登録日:2015/5/8 (金曜日) 07:37:57
更新日:2024/04/08 Mon 10:11:09
所要時間:約 7 分で読めます
XBLAZE CODE:EMBRYOとは2013年7月15日に
アークシステムワークスより発売されたPS3/
PSV用のADVゲームである。
【概要】
アークの25周年記念作品の第一弾。
ジャンル名は「蒼き運命のアドベンチャー」となっているがたぶん
NTの抹殺はしない。
『
BLAZBLUE』(以下BB)と世界観を共有しておりBB本編の150年前の日本を舞台にしている。
ただでさえ好みの別れるBBのストーリーへのファンへという相当ニッチな方面に向かった作品。
尤も発表当初はそのファン層ですら「えっ……何これは……」といった状態であったのだが。
BB同様に中二全開のストーリーであるが、BBがいわゆる邪気眼系の中二ならXBLAZEはラノベ系の中二といった風で少しばかり毛色が異なる。
どちらにせよBBのシナリオを楽しめる人ならば問題無く受け入れられる……ハズ。
というか一つのADV作品として見るのではなく、BBの外伝的なものとして見た方が賢明である。
地の文が殆んど無い為話のテンポが良くアニメ的な演出も多いのが特徴。
……というか動かないアニメと言った方がしっくりくるかも。公式でもオートリードを推奨しているし。
その為、この手のゲームに慣れておらずともすんなりと読み進める事ができるが、一方でキャラの心理描写が薄くなってしまうという難点も抱えている。
世界観こそ同じだが話自体は単体でまとまっており、
BB譲りの専門用語の山についてもワンボタンで見られる用語集が用意されておりBB未プレイの方でもでも安心。
しかしBBを知っているとニヤリとできる点、知っているからこそ先が気になる、
楽しめる点も多い為、先にそちらを(CS辺りまでは)プレイしておくことを推奨する。
ルート分岐はヒロイン四種+BAD+ギャグの六つ。
ただし、どのヒロインのルートも手放しに喜べる終わり方をしておらず、
マルチバッドエンドとまでは言わずともマルチビターエンドと言うべき内容である。
(ちなみにBBの正史ではこの後日本には黒き獣が出現。黒き獣への核攻撃により日本という国は消滅するどっちみちバッドエンドな内容である。)
また、上述の様にサクサク話が進むのに加え、
ヒロイン四人の内二人ずつがそれぞれ途中まで内容が共通なので、若干ボリューム不足を感じやすいかも。
BBでもお馴染みのギャグルートは完全に一つのルートとして独立しており、
専用のスタート画面、スタッフロールも用意されているというという手の込み様。
そしてシナリオは相変わらず好き勝手やっており、本編以上に好みの別れる内容ではある。
……というかその労力をもっと本編に費やせという気もするのだが。
クリアルート一覧を見てギャグルートの欄に真ルートがあることを期待して絶望した人もいたとかいないとか。
なお、現在は本作の続編にして完結編、XBLAZE LOST:MEMORIESが発売されている。
【TOi】
本作独自のシステムで、作中世界で人気を博しているアプリケーションで持ち主の好みに合わせて情報を収集してくれるというもの。
ゲームを読み進めていくと、適時
まとめブログ風のニュース記事がTOiに表示されてゆく。
その記事を「見る」か「見ない」のかによってストーリー展開に影響を与えていく、要は選択肢の代わりである。
その性質上一周目は狙ったルートに入るのは難しいが、二週目以降は既読/未読の切り替えが自由になり、
読む前から誰のフラグに影響するか判るようになるので心配御無用。
【A.O.S】
「Abstract Outline System 」というややこしい名前の略でいわゆる「これまでのあらすじ、予告お知らせシステム」。
本編のボリュームの割にはやたらと気合いが入っておりほぼ全てのシーンで複数個用意されている。
……やっぱり力の入れ所が間違っている気がしないでもないが。
【あらすじ】
新横崎市の高校生、篝橙八はある日謎の「鈴の音」に導かれて閉鎖特区にやって来た。
そこで危ないおっさんに絡まれた橙八はおっさんのビーム砲で危うく殺されかける羽目に。
死ぬかと思ったその瞬間、謎の少女、Esの攻撃によって窮地を救われる橙八。
それからというもの怪しい人たちから狙われることになった橙八の元には色んな人がやってきてさあ大変。橙八の運命やいかに。
【用語】
物語の舞台となる都市で十年前に起きたワダツミ集団消失事件で知られている。
事件があった場所は不毛の地と化しており、現在は閉鎖特区として立ち入りは禁止されている。
事件の名前は集団消失の中心点にあった研究所に由来する。
体表に結晶状の物質、「クリスタル」が発生した人々の総称。ワダツミの後に急増した。
大気中に漂う微細な粒子状物質、「魔素」を感覚的に操ることで特殊能力、「ドライブ」を発動することができる。
症状が進行するごとに精神汚染が進み異常行動をするようになる。
基本的に一度発症すると治療する手立ては無い。
D発症者を保護、研究する為の組織で対抗戦力として「対能力者兵士」を保有している。
また、学校一つをポンと買収できる程度には権力のある連中でもある。
BBでもお馴染みの世界のどこかにあると言われる孤島。
魔術師、魔導協会の本拠地であり、御剣機関とは別で独自にD発症者の研究を行っている。
閉鎖的で知識と人材の流出を極端に嫌っており、島を出るだけでも一苦労。
非常事態でも必要最低限の人材しか派遣しない。
魔導協会に認められた優れた魔術師たちの総称。
こっちもBBでお馴染みだけど何故かドイツ語読みに(BBでは英語読み)。
十人の定員がフルに埋まったことは無いらしく、近年は十聖の称号自体が取引の道具と化しているのだとか。
得体の知れない何かでどうやら凄い力があるらしい。
【主要登場人物】
BBが豪華声優陣というのを売りにしているのとは対照的に、
メインキャラにはよく言えば新人、悪く言えばマイナーな声優をあてがっているのが特徴的である。
CV 菊池幸利
アゴの目立つ主人公で、白凰北学園に通う高校生。温和でお人好しな性格。
ワダツミの数少ない生存者であり、母親が研究所の中心人物であったことに負い目を感じている。
D発症者をに対して優れた探知能力を持つことから上記の事情も合わせて御剣機関に協力することに。
また、「魔導書」を持つという理由で十聖たちから狙われているがが本人に自覚は無い。
基本的に無力な守られ系主人公だが身勝手な行動も多い困ったさん。
尤も彼自身かなり無茶苦茶なことをしているとの自覚はあるようだが。
CV 野村真悠華
ヒロイン。身の丈以上の太刀を操る御剣機関の優秀な対能力者兵士でお人形さん。
口数少なく無感情で命令に忠実、それでもって戦闘以外についてはまるで無知。
彼女の装備に関しては上司の趣味なのだとか。
橙八の護衛の為に橙八の元に居候、白凰北に転入する。
素体っぽいが
コンドムじゃない。……だって
ある部分が決定的に
異なるし。
彼女のルートが真ルートに最も近い扱いの為最後に残しておくのがオススメ。
そしてクリア後にBB本編への登場を期待するのまでがデフォ。
人気投票一位。
CV 持月玲依
ヒロイン。おっとり天然でぽわぽわした性格の橙八の同級生。
橙八や姉の由貴と共に同じ施設で育ち、現在は三人一緒に家族同然に暮らしている。
(橙八自身はあくまで居候と考えており、バイトして生活費を納めようとしているが。)
日頃帰ってこない姉の為に家事などは一通りこなす。
家に居候がどんどん増えていってもまるで気にしない猛者。
非戦闘員故にシナリオ展開の蚊帳の外かと思いきや……
ちなみにTOiを全て見ていると行きつくのは彼女のルート。
CV 近藤唯
ヒロイン。イシャナから裏切り者の十聖の拘束の為に派遣された、
炎の扱いを得意とする実力派の魔術師。名家のお嬢様で明朗かつ正義感の強い性格。
十聖の狙いを探る為に橙八の護衛に協力、姫鶴家に居候して白凰北に転入したきた人その2。
切り札は
某赤髪の人でお馴染みのアレ。
CV
水瀬いのり
ヒロイン。御剣機関と協力関係にある天ノ矛坂家の次期当主で陰陽術の使い手。
白凰北学園の一年生で橙八達からすると後輩にあたる。
早いうちからD発症者対策にあたってきた為か年の割に胆が座っており、誰にでも尊大な態度をとる。
かつて家を潰されかけた恨みから魔導協会と魔術師(要は久音)を敵視している。
ちなみに後に家庭用BBCPで登場した
天ノ矛坂焔とは中の人は同じ。
巨乳揃いのこのゲームでは貴重な
貧乳枠。
CV
櫻井孝宏
御剣機関の所長でありEsの上司。則ち変態。誰得な水着姿もあるよ。
作中で「ヒラヒラした喋り」と形容される様な飄々とした人物で、胡散臭さに関しては
この人に通じる部分があるかも。
CV
杉田智和
魔導協会から「六番目」の称号を与えられた十聖の一人。重力の魔術を操る。
同じく十聖のドライ(ガチムチ)、アハト(おばさん)と共に、
魔導協会から離反し独自に行動を開始、橙八が持つとされる「魔導書」を狙う。
無口で無表情、無駄を嫌いまるで何を考えているか分からない男。
その声やカラーリングから、
某ブラッドエッジとの関連性が期待されていたが別に何とも無かったぜ!
禅問答とバッドエンド時に橙八くんを殺害するのがお仕事。
「了解。項目の追記修正を開始します」