Dr.ヒルルク

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Dr.ヒルルク - (2017/04/05 (水) 01:19:50) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/09/13 (土) 00:02:03
更新日:2024/04/03 Wed 01:13:51
所要時間:約 4 分で読めます





「ドクロの旗を掲げた男に不可能はねぇ!!」


ONE PIECE』の登場人物。
CV.牛山茂


ドラム王国のヤブ医者。
笑い方は「エッエッエッエ」。赤十字をモチーフにした十字架みたいな髪型がトレードマーク。

元々は大泥棒だったが、ある時不治の病に冒され、余命を宣告されて荒れていたところ、山いっぱいの桜を目撃し、あまりの美しさに心を洗われ、その感動が奇跡的に彼の命を永らえさせた。

それからの彼は「この世に治せない病気はない」という信念の元、全ての病気に不可能を物ともしない“信念”の象徴である海賊旗を掲げ、故郷であるドラム王国に自分が体感した奇跡の治療を施すため、極寒の冬島に桜を咲かせる研究を行っていた。

が、いかんせん医学を学んだこともないヤブ医者なため、蜥蜴の目玉やらカエルのエキスやら明らかにヤバイものを患者に注射して病状を悪化させる始末で、患者から金を取らないというポリシーの反面、人の家に盗みに入って金を奪った挙句放火までするという完全に凶悪犯罪者な振る舞いと医者狩りの法律によって国を挙げて追われる身となっている。


そしてある時、大怪我を負った生き物に出会い、治療を行おうとしたが、持っていた麻酔銃に怯えたその生物は暴れだした為、攻撃を受けてしまう。

「フザケやがって………おれを誰だと思ってやがる……!!

おいっ!!待て!!! おれは決してお前を撃たねぇ!!!!
おれの名は!!!Dr.ヒルルク!!!医者だ!!!!」

その生物に対してヒルルクは極寒の中で全裸になり、自分はお前を傷つけないという命懸けのアピールによってその生物の警戒心を解き、彼を治療した。

そしてヒルルクはその生物にトニートニー・チョッパーという名前を与え、共に楽しく暮らしていたが、自分の死期が近い事を悟り、自分が死ぬ姿を見せないために全快したチョッパーを突き放した。

悪友であるDr.くれはの治療によってどうにか命を繋ぎながら研究を完成させようと躍起になっていたヒルルクだったが、一週間後、チョッパーが大怪我を負って戻ってきた。
チョッパーは追い出されてからずっと、ヒルルクの部屋の辞典に載っていた“万能薬”を探していたのだった。


「生ぎててドクター……!!!おれ医者になりたいんだよ……!!!」

「医者のやり方教えてくれよ……!!!トナカイでも……やれるかな」


「やれるさチョッパー。お前はこんなに優しいじゃねェか……!!!」

そしてその“万能薬”で作ったスープを飲み干し、くれはの元に向かったヒルルクは、完成した研究とチョッパーをくれはに託そうとするが、手荒に拒絶されてしまう。


「エッエッエッエッ……知ってんだおれァ……人の命を救おうってんだ……医者はみんなイイ奴さ…頼んだぜ………」

そんなヒルルクのらしくない態度を不審に思ったくれははヒルルクの家を訪れ、そこで“万能薬”であるアミウダケを目撃し、チョッパーを殴り飛ばす。

アミウダケの正体は“万能薬”などではなく、口にすれば半日も生きていられないほどの猛毒。チョッパーは辞典に載っていた“信念の象徴”、毒を表すドクロのマークを病気に勝てるという意味だと勘違いしていたのだった。

当然ヒルルクはそれを知っていた。しかし、命懸けでそれを取ってきたチョッパーの気持ちに感謝し、残り少ない自分の命を使って最後まで医者としての務めを果たすため、イッシー20の治療のため、ドラム城に乗り込む。

しかしそれは罠だった。ワポルはヒルルクを処刑するためにイッシー20が倒れたという情報を国中に流していたのだった。

それを聞いたヒルルクは思わず膝を折り、


「良かった……病人はいねえのか……
おれァてっきり……国の一大事かと……何だァ……おれが騙されただけか……」

病人がいなかった事に心から安堵し、笑顔さえ浮かべてみせた。

そしていよいよ処刑が執行されようと銃を構えられたヒルルクは、遮るように語り出すのだった。


「やめときな。お前らにおれは殺せねェよ」
「なァオイ…人はいつ死ぬと思う?」

「心臓をピストルで撃ち抜かれたとき…? 違う」
「不治の病に侵されたとき?違う…!」
「猛毒キノコのスープを飲んだとき…違う!!」


……人に、忘れられた時さ……!


「おれが消えてもおれの夢は叶う。病んだ国民の心も、きっと救えるさ……!!」

「もうすぐここにバケモノがやってくる。おれの息子だ。手を出すな」

(安心しろチョッパー。お前のキノコじゃおれは死なねえ)


「まったく!!!!いい人生だった!!!!」



ありがとうよ、チョッパー




ボ ン



自ら液体の爆薬を飲み自爆するという、壮絶な最期をむかえた。


彼が最後に残した言葉は様々な人間に影響を与え、チョッパーは「なんでも治せる“万能薬”に自分がなる」という夢の元、Dr.くれはに弟子入りした。



「おれが“万能薬”になるんだ! 何でも治せる医者になるんだ!!だって…だっでこの世に治せない病気はないんだがら!!」

「とあるヤブ医者に…“諦めるな”と教えられたからだ…!もう失ってはならないんだ…そんな“バカな男”を…!」


そして6年後、暴君の手からドラム王国は解放され、チョッパーの旅立ちの時。くれははヒルルクから託された研究の成果を空へと打ち上げる。




「これが俺の三十年をかけて出した答えさ!!!」


「いいか……!!この赤い塵はな、ただの塵じゃねえ!!」



「コイツは大気中で白い雪に付着して……そりゃあもう鮮やかな」







「ピンク色の雪を降らせるのさ!!!」










後にこれは“ヒルルクの桜”として語り継がれ、かつてのドラム王国は“サクラ王国”と名を変えた。

そしてその国旗には、まるで海賊旗のような桜舞うドクロの旗が掲げられていたという。




アニメ版において、ヒルルクの最期の場面で「アヴェ・マリア」が挿入歌として流れたのは有名な話である。


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