Dr.ヒルルク

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Dr.ヒルルク - (2023/04/05 (水) 17:32:39) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/09/13 (土) 00:02:03
更新日:2024/04/03 Wed 01:13:51
所要時間:約 4 分で読めます





ドクロの旗を掲げた男に不可能はねぇ!!


ONE PIECE』の登場人物。
CV.牛山茂


ドラム王国のヤブ医者。
笑い方は「エッエッエッエ」。赤十字をモチーフにした十字架みたいな髪型がトレードマーク。

生涯

大泥棒からヤブ医者へ

元々は大泥棒だったが、ある時不治の病に冒され、余命を宣告されて荒れていたところ、山いっぱいの桜を目撃し、あまりの美しさに心を洗われ、その感動が奇跡的に彼の命を永らえさせた。

それからの彼は「この世に治せない病気はない」という信念の元、全ての病気に不可能を物ともしない“信念”の象徴である海賊旗を掲げ、故郷であるドラム王国に自分が体感した奇跡の治療を施すため、極寒の冬島に桜を咲かせる研究を行っていた。

が、いかんせん医学を学んだこともないヤブ医者なため、トカゲの目玉やらカエルのエキスやら明らかにヤバイものを患者に注射して病状を悪化させる始末で、患者から金を取らないというポリシーの反面、人の家に盗みに入って金を奪った挙句放火までするという完全に凶悪犯罪者な振る舞いと医者狩りの法律によって国を挙げて追われる身となっている。

というかやってることはほとんど泥棒時代と変わっていない(怪我の治療は最低限できるようだが)。
一応本人は善意でやってる分余計にタチが悪いともいえる。


そしてある時、大怪我を負った生物に出会い、治療を行おうとしたが、持っていた麻酔銃に怯えたその生物は暴れだした為、攻撃を受けてしまう。


「フザケやがって………おれを誰だと思ってやがる……!!

おいっ!! 待て!!! おれは決してお前を撃たねぇ!!!!
おれの名は!!! Dr.ヒルルク!!! 医者だ!!!!」

その生物に対してヒルルクは極寒の中で全裸になり、自分はお前を傷つけないという命懸けのアピールによってその生物の警戒心を解き、彼を治療した。

そしてヒルルクはその生物にトニートニー・チョッパーという名前を与え、共に楽しく暮らすことになる。その中で壁に掲げた自作の海賊旗を見せ、「ある男の話」として己の過去を語った。
この時にチョッパーに伝えた己の信念「ドクロの旗を掲げた男に不可能はない」「この世に治せない病気はない」は現在に至るまでチョッパーの信念として受け継がれている。


最期

だが、不治の病は寛解しただけで治癒したわけではなく、チョッパーを拾ってから1年ほど経過した辺りで再発。


おれァ……死ぬだろ

ヒッヒッヒ……あぁ 死ぬねェ

自分の死期が近い事を悟り、自分が死ぬ姿を見せないために全快したチョッパーを突き放し始めた。

悪友であるDr.くれはの治療によってどうにか命を繋ぎながら「研究」を完成させようと躍起になっていたヒルルクだったが、一週間後、チョッパーが大怪我を負って戻ってきた。
チョッパーは追い出されてからずっと、ヒルルクの部屋の辞典に載っていた“万能薬”を探していたのだった。


「生ぎててドクター……!!! おれ医者になりたいんだよ……!!!」

「医者のやり方教えてくれよ……!!! トナカイでも……やれるかな」


「やれるさチョッパー。お前はこんなに優しいじゃねェか……!!!」

そしてその“万能薬”で作ったスープを飲み干し、くれはの元に向かったヒルルクは、完成した研究とチョッパーをくれはに託そうとするが、手荒に拒絶されてしまう。


「エッエッエッエッ……知ってんだおれァ……人の命を救おうってんだ……医者はみんなイイ奴さ…頼んだぜ………」

言い残したヒルルクは、ドラム王国に残された医者であるイッシー20が倒れたと聞きつけ、彼らを救おうと城へ急行する(妨害の兵士を爆弾でぶっ飛ばし「無茶苦茶だあの医者はァ~!!」と悲鳴を上げさせているなど、荒っぽさは相変わらず)。
そんなヒルルクのらしくない態度を不審に思ったくれはは、何かあると勘付いてヒルルクの家を訪れ、そこで“万能薬”であるアミウダケを目撃し、チョッパーを殴り飛ばす。

アミウダケの正体は“万能薬”などではなく、口にすれば半日も生きていられないほどの猛毒。チョッパーは辞典に載っていた“信念の象徴”、毒を表すドクロのマークを、ヒルルクが伝えた「不可能なき者の象徴」=病気に勝てるという意味だと勘違いしていたのだった。

当然ヒルルクはそれを知っていた。しかし、命懸けでそれを取ってきたチョッパーの気持ちに感謝し、残り少ない自分の命を使って最後まで医者としての務めを果たすため、イッシー20の治療のため、ドラム城に乗り込む。

しかしそれは罠だった。ワポルはヒルルクを処刑するためにイッシー20が倒れたという情報を国中に流していたのだった。

それを聞いたヒルルクは思わず膝を折り、


「良かった……病人はいねえのか……
おれァてっきり……国の一大事かと……何だァ……おれが騙されただけか……」

病人がいなかった事に心から安堵し、笑顔さえ浮かべてみせた。

そしていよいよ処刑が執行されようと銃を構えられたヒルルクは、遮るように語り出すのだった。


「やめときな。お前らにおれは殺せねェよ」
「なァオイ…人はいつ死ぬと思う?」

「心臓をピストルで撃ち抜かれたとき…? 違う」
「不治の病に侵されたとき?違う…!」
「猛毒キノコのスープを飲んだとき…違う!!」


……人に、忘れられた時さ……!


「おれが消えてもおれの夢は叶う。病んだ国民の心も、きっと救えるさ……!!」

「もうすぐここにバケモノがやってくる。おれの息子だ。手を出すな」

(安心しろチョッパー。お前のキノコじゃおれは死なねえ)


「まったく!!!!いい人生だった!!!!」



(ありがとうよ、チョッパー)




ボ ン



アミウダケの毒が回る前に自ら液体の爆薬を飲み自爆するという、壮絶な最期を迎えた。


確かにDr.ヒルルクは、医者としては最低の腕しかないヤブだった。
しかし、人を救おうとした彼の志だけは本物だった。

くれはの言うとおり、優しいだけでは人は救えない。
だが、彼が最後に残した言葉は様々な人間に影響を与え、チョッパーは「なんでも治せる“万能薬”に自分がなる」という夢の元、Dr.くれはに弟子入りした。
そして、後にはその最期と信念を見届けたイッシー20達をも動かした。


「おれが“万能薬”になるんだ! 何でも治せる医者になるんだ!!だって…だっでこの世に治せない病気は ないんだがら!!」

「とあるヤブ医者に…“諦めるな”と教えられたからだ…!もう失ってはならないんだ…そんな“バカな男”を…!」

色々無茶苦茶だったヒルルクだが、彼なりに人を救おうとしていたことは知られていたらしく、ワポルが虚報でヒルルクをおびき出したことが判明した際には町の人々から「それはないんじゃないのか!」「少なくともあいつはイッシー20を助けに行ったんだぞ!?」と非難の声が上がっていた。

ヒルルクの桜

そして6年後、麦わらの一味の活躍により暴君の手からドラム王国は解放され、チョッパーの旅立ちの時。
くれははヒルルクから託された研究の成果を、城の大砲で空へと打ち上げる。




「これが俺の三十年をかけて出した答えさ!!!」


「いいか……!!この赤い塵はな、ただの塵じゃねえ!!」



「コイツは大気中で白い雪に付着して……そりゃあもう鮮やかな」







「ピンク色の雪を降らせるのさ!!!」








ヒルルクが目指していたのは、かつて大泥棒だった己の命を長らえさせた「奇跡の桜」を、雪国たるドラムに咲かせること。
巨木の幹のごとく聳える岩山、その頂上に佇む城を囲んで降りしきるピンク色の雪。

旅立つチョッパーが目にしたその遠景は、まさに雪国に咲き誇る満開の桜だった。


後にこれは“ヒルルクの桜”として語り継がれ、かつてのドラム王国は“サクラ王国”と名を変えた。

そしてその国旗には、まるで海賊旗のような桜舞うドクロの旗が掲げられていたという。


【余談】

アニメ版86話「ヒルルクの桜と受け継がれゆく意志!」において、ヒルルクの最期の場面でシューベルトが1825年に作曲した「アヴェ・マリア」こと「エレンの歌第3番」が挿入歌として流れたのは有名な話である。

児嶋一哉は某公共放送の番組で「ヒルルクの桜」のシーンを引き合いに出し、「芸人としてヒルルクの姿勢を見習うべき」と力説しようとしたが、

「なァオイ…芸人はいつ死ぬと思う?」
「滅茶苦茶にスベった時…? 違う」
「舞台で台詞が飛んだ時…? 違う!!」

「人にわsくぁwせdrftgyhじこlp;@:

とオチを盛大に噛み、芸人としての死を迎えてしまった。






「なァオイ…項目はいつ死ぬと思う?」

「削除対象にされたとき…? 違う」
「悪質な荒らしをされたとき?違う…!」
「冥殿の怒りに触れたとき…違う!!」


……人に、追記・修正されなくなった時さ……!


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