SCP-2006

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SCP-2006 - (2020/04/16 (木) 08:56:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/11/12 Sat 13:54:26
更新日:2023/10/15 Sun 05:07:20
所要時間:約 5 分で読めます




死スベキモノヨ我ヲ恐レヨ。我ハ強大ナルRO-MAN! 恐怖ニオノノケエエエエエエ!



た、たのむ強大なるRo-Man! わ、私を傷つけないでくれ!



ハハ、僕だよ、博士! うまくいっただろ?



SCP-2006はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト
項目名は『Too Spooky』。日本語訳は『おおこわいこわい』。

概要

SCP-2006は…そのまあ基本的には直径50センチの球状のなにか。
ただこいつはサイズも見た目もいくらでも変更できるため、ぶっちゃけ見た目に意味はない。

普段はB級映画『ロボット・モンスター』に登場する『Ro-Man*1』の姿をとっていて、
研究者に対して脅かしてくる。…が、別に敵意があるわけではなく、
「びびらせるのが大好き」なだけ。
事実、研究担当のルーフ博士が入ってきた時も「恐怖ニオノノケエエエエエエ!」
と脅かすも、ルーフ博士が驚いた瞬間、「うまくいっただろ?」と笑って話しかける。

そして、SCP-2006は基本的には「相手の示す感情が嘘か本当か見分ける能力が欠如している」。
そのため、ぶっちゃけ恐怖におののいた芝居さえ打てばいい。
つーかRo-Manで検索してみればいいけど全然怖くないです、ぶっちゃけ。

ただし怖がってもらおうと財団から差し入れされたB級ホラー映画を見て熱心に勉強しているので、
是非芝居であっても恐怖の表情を見せてあげよう。
そのため担当職員はみんな、「恐怖と驚愕の表現に焦点を当てた演劇コース」を受講している。




…で、こんなかわいらしい生き物のオブジェクトクラスなんだが…



Keter(収容が困難か不可能であるが、放っておくと世界が滅びたり人類が滅亡するオブジェクト)。




その恐怖の実態

SCP-2006は恐怖の感情の真贋こそ見分けられないが、怖がってくれる表情さえ見せないと流石に感づく。
当たり前であるが。

それで、自分は「とにかく人を怖がらせることにかけては一番だ」というプライドが強いため、
怖がらせるためにとにかく努力する。

そんなやつが、しかも大きさも見た目も自由自在のよくわからない実体がもし外に出て行ったらどうなるか。

例えばあなたは「先生に『二人組を作ってください』と言われる」ことが史上最大の恐怖だとしよう。
そしたら彼は教室を再現し、あなたをハブってペアを組む生徒と先生を再現するだろう。

例えばあなたは昔親に捨てられて、「捨てられることへの恐怖」を抱いていたとしよう。
そしたら彼はあなたが誰からも捨てられて拾われない、という状況を再現してみせるだろう。

例えば核による大量虐殺や、XKシナリオを再現したら?
例えばそれが真に怖い化物の姿をとったら?

彼はあくまで見た目しか再現しない。だが心に宿るトラウマは決して払拭なんてできない。
彼が収容されているサイト-118の管理官オウイングス博士の言葉を借りるなら、
ここで君たちに思い出してもらおう、Keter実体はKeter実体なのだ、どれほど無害に見えようが。
いかにも、SCP-2006は荒ぶる半神でもなければ、再生能力を持つ超トカゲでもない。
だがあれは、財団が収容する他のすべてのKeterと同等の危険を有しているのだ。

ゆえにこいつは絶対に外に逃がすわけにはいかない。
インターネットなんか扱わせた日にはもう……


さて最後に、とあるTaleをひとつ紹介しよう。『恐怖の意味』と題されたそれは、SCP-2006がもし他の恐怖の意味に気付いたら…?
というIFの話である。Taleの作者weizhong氏はSCP-2006の書き手でもあるが、そのSCP-2006のキャラクター性はほぼ似ていながらもどこか違う。



「恐怖。その意味はなんだろう?個人が何かを恐れるというのは、どういう意味だろう?彼らはそれが自分を害すると思うのかな?恐怖症はどうだろう?本質的に害をなすものがそこにあるかい?ないよね。じゃあ恐怖ってなに?

先ほどまで親しげだったナメクジモンスターの声は、突然落ち着いた速度の、ゆっくりと整然としたものになった。陽気で愛想のいいSCP-2006の先ほどまでの興奮気味な調子は、今や微かに嘲笑うような音をにじませ、ウェンズリー博士の耳を不快なやり方で撫ぜて行った。

上述の概要通り、本質的には「おばか」なのがSCP-2006である。
そんなSCP-2006が、このTaleでは序盤こそおバカで陽気な『クリーピング・テラー*2』のナメクジモンスターとして描かれるが、
やがて彼は恐怖とは本質的になにかを考察し、そしてウェンズリー博士にひとつの問いを与える。



「僕が述べているのは、君の思考様式は、君たちが『SCPオブジェクト』を首尾よく収容しおおせている、という信念に基づいている、ということさ。ねえ、こう考えてみてよ。君たちが収容している数多くのオブジェクト、君たちのその力は欺瞞にすぎない。その欺瞞が保たなくなったら?そもそも財団そのものが欺瞞だったなら?」




もちろんSCP-2006が単体で収容違反しても、他のSCPの収容違反なんて起こせないだろう。
でも、彼はそれを見た目だけでも再現できる。

彼がそれを実行しようと思うのだろうか。今はそうでないかもしれない。
でももし彼が見ている『ロボット・モンスター』が、『クリーピング・テラー』が不十分だったなら。
そしてとある場所にいる彫刻が、クソトカゲが、アベルが、ケーキが、人のいい邪神の信徒たちが、
とどめ置かれず外側になってしまったりしたら、という仮定のほうが怖いのだと「理解」したら?







追記・修正はSCP-2006に内なる恐怖を見透かされない人にお願いします。


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