ぼくだってウルトラマン(絵本)

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ぼくだってウルトラマン(絵本) - (2015/12/23 (水) 01:08:58) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/12/21(月) 16:23:55
更新日:2023/08/11 Fri 09:33:10
所要時間:約 6 分で読めます





絵本でしか会えない、新ウルトラヒーロー誕生!


ぼくだってウルトラマン」は、ウルトラシリーズを題材にした絵本作品。
作者はよしながこうたく。

この項目では、その続編となる絵本についても解説する。

【概要】

同じくウルトラシリーズの絵本である「パパはウルトラマン」シリーズが「一家の世帯主」というウルトラヒーロー達の全く異なる一面を描いた日常モノならば、こちらは絵本オリジナルの新米ウルトラマン「ウルトラマンユウキ」を主人公に、ウルトラシリーズの歴代ウルトラマンや怪獣・宇宙人たちが所狭しと大活躍する、ある意味特撮番組(いや絵本なんだが)として正統派のストーリー。
新米ウルトラマンが地球でいろんなことを学び一人前に近づいていく、という意味では「メビウス」に近いが、こちらはウルトラマンもその仲間達も子供という設定。

作者のよしながこうたくさんは『給食番長』シリーズや『でんせつのきょだいあんまんをはこべ』『ようかいガマとの』シリーズなど、インパクトある絵柄と重厚かつ愉快なストーリーで幅広い支持を集める絵本作家。

子供の頃からウルトラシリーズの大ファンと言う事もあり、怪獣や宇宙人、そしてウルトラマンの描写は凄まじい迫力に仕上がっている。
また、どちらかと言うとウルトラマンより怪獣の方が好きとインタビューで語ったとおり、散らかっている人形が良く見るとあの怪獣だったり、やけにマニアックな怪獣が顔を出していたりと細かいところまで楽しめる作品となっている。
そして裏表紙は、『ウルトラシリーズ』らしく怪獣図鑑となっているのも特徴。

子供だけではなく、大人でも楽しめる絵本である。

【あらすじ】

◇「ぼくだってウルトラマン」

ウルトラマンに憧れてM78星雲からやって来た少年戦士、ウルトラマンユウキ
しかし彼は本物の怪獣の怖さに怯えて隠れるばかりの弱虫だった。

そんなユウキが出会ったのは、けんたやはなこたち地球の子供たち。
強くなるため、ユウキは彼らと一緒に特訓を始める事となった。

だが、それでも彼は及び腰になってばかり。
そしてユウキを庇ったウルトラマンが怪獣に襲われ、重傷を負ってしまった
さらに、けんたやはなこたちにも侵略者の魔の手が迫る。

ウルトラマンユウキは、本当の「勇気」を見つけることが出来るのか!?

◇「ぼくだってウルトラマン ユウキVSセブン!?」

怖い怪獣にも立ち向かう勇気を身につけたユウキ。
だがまだまだ実力は半人前、いくら特訓を重ねてもウルトラセブンに助けられてばかり。
そしてとうとうユウキはセブンに怒られ、自信を無くしてしまった。

そんな彼を心配するけんたやはなこの前に、怪しげな老紳士が現れた。
老紳士から貰ったおもりのような妙なアイテム、これを使えばユウキはあっという間に強くなると言うのだ。
そして町に攻めてきた怪獣軍団を前に、ユウキは不思議なアイテムで超巨大化。

だが、それこそが侵略者の恐るべき罠で……!?


【主要登場キャラクター】

○ウルトラマンユウキ
身長:11m(ビルの3階ぐらい)
※他のウルトラマンと比較すると、「サーガ」に登場したちびゼロが5m。参考までに。
ウルトラマンに憧れて、怪獣をやっつけるヒーローになるためM78星雲から地球にやって来た子供のウルトラ戦士。
ミラクルユウキフラッシュ」や「グレートユウキビーム」などの光線技も持つ。
しかし最初は実力も勇気も身につけておらず、本物の怪獣の怖さに怯えて物影に隠れる始末。
そんな彼を見かねた地球人の子供たちと一緒に特訓を重ね、本物のウルトラ戦士になるべく日々奮闘する。

まだまだ歴戦の戦士であるマンやセブンには及ばないが、様々な経験を重ねる中で本物のヒーローに少しづつ近づいていく期待の新ヒーロー。

カラータイマーをつけた立派なウルトラ戦士だが、体格は寸胴、目も垂れ目でイマイチ頼り無さそうな感じの外見。
顔つきはどことなくウルトラマンスコットに似ている。
トサカがちょんまげ風だったり、赤い模様が背中でたすき掛けのようになっていたり、意外と和風寄りのデザインなのも特徴。

○ラビドッグ
ウルトラマンユウキのペット。
耳を大きく広げて空を飛ぶことが出来、けんたやはなこを背中に乗せて活躍する。
地球の犬と同様に鼻もよく利き、これが事件解決の鍵になった事も。
光の国では比較的ありふれたペットらしく、「タロウ」にも別個体(こちらはタロウの実家で飼われている)が登場している。

○けんた
ウルトラマンユウキと友達になった地球人の1人。
空手教室に通う少年で、ユウキを強くさせるため様々な特訓を受けさせ、そして自分も一緒に奮闘する。
父親は科学特捜隊の博士で怪獣対策の兵器開発に携わっている。時系列が不明瞭なためイデ博士の事かは不明。

なお特訓の内容はパンチやキック、さらには家一軒を引っ張りながら2万メートル走り込みなどそれなりにハード。

○はなこ
ウルトラマンユウキの友達である地球人の1人。
けんたとよく一緒におり、共にユウキを応援している。

ウルトラマン
ユウキが憧れるウルトラヒーローの1人。凶悪な怪獣・侵略者を相手に一歩も引かない、怪獣退治の専門家。
しかしユウキを怪獣から庇い、一時重傷を負ってしまう。

ウルトラセブン
ユウキが憧れるウルトラヒーローの1人。どんな侵略者にも負けない強さの持ち主。
ユウキも彼を助けるべく奮戦するが強さが追いつかず、セブンは相手を見くびるなとユウキに怒ってしまった。

だが、その後ユウキは侵略者の魔の手に嵌り、セブンはユウキと戦う事態に陥ってしまう。


【主要登場怪獣・宇宙人】

◇「ぼくだってウルトラマン」

●ガボラ
地球にやって来たユウキが初めて遭遇した怪獣。
見開きで描かれたその絵は、ユウキが怯えてしまうのが分かるほどの凄まじい迫力になっている。

●バニラ、マグラー
最初はバニラだけが登場したが、続けてマグラーも出現。
最終的には退治されるも、怯えるユウキを庇ったウルトラマンはマグラーに襲われて重傷を負ってしまう。
どちらも『ウルトラマン』本編ではウルトラマンと戦う前に倒れてしまった怪獣である。

ザラブ星人
メフィラス星人の手下。
変身能力で事前に捕らえていたはなこに化け、けんたを本拠地へとさらってしまった。
今回の変身はかなりレベルが高く、本人がばらすまでユウキもけんたも一切気づいていない。
メビウス劇場版の時とかもこのくらいのクオリティでやっていれば…

ケムール人
メフィラス星人の手下。
老化問題がなんとかなったのか、たくさんいる。メフィラス星から技術提供されたのだろうか? 

メフィラス星人
ザラブ星人やケムール人、多数の怪獣軍団を従える侵略者たちの大ボス。
科学特捜隊が開発している新兵器を狙い、けんたやはなこを人質にとって脅そうとしていた。

駆けつけたユウキを圧倒し、部下と共に袋叩きにするも、そこに復活したウルトラマンや科学特捜隊が到着。
最後は手下たちもろとも、ウルトラマンとウルトラマンユウキの同時攻撃で倒された。

◇「ぼくだってウルトラマン ユウキVSセブン!?」

ダリー
通常のダリーは微小な怪獣(というかはっきり言ってバイ菌。肩書も「宇宙細菌」)だが、今作では数十メートル級の大きさのダリーの大群が登場。
セブンと共にユウキも退治するために奮闘したが、気持ちだけが焦ってしまい、セブンに怒られる事態になってしまった。

最終的には何とか全て倒されたが、「巨大なダリー」と言う明らかに本来とは異なる事態に不振がるセブン。
その嫌な予感は的中してしまい……。

イカルス星人
怪獣軍団を操る、今回の事件の黒幕。

老紳士に変装し、ユウキを心配するけんたとはなこにユウキをセブン以上に超巨大化させる不思議なアイテムを授けた。
そして大量の怪獣が町を襲ったことを受け、けんたとはなこはユウキの頭にアイテムを装着させ、ビルよりも巨大な体にさせることに成功。
だがその直後、突然ユウキの体が暴走し、彼の言う事を聞かないままビルを壊し、さらにはセブンにも襲い掛かる事態に。

実はあのアイテムはユウキの体を自在に操る端末であり、イカルス星人は物陰で密かにラジコンのようなコントローラで彼の体を操作していたのである。
これを使い、人々とウルトラマンの絆を断ち切ろうとしたイカルス星人だったが、そこにラビドッグに乗ったけんたやはなこが現れた。
ラビドッグの良く利く鼻が、黒幕の居場所を察知したのである。

そしてコントローラーはけんたの一撃で壊され、ユウキも体の自由を取り戻した。

それでも余裕のまま逃げ出そうとしたイカルス星人であったが、最後は怪獣軍団と共にセブンとユウキの同時攻撃の前に倒されたのであった。

他のシリーズで宇宙人達がとった作戦を踏襲しているあたり中々の事情通。


真の追記・修正とは、あきらめないこと。

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