ZAT(ウルトラマンタロウ)

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ZAT(ウルトラマンタロウ) - (2015/03/12 (木) 00:04:41) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/09/19(月) 00:15:19
更新日:2023/11/15 Wed 10:20:41
所要時間:約 7 分で読めます






「タロウとZATが力を合わせればザッとこんなもんよ!」



ZATは「ウルトラマンタロウ」に登場するシリーズ恒例の特捜チームである。
一応「Zariba of All Territory」の略であるが本編中で呼ばれたことはない。
というかZariba(これのみ英語ではなくアフリカの言語である)の意味を防護柵としても意味は「地球すべての防護柵」であって、
どう頑張っても「宇宙科学警備隊」にはならないんですが……気にしたら負けである。所詮は後付けよ! かっこよければいいんだよ!


【特徴】
「ウルトラマンタロウ」の作風に合わせてか非常にアットホームな組織であり、
後述する数々の珍作戦の他、前日にカレーを食べた者を調査に出したり、隊員で遊びに出かけたり、
草野球をしたり、民間人と餅つきに興じたりするシーンが散見された。

そのためか第二期ウルトラシリーズを批判する際に「おふざけZAT」と呼ばれたりもしている。

しかし、シリアスな場面ではきっちりと活躍しており、
タロウとの連携もさることながら怪獣や宇宙人に対しとどめを刺す場面も多くシリーズ屈指の活躍を見せたチームである。

というより防衛チームによる怪獣撃破数(巨大なもの限定)では総合2位というから決して侮ってはいけない。
ちなみに総合1位は科学特捜隊である。

また、ニューヨーク国連本部に本部を置き、フランス、南アフリカ連邦、アメリカ、北極、アルゼンチン、そして日本に支部があり、作中でも描写されている。
その他、宇宙には宇宙ステーションを多数備えていた。
日本支部は霞ヶ関1-1-1にあり、基地はいざという時は飛行して退避も出来る。

基地は街のド真ん中にあり、街を放置して逃げるのはどうなんだというツッコミは特オタのお約束。
ちなみに民間人であっても一週間前に事前申請した上で宇宙人かどうかの検査を受けることで、誰でも気軽に基地内の見学が可能。
このチェック態勢のおかげか、地味に宇宙人に潜入されたことが殆ど無いという驚きの事実がある。

全体の方針としては「命を大事にする」ということが徹底されており、結果的に失敗したとはいえ怪獣の虫歯を抜いてやろうとしたり、
セミ怪獣の寿命が尽きるまで見守ろうとしたり、亀怪獣の卵をバスケットに入れて返してやったりと、
例え怪獣といえども即座に退治しようとしない点があげられる。

これは隊員間でも同様で、脱出数はTACより低いものの、世界を放射能雲が覆い尽くし地球存亡の危機にあって、
怪獣の背中に取り付こうとしている隊員に「ちゃんと命だけは持って逃げるんだぞ」と促すなど、首尾一貫している。

つまりふざけていたりアットホームで明るく見えるのは、
それだけきちんとした組織運営がされておりピリピリする必要がない、極めて優秀なチームである事の証拠なのだ。

また本編では、ZATとは別に地球警備隊という組織も存在するが、出番は亀怪獣の処遇について対立した時のみであった。


【隊員】
◆朝比奈勇太郎隊長(演:名古屋章)
ZATの隊長であり、彼の制服にのみ黒のラインがある。
普段は本部にいることが多いのか基地にいることは少ない(実際は名古屋章氏のスケジュール調整のため)。
パッと見は冴えない中年のおじさんで出動する隊員をカレーを食べた人間で決める等ユーモラスだが、
切れ者で光太郎をスカウトした他、コショウ作戦のような大胆な作戦の立案やカタン星人の企みを暴いたりしている。

◆荒垣修平副隊長(演:東野英心)
シリーズ初の正式な副隊長で、隊長不在時は隊員達の指揮を執る。ギャグでもシリアスでも隊員を引っ張る実質的な隊長格である。
突然髭が生えたり無くなったり声変わりをしたりしている。終盤に宇宙ステーションへ転勤したが、最終回クライマックスで光太郎が名前を出していたあたりからも慕われている事がよく分かる。
演じる東野氏が骨折したため、終盤に降板した。声は一時期沢りつお氏が代役を勤めている。
ちなみに、演じた東野英心は後に中学生日記の先生や暴れはっちゃくのお父さんを演じている。

◆二谷一美副隊長(三谷昇)
荒垣副隊長の後任として登場した。涙もろく人情家で、副隊長としては頼りないが隊員達に支えられて活躍した。

東光太郎(演:篠田三郎)
主人公であり、ウルトラマンタロウの人間体である。
タロウになる前から超人的な体力と度胸と頭の良さであり、超獣をクレーンで追い払ったことで隊長にスカウトされた。
その後も隊員として、タロウとして活躍した。無茶をするのは大抵光太郎か上野である。

◆北島哲也(演:津村秀祐)
ひょうきんな性格で、釣りが大好きなため仕事にも竿を携帯している。光太郎達よりは年上で良き兄貴分である。
分析や兵器開発も担当し、ベムスターやムルロア撃破に活躍した。
メモールの回の主役でもある。
ちなみに最終回で光太郎がタロウに変身して健一の父を助けられなかったのはこいつのせいである。

◆南原忠男(演:木村豊幸)
宮崎出身の明るい性格で、光太郎とコンビを組むことも多い。強烈なキャラクターの母親がおり、作中で結婚式を挙げた珍しい人物。

◆西田次郎(演:三ツ木清隆)
若手隊員で電気ショックが好き。序盤で宇宙ステーションへ転勤したが一度再登場した。
演じた三ツ木氏は光速エスパーや白獅子仮面でヒーローも演じた。

◆上野孝(演:西島明彦)
西田の後任で、初の主人公の後輩キャラ。若さを強調した場面が多く、ムルロア戦等で活躍したが中盤で降板。

◆森山いずみ(演:松谷紀代子)
女性隊員でシリーズ初のミニスカの制服である。
普段は通信を担当することが多いが、実は隊員トップクラスの操縦技術を持っており、単独で搭乗した際は一度も落とされなかった。
光太郎に気があるような描写がたまにされたが深くは描かれなかった。
可愛いしパンチラ(に見えるシーン)もある。

その他、準レギュラーである女性オペレーター3人組や、海外の隊員等もいる。


【ZATの退治・対処した怪獣】

  • コスモリキッド
  • デッパラス(後に再生された)
  • シェルター
  • 宇宙蛾数匹
  • ムルロア
  • 改造ベロクロン二世
  • 改造ベムスター
  • ドロボン
  • バルキー星人
  • モットクレロンの宇宙船
  • バードンの卵

オカリヤン戦、ジレンマ戦、カタン星人戦、グロスト戦、サメクジラ&バルキー星人戦ではZATの援護によってタロウに勝利をもたらした。


【装備・メカニック】
デザインは円や球体を多く取り入れ、赤、青を基調とした派手なものである。制服も派手で、シリーズで初めて男女で明確に違う制服となった。
非公式だが、この独特のデザインの兵器群はヤプール人の技術を導入したものではないかという考察がある。

◆スカイホエール
航空戦力のメインとなる大型戦闘機でほとんどの回に登場した。機内に物質合成機があり、白酒を作ったことも。
ミサイルとレーザーを装備している他、状況に応じて様々な装備を取り付けることも可能。
というより何でも収納できるという特徴こそが、スカイホエールとZAT最大の武器と言える。

◆コンドル1号
スカイホエールの僚機として登場することが多く、2機がかりで作戦をする時は大抵相方的な役割を果たす。
翼が円盤型という航空力学にケンカを売っているようなデザインだが、これは反重力飛行用の粒子加速器らしい。

◆コンドル2号
設定画のみ存在。
コックピットの形状から察するにかなりの大型機らしい。
前方に大きく湾曲した機首と前に張り出したエンジンが特徴。

◆スーパースワロー
上記2機と比べると出番が少なめである。小回りの効くやや小型の戦闘機である。

◆ドラゴン
主に調査に使われるヘリコプター。出番は少ない。
ミニチュアは後に塗装を改められ、MACのモスキーターとなった。

◆ペルミダーⅡ世
ドリル戦車。出番は一回のみだがOPには毎回登場する。Ⅱ世となってるのは名前の似てる「ウルトラマン」のベルシダーの後継という考察がある。

◆アイアンフィッシュ
潜水艦だが出番はOPのみ。

◆アンドロメダ
宇宙船だが、作中ではスカイホエールで宇宙まで行ってるため出番がなくOPにのみ登場した。
内部にマゼランという小型円盤を搭載している。

◆ウルフ777
一度見たら忘れられない凄いデザインの車両。
ちなみにベース車はトヨタ・クラウンHT(MS51)
地上戦力ではあるが、空中戦力が強力なためかあまり活躍しなかった。

◆ラピッドパンダ
さらに強烈なデザインと名前の地上戦力。こちらも出番は多いが活躍は少ない。
ベース車はジャンボーグAに登場するPATのバモスⅠ/Ⅱ世同様バモスホンダである。
メビウス小説版にて武装を取り払ったレストア車が登場したが、ハルザキが乗りたくないと言ったので出動はしなかった。

◆ZATガン
球体をデザインに多く配した見た目が特徴的な銃。基本は実弾だがレーザーも出せる。
ビンッ! ビンッ! という独特の撃発音にはファンも多い。


【作戦】
ZATと言えば多種多様な作戦である。珍作戦も多いが、怪獣の特徴を生かし活躍したものも多く、作品の個性ともなっている。

◆コショウ作戦
ライブキングに飲み込まれた光太郎と犬を助けるためにくしゃみをさせようと、スカイホエールからコショウ1tを撒いた。
結果は大成功だった。

◆放電作戦
とりあえず放電といった感じで多用されるZATお得意の戦術。
スカイホエールなどからワイヤーを発射して電流を流すのが基本だが、
送電塔から引っ張ってきて河に放電して怪獣を誘き出したりするのに使われた事も。

◆アルカリ作戦
ジレンマの強酸性の液に苦しむタロウに強アルカリ性の液体を噴射し中和した。

◆ミラー作戦
鏡に反応するデッパラスを巨大鏡で誘導し、穴に落としそこを集中攻撃で撃破した。
しかし、その後デッパラスはゾンビ状態で復活してしまった。

◆鳥もち作戦
タロウを殺したバードンに対し、足止めするために強力な鳥もちをバードンにかけた。
バードンが事前に行水をしていて体が濡れていたため効果が減り失敗したが、はがれるまでバードンは涙を流して苦しんでいた。

◆ベル作戦
目潰しを喰らい目が見えないタロウを援護すべくカタン星人に巨大な鈴付きの首輪を付けた。
タロウはこの音を頼りにカタン星人に抱きつきウルトラダイナマイトで倒した。

ヒカル「いや、なんで戦闘機に鈴が積んであるんだよ!? しかもあんなビッグサイズの」


以上は一例であるが、他の作品ではやらないような作戦も多いものの、効果的な作戦も多かった。

その作戦名の特別性からウルトラマンギンガの主人公礼堂ヒカルから「のどかな作戦名」と言われたりしていた。

しかしそのどんなアイデアでも即座に準備し、臨機応変な作戦で多種多様な怪獣に対応していく姿勢が成果をあげた事は間違いない。
やはり防衛チームは常識に囚われてはいけないのですね!


【余談】
ZATの活躍を堪能したい方におすすめなのが29、30話の改造ベムスターの前後編である。

この話では帰ってきたウルトラマンでも出来なかった
ベムスターに殺された宇宙ステーション隊長の敵を特捜チームが取る」という内容になっており、
民間人のはずなのに一人でベムスターと戦っちゃう海野さんやタロウに頼ってばかりではいけないというテーマ、
充実のドラマと特撮も相まってシリーズ屈指の内容に仕上がっている。

なお、この前後編では前編で真っ二つ作戦、後編ではエネルギー爆弾を使った作戦を実行している。
真っ二つ作戦はウルトラブレスレットと同じ硬さの回転鋸でベムスターを切る作戦だったがヤプールが対策をしていたため失敗した。

新マンお前は泣いていい。

エネルギー爆弾による作戦はベムスターの腹の口にエネルギーの塊のA爆弾を飲み込ませ、
後から起爆装置?のB爆弾を飲み込ませることで体内から爆発させベムスターを撃破することに成功した。



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