GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

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GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動 - (2016/09/28 (水) 10:34:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/09/28 (曜日) 0:54:00
更新日:2024/02/21 Wed 18:32:58
所要時間:約 10 分で読めます






少女は、空に落ちる



GRAVITY DAZEはソニーから発売されたPSVita用ゲームソフト。
後にPS4版も発売された。



重力操作能力を持つ主人公が、広大で立体的なオープンワールドを縦横無尽に落ちていく「重力アクションアドベンチャー」
空を飛ぶのではなく落ちるというのがキモで、落ちた先の天井や壁面などをテクテク歩くこともできる。

隅々まで作り込まれた空中都市は散策しているだけでも結構楽しく、更にあちこちでパワーアップ用のアイテムが回収できるので飽きにくい。
人によってはストーリーそっちのけで街を飛び回っていることだろう。

SF要素を交えた独特なファンタジー世界観や随所に挿入されるバンドデシネ風の演出、そして何より主人公キトゥンの可愛らしくて元気で素直なキャラクターは多くのファンの心を掴んだ。



●目次




◆あらすじ◆



物語の舞台は、巨大な柱を囲むように固定された空中都市ヘキサヴィル。
その遥か上層から落ちてきた記憶喪失の少女キトゥンは、謎の黒猫ダスティに与えられた重力操作能力を使って街の人々の力になっていく。

街を襲う怪物ネヴィ、突然発生して周囲を飲み込む重力嵐、自称神のホームレス、ネヴィを操る怪盗……。
様々な事件や依頼を通して、世界観の根幹と自身の正体に関わるさらなる謎の核心に迫っていくことになる。




◆キャラクター◆



主人公
重力を操る能力を持つ記憶喪失の女の子。
謎の黒猫ダスティに与えられた重力制御能力を使って街中のトラブルを解決していく。
記憶喪失なので本名はわからず、町の人々からはキトゥン(猫)と呼ばれている。※英語版ではCat

怪しい人にホイホイついていって、褒められると簡単にノセられ、イケメンを見たら勝手にときめいて、雰囲気や情に流されやすい所謂チョロイン
最初は街の厄介者として敬遠されているが、様々なイベントをこなして高感度を上げるとだんだん街の人気者になっていく。
サブシナリオではメイドになったりスパイになったり軍隊に入ったりと大忙し。グラビティ・キトゥンに休日なし

よくファンやGoogle先生からは「くさそう」などと言われているが、これは序盤で通行人に体臭を指摘されたこととオルドノワ下層の下水土管に自宅を構えているため。
とは言え前者は長い間体を洗っていなかったいなかった所為だし、後者はそれなりに清潔な住居に魔改造しているしシャワーも浴びているので実際は臭くない。きっといい匂いする。
浴びているシャワーも土管内部の部屋で浴びているが、まさか下水を浴びているはずは無いだろう。
ちなみに各種家具は町の人達が捨てようとしていた物を掻き集めて使っている。
シナリオやDLCを進めると衣装が手に入り、自宅で着替えることができる。スカートもあるが能力の都合上、下にスパッツを履いている(まあそれはそれで…)。
ところで右も左もわからない序盤はともかく、重力姫として人気者になった後もなんで下水道に廃材と一緒に住み続けているんですかね……。

  • グラビティ・クロウ
キトゥンと同じ力を持つクールな女の子。
何故かキトゥンに対して敵意を持っており、会う度に戦闘を仕掛けてくるライバルキャラクター。

重力制御のキャリアがキトゥンより長いためか、実力は彼女を大きく上回る。
クスィという名前のカラスを連れている。キトゥンが連れているダスティと同様の存在と思われる。

  • シドー
オルドノワの冴えない警官。
キトゥンに厄介事を頼んでくるトラブルメーカーで、よく一緒に行動している。
土管にいきなりやってきて、彼女の全裸をバッチリ見たラッキースケベ野郎

  • ゲイド
自称創造神のホームレス爺さん。
この世界を作った神様らしいが詳細は不明。

土管の中に住んでおり、迷子を探していたキトゥンと偶然知り会う。
最初は痴呆老人と間違われて介護されかけたが神の力を示して以降は友人関係になり、キトゥンの土管の隣に引っ越してきた。
身体にワームホールのようなゲートを開いて時空を超えたりと超常の力を持っている。

  • シアネア
自称想像神の女の子。
ゲイドと同じくこの世界を作ったらしいが詳細は不明。
彼とは違い、他人の記憶にアクセスする力を持っているようだ。
どうやってかキトゥンの土管にやってきて住み着いている。

  • エイリアス
ヘキサヴィルを脅かす神出鬼没の怪盗。
不気味なモノアイの被り物にスーツをキメた猫背が特徴。
ネヴィを呼び出す力を持っており、その正体も目的も全てが謎に包まれている。

  • ユニカ
軍属の女の子。
両手両足の義肢と飛行用パーツを装備したエリート兵士で、シーワスプのコードネームを持っている。

一応普通の人間のはずだが、そのハイテク兵装によってキトゥンやクロウに匹敵する戦闘力を持つ。
お硬い軍人なのでキトゥンとは出会った時から険悪で反りが合わない。彼女がシーキャットとして軍で働いたときも対立していた。

上官のユーリを尊敬しているようだ。
ちなみに当のユーリが指揮する飛行母艦は戦闘の度にピンチになって轟沈しかけている。

  • シングラ&ナラ
ヘキサヴィルの各所にそれぞれ現れては消える夫婦。
別の世界での重力炉の実験の失敗で離れ離れになってしまい、今も時空の狭間を彷徨っている「時空の旅人

彼らを全て見つけると、謎の多い本作世界観がほんの少しだけ理解できるが、ついでに別の伏線をバラ撒いて謎を増やしてくれる困った人達。
お互いパートナーとの再開を願っているが……。




◆用語◆



  • ヘキサヴィル
本作の舞台。
巨大な柱を囲むように建築されていて「旧市街オルドノワ」「歓楽街プレジェーヌ」「工業都市インダストリエ」「ダウンタウン ヴァン・ダ・センタリアレ」の4つの街で構成される。
因みに広さは横1000m.縦7000mくらいあるとか。
街から離れすぎるとダスティによって強制的に戻される。
すべての街はシームレスで繋がっているので、目的地にマーカーを付けて直接落ちていけばテンポ良く移動できる。
各都市間はレールでつながっており、住民は主に列車で移動している。
各街に抉り取られたような跡があるが、これは重力嵐が発生して吸い込まれてしまったため。
転落事故は以前からあったようだが、最近は特にキトゥンの重力制御に巻き込まれて奈落へ落ちる住民が後を絶たない。「ウワー!」「ヒエー!」
基本的にこの世界の住人はイベント時以外は某ヤギゲー並に不死身なので遠慮せずに巻き込もう。

  • 旧市街オルドノワ
これと言って特徴のない中流層や貧民達が住まう街。
キトゥンが最初に落ちてきた「始まりの街」であり、住居もここに構えている。
彼女の家は下の下、下水の排水土管の出口付近である。……やっぱりくさそう。

  • 歓楽街プレジェーヌ
一面紫色の光が照らす歓楽街・・・にも関わらずなぜかヘキサヴィル唯一の学校が近くに建っていたりと、貞操観念が心配になる街。
他の都市のお父さん達も、ここへ遊び(意味深)に来るのは最高の娯楽らしい。

  • 工業都市インダストリエ
排気ガスとゴミの臭いが漂いそうな工業区画。

  • ダウンタウン ヴァン・ダ・センタリアレ
ヘキサヴィル最大の街で、巨大建造物が連なるオサレな大都会。
まともに散策していたらリアルで半日近く潰れるともっぱらの噂。

ヘキサヴィルを支える巨大で長大な柱。というか枝のない大木と言ったほうが正しい。
近付きすぎるとダスティによって強制的に戻される。
上端は霞んで見えず、下端は柱周辺の重力嵐で遮られて確認できない。
稀に重力嵐が収まる事があり、その下へ行くと・・・?

  • 最下端の街ボゥトヌ
ヘキサヴィル4都市の遥か下層に位置し、柱の真下まで行ってようやくたどり着ける謎の街。
柱の根の部分にしがみ付くように建築されている。
真下には重力嵐とも違う黒い大穴が空いており、その穴は年々近づいてきているらしい
呑まれたら一体どうなるのだろうか・・・

  • ネヴィ
突如出現しては人々を襲う謎の怪物。
雑魚もボスもコアを持っており、そこを攻撃しないとビクともしない。

  • プレシャスジェム
街の機械の動力源で、キトゥンのレベルアップにも使われる鉱物。
街の屋上や最下層の裏側に大量にあったりするので、隅々まで探索してみよう。

  • 重力嵐
突発的に発生して周囲を飲み込んでいくブラックホールのような現象
ネヴィ以上に危険で、街や人もかなり飲み込まれて行方不明になっている。
近付きすぎるとダスティによって強制的に戻される。

  • 土管
各所に点在するマンホールから入れる不思議な下水道。キトゥンの家もこの土管の一部である。
ヘキサヴィル全域がつながっており、ここからファストトラベルができる。
明らかにつながっていないはずの別の都市へも移動できる不思議な不思議な下水道。
ただし、キトゥンの能力的に直接飛んで行ったほうが早いし快適な場合が多い。




◆注意点◆



これまでにないジャンルのゲームであるため、洗練されきっていない点や幾つかの問題点も存在する。
まだプレイしていない人は、機種選び含めて判断材料にしてほしい。

  • ロードが長い(PS4版で改善)
Vitaでオープンワールドという無茶をやっているため、非常にロードが長い。
何かある度に数十秒のロードが挟むので、せっかくのシームレスで爽快なゲームテンポを崩してしまっている。
あまり無いが高速で移動していると画面が止まってロードされることもある(街から街に直接飛んだ場合)。
決められたポイントを通過してタイムを測るチャレンジミッションという要素があるのだが、挑戦するたびに数十秒ロードを挟むため凄まじくやる気を削ぐ。
PS4版ではタイトル画面からのロード以外は5秒程度まで改善している。

  • Vitaのバッテリーの減りが早い(PS4版で改善……というかそもそも関係ない)
ジャイロセンサー含めたあらゆる機能をフルに使う影響か、バッテリーが通常の倍以上の早さでゴリゴリ減っていく。
バッテリーか充電ケーブルが無いと出先で長時間やるのは難しいだろう。

  • 一部操作性が悪い(PS4版で改善)
床を滑る重力スライドはジャイロセンサーで方向転換するのだが、制御が難しく高確率で事故る。
レベルを上げるとスピードだけ一方的に上がるので更に悪化する。
またスライドパッドを利用した回避も非常に使いづらい。
ボタン数の少ない携帯機故の苦肉の策なのだろうが……。
PS4版ではそもそもボタン数が多いので格段に快適になっている。重力スライドも制御しやすくなり、相対的にスライド系ミッションが簡単になった。

  • 技の性能がまちまち
序盤は飛行した状態で放つ重力キックが非常に使いやすく、殆どの敵はこれ1つで倒せてしまう。
飛んだ距離(落ちた距離)で威力が上がる上に、キックと重力キックのレベルがどちらも乗るのでえげつない威力となる(普通に撃ち落とされることもあるので過信は禁物だが)。

逆に物を掴んで投げる重力スローが使いづらい。
近くのオブジェクトを掴んでから(自身の周りに対空させてから)飛ばす技なのだが、つかみ範囲が異様に狭く(レベルアップは可能だがそれでも狭い)掴み損ないが多い。
遠距離攻撃かつ威力は高めだが攻撃を食らうと落としてしまう。
当たり前だが投げたものは戻ってこないし(わき直すまで一定時間必要)掴むものがあるのは地面なので壁や天井、空中で戦ってるときは意味がない。
基本的に近接が苦手な人用もしくはミニゲーム用。


  • 3D酔いしやすい
上下左右があってないようなゲーム性故、酔う人はかなり酔う

  • ストーリーが未完
大量の伏線を張りながらその殆どが回収されないまま、「中盤の山場」的イベントの後に唐突にエンディングを迎える未完結状態で、ファンから続編を希望する声も多かった。(続編発表自体は意外と早かったので続編ありきだった模様)
後に追加されたDLCサブシナリオも、あくまで「キトゥンちゃんのバイト奮闘記」なので、ストーリー本筋の完結は2の発売を待つことになる。


ストーリーに関しては続編が発表されたので置いておくとして、3D酔いに関してはどうにもならない。
こればっかりは体質なので、三半規管をビルドアップするかガムを噛みながらプレイすると良いだろう。

ただし上記の通り、後に発売されたPS4版では欠点の多くを改善しているので、どうしても携帯機でプレイしたいという人でなければ是非PS4版を手に取ってみよう。グラフィックも向上してるので重力姫の可愛さも増し増しである。
因みに度々PS+のフリープレイで配布されているので、DLさえしておけば会員は無料で遊べるぞ!




◆続編◆



2016年12月1日に続編GRAVITY DAZE 2 重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択が発売される。
対応機種はPS4のみで、現行据え置き機のマシンパワーを活かした美麗な世界が描かれている。

前作の舞台ヘキサヴィルに加えて、新マップや新要素が多数採用されており、新マップの広さだけでもヘキサヴィルの2倍以上らしい。
また、ヘキサヴィルは柱に鉄骨とボルトで固定していたのに対し、新マップは重力石の力で浮かんでいる浮遊都市となっている。





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