影響しないし、
ブラウン自身も一般兵レベルの戦果止まりで、後は運で生き抜いたに過ぎないのである。

一兵卒の視点から連邦の通常兵器と相対する描写が多いのも特徴で、中でもサラミス戦闘爆撃機が脅威として描かれている。
艦船には肉薄すれば無力化は容易とはいえ、砲撃の直撃を許せばMSなどひとたまりもない。
事実、中隊でも(少なくともブラウンよりベテランの)1機がサラミスに落とされている。
エースの戦場や戦略的視点ではやられ役を演じるサラミスとて、一般兵にとっては脅威なのだ。
ガンダムとも交戦するが当然のように歯が立たないし会話もない。外伝らしく原作が尊重されている。


【あらすじ】

モビルスーツパイロット候補生フレデリック・ブラウンは見習い下士官として、突撃機動軍隊第一機動歩兵師団第一大隊B中隊に配属された。
肩を黄色く塗装された見習い用のザクに乗り初めての戦場を生き抜いた彼は戦場で卒業式を迎え、
そのままB中隊の一員として戦っていくのであった…


【主な登場人物】

  • フレデリック・ブラウン
主人公。
真面目で真っ直ぐな性格の少年兵。
幼い頃からの落ちこぼれで周囲からバカにされ続けてきたが、努力の成果かモビルスーツパイロットの候補生となり、B中隊へと配属された。
初陣でいきなりコロニー落としの下準備として行われる民間人虐殺を目撃する、地球降下直後に歩兵と一悶着起こす等、戦争の現実を目の当たりにしながら成長を遂げていく。
ガンダムにフルボッコにされる場面があるが、『機動戦士ガンダム0079』では、アムロの視点からこの場面が描かれている
階級は伍長→軍曹。乗機はザクⅡドムゲルググ
外伝の主人公ではあるものの、超人的な能力や他者より優れた部分などは特になく、乗機も全て一般量産機というどこまでも一般兵の視点で動き続けるキャラクター。
入学シーンでの周囲のセリフにちらっと「ジーンの兄さんは宇宙攻撃軍のザクのパイロット」というセリフがある。
このジーン兄弟と、アニメ第1話で真っ先にアムロにやられたジーンとの関連は不明(アムロに斬られたジーンは「新兵」だったのでブラウンより後輩のはずである)。

  • ハウンズマン
ブラウンの上官であり、階級は曹長。
隊員からは「オヤジさん」と呼ばれ親しまれている。
ブラウンに戦士としての心得を教え、その成長を見守った。
ジャブローにてブラウンを庇い…

  • バルク
ブラウンの所属するB中隊の隊長。階級は大尉。
オデッサにてアムロの駆るガンダムと交戦し、死亡。
したかと思われたが、外伝小説にて記憶喪失状態での生存していた。

  • ゲイツ
バルクの後任として配属された新しい上官。
部下をにし、後方の補給所へ逃げてしまうようなクズで小物。しかも自分だけちゃっかりと最新鋭MSのドムに乗っていた。
どこぞやの最低野郎を彷彿とさせる。
その後ア・バオア・クーでは自軍の不利を悟って船長を殺し連邦軍に寝返った。しかしそれでブチ切れしたブラウンによって謀殺される。

  • ナウマン
  • モーデル
共にB中隊の補充兵として配属された新兵。
軍曹となったブラウンが面倒を見る事になり、3人で小隊を編成し行動する。
だがモーデルはジャブローの対空砲火で死亡。
ナウマンは田舎の母親を思う等死亡フラグを立てるもなんとか生き残ったが……ブラウンと同じくア・バオア・クーで戦死。

  • 黒い三連星
ガイア・マッシュ・オルテガの三人が登場。
この漫画に登場するアニメ版ガンダムの登場人物はこの3人と顔の映らないアムロだけ。
当時新兵だったブラウンをちょっとだけドムに乗せてくれるとってもいい人達
というか私人としては「気のいいオッサン(年齢不詳)」という珍しい感じのキャラとして描かれている。
称賛されて頭をかいているシーンがちょっとかわいい。


【打ち切り】

この漫画の連載中に『機動戦士Ζガンダム』が放送を開始した。
それに伴いコミックボンボン本誌でも近藤和久によるΖのコミカライズ版の連載が決定し、この作品は打ち切られたのだ。
その結果があのエンディングである。

ただし作者の近藤氏はのちに1stのテレビ版本編をフル漫画化した大長編『0079』を執筆。
その作中にブラウンのエピソードも細々とだが差し込まれており、ア・バオア・クーで彼の周囲に何が起こったのかが点描されている。
ただしその内容は……結局全滅オチである。







以下ネタバレ





宇宙世紀0080年。
フレデリック=ブラウンは、ジオンの
最終防衛線、ア・バオア・クーに出撃した。
この戦いののち、彼の搭乗したゲルググ
の残がいは発見されたが、彼の安否につ
いての記録は確認されていない。
地球連邦軍戦争協定委員会
MS戦記 完





以下さらにネタバレ
「フレデリック・ブラウン」を名乗るキャラは後の近藤作品に登場する。
が、本作のブラウンが成長した姿なのか、同姓同名の別人や彼の名前を騙る別人なのかははっきりしない。




【余談】


なお表紙を飾るのはブラウンが作中最も長く搭乗するザクだが、裏表紙はなぜかゴッグ




くそーっ
ぼくたちはなんなんだ なんのために追記・修正している?
冥殿のためにか! あいつのためにwiki篭りたちが死んでいったというのか
そうじゃない そうじゃないはずだ
この追記・修正はアニヲタwikiの存亡をかけた戦いのはずだ!

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