Wake Up, Girls!

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Wake Up, Girls! - (2016/02/10 (水) 13:40:07) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/02/21 (金) 01:03:25
更新日:2021/10/23 Sat 08:45:49
所要時間:約 10 分で読めます





Wake
Up,
Girls!




Wake Up,Girls!(ウェイクアップ・ガールズ)は、日本のオリジナルTVアニメ。
山本寛率いるOrdet(オース)とタツノコプロがタッグで贈る、東北地方を舞台としたアイドルアニメである。

本作は、TVアニメ放送と同時に本作の前日譚である劇場アニメ「Wake Up,Girls! 七人のアイドル」も公開された。
最近よくある「TVシリーズの続編・完結編を劇場で」というスタイルとは逆を行っており、こっちは映画版が言わば「第0話」で、TV版は映画を視聴していることを前提に製作されている。
この映画は割と早いタイミングでネット配信に回されており、現在はニコニコチャンネルで有料視聴可能。

公式略称はタイトル及びユニット名を構成する単語の頭文字を取った「WUG」(ワグ)。


オープニングテーマ「タチアガレ!」(第1話 - 第2話)
作詞:辛矢凡 作曲・編曲:神前暁 歌:Wake Up, Girls!

オープニングテーマ「7 girls war」(第3話 - )
作詞:辛矢凡 作曲:神前暁・田中秀和 編曲:田中秀和 歌:Wake Up, Girls!

エンディングテーマ「言の葉 青葉」
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:岡部啓一 歌:Wake Up, Girls!




ストーリー

(劇場版)
仙台に拠点を置く弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴス・エンタテインメント」は、所属していた最後のタレントに逃げられ、存続の危機に迫られていた。
社長の丹下順子と事務所のマネージャー・松田耕平は途方に暮れていたが、たまたまテレビで放送されていたトップアイドルグループ「I-1クラブ」の活躍を目にした社長の発案で、起死回生の一手として自らもアイドルグループを結成することになる。
早速ふたりは未来のアイドルを探してスカウト活動を開始。6人のメンバーを何とか集め、さらに紆余曲折を経て、かつてI-1クラブのメンバーだった島田真夢(しまだ まゆ)をグループに引き入れることに成功する。

様々なトラブルに見まわれながらも、こうして7人組アイドルユニット「Wake Up,Girls!」が誕生。
インディーズながらCDの発売にまで漕ぎ着ける。
しかし、デビューライブも間近というところで、丹下社長がWUGの運営資金を持って失踪してしまう。
活動のメドが立たなくなってしまったWUGであったが、せめて「最初で最後のライブ」だけでも行うべく、東奔西走を重ねた結果、なんとかクリスマスイヴにライブをねじ込むことに成功する。
満足な衣装も与えられないまま、7人の少女たちは舞台に立ち、制服のスカートを翻してパンツ丸出しになりながら懸命に歌い踊るのだった…。

(TV版)
「最初で最後のライブ」は成功とはいえなかったものの、ひとまずグリーンリーヴス、そしてWUGは宙ぶらりんの状態とはいえ存続する。
マネージャーの松田はWUGの活動を軌道に乗せるべく仕事を探し、なんとかプロデューサーを見つけて仕事を手に入れる。
かくして活動を再開したWUGであったが、七人の若きアイドルたちの前に現れた謎のプロデューサーが持ちかけたのは、水商売まがいの汚れ仕事であった----。


概要・作風など

かんなぎ」や「フラクタル」の監督である山本寛、
刀語」や「GA」「アニマス」の脚本や構成を務めた待田堂子、
そして様々なアニメで名曲を生み出してきた作曲家・神前暁など豪華スタッフが集結して制作されたアイドルアニメ。
もともと山本寛が東日本大震災を機に「東北地方を舞台とした作品を作りたい」という思いからアイディアを温めていた作品であり、2012年の段階でアイドルアニメとして世に出ることが決まっていた。

主役7人の声優はプロダクションに所属していない一般人からオーディションで選考されており、
スペシャルサポーターとして声優の加藤英美里と福原香織も参加している。

「アイドルマスター」「ラブライブ!」などの既存のアイドルアニメと比べるとかなり作風が異なっており、
ざっくり言ってしまえば「現在主流のアイドルアニメに対するアンチテーゼ」が込められた(と思われる)作品となっている。
その最たるものが「現実寄りの作風」であり、

「いかにもアニメ的な『色とりどりの髪色・髪型のキャラクター』『デフォルメされた性格のキャラクター』が存在しない」
「アニメの嘘の多くを排したアイドル活動」
「厳しい下積み時代や汚れ仕事、過酷な特訓などあえて華々しいアイドルの裏側を描く」

など、多くのアイドルアニメがあえて排したものを積極的に描いている。
また、アイドルを取り巻く大人たちも決して頼もしいとは言いきれず、人間的に未熟だったり、一癖もふた癖もあるような性格の持ち主ばかりであることも特徴のひとつであるといえる。

その割にアニメの嘘を廃しきれてないところも多々あるが。社長の謎のコネとか色モノアイドルとか

本作のアイドルたちは常に苦境に立たされており、他のアイドルアニメのように平和な日常やガールズトークを楽しむような、いわゆる「ほのぼのシーン」は殆ど存在しない。
社長の失踪という大ピンチからスタートし、WUGは幾つもの苦境に立たされる。
決して華々しい仕事とはいえない汚れ仕事。過酷なスケジュール、増えないファン、そして最大最強のライバル・I-1クラブの存在……
同じアイドルアニメで言えばラブライブもピンチからの出発であったが、そのラブライブでさえベリーイージーの難易度に見えるほどのルナティック、あるいはデスレーベルといったシビアさである。

手ごわいシミュレーションをさらに手ごわくした、あの作品に例えながら本作の状況を説明すると、以下のようになる。

○従来の作品と比べ、主人公ぐらいしか器のある人物がいないが、味方以上のカリスマを持った人物が次々と登場。
○今までの作品は事務所や学校で金銭面は確保できているのに対し、今作は特に資金力の貧しさが顕著に描写され、初期資金は共に0!貧しさからは逃げられない。
○チームを支えなければならない軍師・Pも性格やどこか人間性に欠けている。
○物語が進んでも希望や未来はなかなか開かない。逆に追いつめられていくことも。
○最初の目標となる地方統一さえも、大大名勢力(トラキア王国・なまはげーズ)がにらみを利かせる。
○大陸全土を支配する絶対的な軍事力を誇る帝国(I-1クラブ・グランベル帝国)の存在。作中では決して倒すことができない。

この苦境を果たしてWUGは乗り越えられるのか…それが本作の見所である。

かつて「その域に達していない」の一言で「らき☆すた」の監督をクビになり、以降は「各地で問題を巻き起こし、一般人にも噛み付くアニメ界の問題児」として有名になったヤマカンの新作、しかも前回の監督作品「フラクタル」が大コケしていたということもあって公開前から早くもその出来を不安視されるほどであったが、
「『劣化ジブリ』でしかなかったフラクタルよりは少なくともいい出来」
「期待値ゼロだったのでまあ見れるレベル」
など、消極的ながらも一定の評価は得られているようである(それだけフラクタルがムチャクチャすぎたというのもあるが)。
ライト層の視聴者からの反応は悪くなく、雑誌などで特集が組まれる機会にも恵まれているため、ヤマカンのオリジナル作品としては、知名度は現時点で間違いなく最高であろう。

ただ、批判に対して脊髄反射で噛み付くヤマカンの煽り耐性の無さは相変わらずであり、ファンでさえ苦言を呈する有り様であった。
まるで成長していない…
放送中、積極的にtwitterで発言し、案の定トラブルを連発していたヤマカンであったが、イメージが悪化すると判断したのか、とうとう放送の途中にtwitterを取り上げられてしまった

ヤマカンのイメージや作風云々を抜きにして、本作において純粋な問題点といえるのは、なんといっても作画の悪さであろう。
昨今のアイドルアニメとしては作画レベルが非常に低く、ダンスやライブシーンも他のアイドルアニメに比べると汚かったり動きが硬い部分が目立つ(また、モブの指が六本になっているなどの初歩的ミスも散見される)。
ヤマカン率いるOrditはそれほど大所帯とはいえない製作会社でありながら、劇場版とTVシリーズを同時進行で製作するというかなり無茶なスケジュールを組んでおり、そのことを不安視する声はファン・アンチ共に絶えなかったが、実際に現場は相当な修羅場であったらしく、ヤマカンもツイッターで「今だけでもいいんでタツノコに入ってください」とスタッフを募るほどであった。
劇場版はそこそこ評判が良かったものの、TVシリーズは観る人によっては第一話の時点で早くも作画が乱れているレベルであり、中盤にかけて徐々に盛り返すものの結局は終盤にまた失速。
特に8話は近年のアニメとしてはかなり崩壊しており、視聴者を不安に陥れた。
しかも、よりによって終盤の重要なライブシーンで作画レベルが最悪にまで落ちるという前代未聞の事態まで起こり、結局、かつてヤマカンが「涼宮ハルヒの憂鬱」で見せたようなクオリティの高いライブシーンが劇中で披露されることは殆ど無かった。
これらの作画崩壊はヤマカンも深刻に受け止めていたらしく、「自分の全存在を賭けてでも修正する」と宣言。
実際、後に発売されたBD/DVDではかなりの箇所に改良が施され、オープニングテーマも「7 girls war」で統一された(だからって、修正箇所の多さは自慢にはならない気がしますが…)。



「アイドルアニメはね 誰にも邪魔されず自由で なんというか救われてなきゃあ」という人にはちょっとおすすめできない。
アイドルアニメに何を求めるのかによって、本作の評価は変わってくるだろう。


登場人物

「Wake Up,Girls!」メンバー


メンバーにはそれぞれイメージカラーとイメージアニマルが設定されている。
イメージアニマルはおおよそアイドルらしくない肉食獣猛禽から敢えて選ばれている。

  • 島田真夢(CV:吉岡茉祐)
1997年11月7日生まれ。素人の集まりであるWUGの中で唯一のアイドル経験者であり、かつて超人気アイドルグループ「I-1クラブ」の初代センターだった少女。
I-1クラブをブレイクさせた立役者と言っても過言ではない存在であったが、ある事情によりI-1を脱退。このときのゴタゴタがきっかけで、母親とも不仲になってしまう。
それ以来心を閉ざし、誰に何を言われてもアイドル時代のことには触れようともしなかった。
しかし、松田と出会い、自分の本当にやりたかったことを思い出し、WUGへの加入を決意。二度目のアイドル人生を歩み出す。

元I-1のセンターというだけあり、その実力はWUG内でも屈指のものがある。
イメージカラーは赤色、イメージアニマルはライオン
通称「まゆしぃ」(トゥットゥルーとか言ったりはしない)。
心優しい性格で、彼女の持論である「幸せの三つのタイプ」は劇中でたびたび語られる重要なキーワードのひとつとなっている。

「元I-1のセンター」であることからマスコミ等多くの目を引いてしまい、WUGにトラブルを呼び込んでしまうことも。
I-1の存在は、未だ彼女に暗い影を落としている。

担当声優の吉岡茉祐は、子役時代から地道に活動を続けてきた芸歴10年以上のベテラン。その経歴は、担当したキャラの島田真夢よりも、むしろ後述する七瀬佳乃にそっくりだったりする。

  • 林田藍里(はやしだ あいり) (CV:永野愛理)
1998年1月19日生まれ。真夢のクラスメイトであり、アイドルをやめた真夢を精神的に支え続けてきた親友。
温和で内気な性格ではあるものの、真夢の影響で自らもアイドルに興味を持っており、メンバー募集のオーディションに参加してWUGの一員となった。
「WUGの大ファン」を自称し、WUG、そして真夢に強い拘りを持つ。真夢がアイドルをやめた時も、再びアイドルをやろうと何度も復帰を促していた。

真夢から手ほどきを受けてはいるものの、芸能人としての活動経験ゼロの普通の女子高校生ということもあってダンスや歌は他のメンバーに比べて一歩劣っており、グループの足を引っ張ることも。
しかし、そんな状況にくじけることなく、地道な努力を続ける粘り強い一面もある。

性格がおとなしいこともあってメンバーの中でも目立つ機会は少なかったが、6話でまさかの波乱が…。

メージカラーは名前の通り藍色でイメージアニマルはサメ。愛称は「あいちゃん」。

実家は和菓子屋。ホノカチャーン!

  • 片山実波(かたやま みなみ) (CV:田中美海)
1999年1月22日生まれ。宮城県石巻市出身の14歳。
民謡好きであり、のど自慢大会で表彰されるほどの腕前。その歌唱力を見込まれ、順子にスカウトされた。

無邪気な性格の元気っ子であり、日頃から仮設住宅で暮らす老人達を楽しませていた。WUGの中でも妹分・ムードメーカー的な存在として活躍する。
他のメンバーがドン引きしたり、思わずツッコミを入れたりするような事態に遭遇しても、ひとりだけノリノリで取り組んでしまうこともしばしば。
大の食いしん坊であったため、WUGがレギュラー出演するニュース番組でグルメレポーターに抜擢される。猫のような仕草と共に繰り出される「うんめーにゃ!」という決め台詞で人気を得た。

イメージカラーは黄色、イメージアニマルはトラ。愛称は「みにゃみ」。

  • 七瀬佳乃(ななせ よしの) (CV:青山吉能)
1997年5月15日生まれ。モデルやCM出演の経験を持つローカルタレント。
年齢の割にキャリアは長く、実力も決して低くはなかったが、成功を掴めずに燻っていたところを丹下社長と出会い、上昇志向を刺激されてWUGのオーディションを受けることに決めた(かつて、他のアイドルオーディションで落選した過去があった)。

WUGでは序列No.1のリーダーであり、チームを引っ張る大黒柱的存在になっている。
自他ともに厳しい性格で、リーダーとしてふさわしくあろうとする反面ストレスも貯めこんでしまうタイプ。
元I-1センターであった真夢には嫉妬に似た感情を抱いている。
資金の持ち逃げ事件を起こした社長に毅然とした態度で謝罪を要求するもあっけなく一蹴されたり、真夢との力量の差をこれでもかというほど思い知らされたり、機材の電源ケーブルに足を引っ掛けて転んでも怒鳴られるだけで身内以外は誰も助けてくれなかったり、挙句の果てには中の人がヤマカンから直々に「ポンコツ」呼ばわりされたりと、扱いはかなり不憫。
しかし、作中で精神的な成長が最も丁寧に描かれたキャラでもあり(特に7話)、裏の主人公といっても過言ではない。

イメージカラーは青色、イメージアニマルはクマ。愛称は「よっぴー」。

公表されているスリーサイズのうち、バストが70という驚異的な数値であることがたびたびネタにされる。
某バキュラを下回っているだけでなく、他のサイズとのバランスを考えると人間としてありえない体型になってしまう。

  • 久海菜々美(ひさみ ななみ) (CV:山下七海)
1999年7月19日生まれ。作中における有名歌劇団「光塚歌劇団」が大好きで、自らも劇団入りを目指す13歳。WUGの最年少メンバー。
エリート意識が強く、WUGは「光塚へ進むためのステップ」としか考えていない。
非常に我の強い性格で、他のメンバーと衝突することも多い。その気質はステージの上でも変わらないようで、おとなしい藍里とは呼吸が合わないのかダンスが噛み合わずに文字通り衝突していた。

最年少ではあるものの、劇団入りのために日ごろから訓練を重ねていることもあってピアノ・ダンス・歌はなかなかの腕前。
だが体力面ではやや劣る。
作中では豪華なホームシアターを満喫しているシーンがあることから、実家はなかなかの金持ちのようである。
イメージカラーは紫色、イメージアニマルはオオカミ。愛称は「ななみん」。

終盤では、その物怖じしない性格と確かな審美眼を活かし、ダンスに関して積極的に意見するなどして活躍した。
が、基本的には空気キャラであり、他のメンバーと比べて目立つ機会が明らかに少ない。ヤマカンからの扱いもぞんざいで、現場では「続編が出来たとしても、もうコイツ出さなくてもよくね?(意訳)」とコメントしていたという。が、皮肉にも、担当声優の山下七海は本作の放送終了後、WUGメンバーの中でも特に順調に活躍できているほうである。

  • 菊間夏夜(きくま かや) (CV:奥野香耶)
1995年3月1日生まれ。WUGの最年長メンバー。WUGのサブリーダーであり、佳乃に次ぐメンバーのまとめ役。
また、WUG内随一の豊満なボディの持ち主でもある。

WUGに加入する前はアルバイターとして様々な職を経験してきたが、上司に恵まれずに苦労を重ね、そのせいかスレた一面が目立つ(そんな自分を変えるためにWUGのオーディションを受けた)。
が、本来は情に厚い性格であり、ここぞという時には気配りの出来る親切な一面も見せる。
ウマが合うのか普段は佳乃と行動を共にすることが多く、このふたりが揃うとツッコミ兼ボヤキ担当のコンビになる。
アルバイターとして社会人経験を積んでいることもあってか、体力や社交性は他のメンバーよりも優れている模様。
イメージカラーは緑色、イメージアニマルはワニ。愛称は「かやたん」。

あの出来事」は彼女にとってもショッキングな出来事であり、精神的に痛手を負い、逃げ出すように地元を離れ仙台で暮らしていた。
ちなみに実家は気仙沼で旅館を営んでおり、終盤の重要なエピソードの舞台となる。

劇中での描写を見るに、漁師になった幼馴染の男の子がいたが、地震による津波で死んでしまったらしい。

  • 岡本未夕(おかもと みゆ) (CV:高木美佑)
1995年9月8日生まれ。いわゆるドルオタ(アイドルヲタク)の17歳。
WUGメンバーの中でも希少な、松田が直接交渉してスカウトに成功した人物。

WUG加入前はメイド喫茶でバイトをしており、大勢の固定ファンを抱える売れっ子だった。
店内のステージで歌やトークはひととおり経験しており、アマチュアとはいえその実力は侮れないものを持っている。
仕事の過酷さに心が折れて古巣のメイド喫茶に逃げ帰ってしまったこともあったが、店内ステージで自分の事情を正直に打ち明けたところ観客から激励の言葉を貰い、それによって立ち直ることが出来た。

立ち居振る舞いがアキバ系のそれなのでWUGメンバーの中では正直浮いており、自分で自分のことを「ヘタレ」と言ったり、「私って○○じゃないですかぁ?」などという馴れ馴れしい言動が多かったり、イタい部分も無いではないが、どちらかというと現実主義者が多いWUGメンバーの中では貴重な、アイドル活動に本気で夢を見ることの出来る純粋な心の持ち主である。
また、ドルオタでメイド喫茶勤務ということもあって独自の情報網を持っており、タレコミ屋としても優秀。

イメージカラーはオレンジ色、イメージアニマルはワシ。愛称は「みゅー」。

終盤で、普段はボロアパートにひとりで住んでいることが判明する。

グリーンリーヴス・エンタテインメント関係者

駆け出しの事務所マネージャー。夢破れて故郷に戻り、居酒屋にいたところを社長にスカウトされた。
アイマスにおける「プロデューサーさん」に相当するキャラクターであるが、社会人歴が短いこともあってマネージャーとしての能力は頼りない。
社長の失踪を機に一念発起し、自らWUGを存続すべく奮闘するも、社長が復帰してくるまで結局イマイチ成果は出せなかった。
WUGメンバーのことは大事に思っており、ニュース番組の天気予報コーナーで熱湯風呂をやらされそうになったメンバーたちの気持ちを推し量り、土壇場で企画を「着ぐるみ天気予報」に変えさせたこともある。

社長にはいつも良いように使われてしまっており、本人もそのことについては快く思っていないようだが、結局は毎回押し切られてしまい、何も言い返すことができないでいる。

物語中盤以降は早坂にグループの指揮権を委譲したこともあってか急速に空気化が進行してしまった。松田仕事しろ。
WUGメンバーと違い、全編通してまったく精神的に成長しているように見えない点はファンの間でかなりの物議を醸したが、スタッフ的にはそれほど重要なことだとは思われていなかったらしい。それでいいのかヤマカン…。

1962年5月31日生まれ。グリーンリーヴスの社長にしてWUGのプロデューサー。
だいたいこいつのせいであり、それと同時に本作屈指のクズすぎる大人。
性格は非常に横暴で言葉遣いも汚く、人の話をまるで聞かないうえに行動が非常に軽率。また、大の守銭奴でもある。
部下である松田に対する態度は酷いの一言で、まるで小間使いのように無茶な命令を出しては罵倒を繰り返している。
年齢が年齢なためか価値観がバブリーで現代の感覚とどこかズレており、彼女の発案したアイディアは十中八九役に立たない。

I-1クラブを参考にアイドルグループの結成を思いつき、松田に様々な無茶振りを課してWUGを結成させたものの、WUGのデビューライブも間近というところでWUGの活動資金を持って失踪してしまう。
その後、松田とWUGは悪徳プロデューサー・須藤に騙されて汚れ仕事を押し付けられてしまうが、会場となったヘルスセンターに偶然居合わせていたため、須藤をボコボコに叩きのめしてWUGの権利を強引に取り返し、同時に会社へと復帰する。
以降は今までのように松田をこき使いつつ、グリーンリーヴスの再建、及びWUGをスターへとおし上げるために奮闘する。

かつて自分がプロデュースしたシンガーソングライターのデュオ「Twincle」を味方に付けていたり、結成されたばかりで実績の無いWUGにニュース番組やラジオ番組のレギュラーという大仕事を宛がうことに成功したり(もっともラジオ番組のほうは非常に短い枠だったが)、その能力は決して低くはなく、WUGの活動に確実に貢献している。

社長業に復帰した後は徐々に落ち着きを取り戻し、横暴な一面は鳴りを潜め、次第に器の大きいところも見せるようになっていった。
恩師である磯川が病気で倒れたためにステージに立つ気力を失った実波を責めることなく、お見舞いに行くことを許したり、暗い過去を引きずる真夢を優しく諭したり、WUGに危害を加えるような悪党は容赦なくブン殴るなど、WUGに対しては少なからぬ愛情を持っている模様。
でも、毎回暴力で解決してたらいつか訴えられますよ、社長?

しかし、自分勝手な理由でWUGを解散の危機に陥れ、しかもそのことについてロクに謝りもしない(ちなみに、持ち逃げした資金は本人曰く「ダーリンのために全部スッた」そうである)など、やらかした所業はクズそのものなので(特に松田には殺されても文句は言えない)、お世辞にも好感が持てるような人物ではないが、非常に濃いキャラクターかつ重要人物なのは確かであり、彼女のキャラクターを許容できるか否かで本作の印象もだいぶ変わってくるだろう。

普段はI-1クラブに協力している作曲家にして音楽プロデューサー。世界レベルの実力を持ち、I-1をトップに押し上げた影の功労者。
I-1が仙台に進出したのをキッカケに現地を訪れ、そこで偶然見かけたWUGに興味を抱き、「自分がWUGの全権を持つ」「隔週でレッスンを行う」などの条件と引き換えに、無償でWUGのプロデュースを引き受ける。
夙川アトムのネタに出てくるようないかにも古いタイプの「ギョーカイ人」「カリスマプロデューサー」といった容姿をしており、目つきは悪く、態度は傲慢不遜で、常に人を煙にまくような周りくどい喋り方をする。

さっそく鬼コーチとしてWUGに苛烈な特訓(夏夜曰く「ガソリンスタンドのバイトよりキツい」)を課す一方で、冷徹な目線でメンバーの適性を見極め、まず手始めに藍里に戦力外通告を下すが…?

要約すれば「ステロタイプのアーティスト肌で嫌味な奴」であり、人相が悪いうえにムカつく言動が多いので雰囲気は悪役っぽいが、言っていることは正論なうえにコーチとしての腕も確かで、WUGにとって彼が果たした役割は大きく、社長や松田に比べればよっぽどマトモな人物だったのでは?と好意的に捉える視聴者も多い。

彼の真意は本人の口から直接的に語られることは殆ど無かったが、どうやら「(WUGのような)原石を磨き上げることに喜びを感じる」らしく、「もう(自らの手で)磨ききってしまったI-1クラブには興味を無くしてしまった」らしい。
最後まで気まぐれにWUGを振り回し続けたが、最終回手前の11話ではわずかながらデレたWUGを認める様子も見せた。

I-1クラブ

かつて真夢が加入していた、作中世界で高い人気を誇るトップアイドルグループ。
総勢200人以上の巨大なアイドルグループで、1軍のI-1と2軍のI-2、3軍のI-3にグループ分けがなされている。1軍~3軍の間で随時メンバーの入れ替えがあり、毎月新たなメンバーを迎え入れる一方で、特訓についていけない者は容赦なく切り捨てる非情さも持つ。
その有り様はもはや軍隊であり、モットーの『休まない、愚痴らない、考えない』、そして『いつも感謝』をI-1クラブ全体で復唱させるなど、徹底的なスパルタの方針を取る。

そのコスチュームデザインの他に、「巨大アイドルグループ」「地方に専用の劇場を持つ」「名物プロデューサーがいる」「一軍とそれ以下で圧倒的な差がある」など、明らかに現実世界の某アイドルグループを連想させるような要素がてんこ盛りだが、製作スタッフがどのくらい意識していたのかは不明。

  • 岩崎志保(いわさき しほ) (CV:大坪由佳)
I-1の二代目センター。真夢の在籍時から、彼女のライバルとしてセンターの座を争っていた実力者。
アイドルへの強い情熱を持つが、非情なるリアリストでもあり、攻撃的で刺々しい発言が目立つ。
しかし、最終回で意外な一面を見せた。

I-1クラブの一期生で、200人を取りまとめるキャプテンの座につく。
見た目は真面目っぽそうであるが、やはり言うことは色々辛辣。

  • 吉川愛(よしかわ めぐみ) (CV:津田美波)
I-1クラブの一期生。おっとりした性格。
I-1時代の真夢の親友であり、真夢のI-1クラブ脱退後も変わらず親しく接し続けてくれている、本作きっての良心。
このキャラを担当した声優の津田美波は、「フラクタル」がデビュー作だったりする。

  • 白木徹(しらき とおる) (CV:宮本充)
I-1のゼネラルマネージャーでありプロデューサー。運営会社の社長でもある。
I-1を国民的スターに押し上げたほどの敏腕プロデューサーであり、先も述べたようにその方針はスパルタそのもの。
「アイドルは人間である前にアイドルである」「アイドルが恋していいのはファンのみ。それを破った者は人間でさえないゴミ
などの持論を「鉄の掟」としており、それを破った者、そして自らに楯突くものはどれだけ優秀な人材であろうと切り捨てる非情さを持つ。
丹下社長の発言によれば、彼の活動は最初から順風満帆だったわけではなく、無名時代は苦労を重ねていたようである。

その他

  • Twinkle
全国で活躍する二人組女性デュオグループ。二人組で作詞作曲も手がける。
順子とはデビュー当時に世話してもらった恩があり、それが縁でWUGに曲を提供する。
メンバーはカリーナ(CV:戸松遥)とアンナ(CV:花澤香菜)。

  • 大田邦良(おおた くによし) (CV:下野紘)
仙台在住のI-1クラブ古参ファン。特に真夢のファンであるようだ。
I-1脱退後の真夢の行方を気にかけており、仙台でライブを行ったWUGメンバーの中に真夢の姿を見つけ、たった一人でアンコールをした。
その後もWUGを応援し、ネット掲示板にWUGのスレッドも建てるものの、真夢を中傷するスレ民に憤っている。
終盤は徐々に友人を仲間に引き入れ、時には熱く、特にはうるさくWUGを応援し続けた。

余談

劇場版のサブタイトル「七人のアイドル」やTV版各話のタイトル、そいてWUGメンバーの名字など随所に「七人の侍」を始めとした黒澤映画のネタが仕込まれている。

未夕は、メイド喫茶に逃げ帰った際に持ち歌として「太陽曰く燃えよカオス」を披露している。既存の版権楽曲が別のアニメの中で使用されるという珍しいシーンである。
自分らの持ち歌がほとんど無いのに何故?とか思ってはいけない。

放送終了後しばらくは散発的なイベント以外に音沙汰が無く、
気が付けば事務所によるメンバーのレッスンが終わってたりとその行く先が不安視されていたが、2014年秋にスピンオフアニメ「うぇいくあっぷがーるZOO!」が他の監督の手によって製作された。

なお、かつてヤマカンはハーレム系の萌えアニメを揶揄して「美少女動物園」と発言した過去があるのだが、本当に美少女のZOO(動物園)を舞台にしたアニメが作られることになって、本人はどう思っているのだろう。
…狙ったのか?

さて、ぷちになっても前途多難であったWUGであったが、「うぇいくあっぷがーるZOO!」はそのキレの良いギャグのセンスが評価され、まさかの大好評。
本家WUGよりもこっちのほうが好きだというワグナーも少なくない。

アニメでない現実世界のWUGのパフォーマンスはそこそこ評判が良く、舞台である宮城県や東北地方の活性化に少なからず貢献したとして、声優アワードの特別賞を受賞。

それを受けてか、2015年にはまさかの続編映画が前・後編で公開される事が決定した。
なんだかんだで結果を残せた事を喜ぶべきだろうか。


追記・修正は、悪徳プロデューサーをシメてからお願いします。

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