200勝(プロ野球)

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200勝(プロ野球) - (2016/10/06 (木) 11:03:53) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/09/30 (水) 23:45:23
更新日:2023/10/11 Wed 00:59:27
所要時間:約 5 分で読めます







金田正一「ワシを抜く奴はおらん」




200勝とは、項目名の通りプロ野球で投手として200回勝利することである。


解説


プロ野球の投手にとっては、一つの目標となる数字。

この記録を達成した選手は世間から称賛の声を浴び、後の世に名前を永遠に残すことが可能となる。
つまり、プロ野球においての伝説的存在と化すのだ。
プロ野球が始まって現在までの時点で、達成者が30人未満という滅茶苦茶な難易度を持つ記録と言える。

何故ならプロ野球における投手の1勝は、本人の実力と運が必要なのだ。

まず、一般的にエースと呼ばれる先発投手が得られる勝利数はおおよそ10~15勝ほど。
高卒の投手が1年目からローテーションに入り、毎年のように10勝したとしても計算上は20年ほど必要となる。
毎年15勝というのペースだとしても、達成には大体14年ほど。
投手分業制の現在では見られないだろうが、毎年のように20勝したとしよう。
それでも、最低で10年は必要となるのだから気が遠くなる話である。
下の表にも名前を残す山本昌投手のように30年以上現役を続けるなら年に6~7勝すればいいが、余程の腕前があり(当の山本選手で例えると恐ろしく遅い変化球やそこまでではない球速の代わりに異様な回転数を誇る直球など)、なおかつ一定の能力を長期に渡って維持する必要があるため現実的ではない。

もっとも前述の金田選手は400勝を達成してしまったし、昔の選手でよければ300勝達成者も何人かいるのだが。この辺は後述。

特に高卒投手ならばまだしも、大卒・社会人出身のプロ野球選手は難易度がさらに向上。
高卒投手に比べ、大卒や社会人出身者はプロに入る年齢が遅いからである。
実際、大学や社会人を経由した選手での達成者は少ない(名球会入会条件達成者に絞ればさらに減る)。

プロ野球の平均在籍時間は9年という数字であることから、この時点で異常だという事が分かるだろう。

それに、プロ野球の選手は年齢による身体能力の劣化との戦いがある。

当然のことではあるが、30歳くらいになってくると選手たちも身体が衰えてくる。
先発投手はそれが目立ち、スタミナが無くなったり、球威が全盛期より衰えたりする選手は多い。
当然そうなってくると勝利数を稼ぐのも難しくなってくる。

そして、投手の勝利は周りの環境などにかなり左右される。

投手が勝つためには、味方打線が対戦相手よりも多く数字を稼がなければならない。
味方が点数を入れなくとも投手が0に抑えれば『負ける』ことは無いが、当然『勝つ』こともない。
打線が打たなければ投手は1失点程度でも負ける可能性があり、勝つためには1失点も許されない。

さらに言うと、先発投手の勝つ権利がリリーフによって破壊されることも日常茶飯事。
先発が9回持たずに降板した場合、中継ぎや抑えが炎上して逆転されれば勝利できない。
投手分業制である現在のプロ野球では、その可能性が常に潜んでいる状態になっている。

このように、投手の勝利条件などチームの環境によって難易度が変化する。
実際、弱小チームや中継ぎが壊滅しているチームにいなければ200勝は行けたと呼ばれる選手もいるのだ。

ついでに言うと、90年代以降の200勝達成者は4人だけ。
これは投手分業制の浸透が原因と言われており、今後もこの遅いペースが上がる可能性は低い。

とにかく、200勝という数字の異常さが分かってもらえただろうか。


名球会との関係


200勝は、名球会の入会条件でもある。

入会が認められるための注意点としては、NPBからスタートして200勝でないといけない。
つまり、NPB以前のMLBや韓国リーグでの勝利数は200勝の計算外となる。
ただし、『NPB→MLB』の場合は日米通算記録として200勝の中に含ませることが可能。
また、大正時代に生まれた200勝達成者が入会することは不可能。

名球会員は2015年時点で15人ほど投手が所属している。
その中で200勝達成者だけに絞ると、その数は12人ほど。
この数字は、打者の所属会員に比べて相当少ないことが分かる。

そのため、結果的に200勝と打者の名球会入会条件の2000本安打との価値的議論が起こっている。
その詳細については、リンク先の2000本安打の項目で確認してもらいたい。

一部からは、投手の名球会入りの条件として『2000奪三振』や『100勝100S』を追加するよう求める声もある。
投手分業制の現在の状況から考えて、150勝達成の時点で名球会入りにしても良いのではと問う声も。
ただ、150勝などにハードルを下げたりすると、投手の方が名球会員数が多くなるとも考えられる。
この辺は非常に難しい問題であり、いずれにしろ討論する必要はあるだろう。

ちなみに、この200勝という条件は当時の状況を考慮する必要がある。

実は、名球会の設立時点での200勝投手は15人、2000本安打達成者は11人。
つまり、当時は200勝投手の方が多かったという事実も見逃せない。
現在の時点では逆転され、会員数に大きく差を付けられたが。

とりあえず、200勝達成によって名球会員になれる選手が今後増えることを期待するのみである。


主な達成者(※2016年シーズン終了時点)


ここでは200勝達成者を記載する。

名球会員でなくとも、200勝を達成した選手であれば記載。
ただし、名球会に所属していない選手などは備考で記述する。


選手名 通算勝利数 備考
ヴィクトル・スタルヒン 303勝 故人/250勝達成者/300勝達成者/名球会入会資格なし
若林忠志 237勝 故人/名球会入会資格なし
野口二郎 237勝 故人/名球会入会資格なし
別所毅彦 310勝 故人/250勝達成者/300勝達成者/名球会入会資格なし
中尾碩志 209勝 故人/名球会入会資格なし
藤本英雄 200勝 故人/名球会入会資格なし
杉下茂 215勝 名球会入会資格なし
金田正一 400勝 250勝達成者/300勝達成者/350勝達成者/400勝達成者/200勝最速達成記録保持者/プロ野球最多勝記録保持者/名球会創設者/名球会退会
稲尾和久 276勝 故人/250勝達成者
小山正明 320勝 250勝達成者/300勝達成者
米田哲也 350勝 250勝達成者/300勝達成者/350勝達成者
梶本隆夫 254勝 故人/250勝達成者
皆川睦雄 221勝 故人
村山実 222勝 故人
鈴木啓示 317勝 現時点で最後の300勝達成者
堀内恒夫 203勝
山田久志 284勝 250勝達成者/アンダースロー投手通算最多勝利記録保持者
江夏豊 206勝 シーズン最多奪三振記録保持者(シーズン奪三振数世界記録)
平松政次 201勝
東尾修 251勝 現時点で最後の250勝達成者
村田兆治 215勝
北別府学 213勝
工藤公康 224勝
野茂英雄 201勝 日米通算
山本昌 219勝 現時点で歴代最年長の200勝達成 現時点で最後に現役引退を決めた(2015年いっぱいで引退)200勝達成投手
黒田博樹 203勝 日米通算、現役



200勝に近い現役選手(※2015年シーズン終了時点、残り50勝以内)


選手名 通算勝利数 備考
三浦大輔 172勝 コーチ兼任
松坂大輔 164勝 日米通算
岩隈久志 154勝 日米通算




追記・修正は、プロ野球選手となって200勝を達成してからお願いします。

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