がっこうぐらし!

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がっこうぐらし! - (2017/04/16 (日) 09:40:25) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/07/11 Sat 06:50:00
更新日:2024/04/17 Wed 13:03:44
所要時間:約 4 分で読めます





さいきん、がっこうがすきだ


がっこうぐらし!とは、巡ヶ丘学院高校で楽しく寝泊まりして暮らす学園生活部の日常を描いたほのぼの日常系コメディである。
原作はまんがタイムきららフォワードで連載されており、2016年1月現在で既刊7巻。
1~5巻が高校編、6巻以降が大学編となっている。
2015年夏にアニメ化された。昨今流行りのゆるふわで日常系なジャンルの一作である。

原作者は「ギルティギア」、「式神の城」などのノベライズを手掛けた海法紀光、
作画は「アイドルマスター シンデレラガールズ あんさんぶる!」千葉サドル。


【登場人物】
  • ゆき
CV:水瀬いのり
本作の主人公。帽子が特徴的な天然でお気楽なピンク髪の少女。キャラデザではとてもそう見えないが高3である。
学園生活部の生活を心から楽しんでいる。

  • くるみ
CV:小澤亜李
ゆきの親友。キャラ付けの一環として常にシャベルを持っているが恥ずかしいと穴を掘って埋まったりはしない
こちらも高3だがサバサバした性格のため特に違和感はない。

  • りーさん
CV:M・A・O
みんなのまとめ役なしっかり者。普段はのんびりしているが怒らせると怖いオーラを発する。
本作におけるおっとり系美少女枠。高3。

  • みーくん
CV:高橋李依
部員の中で唯一の二年生、かつ中途参加なので生徒としても部員としても他の3人の後輩になる。
常識人なのでゆきの言動に振り回されたりツッコんだりしている。
原作では一人だけ加入するのが遅かったがアニメだと最初から部員の一人。

  • めぐねえ
CV:茅野愛衣
国語の先生で学園生活部の顧問。部員の4人の天然な言動を生温かく見守っている優しいお姉さん。
微妙に影が薄く、ゆき以外の3人からはスルーされる事が多い。

CV:加藤英美里
学園生活部で飼っているわんこ。ゆきにとてもなついており、手で教室のドアを開けるくらい器用な子。
原作ではゲストキャラだったが、名前が同じ別の犬としてアニメ化に際しまさかのレギュラー昇格。
声が声だけにいつ喋りだすか気が気じゃない

追記・修正は学校で一夜を過ごしたことがある人にお願いします。















※この先ネタバレ注意!
































はっ……はっ……先輩!







あ、みーくん、どうしたの?(血まみれの教室の真ん中で屈託のない笑顔をしながら)

一つ言い忘れていたことがある。
この作品の企画は「魔法少女まどか☆マギカ」「翠星のガルガンティア」などのニトロプラス
(海法氏はフリーだが、「夜刀史朗」名義でニトプラ作品に携わっている。またアニメ脚本の面々も一応フリーだが、ニトロの周辺人物で固められている)

ニトロプラスのきらら初参入作品ということで「何かある」と感じ取った方、それは正しい。
この時点で、警告だと気付かなければいけないのだ

本作の正体は「日常系の皮を被った学園ゾンビサバイバルホラー」である。

実際は校舎の外の世界その物が「ゾンビが蔓延る世界」であり、様々な苦難の果てにゆきは精神を病んで壊れてしまった。
本編での明るい出来事である「日常」はゆきの妄想であり、「ゆきの視点から見た現実」。
居もしない同級生や先生と会話し、既に割れた窓を閉めようとしたりとゆきは最初から「狂っている」
そんな彼女を介護しつつ、スコップなどで迫りくるゾンビと戦っているのが学園生活部の真実であった。
設定だけでいえばさよ教にも並ぶ救いのなさ。

日常系アニメのヒット作であるアレにかけて「ぞんぞんびより」と呼ばれることも。
また、学園×高校生×ゾンビつながりで「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」とのリンクやら共通性を見る人もいる。

なおアニメの第1話は、最後の数分になるまで徹底して狂ったゆきの視点から描かれた。
そのため前情報なしでは単なる日常系アニメにしか見えず、「ここにキャンプを建てよう」「ここが次の難民収容所か」
と言っていた視聴者の緩みきったテンションを一気に「地獄」へと叩き落とした。
収容所は収容所でもガス室だったというオチである。

第1話でゆきの発狂をネタバラシするというある意味作品最大の山を越えてしまったため第2話以降はパワーダウンするという懸念もあったのだが、
実際は正気を保っている残りの部員達も全員何かしら隠している連中ばかりとあって、まだまだ波乱がありそうである。
なおネット配信での各話あらすじではまだまだすっとぼけている

前述のとおり企画はニトロプラスだが、脚本陣のほとんどは海法氏のTRPG関係の人脈である。
これなんてカオスフレア(Aの魔法陣でも可)?



以前放送されていたまんがタイムきららフォワードCMの本作紹介(学校を囲む不穏な多数の影が登場)で、いろいろ察した人もいた。
それでもここまで話題になったのは、やはりきらら系列という一見安心できる要素と放送前の徹底したフェイク宣伝の賜物だろう。
その騙しっぷりは公式HPのキービジュアルを第一話の放送後に日常系らしさ溢れるものから廃墟でボロボロな姿にまるまる差し替える程。
原作が程よくマイナーなのと、上記の点などいちいちチェックしないライトなアニヲタ層が増えたのを利用した戦略がうまくはまった一例である。

……とはいえ、一応原作付きなので既読者はすでに解っていた話であり、公式Twitterでは初めから
「ゾンビたちに囲まれた町で学校に寝泊まりする少女たちを描いた、ちょっと異色?のホラー漫画」という詐欺じゃない説明がなされている。
というか、連載誌もきらら系列では異端の「芳文社の」と表現される「フォワード」である。
勘が鋭ければ「(ニトロプラス)」の一文がなくとも「何かある」とは気付いたであろう。
放映前の原作の知名度のなさっぷりに古くからのファンの多くが涙した。
といってもこの説明から主人公が発狂しているというメチャクチャな設定を察する人も少ないと思うので、これもこれで詐欺っているかもしれない。

ゾンビを題材にしたホラー、サイコサスペンス、アフターホロコースト、サバイバルと内容は(嫌な方向に)盛りだくさんだが
登場人物が基本的に前向きなので読後の印象は悪くない。
ただし「アニメは原作と内容が若干変わる」と予め予告されており、実際「みーくんが最初から合流している」「太郎丸がレギュラー化している」など
1話の時点で既に変更点が多々存在するため原作における動向は必ずしもアニメにおける無事を保証する物ではない

…大丈夫だよ、ね…?

OP:「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」 
歌うのは学園生活部。恒例の声優ユニット楽曲である。
なんというか色々と察せられる歌詞とタイトルである。
この歌詞を作ったのは「悲しみの向こうへ」でおなじみくまのきよみであり、この時点で「気付いた」人もいるかもしれない。
この時点で、警告だと気付かなければ(ry
1回目に聞いたときは単なる電波ソング、2回目に聞いたときには皮肉に聞こえるが、原作既読者にとっては「この作品の本質を凝縮したすごい歌詞」らしい。
なお「したい」が「死体」であることは第1話放送後のキャストインタビューで明かされたが、それはもう「知ってた」としか言えない。
だが、これからフレンド(と)死体(に立ち向かう)のか、それともフレンド(が)死体(になる)のかはまだ未知数である。

ED:「ハーモナイズ・クローバー」
色々と包み隠しているOPに対し、こっちは自重せずに悲しい現実を叩き付ける。
この曲を歌う黒崎真音は2010年7月に放送された「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」の毎週変わるエンディングテーマを熱唱しているため、
彼女を抜擢した時点で気付いたファンも。
この時点で、警告だと(ry

ED2:「アフターグロウ」
第6話より使用されている新ED曲。歌うのは再び黒崎真音。
「ハーモナイズ・クローバー」の続編のような曲で、「ハーモナイズ(ry」が「オレンジ色の夕焼け」をモチーフにしているのに対し、こちらは「夜に近い夕焼け」をイメージしている。
楽曲のテーマは慰め
Afterglowとは「残光」「余韻」を意味している。三つの絶望とは多分関係ない。

【真実のキャラ紹介(原作ネタバレ有)】
以上の理由により、以下のキャラ説明も必ずしもアニメと一致するとは限らない事に注意。

  • 丈槍 由紀 (たけや ゆき)
本作の主人公。ゾンビ騒動を機に幼児退行した後、慈の死をきっかけに現状を認識できなくなったかのような言動をとるようになる。
校内における「学園生活部員」以外の人物は全て彼女の妄想の中にしか存在しない。
既に現実を理解できなくなっているが、疲れた顔をしている悠里と胡桃を見て以来、せめて自分だけでも笑っていようと心がけている。
希に正気を取り戻した上で行動している描写があるが、行動後はまた元に戻ってしまっているようだ。
…と思ったら、6巻ではほぼ完全に正気を取り戻しかけている風である事が判明した。とは言えその行動が『頼りになるようになった』として仲間からは受け入れられている。

なお、ニトロの格闘ゲーム「ニトロプラスブラスターズ」に何故か参戦(原作にニトロが関わっているため、ニトロキャラに分類されていう模様)。
いわゆるストライカー枠で、敵にゾンビをけしかけるという衝撃的な技「クラスのみんな」を使用する。
言うまでもないが彼女にゾンビを操る能力は無い。
…まぁ、ゾンビに襲われる側が格ゲーに出た時にゾンビをけしかけるなんてのは前例があるので気にしたら負け。


  • 恵飛須沢 胡桃(えびすざわ くるみ)
かつては陸上部に所属しており、そこで培われた脚力や運動能力で由紀達を助ける。
学園生活部における身体労働(ゾンビとの戦闘を含む)はほぼ全て彼女が一手に担っている。
一人で地下へ偵察に向かった際、ゾンビ化しためぐねえと遭遇。動揺して殺す事ができず、手傷を負わされてしまう。その後もはやゾンビ化待った無し…と言うかほぼ「なった」のだが…!?
みーくんの確保したワクチンによってとりあえずゾンビ化自体は一時的に免れたものの、体温がかなり低くなったり、ゾンビに人間と認識されていない等、物語が進むごとにヤバいフラグが立ち始めている

  • 若狭 悠里(わかさ ゆうり)
慈が姿を消した後も生活部のリーダーとして皆を纏めていたが、精神的に限界に近づきつつある。
部員たちから頼られている反面、彼女が部員たち(特に由紀の存在)に依存している部分も大きい。
原作6巻ではその精神が完全に限界に達しており、ゆきでないにも関わらずめぐねえの話題を自分から振ったり、原作6巻で参入する新キャラであるるーちゃんは確定こそしていないもののりーさんの幻覚だと匂わされていたりなど、正気を取り戻しつつあるゆきとは立場が逆になりつつある。アニメ版では「そつぎょう」までに少し猶予があったため精神崩壊の決定的なフラグは立たなかったが(「るーちゃん」につながる人形を置いて行っている)、学院を去る間際にめぐねえの姿をチラッと見てしまったりと、少し疑わしい部分は残っている

  • 直樹 美紀(なおき みき)
友人の少女(圭)と一緒に帰宅途中寄り道をしていたショッピングモールで被災する。その後、ショッピングモールで生き残った人たちをまとめていたリーダーがゾンビ化して他のメンバーを襲ったことでグループは崩壊、圭と共になんとか生き残った彼女は、来るかどうか解らない救助を待ちながら鬱屈とした日々を過ごす。やがて圭すらもそんな日常に耐えられなくなり出て行ってしまい、その後も一人で生活していた所を、学園生活部に救出される。遊んでばかりの学園生活部の方針に打ち解けることができず、度々トラブルを起こしていたが由紀の内心を聞いたことで和解、正式に学園生活部の一員として「入部」する。

  • 佐倉 慈(さくら めぐみ)
教職員ただ一人の生き残り。災害発生以後、生き残った3人の生徒の教師として奮闘していたが、ゾンビに噛まれ傷を負って以後姿を消している。
学校に閉じ込められた3人を勇気づけるために、「私たちは学校で楽しくお泊りしている」という名目の「学園生活部」を創設した。
だがそれは、精神的に限界を迎えていた由紀に現実逃避先を与え、彼女の幼児退行のトリガーを引いてしまうことになった。その結果他の二人が「由紀の世話をする」というただ一点だけでかろうじて団結するというかなり危うい状況をも作り出してしまったのだが、その現実からは目を逸らしていた。
(彼女の残した「遺書」では「丈槍由紀の時間を止めたのは私だ」と懺悔している)

本編で由紀が見ている「めぐねえ」は由紀の妄想内の存在であり、実在しない。しばしば他の部員から無視されるのはその為である。
一説によると由紀のわずかに残る理性が作り出したイマジナリー・フレンドで、由紀を守るための別人格とも。
なお、美紀が合流したのは彼女が行方不明になる以前の話なので、美紀とは面識がない。
一度完全にゾンビ化したが、生徒達への愛情からほんの僅かな正気を取り戻して、害の及ばぬようにその状態で地下(避難用シェルター)へ向かった教師の鑑。その後、唯一面識の無かった美紀によって永遠の安息を与えられた。

学園内に迷い込んできた子犬。由紀によく懐いていたが、その首には…
なお、先述の通り原作では回想シーンに登場するゲストキャラだったがアニメ化に際しレギュラーに昇格。
つまり彼(?)にとって「生きていることそのものが死亡フラグ」である。
しかしアニメでは原作からかなり活躍が増やされ、その最期も感動的なものとなった。

  • 祠堂 圭(しどう けい)
美紀の友人の少女。ショッピングモールで美紀と共に騒動に巻き込まれる。元来笑顔の絶えない元気な少女であり、避難所生活ではリーダーを慕っていたが、グループ崩壊後は笑顔を失う。その後の鬱屈とした生活にやがて耐え切れなくなった彼女は「ただ生きていればそれでいいの?」との言葉を残し、美紀の元を去る…(なおアニメ版では特に美紀との友情が強調され、いなくなる際にも必ず救助を呼んでくるから、と言い残している。また美紀のポータブルCDプレイヤーも、去り際に彼女から渡されたもの)。
その後、美紀ががっこうを「卒業」する際、圭の髪型とよく似たゾンビとすれ違った事に気付き、涙を拭っている。また6巻の巻末資料にて、圭がショッピングモール脱出後、ある程度の逃避に成功していたことが示唆されている)

  • ゾンビ(かれら)
学園を徘徊する化物。言うまでもなく他の生徒のなれの果てである。
なお作中では一切「ゾンビ」と呼ばれておらず、アニメ化に際して正式名称は「かれら」であると設定された。
イメージに反して主な活動時間は昼であり、朝に「登校」してきて学校内を徘徊する。
そして教室内で蠢いたり、校庭でサッカーらしき動きをしたりした後、夕方になると大半の個体が「家」に帰っていく。
この行動から、ある程度生前の記憶を持っているという説もあるが、真偽は不明である。

こういった特性のため、学園生活部は昼間にくるみが見回り(及びゾンビの駆除)を行い、ゾンビの減る夜間に活動領域を広げるための隠密行動(通称:肝試し)を行うという行動サイクルとなっている。

なお単行本には今のところ5巻を除き、書き下ろしの巻末資料が収録されている。
1巻:『私立巡りヶ丘学院高等学校■■■■年度学園案内』。文字通りの内容だが、学院のあるS県巡りヶ丘市の歴史にも触れられている。それによると、1968年に何かとんでもない事件が起き、市の人口が半減する事態が起きている(当時の地名男土市から、「男土の夜」と呼ばれている)。本編のゾンビ化ウィルスと関わりがあるのではないかと目される)
2巻:『遠足のしおり』。学園生活部手製の遠足のしおり。
3巻:『校外秘 職員用緊急避難マニュアル』。黒塗りで消されている部分も多いが、一連の事件における重大な情報が多数記載されている。
4巻:『部活動日誌』。記入者は佐倉慈。学園生活部結成、及びゆきの発狂に至るまでの経緯を「めぐねえの遺書」という形でまとめたもの
6巻:『電波受信日誌vol.29』。一連の事件の黒幕候補たる聖イシドロス大学の、情報生化学部 青襲椎子 が事件後に記入を続けている受信したラジオの記録。この世界に未だそれなりに生存者がいる事が判る。圭と思しき人物も、ショッピングモール脱出後に巡りヶ丘駅の駅長室から電波を発信している。



追記・修正は校庭を理性を失くしてフラフラ彷徨いながらお願いします。

↓非常に重大なネタバレ↓
このゾンビ災害は、少なくともこの街で予め予見されていたものであった。学院に不自然なまでにサバイバルに適した環境が整えられているもその為であり、「この時」の為の緊急避難マニュアルも用意されている。感染症(ゾンビ化)に罹患した際のワクチンまで保管している徹底ぶりである。また学院と同等の緊急避難施設も、市内に点在している模様。原作・アニメ版共々、学園生活部の「四人」は学院を「そつぎょう」して、生存者がいると思われる聖イシドロス大学に「進学」(移住)することになるが、そこまでの経緯は大分異なっている。基本的に、アニメ版の方が穏やかに「そつぎょう」を果たしている。


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