VTEC(ホンダ)

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VTEC(ホンダ) - (2018/06/03 (日) 00:02:23) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/03/26(月) 18:46:39
更新日:2024/04/28 Sun 17:32:37
所要時間:約 3 分で読めます





Variable valve
Timing&lift
Electronic
Control system


VTEC(ブイテック)とは本田技研が焼き鳥のねぎまからインスピレーションを受けて開発したエンジンのバルブタイミング・リフト機構。

車両のエンジンの性能は大きく分けると、低回転時と高回転時の2つがある。
レーシングマシンに用いられるエンジンは高回転時にパワーが発揮されるが、低回転時にはパワー不足で燃費も悪い。
一方、乗用車のエンジンは低回転時からパワーが出て燃費もいいが、高回転時にはパワー不足。
つまりエンジンの性能を10とするなら…

◇乗用車の場合
低回転:8 高回転:2

◇レーシングマシンの場合
低回転:2 高回転:8

このように乗用車のエンジンだろうが、レーシングマシンのエンジンだろうが低回転+高回転=10となる。

低回転時の性能と高回転時の性能の両立、即ち低回転+高回転=10の壁を越えることはエンジンが世の中に出てから約100年間、不可能とされていた。



ホンダ「乗用車のエンジンとレーシングマシンのエンジンを合体させればよくね?」

と試行錯誤の末に二つのエンジンの良い所だけを合体させたのがVTECである。
低回転時からパワーが出て、高回転時でもパワーが出る。
つまり…

低回転:7 高回転:7

低回転+高回転=14
こんな感じにしてしまったのである。


POWER OF DREAM


ねぎまのちからってスゲー。

仕組みを簡単に説明すると…エンジンの回転数によって低回転用と高回転用のカムを切り替えることで、吸排気バルブの開閉量と開閉のタイミングを切り替えるエンジンである。
それによって低回転時ではバルブ開度の小さなカムで十全なトルク量を保ち、そこから高回転域に突入した際にカムが吸気/排気量を適切に確保したものに切り替わるため、従来の純正状態の普通自動車に搭載された自然吸気エンジンでは成し得なかった大幅なパワーアップが可能となったのである。


――そのVTEC機構を備えて開発された最初のエンジンが「B16A」である。


◯B16A Specification(Model 1989)

弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2/排気2
排気量:1,595cc
内径×行程:81.0mm×77.4mm
圧縮比:10.4
燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式

最高出力:160ps/7,800rpm
最大トルク:16.0kgf·m/7,300rpm


初搭載はDA型インテグラで、直後にEF型シビック、EF型CR-Xにも搭載された。
“市販車の純正状態で"過給器に一切頼らずに1Lあたり100psを発揮する*1画期的なエンジン/機構であり、1,600ccクラスのカーレース等は瞬く間にVTEC搭載ホンダ車による圧勝が溢れかえった。

二輪車のHYPER VTECは二輪独自の発展型だがコンセプトは同じ。

エンジンが一定の回転数を超えるとVTECが高回転に切り替わり、甲高いエンジン音へと変化し一気に吹け上がる。
このVTECで特筆すべきは、その性能に加えて「VTECサウンド」と呼ばれる官能的なエンジン音だろう。高回転域に達した際に独特な音を奏でるが一方で「安っぽい音」「ノイズ」と言われることもある。
深夜の阪神高速道路1号環状線で無法者による直管VTEC連中の音が聞ける


  • 主なVTEC搭載エンジン

B16A
B16B
B18C
F20C
H22A

主なVTEC搭載車

インテグラ(二代目〜)
シビック(四代目〜)
CRX(二代目、三代目)
プレリュード(四代目〜)
アコード(五代目〜)
S2000
NSX

バイク
CB400 SUPER FOUR

ちなみに上記のシビックとインテグラ、CRXは学生自動競技で車両規定の関係上非常に有利であるため多く使用されており、大会の際にはパドック内がVTEC搭載車の集会と化すこともザラである。




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