250セーブ(プロ野球)

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250セーブ(プロ野球) - (2017/11/05 (日) 04:21:31) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/10/01 (木) 21:34:55
更新日:2023/10/11 Wed 00:44:55
所要時間:約 3 分で読めます







岩瀬仁紀「ストレスから逃げるのではなく、 当たり前だと考えなくちゃ、この仕事はできません」




250セーブとは、項目名の通りプロ野球で投手として250回セーブを達成することである。


解説


プロ野球のリリーフ投手にとっては、一つの目標となる数字。

この数字を残したリリーフ投手は、伝説的存在として語り継がれていくこととなる。
しかしこの記録、どうにも200勝2000本安打と比べて話題にされにくい風潮がある。

一番の理由は、上記の200勝や2000本安打と比べて達成難易度が低く見えるからだろう。

200勝や2000本安打を達成しようと思うと、一軍の主力として最低でも15年程度の活躍が必要となる。
それに対して、一般的な抑え投手の年間セーブ数はおよそ30~45セーブくらいにはなる。
つまり250セーブに必要な年数は8~10年程度となり、比較的低いハードルと思えなくもない。

ところがどっこい、実際に250セーブ達成者が非常に少ないことからわかるように、この記録の達成は滅茶苦茶難しい。

リリーフ投手が壊滅状態になっている球団でもなければ、基本的に抑え投手は1人に固定される。
つまり、抑え投手はチーム内において『最高のリリーフ投手』ということになる。
250セーブを達成しようと思えば、そういう立場を実に10年近くに渡って守り続けなければならないのだ。

そして最大の敵となるのは身体の疲労。

全試合のブルペン待機を義務付けられ、年間50試合前後の登板が見込まれるリリーフ投手。
これは言うまでもなく過酷な仕事であり、極めて怪我をしやすい。
通常の先発投手よりも身体能力が劣化するスピードも速く、選手としての寿命も短くなるとされる。
このような環境に耐え、長年に渡ってマウンドに立ち続けなければならないのだ。

さらに、セーブ数という物はチーム環境にも左右されやすい。

当然ではあるが、セーブというものはチームが勝利しなければ記録されない。
チームが敗北すれば、当然抑え投手の出番は無くなる。
まあ、連勝して連日出番があるよりは身体的負担が減るともいえるが、そういう問題でもない。

基本的には強いチームに所属していた方がセーブ機会は増えるだろう。
しかしセーブは点差の詰まった試合でしか記録されないため、打線が強すぎるような状況では逆に稼ぎにくくなる面もある。
弱いチームなら接戦自体は増えるだろうが、その分セーブのつかない状況での酷使という問題も出てくる。
また、そもそもプロ野球のピッチングスタッフというのはまず先発投手の頭数を揃えることが優先されるので、
登板する機会のない抑えでいるよりは先発に回して投げさせた方がいいという理屈もあり、結果先発転向となるケースもある。

見た目に反して難しい記録、それが250セーブだろう。


名球会との関係


250セーブは名球会の入会条件でもある。

入会が認められるための注意点として、記録の計算はNPB入り時点からスタートする。
つまり、NPB以前にMLBや韓国リーグ等で積み上げたセーブ数は考慮されない。
ただし『NPB→MLB』の場合は日米通算記録としてセーブ数の中に合算される。

名球会員は2015年時点で15人ほど投手が所属しているが、その中で250セーブ達成者は僅か3人しかいない。
これには理由がある。

実のところ、元々250セーブは名球会の入会条件ではなかった。

現代野球においては投手分業制が浸透しており、かつては先発から漏れた落伍者の仕事とされていた
リリーフの働きが正当に評価されるようになった。
そうした中で名球会も卓抜した成績を残したリリーフ投手を入会させるべしという決断を下し、
250セーブという数字が入会条件として認められたわけである。
規約の改正が2003年と最近のことであり、200勝や2000本安打よりイメージ的にはややマイナーかもしれない。

一時期は、この250セーブという入会条件を疑問視する声も多かった。

疑問視されるきっかけを作った代表的投手は、広島東洋カープの永川勝浩選手だろう。
彼は当時弱小だった広島において、ルーキーイヤーに25セーブという優秀な数字を残した。
その後も2006年-2009年の4年間で132セーブを記録し、リーグを代表する抑えとしてその名を轟かせていた。

その反面好不調の波が激しく、リリーフに失敗してセーブどころか黒星を稼ぐこともしばしば。
同時期に活躍していた抑え投手たちと比べ安定感に欠ける印象は拭えず、全幅の信頼を得ていたとは言い難い投手であった。

そのような状況を受け、「通算250セーブ」という基準についてファンの間で議論が加速。
ファンの中では『そんな凄い投手じゃなくても(無理して使い続ければ)達成できるんじゃね?』という風潮が広がった。
抑え投手の名球会入り条件は極めて甘いものとされ、「永川でも入れる名球会」なる言葉も登場。
議論の内容を一言で的確に表現したこの言葉は一部のファンの間で定着した。

しかしながら、議論の中心であった永川は2010年頃から故障や不調により登板機会が激減。
抑え投手の地位を剥奪され、殆どセーブ数を積み上げることなく現在に至っている。
同様に話題に上がることが多かった馬原孝浩も故障に苦しみ、250セーブを達成することなく引退と相成ってしまった。

こうして250セーブの困難さは証明され、今やこの入会条件を「甘い」などというファンは皆無である。
結局のところ、250セーブという記録はちょうど良いハードルなのかもしれない。


主な達成者(※2017年シーズン終了時点、☆は現役選手)


ここでは250セーブ達成者を記載する。


選手名 通算セーブ数 備考
佐々木主浩 381セーブ 日米通算/300セーブ達成者/350セーブ達成者
高津臣吾 313セーブ 日米通算/300セーブ達成者
☆岩瀬仁紀 記録更新中 300セーブ達成者/350セーブ達成者/400セーブ達成者/プロ野球最多セーブ記録保持者/9年連続30セーブ/史上最年長セーブ/通算最多登板記録保持者/40代シーズン最多登板記録保持者

250セーブに近い現役選手(※2017年シーズン終了時点)


選手名 通算セーブ数 備考
デニス・サファテ 229セーブ 助っ人外国人/プロ野球シーズン最多セーブ記録保持者/全球団からセーブ/両リーグ30セーブ
藤川球児 225セーブ 日米通算




追記・修正は、250セーブを達成してからお願いします。

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