へくさ穂

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へくさ穂 - (2017/08/13 (日) 17:25:57) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/11/09 (日) 20:02:43
更新日:2021/12/29 Wed 19:41:11
所要時間:約 2 分で読めます




むかしむかしあるところに、和尚さんと小僧がいました。


ある時、2人で粟を取っていると、和尚さんは小僧さんが大きな粟しか取っていないことに気づきました。

「こらこら、どうして小さな粟も取らない?」

小僧は単に取りにくいうえに味もまだおいしくない小さな粟を取るのが面倒なので取りやすくて美味しい大きな粟しか取っていないのですが、
それをそのまま言ってしまうと和尚さんに叱られてしまいます。

「実はこの小さな穂は『へくさ穂』といって、炊くととても臭いのです」

小僧は口から出まかせを言いました。ですがそんな言葉で納得するような和尚さんではありません。

「では試しにお前が取った大きな粟の穂と私が取った小さな粟の穂を炊いて比べてみようではないか」


和尚さんは2種類の穂を小僧に炊かせました。困ったのは小僧です。このままでは嘘がバレてしまいます。そうこうしているうちにもうじき粟が炊きあがってしまいそうです。



その時小僧の頭にある考えが浮かびました。小僧は小さな粟の釜を開け、


ぷぅ~~~


おならをすると何食わぬ顔で蓋を閉め、何食わぬ顔で和尚さんの前に2つの釜を持って行きました。

和尚さんはまず小さな粟の方から食べようと釜の蓋を開けると、

ぷぅ~~ん

おならの臭いが辺りに広がりました。

「ごほっ、ごほっ。何だこれは!」

「どうです和尚様、召し上がりますか?」

「いやいや、やめておこう。なるほどこれは確かにへくさ穂だ」

続いて大きな粟の釜の蓋を開けると、辺りに粟のいい香りが。

「うむ、美味い。香りも素晴らしい。これからは大きな粟の穂だけ取りなさい」

小僧のたくらみはまんまと成功したのでした。めでたしめでたし。




追記・修正はへくさ穂の臭いに耐え完食できる方がお願いします。

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