DRAGON BALL- 放たれた運命の子供

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DRAGON BALL- 放たれた運命の子供 - (2015/03/21 (土) 22:52:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/03/21 Sat 20:13:59
更新日:2023/03/27 Mon 19:44:31
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『DRAGON BALL-(ドラゴンボール マイナス) 放たれた運命の子供』とは、鳥山明による漫画『銀河パトロール ジャコ』の単行本に掲載された作品。
コミックス描き下ろしのスペシャル おまけストーリーで、『銀河パトロール ジャコ』及び『ドラゴンボール』の前日譚にあたる。
『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空が地球へと飛び立つようすが描かれる。

本作にて、悟空の母であるギネが初登場。
また、鳥山明の手によって惑星ベジータの様子が描かれるのも本作が初である。

◆あらすじ
悪の帝王フリーザの傘下の元、数々の星を侵略していた戦闘民族サイヤ人。
その中の一人、バーダックもまた侵略先の星で戦いを繰り広げていた。
そんな中、フリーザより全サイヤ人に惑星ベジータへの帰還命令が出される。
命令の裏に不穏なものを感じ取ったバーダックが取った行動は・・・

◆登場人物
カカロット(悟空)とラディッツの父親であるサイヤ人。
元々はTVアニメ版のスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』で登場したキャラクターであり、そのスペシャルを見て作者が感動したため、原作でも登場したという経緯がある。
鳥山明の漫画作品にバーダックが登場するのは、その時の登場以来となる。
TVスペシャルや原作登場時とは違い、戦闘服は肩パッドのあるものを着用している。
また、頭に巻いていたバンダナ(TVスペシャルでは元々トーマが身に着けていたもの)も着けていない。
他のサイヤ人と比べ、冷静な判断力やわずかな人間性も持ち合わせており、「仲間を救う」というサイヤ人には珍しい行為から一部の下級戦士からは強く慕われているとの事で、作中でもサイヤ人達から敬語で話し掛けられているシーンがある。
本作では息子であるカカロットやラディッツを気に掛ける描写が見られ、ギネからは「サイヤ人らしくない」と言われ、「おまえの甘ったるい病気がうつった」と返している。

  • ギネ
本作にて初登場した、カカロット(悟空)とラディッツの母親。
本作では描かれなかった作者の設定によると、かつてはバーダック達と4人でチームを組んで闘っていたが、穏やかな性格のために戦闘員には向かず、何度もバーダックに危機を救われていた。
やがて二人の間には特別な感情が生まれ、サイヤ人にしては珍しく、繁殖目的以外で絆で結ばれた関係となった。
後に惑星ベジータの肉の配給所で働くようになったとの事で、本作での登場時にもその様子が描かれている。

バーダックとギネの次男で、後に孫悟空と呼ばれる運命の子供。
3年の間保育機に入っており、そろそろ出る時期を迎えようとしていた。
バーダックによって丸型ポッドに入れられ、地球へと飛ばされた。

サイヤ人達を使役する悪の帝王。
「サイヤ人は忠犬になりきれない」として、母星である惑星ベジータごと滅ぼそうと企む。
サイヤ人を滅ぼす前に、「超サイヤ人」や「超サイヤ人神(ゴッド)」の情報を集めさせていた。
原作で側近であったザーボンとドドリアは登場せず、彼の側には原作には登場しない姿形の宇宙人達がいる。

バーダックとギネの長男でカカロットの兄。
戦闘員となり、ベジータ王子と組んで遠くの星へ侵攻中だった。
本作の描写により、原作での「オレともうひとりはよその星を攻めていた」という台詞中の「もうひとり」がベジータである事が判明した。
そうした場合、悟空と同様に星に送りこまれていた(本作では「飛ばし子」と呼ばれている)方はナッパという事になる
(ちなみに『たったひとりの最終決戦』では、ナッパはベジータの側に仕えていた)。
悟空が地球に送られる時、ギネが「このことはラディッツにも伝えておく」と言っている事から、悟空が地球にいる事は彼女から聞いて知ったと思われる。

サイヤ人の王子。ラディッツと共に遠くの星へ侵攻していた。
フリーザからの帰還命令を受け取るが、「聞こえなかったフリをすりゃいい」と言って全く相手にしなかった。
本作ではまだ異星人の亡骸は食べず、果実らしきものを食べている。
『たったひとりの最終決戦』とは髪型及び戦闘服のデザインが異なっている。

  • ジャコ
銀河パトロール隊員。『銀河パトロール ジャコ』の主人公。
地球へ向けた飛行体(悟空の入ったポッド)を確認した銀河王より、地球を救う命令を受け、地球へと飛び立つ。
悟空よりも3日早く地球に到着し、その時の出来事が『ジャコ』にて描かれる。



本作と『たったひとりの最終決戦』は、「悟空が地球へと飛び立った頃を描いた」「悟空の父バーダックが登場する」という共通点はあるものの、ストーリーや設定は大きく異なっている。
共通して登場するキャラクターも悟空、バーダック、フリーザ、ベジータの4人のみである。
主な設定の違いには、以下のようなものがある。
  • バーダックは、『たったひとりの最終決戦』では子には全く関心を示さない性格だったが、本作では子達を心配する様子を見せている。
  • 地球へと飛び立った時の悟空は『たったひとりの最終決戦』では生まれたばかりで裸だったが、本作では生まれてから3年経っており、戦闘服を着せられている。
    原作でラディッツがカカロットの名を出している場面では、裸の赤子の悟空が描かれているが、これはラディッツが保育機に入っていた頃の悟空しか見ておらず、その時の姿を思い浮かべたのだとすれば矛盾はなくなる。
  • 原作でも描かれていたバーダックとフリーザの戦いは、『たったひとりの最終決戦』では悟空が地球へ飛び立ったのと同時期だったが、本作に準拠した場合、飛び立った一ヶ月後の出来事となる。
  • バーダックの戦闘力は、『たったひとりの最終決戦』では「一万近く」とされていたが、本作と同時期のインタビューで作者はバーダックの戦闘力については、「そこまでは考えていない」としながらも、「下級戦士としては上位にいるが中級戦士にはなれていない」(戦闘力が上がれば下級から中級に昇級できる)としている。
    しかし、数千人あまりのサイヤ人の中でも中級戦士は10人ほど、上級戦士はベジータ王とベジータ王子の2人だけであるとされている事から、サイヤ人の全体の中でも上位におり、フリーザの記憶に残るほどの抵抗を見せたのは確かである。



悟空と16歳のブルマが出会ったのがエイジ749、『銀河パトロール ジャコ』ではブルマが5歳なので『ジャコ』の出来事はエイジ738という事になる。
つまり悟空が地球に到着したのもエイジ738となる。
しかし、これまでの設定では、惑星ベジータの消滅はエイジ737、悟空の誕生や悟空が地球に到着したのもその同年であるとされてきた。
本作の出来事がエイジ737の出来事(悟空は1年後に地球に到着)だとしても、悟空は3年間保育機に入っていた事から、遅くともエイジ734生まれという事になる。
年齢の矛盾を抑えるとなると、孫悟飯が拾った時点での悟空の年齢を1歳と判断した(実際は4歳)、とするのが適当だろうか。
原作では亀仙人が孫悟飯から「赤ん坊を拾った」と聞いた事を語っているが、悟空の姿を見てバーダックが「大きくなったな」と言っている事から、本作では既にある程度成長した後である。
そして悟空の息子の悟飯の初登場時も4歳であるが、これを「赤ん坊」と呼ぶにはやはり厳しい。


追記・修正は夜に丸型ポッドを盗んでからお願いします。

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