BLAZBLUE ALTER MEMORY

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BLAZBLUE ALTER MEMORY - (2016/10/26 (水) 03:27:38) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2013/12/26(日) 11:20:00
更新日:2023/09/13 Wed 21:40:50
所要時間:約 3 分で読めます







BLAZBLUE ALTER MEMORYとは、アークシステムワークスの2D対戦型格闘ゲームBLAZBLUEをTVアニメ化したものである。
2013年10月から12月にかけ放映された。全12話。
ストーリーは、「第十三階層都市カグツチ」を舞台とした、
「CALAMITY TRIGGER(以下CT)」「CONTINUUM SHIFT(以下CS)」の物語を再構成したものとなっている。

オープニングテーマは飛蘭が歌う「BLUE BLAZE」、エンディングテーマは結城アイラの歌う「REINCARNATION BLUE」。

監督は橘秀樹氏、監督協力は水島精二氏、シリーズ構成は赤尾でこ氏が務める。
プロデューサーの森利道氏は監修。
アニメーション制作はteamKG、フッズエンタテインメント。



【あらすじ】
史上最高額の賞金首ラグナ=ザ=ブラッドエッジが「第十三階層都市カグツチ」に姿を現した。
ラグナの出現を知り単独行動を起こす、「イカルガの英雄」ジン=キサラギ
ジンの追跡の命を受け、カグツチを訪れるノエル=ヴァーミリオン
彼らがカグツチに集う時、廻り続ける世界に変化が訪れようとしていた。














……かねてより、シリーズのアニメ化を熱望していた森氏待望のアニメ化であり、
声優陣も「ジンクスなんて吹き飛ばしてやる!」と意気込んだアニメ化であったが、
その内容は……、











「おい、ウサギ! どういうことだ! 説明しろ!!」


「なんだなんだ、このクッソつまんねぇ展開はよぉ……ッ!!」


以上の台詞から、お察しください。







ハッキリ言えば、出来が良くない。


説明不足、不安定な作画は序の口。ただでさえ、1クールという短い尺で、
ゲーム2作分の内容をやらねばならないにも関わらず蛇足な話を挿入したり(5話の温泉回)、
主人公がひたすら階段上ってるだけで1話使ったりと尺がない割に遅い展開、そして何よりも肝心要の戦闘シーンが全体的にしょぼい。

説明不足はかなり深刻で、第1話から「咎追い」「統制機構」、
「イカルガの英雄」など、作品独自の固有名詞の雨あられであり、それらの説明はほぼ無い。
そういった固有名詞は回が進むごとに「第七機関」「魔素」「黒き獣」「イデア機関」など加速度的に増していき、
やっぱりほとんど説明しないため、初見は置いてきぼりにされること必至。

ようやく世界観などの説明が入ったのは、最終回の一歩手前という初見殺し。
(加えてその説明をちゃんと聞いても、資料集見ないと分からないことが多い)。

元々固有名詞が多く、資料集やゲーム中のTIPSを見なければ設定を把握することが難しい作品であったが、
一本道かつ尺が限られているアニメ媒体でやることで、一挙に問題点が現れた形となった。

そして、主人公たちが何をやって、何のために闘っているのかいまいち不明瞭だったことも低評価に一役買っていると言える。


とはいえ評価点も当然少ないながらあり、
アニメオリジナルの話に1話割いたことで、原作でかなり唐突だった終盤の展開に説得力を持たせたり(その話も評価が高い)、
ぶるらじネタなどが盛り込まれたカオスな次回予告、ゲームのモーションの再現(ハクメンのタックルなど)、
そして、ゲーム原作のアニメにありがちなキャラ崩壊はほとんど見られなかったことが挙げられる。
顔は崩れているが。

他にも、石渡太輔氏や、高河ゆん氏、佐藤ショウジ氏、三輪士郎氏などが手掛けるエンドカードはかなりのデキ。


しかし、格ゲー原作のアニメで、戦闘シーンが今一つなのは、やはり致命的。
特に11話後半がヤバい。熱くなるシーンのはずが逆に笑いを誘うものになってしまった。


低品質な作画・戦闘シーン、短い尺に詰め切れず、扱いきれないキャラと設定の数など、典型的な黒歴史アニメと言える。
元々ブレイブルーという作品自体、熱烈なファン以外からのシナリオの受けは悪い作品ではあったが、
その肝心の支持層からも難色を示され、「格ゲーのアニメ化は失敗する」というジンクスを体現した作品となってしまった。
また、非常にストーリーが長い作品でもあったため、わざわざ1クールに2作品分を収めようということがそもそも難しいものだろう。
原作信者すら投げ出したくなるようなシナリオを新規視聴者がそう簡単に追えるはずもなく、ぶっちゃけゲームの催促としても逆効果。




【本作での登場人物たち】

ラグナ=ザ=ブラッドエッジ(CV:杉田智和佐藤利奈(幼少期))
一応主人公……なのだが、他が色々やってる間、ひたすら階段上ってたり、
壁にパンチ食らわしてたり、台詞が「てめぇ」「クソが!」ばっかりという印象だったりと、
ゲームでもネタにされていた主人公(笑)ぶりを如何なく発揮。主人公故に戦闘シーンが多く、その戦闘シーンのもっさり感も随一。
「闇に食われろ」のしょぼさはもはやギャグ。
蒼の魔道書起動シーンも使いまわされたり、イデア機関に接続したら丸いバリアっぽい何かで押し相撲と、演出のひどさも随一。
全体的に粗暴な言動と態度が目立った(登場キャラの説明が意味不明だったのもある)が、第8話においてラムダに持ち前の「何だかんだ先生」ぶりを見せ、
実の弟には決して見せないであろう爽やかな笑顔を見せた。


なお、ゲーム最新作「CHRONOPHANTASMA(以下CP)」の要素も若干描写され、「守ること」を意識するシーンがある。
次の話では早速「性に合わない」といつも通りになったが。

「俺の右腕に宿りし蒼の魔道書よ! 格ゲー原作アニメにまつわるジンクスを消し去りやがれ!!」


ノエル=ヴァーミリオン(CV:近藤佳奈子
ヒロイン。今作ではもう一人の主人公的扱い。
原作よりラグナとの絡みが多め。逆にジンと会話するのは最初と最後ぐらいになった。
出番が多い分、作画の乱れの被害を被っており、第7話のツバキとの戦闘中、まるでラグビー選手の如き体格になった。
ベルヴェルク召喚シーンはかっこいいが、召喚した後は完全に「ヴァ―ミリ音頭」。その召喚シーンも1度使いまわされた。

本作では、胸がだいぶ盛られている。貧乳設定は投げ捨てられた。

ムラクモ覚醒の下りは若干改変され、引き金となったのは親友を傷つけられたこと。


ジン=キサラギ(CV:柿原徹也
もう一人の主人公。今作では上二人と比べ出番が少なめ。
第1話で早速ラグナに敗北し、第6話で手負いとはいえバングに一撃でノックアウトされ、
その後なかったことになったがツバキに一度殺される(後に完勝する)、最終話でも覚醒したμに劣勢を強いられたりとあまり勝ち星に恵まれない。
秩序の力に目覚めるのは原作と同じだが、その後の展開が異なっており、力に目覚めた直後にラグナと戦う(原作は覚醒前)。
この時、覚醒してユキアネサを制御した後、大切に思っていたはずのツバキに「殺す価値もない」などど言ってしまった。
小説版を見ればわかるが、ジンはツバキを非常に大切にしていたため、この展開に関してはキャラ崩壊といっても差し支えないだろう。
さらに対ラグナにすぐ突入したことも相まってテンションがニーサンハァッ!のままだったため、成長したのかしてないのかいまいち分からなくなった。
なお、尺の都合か、もう一人の自分と言えるハクメンのCV欄は最後まで???のまま。


レイチェル=アルカード(CV:植田佳奈
ロリ吸血鬼で、本作で一番何やってるか分からない人。
本来説明役に回るべきところを、回りくどいポエム風の語りばかりした結果、話の内容がよく分からなくなってしまった。
中の人曰く「1話で台本に書いてあったセリフが放送じゃ半分にカットされてた」とのこと。
台本段階ではそこそこセリフが用意されていたのだが、普通に喋っていても尺に収まらない上に、
レイチェルのキャラクター的に早口で尺を誤魔化すこともできないのでこんな悲惨なことになったらしい。
次回予告でも全く尺を計算に入れていないセリフが用意されてたらしく、これまた……。
ちなみにセリフ書いた人間は「自分で読んでチェックした時は大丈夫だった(意訳)」と言い訳した模様。
キャラクター性やら演技の間やら聞き手の印象やらは一切考えてなかったのだろう。
アニメブレイブルーが説明不足やら何やらになった陥った原因が垣間見えそうな気がする。
傍観者らしく、戦闘シーンはない。

温泉回では、無理して競泳水着を着て来た。自重すべし。


ハザマ/ユウキ=テルミ(CV:中村悠一
作中屈指の悪にして働き者。好物はゆで卵。普段は慇懃無礼な諜報員だが、一度キレると最強のチンピラと化す。
ラグナの足止めのためにアラクネをパシリに使ったり、ライチの勧誘に赴いたり、テイガーをフルボッコにしたりと大暴れ。
影の主役と言っても過言ではないほどの働きぶりを見せた。

本作では、割とイケメン状態をキープしていた(1話のアゴを除いて)が、本性のテルミ状態になると原作CSばりの顔芸を連発する。
そして、ラグナの大技をくらい、吹っ飛ばされるシーンでは、転がっているところをスローにしたり、
一時停止したりしてじっくり見ると、まるで土下座にしか見えないポーズを取っており、ぶっちゃけテルミ状態はネタの宝庫。

上述した最終回目前、11話で説明を行ったのは彼。
ラグナ(と視聴者)に、本作の世界観をかなりわかりやすくコンパクトにまとめて解説した。
暗躍、解説を器用にこなす悪役の鑑。小物臭さも完備。

演じた中村氏の演技も冴えわたり、強烈な印象を残した。


タオカカ(CV:斎藤千和
元気な猫娘で本作のムードメーカー。
ラグナやライチとの絡みは健在だが、尺の都合でバングやカルルとの絡みは無し。
基本本筋に絡まないキャラのため、5話以降はほとんど出番が無い。


ツバキ=ヤヨイ(CV:今井麻美
ノエルとジンを暗殺するべくカグツチへ赴いた、統制機構衛士。
本作屈指の不憫キャラ。
他と比べて戦う機会が多いものの、なかったことにされた最初のジン戦を除けば、オール黒星。
ハザマには「使えない」「ゴミ」と散々な言われよう。
終いには帝に半ば洗脳される形で忠誠を誓う。

第10話でテルミが言っていた、ノエルのいない世界で「僅かな幸せ」を得た彼女については、
小説のCT上巻にて描かれているが、こっちはこっちで悲惨。


マコト=ナナヤ(CV:磯村知美
ノエルとツバキの親友。ノエルの相棒ポジションで、出番に恵まれている。
色々と分かりにくい本作において、「友達のために闘う」という比較的ハッキリとした目的を持つ。

ノエルと共にハザマと戦い、一撃を見舞うという健闘を見せるが、それに激怒したテルミによって半殺しにされた挙句、
ハザマに高所から落とされた。最終回では重傷を負いつつも生還した。
なお、テルミにリンチされている場面は中々のエロさ。
原作では浪人街でジンの看病をしていたが、こちらではノエルとともに行動していた。


シシガミ=バング(CV:小山剛志
愛と正義に生きるイカルガ忍者。アニメ版においては最初から最後までシリアスなバング殿。
というか尺の都合で実質出番は第6話のみ。
しかし、ジンの成長の切っ掛けとなるという大事な役回りを担う。

出番がほとんどないにも関わらず、OPではかなり目立つ。
また作画の乱れによりやたら綺麗な顔立ちになってしまったシーンがあり、一時期クソコラ材料としてちょっと流行った。

二枚目半なバング殿が見たいという方は、原作ゲームをプレイしよう。


テイガー(TR-0009)(CV:乃村健次
シリーズ随一の紳士。
磁力の力はもっぱらラムダの回収に使われた。

第10話でハザマと対峙し、ようやく戦闘……からの戦闘シーンカット。
ハザマに惨敗し、スクラップ同然のぼろ雑巾となっていた。
おまけに顔面を踏みつけられるという死体蹴りを受ける。

「赤鬼」という異名を持つが、作中では鬼というより、ゴリラみたいな体型で描かれることが多かった。


ライチ=フェイ=リン(CV:たかはし智秋
腕利きの女医さん。そしてお色気担当。初登場時からタオカカに胸を揉まれた。
重傷を負ったラグナとジンの治療をするなど、割とメインキャラとの絡みがある。
患者を守るためにためらいなく戦おうとするなど、医者としての面が強調されていた。
最終的には原作通り、ハザマの勧誘を受け、統制機構に協力する。

温泉回では割と無茶な格好を。


アラクネ(CV:疋田高志)
BB界の色物・悲劇担当。通称「うねうね」。
人間が、ヤバい力に手を出した結果異形の化け物になった存在だが、本作では少し触れられる程度。
話が終盤に差し掛かる8話にようやく登場するが、早速ハザマに捕獲され、ラグナの足止めというパシリに。
しかも瞬殺されるという不憫な扱い。

体内に大量の蟲を飼っているが、その内の一匹が作中にて重要な役割を担うことに。

「やぁ、僕は綺麗なアラクネ! 予告はキラッキラの僕で、喋っちゃうぜ☆」


カルル=クローバー(CV:沢城みゆき
影が薄い幸薄少年(主に親父のせいで)。
影の薄さは、本作でもばっちり再現された。
姉さんは比較的ぬるぬる動く。


ハクメン(CV:???
シリーズでおなじみの(◇)
本作では扱いが若干悪く、テンプレはあらかた言わせてもらえたものの、最初と最後ぐらいしか出番が無く、
挙句終盤でのミューとの戦闘はまるまるカット、OPに至っては、登場するのは一瞬。
原作でのツバキとの会話も無し。

今作ではゲームでは見られない、ダッシュする彼の姿が見られる。


ν-13(ν-No.13-)/Λ-11-(CV:近藤佳奈子)
ラグナ大好き素体っ娘。話の展開上、ニューとしての出番は少なめ。
終盤の展開の布石として、原作の彼女のギャグシナリオを元にしたメイン回がある。
その話では、ラグナとの交流が描かれ、可愛さ満点。
また、原作だと分かりにくい終盤の展開に説得力を持たせたり(後の小説版でもこのシーンが存在する)、このアニメそのものの評価点になっていたりする。
「アニメ版のヒロインはラムダ」という人も。

今作ではラムダ用のポンチョが書き下ろされており、優遇されている。


ヴァルケンハイン=R=ヘルシング(CV:清川元夢)
空気その一。本作では終始礼儀正しい紳士執事。
荒っぽいこの人が見たい人はゲームをプレイされたし。


プラチナ=ザ=トリニティ(CV:悠木碧
空気その二。ロリッ娘魔法少女。
作画が安定しない本作において、一番乱れが少ないと言えるキャラ。
普通に可愛い。

一応、人格は全員登場するが、突飛な展開で初見を混乱させた。


レリウス=クローバー(CV:諏訪部順一
変態仮面。今作では仕事は相方のハザマに一任し、
自分は、ノエルとツバキの戦いを鑑賞したり、自分の作品であるノエルを見定めてたりと、気ままに行動した。

テルミの説明中の回想シーンにおいても登場するが、
いつもの仮面とマントに、白衣を着込んだだけというやたらシュールな格好をしていた。

奥さんは戦わない。


■ココノエ(CV:松浦チエ)
ネコミミマッドサイエンティスト。テイガーの上司。
本作ではドジっ子成分が強調され、自分のうっかりでラムダを転移させてしまった。

第2話で、ラグナと戦うハクメンに事象干渉をかますが、その際、初見を置いてけぼりにするやり取りをする、
第8話でテルミの狙いをラグナに説明するが、ここでも初見には訳の分からない説明を行い、視聴者を混乱させた。
解説役としてはテルミに一歩譲るようだ。


■獣兵衛(CV:てらそままさき
見た目の割に渋い猫。ラグナの師匠。
作中での仕事はラグナやジンに助言すること。

4話でジンの前に姿を現した際、かなり唐突に「秩序の力」の説明を始め、ジン(と視聴者)を混乱させた。


(CV:ゆかな
敵の親玉。本作では、まだ本格的に動く前なので、出番は控えめ。

レイチェルを拘束した際、口パクと台詞がまるで合っていない高度な腹話術を披露した。

次回予告では、ハザマにブレイブルーを即作るようにと無茶ぶりをかました。
「できたか?」
「いくら何でもまだ~っ!!」



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