SCP-447

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SCP-447 - (2022/04/24 (日) 14:39:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/11/01 (火) 15:42:25
更新日:2024/03/26 Tue 08:44:00
所要時間:約 8 分で読めます






君たち、本当にそんなに難しい事か? 死体は無しだと言ってるだろう? 全く、決して、絶対にだ。
考えるのも冗談にするのも、ましてや試すのは絶対に駄目だ!まったく。
クレフ博士




SCP-447は怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」にて創作されたSCPオブジェクト
通称は『Ball of Green Slime』。日本語だと緑のスライム。まんまである。

オブジェクトクラスはSafe(収容手段が守られてれば安全)。
ただし、かつてはKeter(収容困難、かなりヤバい)分類されていたシロモノであり、扱いを間違えるととんでもないことになる。

取り扱いはいたってシンプルで何があっても『死体』と接触させてはいけない
これさえ守ればむしろ活用法が色々ある便利なSCPである。


SCP-447は、スポンジ状の表面構造の球体(SCP-447-1)、ソレから排泄される緑色の粘性の液体(SCP-447-2)に分けられる。
通常SCP-447と言えば後者の緑色のスライムのことを指す。

SCP-447-1のほうは直径約5cm、重さ1.37kgの緑色の球体。人体とほぼ同じ温度で触ると暖かく、中心の温度はやや高め。
SCP-447-1が死体と接触しない限り特に副作用はない。


このSCP-447-1は約10cc毎時の速度で常に粘性のスライムを排泄する特性がある。
そのため、SCP-447-1は透明な50ガロンのプラスチック容器に保存し、かつ保存区画は埋葬所・死体公示所・霊安室から10km以上離れていなければならない

健康状態の良好なDクラス職員が少なくとも一日に一度、スライムの回収に派遣される。
このDクラス職員を含めて、敷地内で死人を出さない安全手続きを徹底した上で回収されたスライムは、
輸送中に死者と接触する危険性が無い限りはスライムは一般的なガラスかプラスチック容器に入れられて輸送できる。

SCP-447及びスライムが死体と接触する危険性を最小限にするため
扱う職員は、ポリグラフによる自殺・死姦愛好および殺人の傾向テストを通過し、かつ健康で良好な体調であることが条件。


回収されたスライムは悪臭こそあるものの、無毒性・非腐食性および非放射性で死体に接触しない限りは完全に無害な普通のスライム。
物を溶かしたり飲み込んだり意識を持って人を襲ったりはしない。

それどころか非常に便利な特性をいくつか持っている。


まずこのスライムはなんと食べることができる。
SCP-447-1より回収されるスライムは野菜ドレッシングとして優れているほか、様々な料理に活用できる。
ミルクに混ぜたりピザにかけたりすると味がよくなり、ミントの香りがするように。
ただし、肉料理は『死体』に分類される可能性があるため、生きてるうちに浸してから料理前にスライムを全て取り除く必要がある。

ガソリンに混ぜれば燃料効率が向上し、スライムを精製すれば潤滑剤としても使える。
SCP財団の保有する装置にも使われているが、死体を潤滑するために使われる事はありませんあってたまるか


これらの特性から担当のクレフ博士の監修の下で様々な実験が行われている。
死体さえ関わらなければ無害なため、他のオブジェクトとのクロステストも多く、中には悪ふざけとしか思えない実験も。



実験記録の一部


  • SCP-500を緑のスライムに5分間浸してみた。
説明:SCP-500(万能薬)は、文字通り1錠飲むだけであらゆる病気を治す。ただし数に限りがある。

結果:あらゆる病気を癒す効果に加え、対象はいまや患者の息に新鮮なミントの香りを残すようになった。そして貴重な万能薬が残り53錠になった。

クレフ博士「何を期待してこの実験を行ったんだ?君は、真剣に、なにが起こると思ってた?」


  • SCP-447とウォッカでカクテルを作ってアベルに飲ませてみた。
説明:500mlのSCP-447-2と500mlのウォッカを混ぜ、2ダースの氷を加えて良く振る。ピッチャーに濾し、約0.2Lをグラスに注ぎ、ミントとライムを添えて完成。
「やあAble、これ飲んでみない? 凄くいいよ」とSCP-076-2に渡された。

結果:SCP-076-2はこの液体が、彼の言葉によると「 さ わ や か 」であると評した。
アベルは死体になるか死体を作る傾向があるため、これ以降スライムとの接触は禁止された。そもそも何がしたかったんだ


  • SCP-882 - A Machine (機械)に使ってみた
説明:SCP-882は様々な金属で作られた歯車、ケーブル、滑車などがランダムに組み合わさった構造物。
金属が触れるとその金属を取り込んでいく。
壊れた神の心臓だったりザ・ファクトリーの資産だったりするがそれはここでは重要ではない。
放置していると周囲の人間は歯車が軋るような幻聴が聞こえ出し、金属を放り込むと音は弱まる。
捧げる金属がなくなると幻聴はいつまでも続き、最終的には発狂するか自殺に追い込まれる。
海水に浸けると錆びて活動を止める事が確認されている。

結果:錆が取れちゃいました。大急ぎでSCP-882を海水に再び沈め、扱ったスタッフは検査のため隔離された。

クレフ博士「二度と試さないように、いいね?」


  • SCP-914-The Clockworks(ぜんまい仕掛け)で加工してみた
説明:SCP-914は様々な大きさの歯車で構成された機械仕掛けのオブジェクトで、「入力」と「出力」と書かれたラベルの貼ってある二つのブースが本体に付随しており、二つのブースの間にある金属板にあるつまみで『Rough』『Coarse』『1:1』『Fine』『VeryFine』の五つの加工目的を指定でき、指定された目的に応じて「入力」に入れられた物品を加工し、「出力」に加工済みの物品を送り出すものである。

基本的に『Rough』は鋼材をバラバラにするなど熱線などによる切断を、『Coarse』は入力された物品の分解、
『1:1』は複数の物品が入れられた場合は統合し、一つだけの場合は、例えばチンパンジーをボノボとして出力したように同じ系統の別の存在に変換、
『Fine』は入力された物品を、その本質や用途をおぼろげに残しつつも、人類の理解の斜め上の物体に「再解釈」する。
『Very Fine』は『Fine』よりも極端な「再解釈」をするが、Fineで加工したものを再度Fineで加工したものよりは安全である。

以下はそれぞれ円筒状のガラス容器に入れた1ℓのスライムを入力して 「加工」 した結果。

実験例1:スライムをRoughで加工
結果:十個の円形のガラス容器に十等分に分けられたスライムが出力された。
■■■■博士「それで、君は一体何を期待していたのだね?」

実験例2:スライムをCoarseで加工
結果:円筒状のガラス容器に入ったバンドウイルカ(Tursiops truncatus)に類似した組成及び2時間の半減期を有する[編集済]が含まれているスライムが出力、これを徐々に分解させる方法で回収した。
サイト-■■の料理長であるエージェント・R■■■■は、この新たな液体が「シンプル且つ素朴」なうえ「驚くほど魅力的な」味を持つことを報告し、料理での使用の為に5ℓを要求。
死と隣りわせのエージェントたちがスライムを口にするなど論外極まるため却下された。
こんな得体の知れないものを味見した料理長って。

実験例3:スライムを1:1で加工
結果:一体の死体が出力された
…これ以降、SCP-914を使った実験はO-5の命令によって禁止された。
なぜたかだか1ℓのスライムから何十キログラムもの人間の死体ができるのかなど、疑問は尽きないまま。

因みに死体を入れてVery Fineで加工してみるとスライムが出てきた。死体での実験も禁止された。


  • 死体と接触させてみた
結果:テストは中止され、実験を計画した研究者はクラスDに割り当てられた。


  • クレフ博士を廊下で待ち伏せ、SCP-447-2で満たした浴槽へ引き摺り込み、約25秒間浸してみた。
結果: 対象は激昂し、もし実験手順に違反しないなら実験を行ったスタッフを殺してやるところだと脅した。完全にただの悪ふざけだよこれ。


  • スプーン一杯のSCP-447を硝酸カリウムと砂糖の混合物に加えたスモークグレネードを作ってみた。
結果:新しい混合物は燃焼を遅くするだけでなく、発煙量を10倍、持続時間をオリジナルの約5倍に改善。ただし、煙はミントの香りがする緑色になった。
野外では死体に煙が接触する確率が高すぎるという理由で実用化は見送り。


  • 目薬代わりに眼に垂らしてみた
結果:6時間ほど視野が明瞭になり、焦点も合うように。
ただし、全てが緑がかって見え、6時間後には視力は直ちに正常に戻ったが、以前より両目が鮮やかな緑になった
実験した博士は「眼鏡の方がよく見える」とのことだが、あるエージェントは個人用にこのスライムを欲しがっている。


  • コップ2杯の水にスライム大匙一杯を混ぜてみた
結果:水は緑色になったがそれ以外は正常。さらに汚染が78%浄化された。
プールで塩素水の代わりになるかと思われたが、一部のスイマーが死体になる危険を考慮して見送り。


他にもセメントに混ぜたり洗剤や歯磨き粉に使ったり、コンドームと一緒に[削除済み]代わりに使ったりと様々な実験が行われた。
全体的に性能がアップするほか、色が緑になり、かつミントの香りがするようになる。

いくつかは一般販売も検討されたが、ほとんどが死体と接触する可能性があるため、実行には至っていない。


追記・修正は死体に触れないようにお願いします。
























…………で、結局のところSCP-447と死体が接触するとどうなるのか?





わかりません。





実際に死体と触れた記録はあるのだが、O5権限で削除されているため、何が起こるのかはさっぱりわからない。
わかるのは元Keterで、かつ死体に触れさせようとしただけでDクラス降格が待っているということぐらい。

ちなみにブライト博士がO5の前で"偶然に"単なる緑のゼラチンを死体にこぼしたら、そのO5は漏らしたそうな。

扱いを間違えると大変なことになるSCiPは数多いが、ここまでしつこく念を押されるのはこのSCP-447ぐらい。

そのため、ファンの間でも度々何が起こるのか意見が飛び交うSCiP。
ゾンビ化するんじゃねとか、生き返るんじゃねとか、地球が大変なことになりそうとか色々言われているが、真相は不明のままである。
個人的にはアベルが興味を失うという点がヒントになりそうな気が
考えるのもダメだっつってんだろ!

なお、どのレベルの生物からが死体と判定されるのかは謎である。少なくとも大気中に漂っている無数の微生物の死体は恐らくセーフで一般的な「動物」レベルだとアウトなのは間違いなさそうだが、その境目がどこにあるのかは不明。検証実験は絶対に許可されないと思われるので、この謎は永遠に謎のままだろうが。




追記・修正は絶対に死体を用いずにお願いします。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-447 - Ball of Green Slime
by DrClef
http://www.scp-wiki.net/scp-447
http://ja.scp-wiki.net/scp-447


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