抑止力(TYPE-MOON)

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抑止力(TYPE-MOON) - (2015/06/06 (土) 03:51:38) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/03/20(日) 17:44:11
更新日:2023/11/06 Mon 12:57:00
所要時間:約 4 分で読めます




抑止力とは、TYPE-MOON作品に登場する概念。

カウンター・ガーティアンとも呼ばれる、集合的無意識によって作られた世界の最終安全装置。
その目的は現在の世界を安定して延長させることにあり、世界を破滅に追い込む要因が発生した場合に出現し、その要因を抹消する。
無意識が形になって現れるものであるため、誰にも知覚はできない。
しかし存在は確認されているらしく、荒耶宗蓮や蒼崎橙子が抑止力について語っている。

霊長類である人類を守護する『アラヤ』と、星自身である地球を守護する『ガイア』の二種類があり、この二つがそれぞれ世界に作用している。



【アラヤの抑止力】
霊長であるヒトの、破滅を回避しようとする無意識から生まれた。
要するにヒトを監視して管理する神様みたいなもの(ただし概念なので意思も実体も持たない)で、ヒトが破滅、もしくは自滅しそうになると現れ、その原因を抹消する。結局は、アラヤによるバックアップの元、無色の力としてその場の生物を殺戮して事態の鎮静化を図る、という何とも凶暴な存在。

大抵の場合は一人の人間に抑止力の補正が働き、人類を破滅から救う。
抑止力によって英霊になった者もいる(「空の境界」では例としてジャンヌ・ダルクが挙げられている)が、そこまでの状況に至るケースは稀で、大抵の場合は非常に地味な形を取る。
一例を上げると、後述の小川マンションの場合「たまたま小川マンションの近くに出没した通り魔と被害者」「たまたま小川マンションに入ろうと思い立った泥棒」も抑止力である。

この抑止力と契約を交わした者は死後、『守護者』となる。
これはその人間が抑止力に対して持ちかけるものではなく、抑止力の側が「人類の継続の役に立つ」と判断した者が己の無力を嘆いた際に現れ、その願望を叶える事の代償にその者の死後を買い上げる。
そして守護者になった者は未来永劫人類史を継続させるための道具として使役され続ける事になる。
マーリン曰く、「奇跡を詐称する御遣い」、「限度額のない高利貸し」。


<関連者>

根源に至ろうと小川マンションを改造し、人体に見立てることでガイアの抑止力をクリアしたが、アラヤの抑止力を失念していたために排除される。荒耶自身は式が自分の抑止力だと思っているが、実際は不明。
巴も抑止力の一つであったのかもしれない。また、橙子は彼が仏門にありながら「阿頼耶識(=アラヤ)」に関する知識に数百年間触れることすら無かったことも抑止力の一環ではないかと推測している。


生前『世界』と契約し、英霊となると共に霊長の守護者として抑止力に組み込まれた。「人類の自滅」が起こると現界し、“最低限の人間を殺害する”ことで結果的に人類の破滅を防いできた。本人曰わく、「体のいい掃除屋」。


こちらも生前、世界と契約した英霊。しかし契約が為される途中であるため、現在はまだ抑止力に組み込まれてはいない。
本来、彼女ほど名のある英霊は守護者となることはない(神性が高いなどの理由で、アラヤよりもガイア寄りの存在になるため)。
契約によって召されることが決まっているので、その契約が解消されると魂の行方は変わる。


黒化した際に抑止力の排斥対象となったが、抑止力自体が発生したのかは不明。公式では、『まだ発現してはいない』とコメントされている。黒化した彼女自身、霊長の守護者と同格と言える存在であるらしい。


 浅上藤乃(歪曲の魔眼)
 七夜黄理(淨眼)
魔術ではない、生まれながらの異能(俗に言う『超能力』)を持つ者。魔に対抗するためのアラヤの抑止力とされているが、真偽は不明。


  • ジャンヌダルク
生前抑止力の後押しを受けた人物として語られている。後にサーヴァントとしてのイラストと設定が公開された。
ルーラー(Fate)の項目参照



【ガイアの抑止力】
こちらは地球を司る抑止力で、自然などが破滅に向かう際に発生する。アラヤよりは大規模なため、発生はしにくいが、発生すればエラいことになると思われる。ある意味では地球の意思そのものとも言える。


<関連者>

  • 精霊種
星の意志とは関係無く、自然現象が自我を持った、星(自然)の触覚と言われる存在。
人間には殆ど知覚出来ない程小規模な「妖精」と異なり、ちゃんと認識出来る規模にまでなった自然霊を「精霊」と呼ぶ。
神霊がその信仰(想念)を失って神秘の存在としての格が大きく落ちた場合は、精霊に降格するケースもある。

「妖精」の方にも先天的に受肉している生物としての幻想種や、人間の想念が後天的に生み出した悪魔とされる物など複数種類が存在。
元々自然発生した存在なので、抑止力として扱われる物も、別にそんなこと関係無くただ生きてる物も居る。

下記の「真祖」はより星の意志を汲んだ形で、星が自身の代弁者とするべく意図して生んだ、前者に分類される存在に近い。

文明の黎明期など神代には多く存在したが、マナやエーテルが薄れるにつれ殆どが神秘の力がより強い、世界の外(裏)側へ去ってしまった。
そのため、強大な精霊(及び幻想)種は、世界の内側である現世にまず出てられないか、仮にどうにか現界出来たとしても
太古ないし生前のものより遥かに規模の小さい存在にしかならない。
近代では精々百年単位の魔獣が見つかる程度で、千年生きた生物が居ればそれだけで奇跡。


この種に近い生物には、神代回帰、つまり「魔法以前の神秘の現象を、どのくらい再現出来るか」という尺度が存在する。神秘の存在における魔術回路と言って良い。
質:神秘の純度。言い換えれば根源にどれだけ近く、物理法則から離れているか。
  三千年クラスの神秘ともなるとAクラス。下記の真祖は完成したものならばBクラス。
量:神秘の現象によって影響を及ぼせる範囲。その権能を示せる範囲。
  Cクラスだと村一つ程度の規模。測定可能範囲の最大値A++クラスは星全体に及ぶ。
編成:何時の時代のどんな神秘を成せるか。
  系統樹に基づいて様々な形態変化をするものや、自然現象として物質界に影響を及ぼすものなど様々。
で表すことが出来る。


当時の星そのものだった神霊達が、人の治世に移行して神秘が支配する星の在り様が変化しないよう、星の立場から人を律する
天の楔と比喩される混血の監視役・ギルガメッシュを産んで統治の代行役にしようと試みたが、思うような活動をしなかったため、
監視役として楔を御する天の鎖ことエルキドゥを遣わした。
……が、二人揃って放埓に動き回って人を守護する、星にとってのDQNペアと化し、命令無視の粛清の意味も兼ねて神々はエルキドゥを処分。
その後ギルガメッシュは放心と死への恐怖から放浪の旅をしたが、人生観を改めた後に、人の繁栄の基礎作りをすることで、
神秘が支配する星の形態に終止符を打つ切っ掛けを作った。


  • 真祖
地球が朱い月のブリュンスタッドを参考に朱い月と共に作り上げた生命体。人間に対して自衛手段を持たない地球が、
人間を律するために生み出した存在。
(最後のは神霊とすら呼べないが)の例を見ても分かるように、ガイアの抑止力は過剰な力を持つが故に容易に出せず、基本的に人間に好き放題させて後手に回る状態である。
上記の天の楔と鎖が共に失敗に終わったため、今度は適度な力を有して存在し続けられる星の生霊、代弁者を欲した。その試作品達である。
先述の通り、精霊や幻想種も真祖同様星の触覚ではあるが、あれらと真祖との違いは、地上に留まれるように星が意図して製造した生物である点にある。

現在はアルクェイドを除いて壊滅状態。
しかし真祖とはいえない程の、微弱な個体なら生き残りがいるとされている。


  • プライミッツ・マーダー
死徒二十七祖第一位。ガイアの怪物。詳細は不明だが、人類に対する絶対的殺戮権を有しているらしい。白わんこ。


【その他余談】
朱い月のブリュンスタッドはかつて荒廃した月を捨て、地球を掌握しようとしたが、抑止力の存在を知って計画を変更する。
それは地球の抑止力をクリアできる存在を作り出し、それを自身の後継者とすることであった。それこそが真祖である。
計画は完璧であり、地球が支配されるのも時間の問題――であったが、某ウルトラジジイの「気に入らない」の一言で朱い月は滅ぼされてしまい、計画はポシャった。まあ、人間を無礼(なめ)るなということだろう。
だが朱い月が遺した、朱い月の意識を内在させた真祖を生み出す固有結界が残っており、鋼の大地の頃に完全復活を果たした。
尤もその頃には手に入れたかった筈の地球は既に死んでいる為、目的を果たせそうにないが。




追記・修正は抑止力が発現しないように宜しくお願いします

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