登録日:2011/09/19(月) 00:15:19
更新日:2023/11/15 Wed 10:20:41
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「タロウとZATが力を合わせればザッとこんなもんよ!」
ZATは「
ウルトラマンタロウ」に登場するシリーズ恒例の特捜チームである。
一応「
Zariba of All Territory」の略であるが本編中で呼ばれたことはない。
Zariba(これのみ英語ではなくアフリカの言語である)の意味を防護柵としても意味は「地球すべての防護柵」であって、
どう頑張っても「宇宙科学警備隊」にはならないのだが……気にしたら負けである。
【特徴】
「ウルトラマンタロウ」の作風に合わせてか非常にアットホームな組織であり、
後述する数々の珍作戦の他、前日にカレーを食べた者を調査に出したり、隊員で遊びに出かけたり、
草野球をしたり、民間人と餅つきに興じたりするシーンが散見された。
その為か第二期ウルトラシリーズを批判する際に「おふざけZAT」と呼ばれたりもしている。
然し、シリアスな場面ではきちんと活躍しており、タロウとの連携もさることながら怪獣や宇宙人に対し止めを刺す場面も多く、歴代防衛チームによる怪獣撃破数(巨大なもの限定)では総合2位という、シリーズ屈指の活躍を見せた実力者揃いのチームであり、決して侮ってはいけない。
また、ニューヨーク国連本部に本部を置き、
フランス、南アフリカ連邦、アメリカ、北極、アルゼンチン、そして日本に支部があり、作中でも描写されている。
その他、宇宙には宇宙ステーションを多数備えていた。
日本支部は霞ヶ関1-1-1にあり、基地は緊急時は飛行して退避も出来る。
基地は街のド真ん中にあり、街を放置して逃げるのはどうなんだというツッコミはよくあるお約束。
因みに民間人であっても一週間前に事前申請した上で宇宙人かどうかの検査を受ける事で、誰でも気軽に基地内の見学が可能。
このチェック態勢のおかげか、地味に宇宙人に潜入されたことが殆ど無いという驚きの事実がある。
全体の方針としては「命を大事にする」という事が徹底されており、結果的に失敗したとはいえ、怪獣の虫歯を抜いてやろうとした事に始まり、セミ怪獣の寿命が尽きるまで見守ろうとしたり、亀怪獣の卵をバスケットに入れて返してやったりと、例え怪獣と言えども即座に退治しようとしない点があげられる。
これは隊員間でも同様で、脱出数はTACより低いものの、世界を放射能雲が覆い尽くし地球存亡の危機にあって、
怪獣の背中に取り付こうとしている隊員に「ちゃんと命だけは持って逃げるんだぞ」と促すなど、首尾一貫している。
一見ふざけていたり、アットホームで明るく見えるのはそれだけきちんとした組織運営がされており、ピリピリする必要が無い極めて優秀なチームである事の証拠なのだ。
また本編では、ZATとは別に地球警備隊という組織も存在するが、出番は亀怪獣の処遇について対立した時のみであった。
【隊員】
◆朝比奈勇太郎隊長(演:名古屋章)
ZATの隊長であり、彼の制服にのみ黒のラインがある。
普段は本部にいることが多いのか基地にいる事は少ない(実際は名古屋章氏のスケジュール調整の為)。
パッと見は冴えない中年のおじさんで出動する隊員を
カレーを食べた人間で決める等ユーモラスだが、
切れ者で光太郎をスカウトした他、コショウ作戦のような大胆な作戦の立案やカタン星人の企みを暴いたりしている。
◆荒垣修平副隊長(演:東野英心)
シリーズ初の正式な副隊長で、隊長不在時は隊員達の指揮を執る。ギャグでもシリアスでも隊員を引っ張る実質的な隊長格である。
突然髭が生えたり無くなったり、声変わりをしたりしている。
終盤に宇宙ステーションへ転勤したが、最終回クライマックスで光太郎が名前を出していたあたりからも慕われている事がよく分かる。
演じる東野氏がスキーで転倒した際に骨折した為、最終回間際で出演不可能に。
当時は演技と声が別録だった上、芝居のみ収録済みでアフレコ未収録の場面があった為、一時期沢りつお氏が代役を勤めている。
因みに、演じた東野英心は後に中学生日記の先生や暴れはっちゃくのお父さんを演じている。
◆二谷一美副隊長(演:三谷昇)
荒垣副隊長の後任として登場した。涙もろく人情家で、副隊長としては頼りないが隊員達に支えられて活躍した。
登場はラスト3話のみと非常に少なく、普通なら代役を立てずに台本を書くものだが、先述の様に隊長役の名古屋章氏があまり出られず、副隊長が指揮を執る為、ドラマ撮影の都合上止むを得ない部分があった。
演じた三谷氏は後に
宇宙刑事ギャバン後半で、リアルで同じ劇団の
MAT隊員と共にギャバンの敵として立ち塞がった。
またドラマ等で悪人役が多めだった為、正義サイドの役が来て嬉しかったという。
◆
東光太郎(演:篠田三郎)
主人公であり、
ウルトラマンタロウの人間体である。
タロウになる前から超人的な体力と度胸と頭の良さであり、超獣をクレーンで追い払った事で隊長にスカウトされた。
その後も隊員として、タロウとして活躍した。
◆北島哲也(演:津村秀祐)
ひょうきんな性格で、釣りが大好きな為仕事にも竿を携帯している。光太郎達よりは年上で良き兄貴分である。
分析や兵器開発も担当し、
ベムスターやムルロア撃破に活躍した。
メモールの回の主役でもある。
◆南原忠男(演:木村豊幸)
宮崎出身の明るい性格で、光太郎とコンビを組むことも多い。強烈なキャラクターの母親がおり、作中で結婚式を挙げた珍しい人物。
◆西田次郎(演:三ツ木清隆)
若手隊員で電気ショックが好き。序盤で宇宙ステーションへ転勤したが一度再登場した。
演じた三ツ木氏は光速エスパーや白獅子仮面でヒーローも演じた。
◆上野孝(演:西島明彦)
西田の後任で、初の主人公の後輩キャラ。若さを強調した場面が多く、ムルロア戦等で活躍したが中盤で降板。
◆森山いずみ(演:松谷紀代子)
女性隊員でシリーズ初のミニスカの制服である。
普段は通信を担当することが多いが、実は隊員トップクラスの操縦技術を持っており、単独で搭乗した際は一度も落とされなかった。
光太郎に気がある様な描写がたまにされたが深くは描かれなかった。
その他、準レギュラーである女性オペレーター3人組や、海外の隊員等もいる。
【ZATの退治・対処した怪獣】
- コスモリキッド
- デッパラス(後に再生された)
- シェルター
- 宇宙蛾数匹
- ムルロア
- 改造ベロクロン二世
- 改造ベムスター
- ドロボン
- バルキー星人
- モットクレロンの宇宙船
- バードンの卵
オカリヤン戦、ジレンマ戦、カタン星人戦、グロスト戦、サメクジラ&バルキー星人戦ではZATの援護によってタロウに勝利をもたらした。
【装備・メカニック】
デザインは円や球体を多く取り入れ、赤、青を基調とした派手なものである。制服も派手で、シリーズで初めて男女で明確に違う制服となった。
非公式だが、この独特のデザインの兵器群はヤプール人の技術を導入したものではないかという考察がある。
◆スカイホエール
航空戦力のメインとなる大型戦闘機で殆どの回に登場した。機内に物質合成機があり、白酒を作った事もある。
ミサイルとレーザーを装備している他、状況に応じて様々な装備を取り付ける事も可能。
というより、何でも収納できるという特徴こそが、スカイホエールとZAT最大の武器と言える。
◆コンドル1号
スカイホエールの僚機として登場することが多く、2機がかりで作戦をする時は大抵相方的な役割を果たす。
翼が円盤型という航空力学にケンカを売っているようなデザインだが、これは反重力飛行用の粒子加速器らしい。
◆コンドル2号
設定画のみ存在。
コックピットの形状から察するにかなりの大型機らしい。
前方に大きく湾曲した機首と前に張り出したエンジンが特徴。
◆スーパースワロー
上記2機と比べると出番が少なめである。小回りの効くやや小型の戦闘機である。
◆ドラゴン
主に調査に使われるヘリコプター。出番は少ない。
ミニチュアは後に塗装を改められ、
MACのモスキーターとなった。
◆ペル
ミダーⅡ世
ドリル戦車。出番は一回のみだがOPには毎回登場する。Ⅱ世となってるのは名前が似ている「
ウルトラマン」のベル
シダーの後継という考察がある。
◆アイアンフィッシュ
潜水艦だが出番はOPのみ。
◆アンドロメダ
宇宙船だが、作中ではスカイホエールで宇宙まで行ってるため出番がなくOPにのみ登場した。
内部にマゼランという小型円盤を搭載している。
◆ウルフ777
一度見たら忘れられない凄いデザインの車両。
因みにベース車はトヨタ・クラウンHT(MS51)
地上戦力ではあるが、空中戦力が強力な為かあまり活躍しなかった。
◆ラピッドパンダ
更に強烈なデザインと名前の地上戦力。こちらも出番は多いが活躍は少ない。
ベース車は
ジャンボーグAに登場するPATのバモスⅠ/Ⅱ世同様バモスホンダである。
メビウス小説版にて武装を取り払ったレストア車が登場したが、ハルザキが乗りたくないと断ったので出動はしなかった。
◆ZATガン
球体をデザインに多く配した見た目が特徴的な銃。基本は実弾だがレーザーも出せる。
ビンッ! ビンッ! という独特の撃発音にはファンも多い。
【作戦】
ZATと言えば多種多様な作戦である。珍作戦も多いが、怪獣の特徴を生かし活躍したものも多く、作品の個性ともなっている。
◆コショウ作戦
ライブキングに飲み込まれた光太郎と犬を助ける為にくしゃみをさせようと、スカイホエールからコショウ1tを撒いた。
結果は大成功だった。
◆放電作戦
取り敢えず放電といった感じで多用されるZATお得意の戦術。
スカイホエールなどからワイヤーを発射して電流を流すのが基本だが、
送電塔から引っ張ってきて河に放電して怪獣を誘き出したりするのに使われた事も。
◆アルカリ作戦
ジレンマの強酸性の液に苦しむタロウに強アルカリ性の液体を噴射し中和した。
◆ミラー作戦
鏡に反応するデッパラスを巨大鏡で誘導し、穴に落としそこを集中攻撃で撃破した。
然し、その後デッパラスはゾンビ状態で復活してしまった。
◆鳥もち作戦
タロウを殺した
バードンに対し、足止めするために強力な鳥もちをバードンにかけた。
バードンが事前に行水をしていて体が濡れていたため効果が減り失敗したが、剥がれる迄バードンは涙を流して苦しんでいた。
◆ベル作戦
目潰しを喰らい目が見えないタロウを援護すべくカタン星人に巨大な鈴付きの首輪を付けた。
タロウはこの音を頼りにカタン星人に抱きつき、ウルトラダイナマイトで倒した。
以上は一例であるが、他の作品ではやらない様な作戦も多いものの、効果的な作戦も多かった。
しかしそのどんなアイデアでも即座に準備し、臨機応変な作戦で多種多様な怪獣に対応していく姿勢が成果をあげた事は間違いない。
やはり防衛チームは常識に囚われてはいけないのであろう…
この話では帰ってきたウルトラマンでも出来なかった
「
ベムスターに殺された宇宙ステーション隊長の敵を特捜チームが取る」という内容になっており、
民間人の筈なのに一人でベムスターと戦っちゃう海野さんやタロウに頼ってばかりではいけないというテーマ、
充実のドラマと特撮も相まってシリーズ屈指の内容に仕上がっている。
なお、この前後編では前編で真っ二つ作戦、後編ではエネルギー爆弾を使った作戦を実行している。
真っ二つ作戦は
ウルトラブレスレットと同じ硬さの回転鋸でベムスターを切る作戦だったが
ヤプールが対策をしていた為に失敗した。
エネルギー爆弾による作戦はベムスターの腹の口にエネルギーの塊のA爆弾を飲み込ませ、
後から起爆装置?のB爆弾を飲み込ませることで体内から爆発させベムスターを撃破することに成功した。
昨日カレーを食べた人は追記・修正をお願いします。
- コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2016-05-19 22:17:53)
- 高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応せよ -- 名無しさん (2016-07-29 11:05:24)
- トンデモ作戦を簡単に決行しちゃう所ばかり目がいきがちだけど、怪獣や宇宙人を分析して作戦を考えるって部分は実はちゃんとしている。穿った見方すると「空の贈り物」で描かれたものを発展させたのがZATなのかなと -- 名無しさん (2016-10-23 21:20:42)
- 各々の才能を十全に活かせるエリートや才能持ち揃いだからこそ、常に余裕を持って動けるんだと言うい意味で精鋭なんだろうな -- 名無しさん (2017-11-22 00:16:20)
- 正義を愛する心がイケメンすぎる人達の集い場ZAT 笑顔が絶えない職場です(事実) -- 名無しさん (2018-09-01 13:38:19)
- 派手な制服ではあるが、実は黒を基調とした礼服もあったりする(49話で荒垣副隊長が着ていた) -- 名無しさん (2018-09-11 23:10:07)