「修羅」の頂 VAN・ベートーベン

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「修羅」の頂 VAN・ベートーベン - (2023/07/25 (火) 01:11:31) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/02/08 Sun 10:37:48
更新日:2024/03/29 Fri 18:51:36
所要時間:約 9 分で読めます






鬼丸との戦いの最中、ベートーベンは修羅の頂へと達した。




「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DMX-13「ホワイト・ゼニス・パック」で登場したキング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニスである。

背景ストーリーでは《「戦慄」の頂 ベートーベン》が《真実の名 修羅丸》に戻る途中の姿であり、まだドラゴンの時。
通称「修羅VAN」「VAN」「VAN様」。


解説


修羅(しゅら)」の頂 VAN・ベートーベン 無色 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 14000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーをすべてバトルゾーンから持ち主の手札に戻す。
相手がコマンドまたはドラゴンをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。
T・ブレイカー
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

DMX-13「ホワイト・ゼニス・パック」のスーパーレア枠であり、入手は困難。
だがその入手難度に見合った強さを持つ。

まず、召喚時限定cipではあるが相手のクリーチャーをオールバウンスする。
「かの有名なキング・アトランティスと同等の能力を相手だけに与える効果。デュエル終盤は重たいクリーチャーが多いので、バウンスされると再召喚までのテンポ・アドバンテージが…」

VAN「いやいや、そんなちゃちなもんじゃないって」
プレイヤー「というと?」

なんとこいつ、全体バウンス持ちにも関わらずコマンドとドラゴンが場に出ようとした時、かわりにそれを墓地においてしまう。
場にそもそも出せないのである。つまるところ強力な効果持ちのコマンドやドラゴンたちも手札で腐る、というわけ。

ある意味ではキング・アトランティスの持っていた「Cip持ちを再利用される」というデメリットをコマンドとドラゴン限定ではあるがシャットアウトすることができるのである。おまけにエターナル・Ωを持っているため下手な除去ではまた全体バウンスが飛んでくるという鬼っぷり。

【連ドラ】をはじめとした、ありとあらゆるドラゴンデッキや各種コマンドを切り札にしたデッキはまさにこれ1枚で存在意義を否定される。
これをあえて【連ドラ】全盛期に出してくるあたりがウィザーズとタカラトミーの本気を伺える。

なお自分もコマンド・ドラゴンなので、自分自身ドラゴンをサポートするタイプのデッキに投入できる。
踏み倒した場合はオールバウンスする効果は発動しないが、常在効果だけでも連ドラに投入するメリットがある。
…というか、自分がVANを出していれば相手はVANが出せないので「お守り」としても好まれていたのである。
今は《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》の登場でその意味での投入はめっきり減ったが、現在でも一部のデッキには積まれる。

また、《龍覇 ザ=デッドマン》を主軸にしたデッキでは、5コストで効果を発動できるため、相手のドラゴン封じに使える。
なおザ=デッドマン自体がドラゴンで、ザ=デッドマンを主軸にしたデッキはやはりドラゴンをメインとしたデッキである。
なんでこいつドラゴンデッキに同型メタとして積まれることが多いんでしょうねえ…。

なお【ターボゼニス】では意外と相手のVANにひっかかって出せなくなりがちなこいつよりは、
「祝」の頂 ウェディング》のほうが好まれやすい。無論相性が悪いわけではないので、こちらにも考慮の余地はあるか。


相性の良いカード


龍世界 ドラゴ大王 火文明 (10)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン 13000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体と、相手のクリーチャーを1体、バトルゾーンから選んでもよい。その2体をバトルさせる。
ドラゴンではないクリーチャーがバトルゾーンに出る時、バトルゾーンに出るかわりに持ち主の墓地に置かれる。
T・ブレイカー

偽りの王 ナンバーナイン 光文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 9000
相手は呪文を唱えることができない。
W・ブレイカー

この3体が並んでいると、当時のカードプールでは《疾封怒闘 キューブリック》以外で突破できないという強固なロックが完成する。3体必要とはいえかつて猛威を振るった、かのキング・クイーンロックよりもさらに突破が困難となったロックである。
ただし現在では置換効果に関するルール変更によりS・バッククリーチャーのコストとして《斬隠蒼頭龍バイケン》を捨てる場合のマッドネス発動、《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》のDスイッチといった突破手段が存在する。
なお《偽りの王 ナンバーナイン》は《光神龍スペル・デル・フィン》でも代用可。
全員コマンド・ドラゴンであるため、並べるのは容易で、【ライゾウ連ドラ】やデッドマンデッキなどで実現可能。
《運命》を軸にした【ベートーベン連ドラ】や【ラララオプティマス】でも出せてしまう。
殿堂ゼロデュエルでは【エンペラー・キリコ】でも並ぶ。なんだこれ。

しかもキューブリックや《陰陽の舞》が規制されたことで追い風が吹いてたりする。えげつないなこいつら…
3体揃えなきゃいいんだろ、と思うかもしれないがどの2体が並んでもかなり凶悪なロックであり、案外看過できない。


メタ


基本的にコマンドやドラゴンを主軸にしなければどうということはないのだが、
デュエル・マスターズの二大花型であるコマンドとドラゴンをメインにしないでデッキを組むのは
ウィニーを軸とした場合ならともかく、重量級に頼るデッキでは難しい。

そのため、例えばそもそも離れなかったり、置換効果で居座るタイプ(ギャラクシー系列)なんかは優秀だろうか。
他にはcipをトリガーさせない《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》もメタとしては優秀。

そして一番優秀なメタは、自分自身である。
このため、両方にVANがデッキに入ってることが判明した瞬間、早出し合戦になってしまうことも。

一時期はドラゴンサーガ、革命編とドラゴンとコマンドがフィーチャーされていたということもあって、強力なドラゴンやコマンドが跋扈していた中この効果により強く立ち回ることを可能にしていたため非常に高騰していたが、DMX-22「超ブラック・ボックス・パック」において再録されたため多少は落ち着いた価格となった。
…だが、この効果故に再びドラゴンやコマンドが環境に現れた時にはまた活躍することが約束されたクリーチャーでもあるため、値段、そして何よりデュエル中の不意の登場に関しては油断ならない。


備考


デュエルマスターズの歴史とドラゴン及びコマンドについて

実際、デュエルマスターズの歴史においてドラゴン、コマンドはどれだけ活躍しただろうか。
結論から言うと、(少なくともVAN登場以降から本節執筆現在まで)活躍していない時期がほとんど無い

本カードが登場したエピソード2期はそもそもドラゴン大躍進の時代である。強力なコマンド・ドラゴンがハンター、アンノウン陣営問わず出現し、エピソード1以降起きた大きなインフレの一因を担っていた。
続くエピソード3では主軸がアウトレイジ/オラクルへと遷移した為、強力なドラゴンの新規が刷られることこそ無かったものの、この時代はカードスペック自体がデフレ傾向にあった為、環境の中心は変わらずエピソード1、2のカードが担う事となる。当然、前シーズンと顔ぶれ変わらぬコマンド・ドラゴン達がそこにいた。
エピソードシリーズにも終止符が打たれたドラゴンサーガ、革命編、革命ファイナルではドラグハート、侵略、革命チェンジ、封印といった初登場から既に10年弱が経つにもかかわらず現代にまで通用する強烈なギミックが登場。
そしてこのギミックの使い手もまたドラゴンとコマンド達であり、この3年間は特にこの2種族の天国と言えた。

新章に入り背景ストーリーからドラゴンが姿を消し、コマンドもまたそれに呼応するように消え去る。当然これらの新規は増えなかったが、革命チェンジや侵略の使い手は変わらず強力なギミックとして、新カード達のインフレしたカードパワーに押し負ける事無く環境に残存。
さらに背景ストーリーも無印終盤から双極篇にかけて「失われたドラゴンを復活させる」という方向に舵を切り出したため、サッヴァークやジョラゴンといった環境でも活躍する強力なドラゴン達が誕生した。
続く十王篇、王来篇、王来MAXの『王』を巡る三部作の物語の中で、デュエマ20周年の歴史が『龍の王の歴史』と定義される。
主人公であるモモキングや主要人物となるダイナボルト、ゲンムエンペラー、ギガンディダノスが新たなドラゴンとして登場。その他新規ドラグハートが登場するなど、革命ファイナルにも負けないドラゴンの時代となった。ドラゴンと比べると活躍幅は小さくとも、コマンドも主要人物の一人である魔王と天使がデーモン・コマンド/エンジェル・コマンドを併せ持っている。また(鬼)レクスターズ及びディスペクターとして過去のドラゴン、コマンドが多数復活を果たした。

時が移り龍の時代が邪神の時代へ移ったゴッドオブアビスでは再びドラゴンが主要種族から退くも、エピソード3や新章のように姿自体消え去った訳ではなく、複数のドラゴンが主要種族と結びつくような形で誕生。龍の因子は今なお続いている。


上記からわかる通り、ドラゴンとコマンドは常にデュエルマスターズの最前線で活躍しており、それは翻せばVAN・ベートーヴェンが一切合切刺さらない時代は無かった事を意味する。
ただし、本カードが登場した時期と比べて現在ではゲームスピードが全く違う為、出せれば強力でもそもそも登場を間に合わせることがかなり難しくなりつつある。
加えて近年では低コストの強力な3色カードが増加しつつあり、これらを採用しようとするとどうしても無色カードの存在は足を引っ張る。だからといってこれらの採用を見送れば彼を活躍させやすい多色系のデッキはデッキパワーを大きく下げる事になる。
このように能力自体は今でも刺さるし強力であるにも関わらず、ゲーム性質の変化により彼の採用率は歴史が進むにつれ低下していっており、少なくとも2023年現在の環境で彼を活躍させるのは難しい。
ただし、逆に言えばゲーム性質もまた水物でありカードプールの増加に伴って変化する可能性はある。今後デュエルマスターズが再びロングゲーム志向へ傾けば活躍の可能性はある。
また、彼を強引に早期から踏み倒すことが出来、またデッキ内の色種類も増やさず構築できるようなデッキもある事はあるので、彼の立ち位置が現在全くない訳でもない。
以前ほど「とりあえずファッティ主体のデッキなら入れとけ」と気軽に扱えるカードではなくなっただけである。



追記・修正お願いします。

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